代表的な資産クラスの種類と特徴を教えてください。
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2025/07/09 13:38
男性
40代
資産運用を始めたいと思っていますが、知人から資産クラスについて知っておい他方がいいと言われました。株式や債券以外にもさまざまな種類があると聞いたのですが、具体的にどのような種類の資産があり、どんな特徴があるのか教えていただけますか?
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
資産クラスは大きく6つに分けて考えるとわかりやすいです。
①株式は企業の成長に期待して投資しますが、景気悪化時には大きく値下がりすることがあります。
②債券は国や企業への貸付のようなもので、利息が得られます。株式より値動きは小さいものの、金利が上がると価格が下がる性質があります。
③不動産(REIT)は家賃収入が見込め、物価と連動しやすいですが、金利上昇には弱い面もあります。
④コモディティ(金や原油など)は価格の変動が大きいですが、インフレ時に強く、他の資産と異なる動きをします。
⑤現金や短期資産は安全性が高く、暴落時の待機資金として有効ですが、長期で持つと物価上昇で価値が目減りします。
⑥オルタナティブ資産(暗号資産・ヘッジファンドなど)は高リターンも期待できますが、値動きが激しく注意が必要です。
さらに実際の資産運用では、たとえば「米国株」「日本の債券」「欧州の不動産」など、これら6つの分類をさらに細かく分けて、それぞれのリターンやリスクを見ていくことが重要になります。投資信託やETFも一つの商品に複数の資産が含まれているため、中身をしっかり確認することが必要です。
こうした判断は慣れないと難しいため、自分に合った資産配分を考えるには、中立的な専門家に相談するのが安心で確実な方法です。目的やリスクの考え方に応じて、無理のない形で組み立てることが、長く資産を育てるコツになります。
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ポートフォリオ
ポートフォリオとは、資産運用における投資対象の組み合わせを指します。分散投資を目的として、株式、債券、不動産、オルタナティブ資産などの異なる資産クラスを適切な比率で構成します。投資家のリスク許容度や目標に応じてポートフォリオを設計し、リスクとリターンのバランスを最適化します。また、運用期間中に市場状況が変化した場合には、リバランスを通じて当初の配分比率を維持します。ポートフォリオ管理は、リスク管理の重要な手法です。
REIT(Real Estate Investment Trust/不動産投資信託)
REIT(Real Estate Investment Trust/不動産投資信託)とは、多くの投資家から集めた資金を使って、オフィスビルや商業施設、マンション、物流施設などの不動産に投資し、そこで得られた賃貸収入や売却益を分配する金融商品です。 REITは証券取引所に上場されており、株式と同じように市場で売買できます。そのため、通常の不動産投資と比べて流動性が高く、少額から手軽に不動産投資を始められるのが大きな特徴です。 投資家は、REITを通じて間接的にさまざまな不動産の「オーナー」となり、不動産運用のプロによる安定した収益(インカムゲイン)を得ることができます。しかも、実物の不動産を所有するわけではないので、物件の管理や修繕といった手間がかからない点も魅力です。また、複数の物件に分散投資しているため、リスクを抑えながら収益を狙える点も人気の理由です。 一方で、REITの価格は、不動産市況や金利の動向、経済環境の変化などの影響を受けます。特に金利が上昇すると、REITの価格が下がる傾向があるため、市場環境を定期的にチェックしながら投資判断を行うことが重要です。 REITは、安定した収益を重視する人や、実物資産への投資に関心があるものの手間やコストを抑えたい人にとって、有力な選択肢となる資産運用手段の一つです。
コモディティ
コモディティは、世界で標準化された形で売買される原材料・一次産品の総称で、貴金属(金・銀・プラチナ)、エネルギー資源(原油・天然ガス)、農産物(小麦・トウモロコシ・大豆)、産業用金属(銅・アルミニウム)などに分類される。 投資経路は大きく四つある。①現物保有(地金やコイン)、②先物取引、③商品指数連動型ETF・ETN、④コモディティファンド。実務では先物を組み込んだETFが主流で、代表的な指数にブルームバーグ・コモディティ・インデックスや S\&P GSCI がある。 価格は需給バランス、在庫統計、OPEC政策、地政学リスク、天候、為替など多様な要因で変動する。先物運用では限月乗り換え時のロールコスト(コンタンゴ)や信託報酬がリターンを圧迫し、現物保有では保管・保険料、税制(例:金地金の譲渡益は総合課税)が影響するため、コスト構造の把握が欠かせない。 コモディティは株式・債券との相関が相対的に低く、インフレ率と連動しやすいことから、分散投資とインフレヘッジに有効とされる。一方で短期的な価格変動が大きく、資産配分比率や取引手段を目的に合わせて設計し、損失許容度に応じたリスク管理を徹底することが重要となる。
インフレヘッジ
インフレヘッジとは、物価が上昇する「インフレーション」の影響から資産の価値を守るための対策や投資方法のことをいいます。インフレが進むと、お金の価値が下がり、同じ金額でも買えるモノやサービスの量が減ってしまいます。そうした状況でも資産の実質的な価値を保つために、物価と一緒に価値が上がりやすい資産、たとえば不動産や金(ゴールド)、インフレ連動債などに投資するのが一般的です。インフレヘッジは、将来のお金の価値が目減りするリスクに備えるための重要な考え方です。
流動性
流動性とは、資産を「現金に変えやすいかどうか」を表す指標です。流動性が高い資産は、短時間で簡単に売買でき、現金化しやすいという特徴があります。例えば、上場株式や国債は市場で取引量が多く、いつでも売買できるため、流動性が高い資産とされています。 一方、不動産や未上場株式のように、売買相手を見つけるのが難しかったり、取引に時間がかかったりする資産は、流動性が低いといえます。 投資をする際には、自分が必要なときに資金を取り出せるかを考えることが重要です。特に初心者は、流動性が高い資産を選ぶことで、急な資金需要にも対応しやすく、リスクを抑えることができます。
オルタナティブ資産(代替資産)
オルタナティブ資産(代替資産)とは、株式や債券などの伝統的な金融資産とは異なる性質を持ち、ポートフォリオに多様性を加える目的で投資される資産のことです。代表的な代替資産には、不動産、ヘッジファンド、プライベート・エクイティ、コモディティ(金・原油など)、インフラ投資、暗号資産(仮想通貨)などがあります。 これらの資産は、通常の市場と異なる値動きをすることが多く、伝統的資産との相関が低いとされています。そのため、市場の変動リスクを和らげる「分散投資」の一環として、特に機関投資家や富裕層の間で積極的に活用されています。ただし、流動性が低かったり、価格の透明性が乏しかったりすることもあるため、運用には十分な理解と注意が必要です。