ドルコスト平均法の仕組みと、iDeCoやつみたてNISAで使うメリットを初心者向けに知りたい
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2025/06/24 12:14
男性
40代
将来に向けた資産形成のために、iDeCoかNISAのつみたて投資枠を使って積立投資を始めようと考えています。投資経験のある友人からは「どちらも毎月一定額を積み立てていく仕組みなので、ドルコスト平均法になっていて初心者には向いている」とアドバイスされました。ただ、ドルコスト平均法について詳しく教えてもらったものの、仕組みやメリットがいまいち理解できませんでした。「価格が安いときにたくさん買えて、高いときは少しだけ買うから有利」と言われましたが、実感が湧きません。初心者として積立投資を始めるにあたって、ドルコスト平均法だとどんな点が良いのか、できるだけわかりやすく説明していただけますでしょうか?できれば、iDeCoやつみたてNISAとの関係も交えて教えていただけると嬉しいです。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
ドルコスト平均法とは、毎月一定額ずつ同じ商品を買い続ける投資手法です。価格が高いときは少なく、安いときは多く買うことで、購入単価を自動的に平準化できるのが特徴です。たとえば毎月1万円で投資信託を積み立てる場合、基準価額が1万円のときは1口、5,000円に下がったときは2口購入することになります。こうした仕組みにより、相場の上下に左右されにくくなります。
この方法の主なメリットは3つあります。1つ目は、相場の予想をせず機械的に投資できるため、高値づかみのリスクを抑えやすいこと。2つ目は、下落時に多く買えるため、相場回復時に有利なポジションが取れること。3つ目は、感情に振り回されにくく、継続しやすいという点です。資産形成においては「続けられる仕組み」であることが非常に重要です。
iDeCoやつみたてNISAは、このドルコスト平均法を自然に取り入れた制度です。しかも運用益が非課税になるため、長期積立との相性が非常に良く、少額から無理なく始められる点でも初心者に適しています。価格が下がっても「多く買えるタイミング」と前向きに捉えられるのも、継続しやすさにつながります。
ただし、ドルコスト平均法は損失を避ける魔法の手法ではなく、相場が右肩上がりの局面では一括投資の方がリターンが高くなる場合もあります。大切なのは、自分の資金計画やリスク許容度に合わせて、長期・分散の考え方を持って運用を続けることです。時間を味方につけることで、ドルコスト平均法の本領が発揮されます。
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ドルコスト平均法
ドルコスト平均法とは、一定の金額を定期的に投資する方法です。価格が高いときは少なく、価格が低いときは多く買えるため、購入価格が平均化され、リスクを分散できます。市場のタイミングを読む必要がないため、初心者に最適な方法とされています。長期投資で効果を発揮し、特に投資信託やETFで利用されることが多い手法です。
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