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社員持株会とは?

社員持株会とは?仕組みやメリット・デメリットを解説

難易度:

執筆者:

公開:

2024.07.19

更新:

2024.12.11

制度積立

目次

持株会と一般的な株式投資の違い

持株会の仕組み

Step1:持株会の入会手続き

Step2:株式を注文する

Step3:配当金の支払い

Step4:売却時の手続き

証券口座を開設し、自分で株式投資をする場合の仕組み

Step1:口座開設を行う

Step2:株式を注文する

Step3:配当金がでたとき

Step4:売却時の手続き

持株会に入会するメリット

奨励金で元手よりお得に増やせる

1株未満から取得できる

ドルコスト平均法を用いるので、株価の変動リスクを軽減できる

配当金にかかる税務処理が不要

証券口座を開設しないで自社株を積立投資できる

自分たちの仕事と株価の連動を感じられる

持株会はやめとけ、と言われる理由と、入会するデメリット

好きなタイミングで購入や売却ができない

株主優待が受けられない

売却や解約時には会社指定の証券口座を作る必要がある

まとめ:持株会はメリットが多い仕組み

持株会とは、従業員による自社株の定期購入をサポートするために企業で設けられている制度です。

持株会に入ると「奨励金が支給されるらしい」とか「入社の際に説明を受けてなんとなく入ってみたもののよくわからない」など様々なイメージをお持ちではないでしょうか?

持株会は、上手に活用することで会社の業績と連動して自分のお金を増やすことができる、お得な投資方法です。投資したお金は退職金の上乗せや老後資金の補填など様々な用途に活用できます。

本記事では持株会に入会する場合と、持株会に入会せずに株式投資をする場合を比較しながら、持株会の仕組みやメリットとデメリットについて解説します。

持株会と一般的な株式投資の違い

同じ「株を買う」という話でも、持株会と一般的な株式投資は仕組みが異なります。

持株会では社内担当者が代わりに自社株を注文して管理してくれるため、面倒な手続きを省くことができます。一方、一般的な株式投資では、証券口座を開設すること、口座の管理や注文処理などは自分で行う必要があります。

また、持株会で決まったタイミングで株式の購入が行われますが、株式投資では好きなタイミングでの注文や売却が可能です。

持株会の仕組み

持株会は入会の申し込みをしてしまえば、給与や賞与から天引きした資金で、自動的に自社株が積み立てられます。拠出額の変更や売却をしない限り、同じ金額での積み立てが継続され面倒な手続きもありません。

以下ではStep1〜4にわけて具体的な手続きについて解説をします。

Step1:持株会の入会手続き

まずは、持株会に入会し拠出額を決めます。入会可能な時期は会社によって異なりますが、入社時のほか年に2回程度、募集が行われるのでそのタイミングで入会をします。

案内に従って、所定の申込書を提出しましょう。近年ではオンラインで申込する場合もあります。申込書の記入事項は、個人情報や毎月の拠出額などです。詳細は会社によって異なりますので、必ず社内の担当者に確認をしましょう。

Step2:株式を注文する

給与や賞与が支給される度に、会社が全員分まとめて株式を取得して管理します。

つまり一度入会してしまえば、丸ごとお任せで自社株を増やすことができるのです。

株式の取得から保有についての一連の流れは、以下の通りです。

  1. 社内担当者が、証券会社に発注する
  2. 給与や賞与から、拠出額が天引きされる
  3. 天引きした資金で、株式が購入される
  4. 社内の持株会口座で保有

ご自身の保有株数を知りたい場合は、社内担当者に問い合わせましょう。

会員1人ひとりにマイページが発行されてる場合は、ログインすると随時確認できます。

定期的に通知書を配布している会社もあります。

Step3:配当金の支払い

配当金が支払われる場合は、本人の代わりに従業員持株会が代わりに受け取ります。受け取った配当金は再度自社株式の購入に充てられ、配当金額に応じて株式を追加で従業員に割り当てます。

配当金は所得税や住民税が課税されますが、納税に関する処理も社内担当者が代わりに行います。

Step4:売却時の手続き

持株会で取得した株式は、いつでも売却できます。売却する際は、会員本人が以下の手続きを行う必要があるので、早めに申請することをおすすめします。

  1. 指定された証券口座を開設
  2. 社内担当者もしくはマイページで「何株売りたいか」を申請
  3. 会社の持株会口座から、自分の証券口座に移管される
  4. 移管されたことが確認出来たら、売却

証券口座を開設し、自分で株式投資をする場合の仕組み

持株会と異なり、自由に株式を購入や売却できます。売却する際や配当金がでた際の納税処理に気をつけましょう。

Step1:口座開設を行う

まずはご自身で証券会社に口座開設する必要があります。証券口座はご自身の好きな証券会社で開設可能です。

Step2:株式を注文する

審査が承認されたら入金して、株式を注文しましょう。マイページで申請したり、証券会社へ電話したりして行います。証券会社が取引所で注文を実行して購入すると、証券口座に移管されます。

Step3:配当金がでたとき

株主総会で配当金が確定されると、証券口座と紐づいてる銀行口座に現金が振り込まれます。配当金は課税対象ですが、特定口座の場合は配当金支払時には源泉徴収が行われ、確定申告は原則不要ですが、一般口座の場合は確定申告を実施する必要があります。

Step4:売却時の手続き

株式を売却する際は、マイページでの申請や証券会社へ電話して注文できます。証券会社が取引所で売却を行ったあとに、出金できるようになります。売却した株式の譲渡益には約15%の所得税と約5%の住民税がかかるため、確定申告を行ってください。

譲渡益が少額の場合や特定口座やNISA口座を設定していると、確定申告が不要になる場合があります。

持株会に入会するメリット

持株会に入会すると、各種手続きを会社に任せることができるほかに、株価の変動リスクを軽減させたり、奨励金によって拠出額よりも多くの自社株を購入できるなどのメリットがあります。

奨励金で元手よりお得に増やせる

奨励金は、会社が社員の持株会への参加を促すために支給する福利厚生の一つです。

奨励金制度があると、実際の拠出額よりお得に株式を取得できます。例えば、奨励金が5%で毎月の拠出額が10,000円の場合は、給与日に奨励金手当500円(10,000×5%=500円)が上乗せされて自社株が購入されます。つまり、実質10,000円で10,500円分の株式を取得できます。(奨励金の金額等は、会社によって異なります。)

1株未満から取得できる

証券口座を通して自社株を買う場合は、まとまった資金が必要ですが、持株会では毎月1,000円程度から積み立てることができます。株式を取得するハードルが低くなり長期積み立てが出来る点は、投資初心者には特に嬉しいですね。

ドルコスト平均法を用いるので、株価の変動リスクを軽減できる

持ち株会ではドルコスト平均法を利用するため、価格変動リスクを軽減できます。

ドルコスト平均法とは、毎月一定額を同じ日に投資する方法です。これにより、株価が高いときも低いときも同じ金額を投資するため、購入価格が平均化され、価格変動リスクが軽減されます。

例えば、毎月1万円を持ち株会に投資すると、株価が高い月には少ない株数を、株価が低い月には多い株数を購入することとなります。結果として購入価格は平準化されます。

証券口座でもドルコスト平均法で株式の積み立てをすることは可能ですが、単元株での積み立て拠出金額は持株会よりも多くなるケースが多いです。

参考:時間を味方につけてリスク回避!ドルコスト平均法のメリット、デメリットを徹底解説

配当金にかかる税務処理が不要

配当金には所得税と住民税が課税されますが、持株会に入っている間は確定申告が不要です。持株会に入会している間は株式の売却をしない限り税務処理が不要となります。ただし証券口座でも、特定口座を選んだ場合は源泉徴収が行われるので確定申告する必要はありません。

証券口座を開設しないで自社株を積立投資できる

個人で証券口座を開設して株式を発注するより、持株会に入会して申請するだけの方が圧倒的に簡単です。株式取得後も会社が管理してくれるので、セキュリティ面も安心できます。投資初心者の方や、他社の株式投資を行う予定のない方には、持株会がおすすめです。

自分たちの仕事と株価の連動を感じられる

持株会を利用することで、自分たちの仕事の成果が株価に反映されるのを実感できます。

自社株を保有することで、仕事の成果が株価に反映されるのを直接感じることができます。

自社の株価が上がれば、保有する株式の価値も上がり、拠出金額よりも含み益が出ます。逆に株価が下がれば損失を感じることになります。これにより、自分たちの業績が株価にどのように影響するかを実感できます。

持ち株会を通じて、自分たちの仕事の成果が株価に反映されるのを実感できるのは、大きなメリットです。

持株会はやめとけ、と言われる理由と、入会するデメリット

一方で、持株会に加入することにはデメリットもあり、持株会に入るのはやめたほうがいい、という人もいます。「好きなタイミングで株式取得ができない」「株主優待を受けられない」「売却時の手続きが面倒」「自分の好きな証券口座を選べない」などが挙げられます。

好きなタイミングで購入や売却ができない

持株会で自社株を購入する場合、自分で株式を購入する場合と比べて、タイミングが限られます。持株会は買付日が「給与支給日の翌営業日」などと決められているからです。

売却する際も会社を経由するためステップも増え、細かい日時まで指定することが困難です。

たとえば「緊急でまとまった資金が必要だから売却したい」場合は、希望通りの対応が難しいでしょう。

短期売買による利益を狙いたい方には、証券口座を利用することをおすすめします。

株主優待が受けられない

株式を保有することで、その会社のお気に入りの商品やギフト券などをもらえることは、株の楽しさの一つですが、持株会の会員は株主優待を受けることができません。

一般的に、自社株を保有している従業員は、株主としての権利を放棄しなければいけないからです。

ですが、実は株主優待を行っていない企業も多くあります。気になる方は、お勤め先が株主優待を行っているか、優待の内容について確認してから判断すると良いでしょう。

売却や解約時には会社指定の証券口座を作る必要がある

持株会の株式を一部売却もしくは退会する際は、自分の証券口座を開設する必要があります。また開設するのは「会社が指定した証券会社」のと決められおり、メインの取引証券口座と異なる場合は、管理が面倒になります。

まとめ:持株会はメリットが多い仕組み

持株会に入会すると、自社株にお得に簡単に積み立て投資することが可能です。会社が口座を管理してくれるため手間も少なく、短期的な株価の値動きに振り回される心配もありません。

持株会では株主優待を受けられない、最後は会社が指定した証券口座を作らなければいけないなどのデメリットもあります。

しかしメリットとデメリットを比べてみると、奨励金により通常よりお得に簡単に株式を積み立てることができるなどメリットが多い制度です。

短期的に利益が出るサービスではありませんが、長期的に加入しておくことで退職後の資金作りに活かせるため、まずは少額からでも試してみてはいかがでしょうか。

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投資のコンシェルジュ編集部

MONO Investment

投資のコンシェルジュ編集部は、投資銀行やアセットマネジメント会社の出身者、税理士など「金融のプロフェッショナル」が執筆・監修しています。 販売会社とは利害関係がないため、主に個人の資産運用に必要な情報を、正確にわかりやすく、中立性をもってコンテンツを作成しています。

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