専門用語解説
レンジ相場
レンジ相場とは、一定の価格帯(レンジ)の中で相場が上昇・下落を繰り返し、大きなトレンドが発生しない状態を指します。ボックス圏相場とも呼ばれ、相場の方向性が定まらず、サポートライン(下限)とレジスタンスライン(上限)の間で価格が推移するのが特徴です。これは、売りと買いの勢力が均衡し、相場が大きく動きにくい状況で発生します。
レンジ相場は、経済指標の発表が少なく、市場に大きな材料が不足しているときや、主要な金融政策やイベントを控えて投資家が様子見の姿勢を取っているときに発生しやすくなります。また、需給のバランスが拮抗し、売り買いのどちらにも大きな偏りがない場合もレンジ相場が続く要因となります。
このような相場では、スキャルピングやデイトレードなどの短期売買が有効とされ、サポートライン付近では買い、レジスタンスライン付近では売るというトレード手法が一般的です。一方で、レンジ相場が長く続いた後に価格が上限または下限を抜けると、大きなトレンドが発生する可能性があります。レンジを上抜けするブレイクアウトが起きると、買いが優勢になり上昇トレンドへ移行する可能性が高く、下抜けするブレイクダウンが起きると、売りが優勢になり下降トレンドへ移行する可能性が高くなります。そのため、レンジ相場では短期売買が有効である一方で、ブレイクの兆候を見極めることも重要になります。