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円安が生活・企業・投資に与える影響と資産運用上の注意点を教えてください

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2025/07/01 10:10


男性

30代

question

現在の円安局面において、私たちの生活費や輸入物価、国内企業の業績、株式市場全体にどのようなメリットとデメリットが及ぶのかを、消費者・投資家それぞれの立場から詳しく教えてください。また、個人の資産運用においてどのような点に注意すべきでしょうか?


回答

佐々木 辰

株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長

円安とは、日本円の価値が外国通貨に対して下落することを指します。為替の変動は、生活コスト、企業業績、投資リターンにまで広く影響を及ぼします。現在のように海外の金利が高く、日本の低金利が続く状況では、円安傾向が長引く可能性もあり、個人の資産運用にも対応が求められます。

生活者にとっては、食品や燃料などの価格上昇が家計を圧迫する一方で、訪日外国人旅行者(インバウンド)の増加や国内観光の活性化による地域経済の追い風も期待されます。企業は輸出の追い風を受けつつ、仕入コストの上昇という課題にも直面します。投資家にとっては、外貨建て資産の評価益が得られる一方で、為替変動リスクやインフレによる実質リターンの目減りといったリスク管理が不可欠です。

以下では、円安の影響を立場別に整理し、それぞれに対応する運用戦略を解説します。

円安の影響(立場別のメリット・デメリット)

区分メリットデメリット
生活者・訪日観光客増加によるインバウンド需要拡大・海外旅行控えで国内観光が活性化・輸入物価の上昇(食品・燃料・日用品)・実質購買力の低下
企業・輸出競争力の強化・外貨建て収益の円換算増・観光業や小売業の売上増加・原材料・エネルギーコストの上昇・中小企業は価格転嫁が困難
投資家・外貨建て資産の円換算評価益・輸出企業の株価上昇期待・為替反転による評価損・インフレ進行による実質利回りの低下

資産運用における対応策

対応策解説
為替ヘッジの選択的活用為替リスクを抑える手段だが、円安局面では米ドルなど高金利通貨のヘッジコストが年率3〜5%に達することも。資産の性質や保有期間に応じて、無ヘッジと併用し戦略的に使い分けることが重要。
外貨建て資産のバランス管理米ドル一極集中は避け、ユーロ・豪ドルなども含めた通貨分散で為替変動の偏りを抑える。
NISA・iDeCoなど非課税制度の活用為替差益も含めた運用益を非課税で確保できる制度を活用することで、リターンの最大化が期待できる。
時間分散による積立投資一括投資は為替タイミングの影響を受けやすいため、積立によって平均取得レートを平準化するのが有効。

円安は、個人の生活にも企業活動にも深く関わる経済要因です。収入や資産の通貨構成を見直し、為替変動を一時的なリスクとしてではなく、長期的な投資環境の一部として捉える視点が重要です。制度活用・分散・ヘッジのバランスを取りながら、変動の中でも安定的な資産形成を目指すことが求められます。

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円安

円安とは、ほかの国の通貨と比べて相対的に日本の円の価値が低くなること。海外から商品を購入すること(輸入)が不利で、海外に商品を販売すること(輸出)が有利になる。 (例) 1ドル=100円が1ドル=150円になる →以前よりもたくさんの円がないと1ドルを得られなくなっており、円の価値が低くなっているので、円安である。

為替リスク

為替リスクとは、異なる通貨間での為替レートの変動により、外貨建て資産の価値が変動し、損失が生じる可能性のあるリスクを指します。 たとえば、日本円で生活している投資家が米ドル建ての株式や債券に投資した場合、最終的なリターンは円とドルの為替レートに大きく左右されます。仮に投資先の価格が変わらなくても、円高が進むと、日本円に換算した際の資産価値が目減りしてしまうことがあります。反対に、円安が進めば、為替差益によって収益が増える場合もあります。 為替リスクは、外国株式、外貨建て債券、海外不動産、グローバルファンドなど、外貨に関わるすべての資産に存在する基本的なリスクです。 対策としては、為替ヘッジ付きの商品を選ぶ、複数の通貨や地域に分散して投資する、長期的な視点で資産を保有するなどの方法があります。海外資産に投資する際は、リターンだけでなく、為替リスクの存在も十分に理解しておくことが大切です。

通貨分散

通貨分散とは、資産を複数の異なる通貨で保有することで、特定の通貨に偏ったリスクを抑える投資手法のことです。たとえば、すべての資産を日本円で持っていると、円の価値が下がったときに資産全体の価値も目減りしてしまいますが、米ドルやユーロなど他の通貨で一部を保有していれば、その影響をやわらげることができます。通貨分散を行うことで、為替変動による影響を平均化し、より安定した資産運用を目指すことができます。 特に外貨建ての債券や投資信託などを活用することで、自然と通貨分散が実現できます。長期的な資産形成を考えるうえで、重要なリスク管理の一つです。

為替ヘッジ

為替ヘッジとは、為替取引をする際に、将来交換する為替レートをあらかじめ予約しておくことによって、為替変動のリスクを抑える仕組み。海外の株や債券に投資する際は、その株や債券の価値が下がるリスクだけでなく、為替の変動により円に換算した時の価値が下がるリスクも負うことになるので、後者のリスクを抑えるために為替ヘッジが行われる。

外貨建て資産

外貨建て資産とは、米ドルやユーロ、豪ドルなど、日本円以外の外国通貨で保有・運用されている資産のことを指します。たとえば、米ドル建ての預金、外国の株式・債券、外貨建ての保険商品や投資信託などがこれにあたります。 このような資産に投資することで、日本国内だけでは得られない金利収入や成長性にアクセスできるというメリットがあります。特に日本のような低金利環境では、高金利の外国資産への投資は魅力的な選択肢となることがあります。 一方で、外貨建て資産は為替相場の変動によって価値が上下する「為替リスク」が伴います。たとえば、外貨ベースで利益が出ていても、円高になれば日本円での評価額は下がる可能性があります。そのため、外貨建て資産を保有する際は、為替差損益やヘッジの有無にも注意を払う必要があります。 資産運用において、外貨建て資産は「分散投資」の一環としても有効ですが、リスクとリターンのバランスを考慮したうえで取り入れることが大切です。

評価損益

評価損益とは、保有している株式や債券、外貨などの資産について、現在の時価(市場価格)と取得時の価格との差から生じる、まだ確定していない利益や損失のことを指します。これはあくまで帳簿上での計算であり、実際に売却や決済をしない限りは「含み益」や「含み損」として扱われます。 たとえば、ある株式を100万円で購入し、現在の時価が120万円になっていれば、評価益が20万円あるということになります。逆に、時価が80万円に下がっていれば、評価損が20万円あるという状態です。ただし、これらはあくまで**「いま売れば得られる/損する可能性がある」金額**であり、将来の相場変動によって増減する可能性があります。 企業の決算書などでは、評価損益を財務上どう扱うかが重要で、特に金融商品などの評価方法(時価評価か取得原価か)によって、利益や資産の見え方が大きく異なる場合があります。個人投資家にとっても、資産の実態を把握するために、評価損益を定期的にチェックすることが大切です。

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