エンジェル投資とは何ですか?
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2025/01/22 22:15
男性
30代
エンジェル投資って具体的にどんな投資方法なのか知りたいです。対象になる企業の特徴や、他の投資手法と比べた際のメリット・デメリットを教えてもらえますか?特に初心者として気をつけるべきポイントがあれば、そこも詳しく知りたいです。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
エンジェル投資は、上場前の創業初期スタートアップに資金を供給し、IPOやM&Aで得られるキャピタルゲインを狙う手法です。情報開示が限定的で株式の換金性も乏しいため、損失が元本全額に及ぶリスクは上場株式より格段に高い一方、事業が飛躍すれば投資額が数十倍になる可能性もあり、伝統的資産との相関が低い点からポートフォリオ多様化にも寄与します。
投資対象は、急拡大する市場で独自の技術やビジネスモデルを武器に競争優位を築こうとする小規模チームが中心です。投資判断では①創業者の実行力と倫理観、②ターゲット市場の規模と参入障壁、③資金計画・資本政策(後続ラウンドでの希薄化リスク)、④出口戦略の現実性を精査することが不可欠です。とくに初心者は、生活資金を侵さない範囲で1社あたりの投資額を抑え、5~10社程度に分散するのが基本。株式投資型クラウドファンディングや経験豊富な投資家とのシンジケートを利用し、株式優先順位や共同売却条項など契約条件は必ず専門家に確認しましょう。
リスク軽減策として活用したいのが「エンジェル税制」です。優遇措置Aでは投資額全額から2,000円を差し引いた額を所得控除でき(控除上限は総所得の40%または800万円)、優遇措置Bでは投資額全額を同年の株式譲渡益から控除できます。2023年度改正では、既存株式の売却益を創業5年以内のスタートアップへ再投資した場合、最大20億円まで非課税とする措置が導入され、「日本版QSBS」と呼ばれています。さらに2024年度改正で有償新株予約権(J-KISS 等)取得額も対象に含め、2025年度(令和7年度)改正では株式譲渡益から再投資までの猶予期間が2年に延長されました経済産業省。適用には企業側が都道府県等の確認書を取得し、投資家が確定申告で添付する手続きが必要です。
総じてエンジェル投資は「ハイリスク・ハイインパクト」型。資金面だけでなくメンタリングや顧客紹介など非資金的支援も含めてスタートアップと伴走し、長期的に学習とネットワークを積み重ねる姿勢が成功を引き寄せます。未知のリスクを可視化するためにも、事前に税理士・弁護士・VC経験者といった専門家の意見を仰ぐことを強くお勧めします。
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エンジェル投資
エンジェル投資は、創業間もない企業(スタートアップ)に対し、個人が資金を提供してその成長を支援する投資手法です。資金提供だけでなく、投資家自身の事業経験やネットワークを提供する点が特徴です。事業成功時には株式の売却益を得られる一方、事業失敗で投資額を失う可能性もあるため、ハイリスク・ハイリターンの性質を持ちます。
エンジェル投資家
エンジェル投資家とは、創業間もないスタートアップ企業に対して投資をする個人投資家のことです。スタートアップ企業の株式の価値がまだ低いときに、将来性を見込んで株式を取得し、市場価値が高まりEXITをする際に株式を売却することで大きなキャピタルゲインを得ることを目的としています。 エンジェル投資家は、金銭面だけでなく、経営のノウハウや人脈なども提供し、スタートアップ企業の成長を支援する場合があります。
エンジェル税制
エンジェル税制とは、個人投資家が投資時・株式売却時に受けることができる税制上の優遇措置を定めた税制。ベンチャー企業に対する投資の促進を図る観点から国税庁によって定められている。ベンチャー企業に投資した年、未上場ベンチャー企業株式を売却して売却損益が発生した年にそれぞれ優遇措置を受けることができる。
シード
スタートアップ企業は成長度合いによって「シード」「アーリー」「ミドル」「レイター」と4つのステージに分類されます。 シードステージとは、ビジネスモデルの確立や市場検証といった活動を中心として行い、収益化に向けた取り組みが進み始めます。 シードステージにおける資金調達をシードラウンドと呼びます。シードラウンドで得られた資金は、プロトタイプ制作や市場テスト、初期のマーケティング活動などに利用され、投資家は主にエンジェル投資家やベンチャーキャピタルが中心となります。
プレシード
プレシードとは企業の発展の段階や資金調達が「シード」よりも前の段階であることを意味しています。発展の段階の場合はプレシードステージ、資金調達の場合はプレシードラウンド(別名エンジェルラウンド)と呼びます。 プレシードステージとは、スタートアップにおける成長の最初の段階で、創業前後にアイデアを形にする時期です。 プレシードステージで行う資金調達をプレシードラウンドいい、創業前後の段階で行われる資金調達の初期ラウンドを指します。アイデアやコンセプトを具体化するための資金を集めることが目的としており、一般的に、エンジェル投資家や親族、友人からの投資が主な資金源となります。
株式投資型クラウドファンディング
株式型クラウドファンディングは、オンラインプラットフォームを通じて個人がスタートアップ企業に少額から出資できる仕組みです。出資者は見返りとして企業の株式を受け取り、企業の成長とともに利益を期待します。透明性の高い仕組みで、初心者でも参入しやすい方法です。