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ソフトバンク社債は安全なのか?

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2025/03/10 22:51


男性

60代

question

ソフトバンクは個人向け社債を頻繁に発行しているようですが、実際に投資しても問題ない安全な社債なのでしょうか?信用格付けや企業の財務状況を考慮した場合、倒産リスクはどの程度あるのかも気になります。


回答

佐々木 辰

株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長

ソフトバンク社債を検討する際は、発行体が①通信事業主体のソフトバンク株式会社(SB Corp)か、②投資持株会社のソフトバンクグループ株式会社(SBG)かで信用度が大きく異なる点をまずご確認ください。

SB Corp は 2024 年12 月に Fitch が長期 IDR を「BBB+/安定的」、2025 年1 月に S&P が発行体格付を「BBB/安定的」で付与しており、投資適格の下位レンジに位置づけられています。

一方、SBG は 2025 年4 月に日本格付研究所(JCR)が長期発行体格付「A」を据え置きながらアウトルックを「ネガティブ」へ変更し、S&P は引き続き投機的等級の「BB+/安定的」で評価しています。傘下ファンドの投資評価損や高水準の有利子負債により、格下げリスクが意識されています。

統計上、Moody’s による Baa(BBB 相当)発行体の平均年間デフォルト率は 0.19%と低位にとどまる一方、S&P が公表する世界の投機的等級(BB+以下)発行体の 2024 年度デフォルト率は 3.9%まで上昇しています。SB Corp 債は前者に近いリスク水準、SBG 債は後者に近い水準を念頭に置く必要があります。

投資にあたっては、次の4点を必ずご確認ください。

1.発行体の違い―証券会社の販売画面で「株式会社」か「グループ」かを見分ける。 2.債券の種類―SBGは劣後債や社債型種類株式(ハイブリッド債)が多く、元本弁済順位や繰上償還条項を精査する。 3.金利変動・流動性―高利回りほど価格変動が大きく、二次流通の出来高も限定的。 4.親会社リスク―SB Corp債でも、将来的な配当制限や支配関係の変化が信用力に波及する可能性を念頭に置く。

結論として、通信子会社(SB Corp)の投資適格債をポートフォリオの一部として期間・銘柄を分散保有するのであれば、相対的にリスク管理はしやすいといえます。一方、高利回りを狙って持株会社(SBG)のハイブリッド債などに集中投資する場合は、格付変動やスプレッド急拡大による価格下落を許容できるか慎重に検討してください。最新の格付・開示資料を定期的に追い、必要に応じて他社債や国債、上場投信などで分散を図ることが安全性向上の基本となります。

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社債

社債とは、企業が事業資金を調達するために発行する「借金の証書」のようなものです。投資家は社債を購入することで企業にお金を貸し、その見返りとして、あらかじめ決められた利息(クーポン)を一定期間ごとに受け取ることができます。満期が来れば、企業は投資家に元本を返済します。 銀行からの融資とは異なり、社債は不特定多数の投資家から直接資金を集める方法であり、企業にとっては柔軟かつ効率的な資金調達手段です。 投資家にとって社債の魅力は、株式に比べて価格の変動が小さく、定期的な利息収入が得られる点にあります。一方で、発行体である企業が経営破綻した場合、元本が戻らないリスクがあるため、信用格付けや業績などを十分に確認することが重要です。 安定的な収益を目指しつつ、リスク管理も重視する投資家にとって、社債はポートフォリオの中核を担いうる資産クラスのひとつです。

投資適格

投資適格とは、信用格付け機関が企業や債券の信用力を評価する際に、一定以上の安全性があると認定された格付けを指す。S&Pの格付けではBBB-以上、ムーディーズではBaa3以上が投資適格とされる。これらの債券はデフォルトのリスクが低く、機関投資家を中心に安定的な投資対象とされる。一方で、投資適格債はリスクが低い分、利回りも低くなる傾向がある。金融市場では、投資適格と投機的格付けの境界を意識した投資判断が重要とされる。

格付け(信用格付け)

格付け(信用格付け)とは、取引をする際に参考にされる基準の一つで、取引の相手側の信用度を確認するために支払い能力や財務状況、安全性などを総合的にランク付けしたものである。アルファベットや数字で表されるのが一般的である。 (例)格付投資情報センター(https://www.r-i.co.jp/index.html) による発行体格付の定義 AAA:信用力は最も高く、多くの優れた要素がある。 AA:信用力は極めて高く、優れた要素がある。 A:信用力は高く、部分的に優れた要素がある。 BBB:信用力は十分であるが、将来環境が大きく変化する場合、注意すべき要素がある。 BB:信用力は当面問題ないが、将来環境が変化する場合、十分注意すべき要素がある。 B:信用力に問題があり、絶えず注意すべき要素がある。 CCC:発行体の金融債務が不履行に陥る懸念が強い。 CC:発行体の金融債務が不履行に陥っているか、その懸念が極めて強い。 C:発行体のすべての金融債務が不履行に陥っているとR&Iが判断する格付。

債務不履行(デフォルト)

債務不履行(デフォルト)とは、企業や国などの債務者が、借入金や債券などの元本や利息の支払いを、契約どおりに履行できなくなる状態を指します。利払いの遅延や元本返済の停止が発生した時点で、デフォルトとみなされます。 債務不履行が発生すると、債券を保有している投資家は、予定されていた利息や元本の一部または全額を受け取れないリスクに直面し、損失を被る可能性があります。特に、国による債務不履行(ソブリン・デフォルト)は、為替市場や株式市場にも連鎖的な影響を与え、国際的な金融不安を引き起こす要因となることがあります。 また、支払いの一時的な遅延や手続上の不備によって形式的に契約違反が生じる「テクニカル・デフォルト」というケースも存在します。これは即時の経済的破綻を意味するわけではありませんが、発行体の信用力に対する警戒が強まるきっかけとなり得ます。 投資においては、こうしたデフォルトの可能性(デフォルトリスク)をあらかじめ評価し、債券の発行体の財務状況や格付、市場環境を踏まえてリスク管理を行うことが重要です。

発行体

発行体とは、債券や株式などの金融商品を市場に出して資金を調達する側のことを指します。債券であれば、お金を借りる側であり、投資家から集めた資金を使って事業活動や設備投資などを行います。発行体には、国や地方自治体、企業、政府機関などさまざまな種類があります。投資家にとっては、発行体の信用力や財務状況がその金融商品の安全性や利回りに大きく影響するため、誰が発行しているのかをしっかりと確認することが重要です。信頼できる発行体であれば、安定した利息や元本の返済が期待できます。

劣後債

劣後債とは、企業や金融機関が資金調達のために発行する債券の一種で、通常の社債(シニア債)よりも弁済順位が低い(劣後する)債券のことです。発行体が破綻した場合、一般の債券や他の債権者への支払いが優先され、劣後債の保有者への弁済はその後に行われるため、元本や利息の支払いリスクが相対的に高くなります。 このリスクの高さを補うため、劣後債は通常の社債よりも利回りが高めに設定されており、リスクプレミアムが反映されたハイリスク・ハイリターンの投資対象として位置づけられます。劣後債には、シニア劣後債とジュニア劣後債があり、ジュニア劣後債の方がさらに弁済順位が低いため、リスクが高くなる傾向にあります。 特に、金融機関が発行する劣後債の一部(例:AT1債やTier 2債)は、国際的な銀行規制であるバーゼル規制に基づき、一定の条件を満たせば自己資本として算入できるため、自己資本比率を向上させる手段として利用されています。ただし、AT1債(追加的Tier 1債)は発行体の財務状況によって利息の支払いが停止される可能性もあるため、リスクが高くなります。 投資家にとっては、高い利回りの魅力がある一方で、発行体の信用リスクや市場環境を十分に考慮した慎重な判断が求められる金融商品です。また、流動性が低く、満期前に売却が難しい場合がある点にも注意が必要です。

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