四季報でバリュー株を探す際にPERを参照する理由を教えて下さい
解決済み
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2024/09/09 20:52
女性
30代
個別株の投資に関心を持ち始めたので友人に相談したところ、「株式投資をするなら四季報を読んでバリュー株を発掘しろ」「バリュー株を探すにはPERが低い企業をピックアップすることが大事」といわれました。 なぜPERの低い企業がバリュー株と結びつくのでしょうか?教えて下さい。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
PER(株価収益率)は、企業の収益力に対して株価がどの程度の水準にあるかを示す指標です。PERが小さいほど収益力に対して株価が低い、つまり今後株価が上がる余地が大きい、つまりバリュー株の可能性があると言えます。
PER(株価収益率)とは、株価を1株当たりの純利益で割った値で、その企業の株価が収益の何倍で取引されているかを表します。
つまり、PERが低いということは、その企業の収益に対して株価が割安であると考えられます。同じ収益を上げている企業を比較した場合、PERが低い方が投資対象として魅力的な可能性が高いのです。
四季報では、「株価指標」欄でPERを確認することができます。一般的に、PERが15倍を下回ると割安と見なされることが多いですが、これは絶対的な基準ではありません。
重要なのは、業界平均との比較です。四季報の巻頭にある「業種別業績展望」を参照し、その企業が属する業界の平均PERと比較することで、相対的な割安感を判断できます。例えば、ある業界の平均PERが20倍の場合、その業界内でPERが15倍の企業は割安と判断できる可能性があります。
ただし、PERだけで判断するのは危険です。なぜその企業のPERが低いのか、成長性や財務状況などを総合的に判断することが重要です。四季報の他の情報、例えば「業績」欄や「財務」欄も合わせて確認し、企業の全体像を把握することが大切です。
このように、四季報を活用してPERを確認し、業界平均と比較することで、バリュー株の候補を効率的に絞り込むことができます。しかし、最終的な投資判断には、PER以外の要素も含めた総合的な分析が不可欠です。
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会社四季報とは、日本の全上場企業約4,000社の株価や業績に関する情報を1冊にまとめたデータ本で、東洋経済新報社発刊です。「四季報」という言葉の通り、毎年3、6、9、12月と年に4回発売されています。国内の全上場企業の情報が1冊でコンパクトにまとまっている出版物は海外ではあまり見られず、日本特有のものとして評価されています。
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