高金利の外債って、やっぱり危ないのでしょうか?
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2025/04/08 17:02
男性
40代
利回りが高い外債には魅力を感じますが、それだけリスクも大きいという話をよく耳にします。特に新興国の債券や高金利通貨に関しては、信用リスクがあるとも聞きますが、具体的にどのようなリスクをイメージすればいいでしょうか?利回りが高い債券に投資しても大丈夫か、判断基準を教えてほしいです。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
高金利の外債は、たしかに利回りの高さが魅力的で、多くの投資家の関心を集めます。しかし、その分だけリスクも高くなる傾向があります。利回りが高いというのは、「投資家に高いリターンを提示しないと資金を集めにくい=何らかの不安要素がある」とも言い換えることができます。
たとえば、新興国の債券や高金利通貨で発行される債券には、いくつかの代表的なリスクがあります。最も大きいのが「信用リスク」です。これは債券を発行した国や企業が、利息や元本の支払いを予定通りに行えなくなるリスクのことです。信用格付けが「BBB未満」とされているものは「ハイイールド債(ジャンク債)」と呼ばれ、そうしたリスクが高いと評価されています。
また、外貨建ての債券に投資する場合は「為替リスク」も無視できません。たとえ利回りが高くても、円高が進むと円換算の価値が下がり、最終的に損をしてしまう可能性もあります。さらに、債券によっては市場で簡単に売買できないものもあり、売りたい時に思うように売れない「流動性リスク」もあります。そしてもう一つ、「金利変動リスク」といって、市場金利が上昇すると保有中の債券の価格が下がるリスクも考えられます。
こうしたリスクを踏まえると、利回りの高さだけで投資先を決めるのは非常に危険です。投資判断をする際は、その債券がどのような信用格付けなのか、その国や企業の経済状況は安定しているか、為替の動きがどのようになりそうかなど、幅広い視点でチェックすることが大切です。また、一つの国や通貨に集中せず、複数に分散することでリスクを抑える工夫も有効です。
利回りが高い投資にはそれなりの理由があります。その理由を理解しないまま「高金利だからお得」と飛びつくのではなく、自分のリスク許容度に合っているかどうかを冷静に考えることが重要です。
不安や疑問がある場合は、証券会社の担当者や資産運用の専門家に相談してみましょう。あなたの資産状況や投資経験に合わせた、より具体的で適切なアドバイスを受けることができます。
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関連する専門用語
信用リスク
信用リスクとは、お金を貸した相手や投資した企業・国などが、何らかの理由で約束通りに返済や利息の支払いをしてくれなくなる可能性のことを指します。たとえば、企業が倒産したり、国が財政危機に陥ったりすると、債券などの投資商品から予定していた収益が得られなくなる恐れがあります。これが信用リスクです。 信用リスクの高い相手に対しては、一般的に高い利回り(リターン)が設定されますが、その分リスクも大きくなります。資産運用においては、リターンだけでなく、このような信用リスクをしっかりと見極めることが、安定した投資のためにとても重要です。
利回り
利回りとは、投資によって得られる収益を「投資金額に対する割合」で示したものです。ここでいう収益は利息だけでなく、投資商品を売却したときの損益(キャピタルゲインやキャピタルロス)なども含まれます。一般的には、1年間を基準とした「年利回り」として表されることが多いです。 また、利回りには大きく分けて「単利」と「複利」があります。単利は元本に対してのみ利息がつくのに対し、複利は再投資を前提とするため、同じ利率でも長期運用すると結果に大きな違いが出る可能性があります。
為替リスク
為替リスクとは、異なる通貨間での為替レートの変動により、外貨建て資産の価値が変動し、損失が生じる可能性のあるリスクを指します。 たとえば、日本円で生活している投資家が米ドル建ての株式や債券に投資した場合、最終的なリターンは円とドルの為替レートに大きく左右されます。仮に投資先の価格が変わらなくても、円高が進むと、日本円に換算した際の資産価値が目減りしてしまうことがあります。反対に、円安が進めば、為替差益によって収益が増える場合もあります。 為替リスクは、外国株式、外貨建て債券、海外不動産、グローバルファンドなど、外貨に関わるすべての資産に存在する基本的なリスクです。 対策としては、為替ヘッジ付きの商品を選ぶ、複数の通貨や地域に分散して投資する、長期的な視点で資産を保有するなどの方法があります。海外資産に投資する際は、リターンだけでなく、為替リスクの存在も十分に理解しておくことが大切です。
ハイイールド債
ハイイールド債とは、投機的格付けに分類される債券のことであり、信用リスクが高い分、高い利回りを提供する債券である。ジャンク債とほぼ同義で使われるが、「ハイイールド債」という表現は投資戦略の観点から用いられることが多い。高リスク・高リターンの投資対象として、投資家は市場環境や発行体の信用力を慎重に分析する必要がある。景気拡大期には価格が上昇しやすいが、景気後退期には価格が急落する可能性もある。
格付け(信用格付け)
格付け(信用格付け)とは、取引をする際に参考にされる基準の一つで、取引の相手側の信用度を確認するために支払い能力や財務状況、安全性などを総合的にランク付けしたものである。アルファベットや数字で表されるのが一般的である。 (例)格付投資情報センター(https://www.r-i.co.jp/index.html) による発行体格付の定義 AAA:信用力は最も高く、多くの優れた要素がある。 AA:信用力は極めて高く、優れた要素がある。 A:信用力は高く、部分的に優れた要素がある。 BBB:信用力は十分であるが、将来環境が大きく変化する場合、注意すべき要素がある。 BB:信用力は当面問題ないが、将来環境が変化する場合、十分注意すべき要素がある。 B:信用力に問題があり、絶えず注意すべき要素がある。 CCC:発行体の金融債務が不履行に陥る懸念が強い。 CC:発行体の金融債務が不履行に陥っているか、その懸念が極めて強い。 C:発行体のすべての金融債務が不履行に陥っているとR&Iが判断する格付。
外貨建て債券
外貨建て債券とは、日本円ではなく、米ドルやユーロなどの外国通貨で元本や利息の支払いが行われる債券のことです。たとえば、米ドル建ての債券であれば、利息も償還金も米ドルで支払われます。円と異なる通貨であるため、為替レートの変動によって、実際に受け取る円換算の金額が増減するリスクがあります。一方で、国内の金利よりも高い利回りが期待できる場合もあり、利回りの魅力から投資家に人気があります。為替リスクを理解し、外貨と円のバランスを考えながら投資することが大切です。