変額保険は、受け取れる保険金が変動する仕組みの商品ですか?
回答受付中
0
2025/06/12 10:55
男性
30代
金融機関で「保障と資産形成を同時に狙える」と勧められましたが、運用成績が悪ければ元本割れすると聞いて不安です。保険なのにリスクを負う理由や、最低保証がどこまで機能するのかを含め、変額保険の仕組みとメリット・デメリットを具体的に知りたいのですが、どう理解すればよいでしょうか?
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
変額保険は、支払った保険料を二つに分け、保障部分は一般勘定で運用し、残りを特別勘定という投資信託型ファンドで運用します。特別勘定では株式や債券など複数の資産クラスが用意され、選択や配分変更は契約者が行います。運用成果が良ければ解約返戻金と将来の死亡保険金が増えますが、相場下落や為替変動で基準価額が下がれば元本割れします。価格変動リスクと為替リスクを契約者が負う点が一般の終身保険と最も異なります。
一方で、多くの商品は死亡保険金に「基本保障額」が設定されており、運用が大幅に目減りしても死亡時には最低限の保障が受け取れます。ただし、この最低保証は解約返戻金には及ばず、途中解約時に元本割れする可能性は残ります。契約前には①特別勘定の資産配分が自分のリスク許容度に合うか、②運用管理費用が長期成績に与える影響、③最低保障額の水準と条件を確認してください。投資部分の変動を許容し長期で運用できる人には、保険機能付き投資商品として選択肢となりますが、短期での資金確保や元本確保を重視する場合は他の保険や純粋な投資商品と比較して判断する必要があります。
関連記事
関連質問
関連する専門用語
死亡保険金
死亡保険金とは、生命保険契約において、被保険者が死亡した際に受取人に支払われる保険金のことを指す。受取人や契約形態によって、相続税・所得税・贈与税のいずれかの課税対象となる場合がある。
解約返戻金
解約返戻金とは、生命保険などの保険契約を途中で解約したときに、契約者が受け取ることができる払い戻し金のことをいいます。これは、これまでに支払ってきた保険料の一部が積み立てられていたものから、保険会社の手数料や運用実績などを差し引いた金額です。 契約からの経過年数が短いうちに解約すると、解約返戻金が少なかったり、まったく戻らなかったりすることもあるため、注意が必要です。一方で、長期間契約を続けた場合には、返戻金が支払った保険料を上回ることもあり、貯蓄性のある保険商品として活用されることもあります。資産運用やライフプランを考えるうえで、保険の解約によって現金化できる金額がいくらになるかを把握しておくことはとても大切です。
元本割れ
元本割れとは、投資で使ったお金、つまり元本(がんぽん)よりも、最終的に戻ってきた金額が少なくなることをいいます。たとえば、100万円で投資信託を購入したのに、解約時に戻ってきたのが90万円だった場合、この差額10万円が損失であり、「元本割れした」という状態です。 特に、価格が変動する商品、たとえば株式や投資信託、債券などでは、将来の価格や分配金が保証されているわけではないため、元本割れのリスクがあります。「絶対に損をしたくない」と考える方にとっては、このリスクを正しく理解することがとても重要です。金融商品を選ぶときには、利回りだけでなく元本割れの可能性も十分に考慮しましょう。
運用リスク
運用リスクとは、投資の成果が期待通りにならず、損失が発生する可能性を指します。市場の変動や経済情勢の変化、ファンドマネージャーの判断ミスなどが要因となります。運用リスクを軽減するためには、資産を分散して投資することが効果的です。
変額終身保険
変額終身保険とは、一生涯の保障を持ちながら、保険料の一部を株式や債券などで運用する仕組みを備えた生命保険です。 この保険では、運用成績によって解約返戻金や死亡保険金の金額が増減するのが大きな特徴です。 運用が順調に進めば、将来的に受け取れる金額が増える可能性がありますが、逆に運用が不調な場合には、受取額が少なくなるリスクもある点には注意が必要です。 とはいえ、多くの商品では「最低保障額」が設定されており、万が一のときに最低限の保障は確保される**ため、一定の安心感もあります。 保障と資産運用を一つの商品で両立させたい方に向いていますが、加入する際は、リスクの内容や仕組みをきちんと理解しておくことが大切です。
特別勘定
特別勘定とは、主に保険会社が提供する変額保険や年金商品などで使われる仕組みで、契約者から預かったお金を、会社の他の資産とは分けて管理するための専用の勘定のことです。 この仕組みにより、運用による損益は契約者に直接反映され、保険会社の経営状況とは切り離して資産が守られる仕組みになっています。 たとえば、変額保険では、特別勘定の中で株式や債券などの資産を運用し、その運用結果によって将来受け取る金額が変動します。初心者にとっては、特別勘定は「自分のお金がどのように運用されているかが見える透明な箱」とイメージすると理解しやすいです。