SPIVAは、投資判断にどう生かせますか
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2025/06/24 20:03
男性
30代
投資信託選びでは実力を客観的に測る指標が欲しいと感じています。最近「SPIVA」という名を見かけますが、誰が発行し、どのような情報を載せているのかよく分かりません。投資家はこのレポートから何を読み取り、どのように活用しているのでしょうか?
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
SPIVA(S&P Indices Versus Active)は、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスが年2回公表する無料レポートです。各国・各資産クラスの公募アクティブファンドを網羅し、対応するS&P指数とのリターンを1年・3年・5年・10年など複数期間で比較しています。勝率(指数を上回れたファンドの割合)に加え、清算・統合ファンドを含めた平均リターンを均等加重と資産加重の両面で示すため、「生存バイアス」を排除した客観データとして活用できます。
投資家はまず自分が投資対象とする地域・資産クラスのページを確認し、長期でアクティブの勝率が低い分野ではコストの低いインデックス型を軸に、逆に勝率が高いニッチ市場では優れたアクティブファンドを絞り込む、といった戦略を立てやすくなります。また期間別データから「短期で勝っていても長期では負ける」パターンを把握できるため、タイミング依存の判断を避ける助けにもなります。SPIVAは万能の予測ツールではありませんが、アクティブとパッシブの使い分けを数値で裏付ける出発点として有効です。
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SPIVA(スパイバ)
SPIVA(スパイバ)とは「S&P Indices Versus Active」の略で、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスが定期的に発表しているレポートのことです。このレポートでは、アクティブ運用の投資信託が、S&Pのような市場平均を示すベンチマークと比べて、どの程度の成績を上げているかが示されます。 つまり、プロのファンドマネージャーが運用する投資信託が、市場平均に勝っているのか、それとも負けているのかを確認するための資料です。多くの国や地域を対象にしたデータがあり、アクティブ運用とパッシブ運用を比較するときによく使われます。特に、長期的には市場平均に勝てるアクティブファンドが少ないという結果がよく示されることから、投資判断の参考として非常に重要です。
S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス
S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスは、世界的な金融情報会社であるS&Pグローバルの一部門で、株価指数をはじめとしたさまざまな市場指標を開発・提供している機関です。代表的な指数には、S&P500やダウ工業株30種平均(ダウ平均)があり、これらは世界中の投資家にとって市場の動向を把握するための重要な指標となっています。 また、アクティブ運用とパッシブ運用の成績を比較する「SPIVA」レポートもこの機関が発表しており、投資判断において広く参照されています。信頼性が高く、世界的な金融市場の基準を作る役割を果たしています。
スタンダード&プアーズ(S&P)
スタンダード&プアーズ(S&P)は、アメリカを本拠とする世界的な信用格付機関の一つで、ムーディーズ、フィッチと並ぶ「三大格付機関」として広く知られています。S&Pは、企業、国、地方自治体、金融商品などに対して信用格付を行い、投資家が信用リスクを判断するための基準を提供しています。 信用格付は「AAA」から「D」までの記号で示され、発行体の財務健全性や返済能力に基づいて評価されます。また、S&Pは株価指数の提供者としても有名で、「S&P500」はアメリカ株式市場を代表する株価指数のひとつとして世界中で参照されています。S&Pの格付は、金融市場における金利設定や資金調達コスト、投資判断に大きな影響を与えるため、グローバル投資の基準として極めて重要な存在です。
アクティブファンド
アクティブファンドとは、運用のプロであるファンドマネージャーが、市場の平均を上回るリターンを目指して積極的に銘柄を選んで運用するタイプの投資信託のことです。 具体的には、独自の分析や調査にもとづいて、将来性があると見込まれる企業や、割安と判断される株式などに投資を行います。こうした運用には高度な専門知識と時間が必要となるため、同じ投資信託でも市場平均への連動を目指す「パッシブファンド」より運用コスト(信託報酬など)が高めになる傾向があります。しかし、その分大きなリターンを狙える可能性もある点が魅力です。 ただし、アクティブファンドだからといって必ずしも市場平均を上回るとは限らないことに注意が必要です。投資判断がうまくいかなかった場合は、損失が出たり、パッシブファンドに劣る成績となったりすることもあります。 投資初心者の方は、ファンドマネージャーの運用実績やファンドの方針、運用コストなどをよく調べたうえで、自分の投資目的やリスク許容度に合った商品を選ぶことが大切です。購入前に「過去の運用成績」や「運用レポート」を確認し、アクティブファンドの特徴を理解してから投資を始めましょう。
インデックスファンド
インデックスファンドとは、特定の株価指数(インデックス)と同じ動きを目指して運用される投資信託のことです。たとえば「日経平均株価」や「TOPIX(東証株価指数)」などの市場全体の動きを示す指数に連動するように設計されています。この仕組みにより、個別の銘柄を選ぶ手間がなく、市場全体に分散投資ができるのが特徴です。また、運用の手間が少ないため、手数料が比較的安いことも魅力の一つです。投資初心者にとっては、安定した長期運用の第一歩として選びやすいファンドの一つです。
パッシブ運用
パッシブ運用とは、投資信託を選ぶ際の運用手法の一つ(対義語:アクティブ運用)。比較のために用いる指標であるベンチマーク(日経平均やNASDAQなど)と同様の動きを目標とする運用手法で、組み入れ銘柄数は多くなる傾向がある。パッシブ運用はアクティブ運用に比べて販売手数料や信託報酬などのコストは安くて済むが、リスクが分散される分、リターンも小さくなるという特徴がある。