中央銀行デジタル通貨(CBDC)はどんな通貨ですか?
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2025/05/14 10:36
男性
30代
キャッシュレス化が進む今、各国中銀が進めるCBDCとは具体的にどんな仕組みで、電子マネーや銀行預金とどこが違うのでしょうか。私たちが日常で使うときの利便性や注意点は何でしょうか。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
CBDCは中央銀行が直接発行し、その残高は中央銀行バランスシートに計上されるため発行主体の破綻リスクを負いません。電子マネーは民間企業が発行し、残高は発行会社への債権にすぎないため、破綻時には払い戻し上限や滞留期間の制約を受ける恐れがあります。
決済の最終性にも差があり、電子マネーや銀行振込は民間清算ネットを経由して後段で中央銀行マネーに置き換わりますが、CBDCは取引完了時点で公的マネーによる即時かつ最終的な決済が完結します。法定通貨との交換保証では、CBDCは常に1対1で現金と交換でき、残高上限もありません。
リテール型CBDCが導入されれば、個人や企業は中央銀行口座または民間ウォレットを通じて24時間リアルタイム送金が可能となり、オフライン送金機能も検討されています。社会的には現金輸送コスト削減や偽札排除、給付金や税務処理の効率化が期待される一方、サイバー攻撃や大規模障害への備え、取引データのプライバシー保護とマネロン対策の両立が導入時の注意点となります。
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CBDC(中央銀行デジタル通貨)
CBDC(中央銀行デジタル通貨)とは、国の中央銀行が発行するデジタル形式の法定通貨のことです。現在私たちが使っている紙幣や硬貨と同じく、国家によって価値が保証される通貨ですが、完全に電子的な形で発行され、スマートフォンや専用のアプリなどを通じて利用されます。 これはビットコインなどの暗号資産とは異なり、価格の安定性や信用力が国家の信用によって支えられているのが特徴です。CBDCの導入により、現金を持ち歩かなくても安全で即時的な決済が可能になるほか、金融サービスにアクセスできない人々への支援(金融包摂)や、送金コストの削減などの効果も期待されています。 また、将来的には金融政策の新しい手段として、利子付きのデジタル通貨の発行や流通量の管理など、経済全体への影響力を高めるツールとしても注目されています。資産運用を考える際にも、通貨制度の変化や金融システムの進化がどのように市場に影響するかを理解するために、重要な用語となります。
中央銀行
中央銀行とは、国や地域の金融の安定を保つために設置された特別な銀行で、民間の銀行とは異なり、通貨の発行や金利の調整など、経済全体に関わる重要な役割を担っています。 日本では「日本銀行(にっぽんぎんこう)」がその役割を果たしており、インフレ目標の達成や金融政策の実施、さらには銀行間の決済や国の資金管理などを行っています。資産運用においても、中央銀行の発表する政策金利や金融緩和・引き締めの方針は、株式市場や為替、債券の価格に大きな影響を与えるため、その動向を注視することがとても重要です。
バランスシート(BS/貸借対照表)
バランスシートとは、ある時点における企業や個人、政府の財政状態を一覧で示す貸借対照表のことで、左側に資産、右側に負債と純資産(資本)を記載し、資産=負債+純資産の恒等式で均衡を保つ構造になっています。 企業の場合は現金、売掛金、設備などの資産に対し、借入金や買掛金といった負債、そして株主資本が並び、これを分析することで財務の健全性や資金繰り、過剰なレバレッジの有無を判断できます。中央銀行や政府のバランスシートも、金融政策や財政運営の影響を見極めるうえで重要です。 こうした視点は個人にも当てはまり、預貯金、投資信託、株式、不動産、確定拠出年金などを資産とし、住宅ローンや教育ローン、クレジット残高などを負債として整理すれば、その差額が純資産(ネットワース)となります。個人が自らのバランスシートを可視化することで、流動資産と固定資産の比率、負債返済能力、自社株や不動産への資産集中度、負債依存度などを定量的に把握でき、ライフプランや投資戦略の前提となるリスク許容度や目標資産配分を具体的に設定しやすくなります。企業同様、個人にとってもバランスシートは長期的な資産形成とリスク管理の出発点になるのです。
マネーロンダリング
マネーロンダリングとは、犯罪などによって得られた資金の出どころを隠すために、複数の取引や口座を経由させて、あたかも正当な手段で得たお金のように見せかける行為のことを指します。 名前の由来は「お金を洗浄する(洗ってきれいにする)」という比喩からきており、資金の流れを複雑にすることで、不正な資金の出所を特定しにくくするのが目的です。 資産運用の現場では、マネーロンダリング対策が重要な役割を果たしており、金融機関は顧客の本人確認や不審な取引の報告など、厳しいルールに従って対応する必要があります。このため、投資家自身も取引時に情報提供を求められる場面があり、健全な金融市場を守るための一環として理解しておくことが大切です。