インカムゲインを得る主な投資先は?
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2025/07/07 12:39
男性
60代
将来に備えて定期的な収入が欲しいと思っていますが、投資に関しては知識がなく、どんな方法があるのかよくわかりません。初心者が無理なく始められて安定収入を得るには、どんな投資先が良いでしょうか?
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
将来に備えて安定的な収入を得たいと考える場合、「インカムゲイン(保有中に得られる定期的な収益)」を目的とした投資は有効です。初心者でも無理なく始められる方法としては、大きく分けて「株式配当」「債券の利子収入」「不動産投資(またはREIT)」の3つがあります。
まず株式投資では、企業が定期的に支払う配当金が収入になります。特に電力・通信・インフラなど、業績が比較的安定している企業の株は、長期的に安定した配当が期待できるため、初心者にも取り組みやすいです。また、個別株の選定が不安な方には、高配当株をまとめたETF(上場投資信託)がおすすめです。ETFなら少額から分散投資でき、銘柄管理の手間も少なくなります。
次に債券投資では、あらかじめ決められた利率に基づいて、定期的に利息を受け取ることができます。最も安全性が高いのは日本国債ですが、利回りは低めです。一方、企業の社債は利回りが高くなる反面、信用リスクも上がります。初心者であれば、まずは個人向け国債や格付けの高い国内企業の社債から始めると安心です。
そして不動産投資では、物件を保有することで得られる家賃収入がインカムゲインとなります。ただし、物件管理や空室リスク、初期費用の負担が大きいため、初心者にはハードルが高いのも事実です。代替手段として、REIT(不動産投資信託)を活用すれば、少額から複数の不動産に分散投資でき、専門家に管理を任せながら分配金を受け取ることができます。
初めての投資では、REITや高配当ETFのように手間が少なく、分散効果の高い商品から始めるのがおすすめです。慣れてきたら、自分のリスク許容度に応じて株式や債券へと投資対象を広げていくことで、より安定したインカム収入の基盤を築いていけるでしょう。焦らず、少しずつ経験を積みながら資産を育てていくことが大切です。
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配当(配当金)
配当とは、会社が得た利益の一部を株主に分配するお金のことをいいます。企業は利益を出したあと、その一部を将来の投資に使い、残った分を株主に還元することがあります。このときに支払われるお金が配当金です。株を持っていると、持ち株数に応じて定期的に配当金を受け取ることができます。多くの場合、年に1回または2回支払われ、企業によって金額や支払い時期は異なります。配当は企業からの「お礼」のようなもので、株を長く持ち続ける理由の一つになることがあります。
キャピタルゲイン(売却益)
キャピタルゲイン(売却益)とは、保有していた資産を売却することで得られる利益のことを指します。株式や不動産、債券、金などの貴金属を購入時の価格より高い価格で売却した場合、その差額がキャピタルゲインです(対義語:インカムゲイン)。 例えば、1,000円で購入した株を1,500円で売却すれば、500円がキャピタルゲインです。ただし、売却時には税制や手数料を考慮する必要があり、特に金融資産では 譲渡益課税 が適用されることが多くあります。 キャピタルゲインは、大きなリターンを得られる可能性がある一方で、購入時より価格が下がると 元本割れのリスク も伴います。そのため、資産運用では 売却益の確保 と 税負担の最適化 が重要な戦略の一つです。
分配金
分配金とは、投資信託やREIT(不動産投資信託)などが運用によって得た収益の一部を、投資家に還元するお金のことです。これは株式でいう「配当金」に似ていますが、分配金には運用益だけでなく、元本の一部が含まれることもあります。そのため、分配金を受け取るたびに自分の投資元本が少しずつ減っている可能性もあるという点に注意が必要です。分配金の有無や頻度は投資信託の商品ごとに異なり、毎月、半年ごと、年に一度などさまざまです。投資初心者にとっては、「お金が戻ってくる」という安心感がありますが、長期的な資産形成を考えるうえでは、分配金の出し方やその内容をしっかり理解することが大切です。
信託報酬
信託報酬とは、投資信託やETFの運用・管理にかかる費用として投資家が間接的に負担する手数料であり、運用会社・販売会社・受託銀行の三者に配分されます。 通常は年率〇%と表示され、その割合を基準価額にあたるNAV(Net Asset Value)に日割りで乗じる形で毎日控除されるため、投資家が口座から現金で支払う場面はありません。 したがって運用成績がマイナスでも信託報酬は必ず差し引かれ、長期にわたる複利効果を目減りさせる“見えないコスト”として意識されます。 販売時に一度だけ負担する販売手数料や、法定監査報酬などと異なり、信託報酬は保有期間中ずっと発生するランニングコストです。 実際には運用会社が3〜6割、販売会社が3〜5割、受託銀行が1〜2割前後を受け取る設計が一般的で、アクティブ型ファンドでは1%超、インデックス型では0.1%台まで低下するケースもあります。 同じファンドタイプなら総経費率 TER(Total Expense Ratio)や実質コストを比較し、長期保有ほど差が拡大する点に留意して商品選択を行うことが重要です。
REIT(Real Estate Investment Trust/不動産投資信託)
REIT(Real Estate Investment Trust/不動産投資信託)とは、多くの投資家から集めた資金を使って、オフィスビルや商業施設、マンション、物流施設などの不動産に投資し、そこで得られた賃貸収入や売却益を分配する金融商品です。 REITは証券取引所に上場されており、株式と同じように市場で売買できます。そのため、通常の不動産投資と比べて流動性が高く、少額から手軽に不動産投資を始められるのが大きな特徴です。 投資家は、REITを通じて間接的にさまざまな不動産の「オーナー」となり、不動産運用のプロによる安定した収益(インカムゲイン)を得ることができます。しかも、実物の不動産を所有するわけではないので、物件の管理や修繕といった手間がかからない点も魅力です。また、複数の物件に分散投資しているため、リスクを抑えながら収益を狙える点も人気の理由です。 一方で、REITの価格は、不動産市況や金利の動向、経済環境の変化などの影響を受けます。特に金利が上昇すると、REITの価格が下がる傾向があるため、市場環境を定期的にチェックしながら投資判断を行うことが重要です。 REITは、安定した収益を重視する人や、実物資産への投資に関心があるものの手間やコストを抑えたい人にとって、有力な選択肢となる資産運用手段の一つです。