貯蓄型保険にはどんなメリットがありますか?
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2025/07/17 07:45
男性
50代
将来のお金の備えとして銀行の定期預金を考えましたが、利息がほとんど付かないため、貯蓄型保険も検討しています。貯蓄型保険には具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか?
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
貯蓄型保険は、保険本来の「保障」に加え、資産形成機能を備えた金融商品です。銀行預金とは異なり、毎月決まった保険料が自動的に引き落とされるため、計画的な貯蓄が苦手な方でも継続的に資産を積み立てることができます。
大きな特徴は、将来の受取額や運用利回りがあらかじめ決まっている商品が多いことです。特に円建ての終身保険や個人年金保険では、契約時に将来の返戻率や保険金額が確定するため、長期的な資産計画を立てやすく、相場変動に左右されない「安心の運用」が可能です。
また、実務的なメリットとして税制面も挙げられます。払込期間中は「生命保険料控除」により所得税・住民税の軽減が可能であり、受取時の死亡保険金については、法定相続人一人あたり500万円まで非課税となるため、相続対策としても活用できます。
さらに、インフレや円安への備えとして、外貨建て保険や変額保険などの選択肢もあります。これらは元本保証がない分、利回りが期待できる商品もあり、資産の一部を成長性のある運用に振り向けたい方にとって有効な選択肢となります。
急な資金需要に備えて「契約者貸付制度」を利用すれば、契約を解約せずに現金を引き出すことも可能であり、一定の柔軟性も備えています。
ただし、貯蓄型保険は一般に、加入から数年間は解約返戻金が払込保険料を下回る(元本割れする)ケースが多く、短期での解約は不利となります。メリットを享受するには10年以上の長期的視点で活用することが前提となります。
加入にあたっては、保障内容・利率・為替リスク・返戻スケジュールなどを十分に理解し、自身のライフプランに合った設計を検討することが重要です。
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関連する専門用語
生命保険料控除
生命保険料控除とは、個人が支払った生命保険料に応じて、所得税や住民税の課税所得額を一定金額まで減らすことができる税制上の優遇制度です。この控除によって、納める税金が軽減されるため、実質的に保険料の一部が戻ってくる効果があります。 対象となる保険は、「一般生命保険」「介護医療保険」「個人年金保険」の3つの区分に分かれており、それぞれに控除限度額が設けられています。控除を受けるには、保険会社から発行される控除証明書を年末調整や確定申告の際に提出する必要があります。保険による万一への備えと、節税効果の両方を得られる制度として、多くの人に活用されています。初心者にとっても、生命保険を契約する際にはこの控除制度の存在を知っておくことで、より効果的な保険選びや家計管理につなげることができます。
契約者貸付制度
契約者貸付制度とは、生命保険などの契約者が、契約中の保険に積み立てられた解約返戻金の一部を担保として、お金を借りることができる仕組みです。 つまり、自分が支払った保険料の一部を、必要なときに一時的に借りることができる制度です。返済期間に厳しい制限はないものの、借りた金額には所定の利息がかかります。 返済をせずに保険を解約した場合は、返戻金から借入額と利息が差し引かれる仕組みになっています。急な出費が発生したときに、保険を解約せずに資金を用意できるため、いざというときの備えとして役立つ制度です。
元本割れ
元本割れとは、投資で使ったお金、つまり元本(がんぽん)よりも、最終的に戻ってきた金額が少なくなることをいいます。たとえば、100万円で投資信託を購入したのに、解約時に戻ってきたのが90万円だった場合、この差額10万円が損失であり、「元本割れした」という状態です。 特に、価格が変動する商品、たとえば株式や投資信託、債券などでは、将来の価格や分配金が保証されているわけではないため、元本割れのリスクがあります。「絶対に損をしたくない」と考える方にとっては、このリスクを正しく理解することがとても重要です。金融商品を選ぶときには、利回りだけでなく元本割れの可能性も十分に考慮しましょう。
変額保険
変額保険とは、死亡保障を持ちながら、保険料の一部を投資に回すことで、将来受け取る保険金や解約返戻金の金額が運用成績によって変動する保険商品です。 保険会社が提供する複数の投資先から自分で選んで運用することができるため、運用がうまくいけば受け取る金額が増える可能性があります。 ただし、運用がうまくいかなかった場合は、受け取る金額が減ることもあります。保障と資産運用の両方を兼ね備えた商品ですが、元本保証がない点には注意が必要です。投資初心者の方には、仕組みを十分に理解したうえで加入することが大切です。
外貨建て保険
外貨建て保険とは、保険料の支払いや保険金の受け取りなどが、日本円ではなく米ドルや豪ドルなどの外貨で行われる保険商品のことをいいます。主に終身保険や年金保険の形で提供されており、日本国内の低金利環境に対する対策として注目されることがあります。 外貨建て保険の魅力は、円建ての保険よりも高い利回りが期待できる点ですが、その反面、為替レートの変動によって実際に受け取る金額が目減りするリスクもあります。また、為替手数料や解約時のコストがかかることもあるため、加入する際には仕組みをしっかり理解し、自分の資産運用方針やリスク許容度に合っているかを見極めることが大切です。特に長期で保有する場合には、為替動向や国際情勢にも一定の関心を持つ必要があります。
非課税枠
非課税枠とは、税金が課されない金額の上限を指し、様々な税制に適用される制度。 例えば相続税では基礎控除額として「3,000万円+600万円×法定相続人数」が非課税枠となる。贈与税では年間110万円までの贈与が非課税。また、NISA(少額投資非課税制度)では年間の投資上限額に対する運用益が非課税となる。 このような非課税枠は、税負担の軽減や特定の政策目的(資産形成促進など)のために設定されており、納税者にとって税金対策の重要な要素となっている。