主要な株価指数の過去10年間の平均リターンとリスク水準はどのくらいですか?
回答受付中
0
2025/05/27 11:44
男性
30代
投資信託やETFを選ぶとき、つい「どれが一番リターンが高かったか」だけに目が行きがちですが、実際にはリスクの大きさもセットで見ないと、自分に合わない商品を選んでしまう気がして不安です。代表的な5つの指数について、過去10年間の平均リターンとボラティリティは、それぞれどれくらいの水準だったのでしょうか?
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
2015年末から2024年末までの10年間について、米ドル建て・配当再投資込みで集計した年率リターンを見ると、NASDAQ100が年12〜14%と突出した成績を示しています。S&P500とVTI(米国全体に投資する指数)は年10〜11%で拮抗し、ダウ平均は成熟した大型株中心の構成のため9〜10%。全世界株式(MSCI ACWI)は地域分散の影響もあり、年8〜9%とやや控えめでした。
この差は、NASDAQ100がGAFAMなどの超大型IT企業の成長を強く反映した一方で、ACWIは米国株の比率が約60%に抑えられており、リターンが平均化されたことによるものです。
同期間の年率ボラティリティ(価格変動の大きさ)を見ると、NASDAQ100が約22%と最も高く、S&P500とVTIは16〜18%、ダウ平均とACWIは14〜16%と比較的安定していました。これは、「高リターンほどリスクも大きい」という投資の基本を裏付けるデータといえます。
過去の成績が将来を保証するわけではありませんが、平均リターンとボラティリティをあわせて把握し、自分の投資期間や資金の目的、心理的な許容度に照らして商品を選ぶことが、実践的なリスク管理につながります。
もし自分に合う指数やファンドの選び方に迷っている場合は、無理に一人で判断せず、中立的なアドバイザーに相談してみるのも有効です。リスク許容度や運用方針を一緒に整理するだけでも、安心して投資を続けるための大きな支えになります。
関連記事
関連質問
関連する専門用語
投資信託
投資信託は、多くの投資家から集めた資金を一つの大きな資金としてまとめ、運用の専門家が株式や債券などに投資・運用する金融商品です。運用によって得られた成果は、各投資家の投資額に応じて分配される仕組みとなっています。 この商品の特徴は、少額から始められることと分散投資の効果が得やすい点にあります。ただし、運用管理に必要な信託報酬や購入時手数料などのコストが発生することにも注意が必要です。また、投資信託ごとに運用方針やリスクの水準が異なり、運用の専門家がその方針に基づいて投資先を選定し、資金を運用していきます。
ETF(上場投資信託)
ETF(上場投資信託)とは、証券取引所で株式のように売買できる投資信託のことです。日経平均やS&P500といった株価指数、コモディティ(原油や金など)に連動するものが多く、1つのETFを買うだけで幅広い銘柄に分散投資できるのが特徴です。通常の投資信託に比べて手数料が低く、価格がリアルタイムで変動するため、売買のタイミングを柔軟に選べます。コストを抑えながら分散投資をしたい人や、長期運用を考えている投資家にとって便利な選択肢です。
ボラティリティ
ボラティリティは、投資商品の価格変動の幅を示す重要な指標であり、投資におけるリスクの大きさを測る目安として使われています。一般的に、値動きが大きい商品ほどそのリスクも高くなります。 具体的には、ボラティリティが大きい商品は価格変動が激しく、逆にボラティリティが小さい商品は価格変動が穏やかであることを示します。現代ポートフォリオ理論などでは、このボラティリティを標準偏差という統計的手法で数値化し、それを商品のリスク度合いとして評価するのが一般的です。このため、投資判断においては、ボラティリティの大きい商品は高リスク、小さい商品は低リスクと判断されます。
配当
企業が株主に利益を分配することをいい、株主が保有する株数に比例して分配される。 通常は決算時に分配されるが、特別大きな利益がある年や会社の記念の年には、特別配当、記念配当といったように通常の配当に上乗せ、または区別して分配されることがある。 配当は必ず行われるものではなく、赤字のときや企業の方針によって行われないこともある。
リターン
リターンとは、投資によって得られる利益や収益のことを指します。たとえば、株式を購入して値上がりした場合の売却益(キャピタルゲイン)や、債券の利息、投資信託の分配金(インカムゲイン)などがリターンにあたります。 これらを合計したものは「トータルリターン」と呼ばれ、投資の成果を総合的に示す指標です。リターンは、元本に対してどれだけ増えたかを「%(パーセント)」で表し、特に長期投資では「年率リターン」で比較されることが一般的です。 リターンが高いほど投資先として魅力的に感じられますが、そのぶんリスク(価格変動の可能性)も高くなる傾向があるため、自分の目的やリスク許容度に応じて、適切なリターンを見込むことが大切です。
値動き
値動きとは、株式や債券、為替、暗号資産などの金融商品の価格が時間とともに上がったり下がったりする変化のことをいいます。たとえば、ある株の価格が1,000円から1,050円に上がったり、900円に下がったりすることを「値動きがある」と表現します。 この変動は、経済指標、企業の業績、政治的な出来事、投資家の心理など、さまざまな要因によって引き起こされます。投資家にとって値動きは利益を得るチャンスであると同時に、損失のリスクでもあるため、値動きをよく観察することが非常に重要です。特に短期売買を行う場合は、値動きのタイミングを見極める力が求められます。一方、長期投資では一時的な値動きに惑わされず、冷静に資産を保有する姿勢も大切とされます。値動きは、市場の活気や注目度を測るバロメーターとしても活用されます。