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CRSで報告対象となる資産の種類は何ですか?

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2025/04/16 11:16

タックスプランニング
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question

CRSで報告される資産の種類がよくわかりません。たとえば、銀行預金や証券口座は当然として、不動産や金(ゴールド)などの実物資産も対象になるのでしょうか?もし対象外だとしたら、そういった資産に移すことで報告リスクを減らせるという考え方は正しいのでしょうか?


回答

佐々木 辰

株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長

CRS(共通報告基準)は、各国の税務当局が非居住者の海外資産に関する情報を金融機関経由で自動的に交換する制度です。この枠組みで報告されるのは、あくまで金融機関が把握・管理している「金融資産」に限定されます。具体的には、以下のような資産が報告対象に含まれます。

  • 銀行預金
  • 証券口座に保有する株式・債券・投資信託
  • 一定の保険商品(とくに貯蓄性のあるもの)
  • 信託財産や法人が保有する受動的金融資産

一方で、不動産(土地や建物)や金(ゴールド)といった実物資産そのものは、金融機関の管理下にないため、CRSによる自動報告の直接的な対象ではありません。したがって、それらを個人が直接保有している場合には、通常はCRS経由で税務当局に情報が伝わることはありません。

ただし、ここで注意が必要なのは、実物資産の保有形態です。たとえば、海外に設立した法人や信託を通じて不動産や金を保有している場合、その法人・信託が「受動的投資主体」とみなされると、最終的な実質的支配者(オーナー)の情報がCRS報告の対象になることがあります。また、信託の受益者や委託者である場合も、条件次第で報告対象とされる可能性があります。

加えて、「報告リスクを避ける目的で資産を実物化する」ような行動には慎重になるべきです。たしかに実物資産は現時点でのCRS対象外ですが、そうした行為が脱法的とみなされた場合、別途税務調査の対象となる可能性があります。また、実物資産には換金性の低さ、評価の不確実性、管理コストの高さ、相続・売却時の扱いの煩雑さなど、金融資産とは異なるリスクが存在します。

資産保全の方針を考える際には、CRSだけに目を向けるのではなく、全体の資産構成、流動性、税務対応、長期的な運用効率を総合的に評価することが不可欠です。誤った判断を避けるためにも、国際税務や資産管理に詳しい専門家に相談しながら検討を進めることをおすすめします。

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CRS(共通報告基準)

CRSとは、「共通報告基準(Common Reporting Standard)」の略で、各国の税務当局同士が金融口座に関する情報を自動的に交換するための国際的な制度です。これは主に、海外口座を利用した税逃れや資産隠しを防ぐことを目的として、OECD(経済協力開発機構)が提案し、多くの国が参加しています。 たとえば、日本に住んでいる人が海外の銀行に口座を持っている場合、その情報は現地の金融機関から日本の国税庁に自動的に報告される仕組みになっています。これにより、海外に資産を移してもその存在が把握されやすくなり、適正な納税を促すことができます。投資初心者にとっては直接の影響は少ないかもしれませんが、グローバルな資産運用やオフショア投資を考える際には知っておくべき重要なルールのひとつです。

投資信託

投資信託は、多くの投資家から集めた資金を一つの大きな資金としてまとめ、運用の専門家が株式や債券などに投資・運用する金融商品です。運用によって得られた成果は、各投資家の投資額に応じて分配される仕組みとなっています。 この商品の特徴は、少額から始められることと分散投資の効果が得やすい点にあります。ただし、運用管理に必要な信託報酬や購入時手数料などのコストが発生することにも注意が必要です。また、投資信託ごとに運用方針やリスクの水準が異なり、運用の専門家がその方針に基づいて投資先を選定し、資金を運用していきます。

受動的投資主体(Passive NFE/Passive NFFE)

受動的投資主体とは、自ら事業活動を行うことなく、株式や債券、不動産などの投資資産から得られる配当、利息、キャピタルゲインといった受動的所得を主な収入源とする法人や組織のことを指します。タックスヘイブン(租税回避地)に設立されたペーパーカンパニーや、ファンドの中間持株会社などが該当することがあります。 国際的な税務制度においては、こうした主体が課税逃れに利用されるリスクがあるため、FATCA(外国口座税務コンプライアンス法)やCRS(共通報告基準)といった制度の下で、「Passive NFFE」や「Passive NFE」として分類され、情報開示や受益者の報告が義務付けられることがあります。資産管理の透明性や税務コンプライアンスの観点から、受動的投資主体に該当するかどうかの判断は、実務上極めて重要です。

受益者(受取人)

資産運用における受益者(受取人)とは、保険、信託、年金、投資信託、相続などの金融資産から利益を受け取る権利を持つ人を指します。各金融商品や制度において、受益者の役割や権利は異なりますが、共通して資産の管理や運用を経て利益を受ける立場にあります。 生命保険では、契約者が指定した受取人が、被保険者の死亡時に保険金を受け取ります。受取人には第一受取人と第二受取人があり、状況に応じて保険金の支払いが行われます。年金においては、企業年金や個人年金の給付を受け取る人が該当し、遺族年金のように家族が受給者となるケースもあります。 信託では、委託者が資産を信託し、受託者が管理・運用した収益を受益者が受け取ります。信託の形態によって、個人向けや法人向けの受益者が存在し、特定の目的に応じた資産運用が可能となります。投資信託では、ファンドに出資した投資家が受益者となり、分配金や運用益を得ます。特にETFなどの上場投資信託では、受益者が市場で自由に取引できる点が特徴です。 相続においては、遺言や法定相続によって故人の資産を受け取る人が受益者とされます。特定の受益者を指定することで、資産の分配を意図的に調整することが可能になります。また、公共の福祉制度においても、社会保障や奨学金の支給対象者が受益者に該当します。 受益者の適切な指定は、資産の円滑な継承や税務対策において重要であり、状況の変化に応じた定期的な見直しが推奨されます。特に、家族構成の変化や法改正の影響を考慮し、適切な受益者設定を行うことが、資産運用を成功させる鍵となります。

委託者

委託者とは、信託契約において、自分の資産を信託として他者に託す人のことをいいます。たとえば、財産を管理・運用してもらいたいという目的で、自分の持つ不動産や金融資産を信託会社や信頼できる個人に預ける場合、その資産の元の所有者が「委託者」となります。委託者は信託の目的や条件、受益者(利益を受ける人)を指定する権利を持ち、信託の始まりとなる重要な存在です。資産承継や相続対策、事業継続の手段として信託を利用する際に、委託者の意向が信託の設計に大きく反映されます。そのため、信託を検討する際には、委託者としての役割と責任をよく理解しておくことが大切です。

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