エンジェル投資家になるには?知識ゼロから始めるステップアップガイド

エンジェル投資家になるには?知識ゼロから始めるステップアップガイド
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執筆者:
公開:
2025.01.17
更新:
2025.12.30
エンジェル投資とは、主にスタートアップやベンチャー企業に資金を提供し、その成長を支援する投資の一形態です。特に創業初期の企業に対する支援として行われることが多く、投資家は資金提供だけでなく、自身の経験やネットワークを活用して企業の成長をサポートします。この記事では、個人がエンジェル投資を始める方法やその可能性について、わかりやすく解説します。
エンジェル投資とは?成長企業の創業期に行うハイリスク・ハイリターンの投資
エンジェル投資は、成長ポテンシャルの高い企業に対し、比較的早い段階で資金を提供する投資方法です。株式を取得することで将来の利益を期待しますが、ハイリスク・ハイリターンの投資といえます。エンジェル投資家はスタートアップの成功を信じ、資金だけでなくアドバイスや人脈を提供して企業を支援することが求められます。
エンジェル投資を始めるための3つの準備ポイント
エンジェル投資を始める前に、以下の準備をしておくとスムーズに進められます。
エンジェル投資の目的を明確にする
投資の目的は、「短期的な利益を得たい」から「次世代のイノベーションを応援したい」までさまざまです。目的が明確になることで、投資対象となる企業の選定基準がはっきりします。
失う可能性も視野に入れた投資資金を確保する
エンジェル投資はハイリスクであるため、投資資金は余剰資金で行うのが基本です。資金を失う可能性も視野に入れ、生活に影響を及ぼさない範囲で計画を立てましょう。
エンジェル投資に関する基本的な知識を身につける
「事業計画書の読み方」や「出資契約の基礎」「スタートアップの成長プロセス」など、業界全体の知識を学びます。オンライン講座や書籍を活用するのもおすすめです。
少額から始めるエンジェル投資:株式型クラウドファンディング
株式型クラウドファンディングは、個人が少額からエンジェル投資を始めるための最も手軽な方法の一つです。この仕組みを利用すれば、数万円からスタートアップへの投資が可能になります。
株式型クラウドファンディングの仕組み
株式型クラウドファンディングでは、投資家がインターネットを通じて特定のスタートアップ企業に出資し、その見返りとして株式を取得します。プラットフォームは投資家と企業をつなぐ役割を果たし、透明性や信頼性を確保します。
株式型クラウドファンディングを活用するメリット
スタートアップ投資が注目を集める中、株式型クラウドファンディングは、多くの人々が手軽にスタートアップ投資に参加できる手段として人気を高めています。少額からの投資が可能である点や多様な選択肢を提供する点など、多くの魅力を備えています。以下では、株式型クラウドファンディングの具体的なメリットについて詳しく解説します。
エンジェル投資を少額から始められる安心感
スタートアップ投資の魅力の一つは、少額から始められる点です。数万円単位で投資が可能なため、大きな資金を用意する必要がなく、初心者でも気軽に参入できます。また、少額で複数のスタートアップに投資することでリスクを分散しやすくなり、安心して投資に取り組むことができます。このように、投資額をコントロールしながら成長性のある企業にアプローチできる点が、スタートアップ投資の魅力です。
多様な分野から選べる投資先
株式型クラウドファンディングでは、プラットフォームに多様なスタートアップが用意されており、自分の興味や価値観に合った投資先を選ぶことができます。たとえば、IT、医療、環境分野など、成長可能性が期待される業界のスタートアップを選んで投資することが可能です。また、これらの分野を選ぶことで、収益を期待できるだけでなく、社会課題の解決に取り組む企業を応援するという社会的意義も感じられます。多様性豊かな投資先の存在は、スタートアップ投資の大きな特徴の一つです。
オンラインで簡単に始められ、投資案件の情報もわかりやすい
簡単な手続きで投資を始められる点も、株式型クラウドファンディングの魅力です。最近では、オンラインプラットフォームを利用してエンジェル投資案件に申し込むのが一般的であり、煩雑な手続きや専門知識は不要です。エンジェル投資案件の詳細情報が分かりやすく整理されているほか、シンプルなプロセス設計により、初心者でもスムーズに投資を始められます。この手軽さは、忙しい方や初めて投資をする方にとって非常に大きなメリットです。
株式型クラウドファンディングを活用する際の注意点
株式型クラウドファンディングは、魅力的なスタートアップに少額から投資できる手段として注目されていますが、その利用にあたっては慎重な検討が必要です。以下では、特に注意すべきポイントを詳しく解説します。
リスク管理が必要
株式型クラウドファンディングの最も重要な注意点は、リスク管理の重要性です。投資先のスタートアップは、通常、新規性や成長性を強みとしていますが、その反面、ビジネスモデルが成功する保証はありません。市場の変化、競合の出現、資金繰りの問題など、さまざまな要因によって事業が失敗する可能性があります。
その結果、投資した資金を全額失うリスクも考慮しなければなりません。したがって、事前にスタートアップの事業計画書や市場調査を詳細に確認し、可能であれば専門家の意見を参考にするなど、慎重に投資判断を行うことが求められます。また、全体の投資額を分散させることで、リスクを軽減することも効果的です。
流動性が低い
株式型クラウドファンディングのもう一つの注意点は、投資した株式の流動性が低いことです。スタートアップ企業の株式は、通常の株式市場で取引されていない場合が多く、必要に応じてすぐに売却することが難しいのが現状です。
さらに、スタートアップが上場するまでには時間がかかる可能性があり、それまでの間は投資資金が固定されることになります。たとえスタートアップが成長していても、株式の売却機会が訪れるまで待つ必要があるため、投資資金を長期間拘束される可能性がある点に注意が必要です。このため、短期的な資金の流動性を重視する場合には、他の投資手段を検討する方が良い場合もあります。
適格投資家になると選択肢が広がる
個人投資家がエンジェル投資でより多くの選択肢を得たい場合、「適格投資家」になることを検討する価値があります。適格投資家とは、一定の財務的条件を満たした投資家のことで、一般投資家ではアクセスできない大規模な投資機会にも参加できる資格を持つ人を指します。
適格投資家の条件
日本で適格投資家として認定されるには、以下の条件のいずれかを満たす必要があります。
- 金融資産が1億円以上あること。
- 年収が一定以上(例:2000万円以上)であること。
- 投資に関する十分な経験や知識を有していること。
これらの条件を満たすことで、幅広い投資の選択肢が得られます。
適格投資家のメリット
LP出資への参加
適格投資家は、ベンチャーキャピタルファンドの有限責任組合員(LP)として出資する資格があります。これにより、多数のスタートアップに分散投資できるため、リスクを軽減しながら成長可能性のある投資に参加できます。
未公開案件へのアクセス
一般投資家には公開されない、未公開の投資案件にアクセスできるのも大きなメリットです。これにより、より有望な投資機会を得られる可能性が高まります。
適格投資家を目指すためのステップ
適格投資家になるためには、以下のステップを計画的に進める必要があります。
STEP1資産形成を計画的に進める
資産の増加を意識し、長期的な視点で投資や貯蓄を行います。
STEP2投資や財務に関する知識を深める
適格投資家になるためには、十分な知識が不可欠です。投資の基本から実践まで幅広く学ぶことが重要です。
STEP3適格投資家認定を行う機関に登録する
金融機関やプラットフォームによる認定手続きを行い、必要書類を提出します。この際、適格投資家としての認定基準や条件は、金融機関ごとに異なる場合があるため、各金融機関の基準や手続き方法を事前に確認することが重要です。
エンジェル税制を活用し節税
エンジェル投資は、特定の条件を満たすことで「エンジェル税制」の対象となり、節税効果を得られる制度です。この税制は、スタートアップへの資金提供を促進するために設けられたもので、投資家にとって大きなメリットとなります。
エンジェル税制に関する詳細はこちらの記事をご参照ください。
参考:エンジェル税制の仕組みと活用法を解説!節税とスタートアップ投資の魅力を知ろう
エンジェル投資で成功するための心構え
エンジェル投資で成功するには、「成功すればラッキー」という気持ちで取り組むのが賢明です。高い期待を抱きすぎず、むしろ失敗する可能性があることを前提に、余裕資金で投資を行うことが重要です。成功の可能性を高めるには、いくつかのポイントがあります。
まず、複数のスタートアップに投資することで、ポートフォリオを分散させ、リスクを軽減します。分散投資により、一つの企業が失敗しても他の企業の成功でリスクを補える可能性が高まります。
次に、投資先の事業計画を詳細に確認することが欠かせません。市場規模や競合分析をしっかりと行い、投資先の成長性や事業の持続可能性を見極めることが成功の鍵となります。
まとめ
エンジェル投資はリスクが高い反面、スタートアップを支援しながら高いリターンを期待できる魅力的な投資方法です。特に、株式型クラウドファンディングを活用すれば、少額から気軽に始められます。また、適格投資家になることで、LP出資などの選択肢が広がり、より多様な投資機会にアクセスできます。
さらに、エンジェル税制を活用すれば、投資に伴う税負担を軽減できるため、リスクを抑えながら効率的に投資を進めることが可能です。
まずは知識を身につけ、少額から経験を積むことで、自身に合った投資スタイルを見つけてみてはいかがでしょうか。エンジェル投資を通じて、未来のイノベーションを支援する楽しさをぜひ体験してください。
よくある質問(FAQ)

MONO Investment
投資のコンシェルジュ編集部は、投資銀行やアセットマネジメント会社の出身者、税理士など「金融のプロフェッショナル」が執筆・監修しています。 販売会社とは利害関係がないため、主に個人の資産運用に必要な情報を、正確にわかりやすく、中立性をもってコンテンツを作成しています。
投資のコンシェルジュ編集部は、投資銀行やアセットマネジメント会社の出身者、税理士など「金融のプロフェッショナル」が執筆・監修しています。 販売会社とは利害関係がないため、主に個人の資産運用に必要な情報を、正確にわかりやすく、中立性をもってコンテンツを作成しています。
関連する専門用語
エンジェル投資
エンジェル投資は、創業間もない企業(スタートアップ)に対し、個人が資金を提供してその成長を支援する投資手法です。資金提供だけでなく、投資家自身の事業経験やネットワークを提供する点が特徴です。事業成功時には株式の売却益を得られる一方、事業失敗で投資額を失う可能性もあるため、ハイリスク・ハイリターンの性質を持ちます。
LP(Limited Partner/有限責任組合員)
LP(Limited Partner)とは、ベンチャーキャピタル(VC)ファンドやプライベート・エクイティ(PE)ファンドなどに出資を行う投資家(出資者)を指します。日本語では「有限責任組合員」と訳され、原則として出資額を上限とした範囲でのみ責任を負います。 LPは、ファンドを運用するGP(ゼネラル・パートナー)に資金を預け、GPが行う投資活動の成果に応じてリターンを受け取ります。投資判断や運用実務には関与せず、パッシブ(受動的)な立場を取るのが特徴です。 主なLPには、年金基金、大学の基金(エンダウメント)、政府系ファンド、保険会社、金融機関、事業会社、富裕層などが含まれ、機関投資家が多くを占めます。ただし、最近では個人やファミリーオフィスによるLP出資も増加しています。 ファンドの運用が成功すれば、LPは元本に加えて利益の分配を受け取ります。損失が発生しても、原則として責任は出資額までに限定されるため、リスク管理された形で非公開企業への間接投資が可能になります。
株式投資型クラウドファンディング
株式型クラウドファンディングは、オンラインプラットフォームを通じて個人がスタートアップ企業に少額から出資できる仕組みです。出資者は見返りとして企業の株式を受け取り、企業の成長とともに利益を期待します。透明性の高い仕組みで、初心者でも参入しやすい方法です。
リスク分散
資産運用における「リスク分散」とは、簡単に言うと「一つのカゴにすべての卵を入れない」という考え方です。たとえば、資産を特定の株式や投資信託だけに集中させてしまうと、それが値下がりしたときに大きな損失を受ける可能性があります。 リスク分散は、このリスクを減らすために、異なる種類の投資商品や地域、産業に資金を分けて投資する方法です。これにより、一つの商品が値下がりしても、他の商品が値上がりすることで全体の損失を抑える効果が期待できます。たとえば、国内株式だけでなく、海外株式や債券など複数の商品に投資することで、安定した資産運用が目指せます。 「たくさんの場所に投資して安全ネットを張る」というイメージを持つとわかりやすいでしょう。
エンジェル税制
エンジェル税制とは、個人投資家が投資時・株式売却時に受けることができる税制上の優遇措置を定めた税制。ベンチャー企業に対する投資の促進を図る観点から国税庁によって定められている。ベンチャー企業に投資した年、未上場ベンチャー企業株式を売却して売却損益が発生した年にそれぞれ優遇措置を受けることができる。
適格投資家
適格投資家とは、高い財務能力や投資経験を有すると認定された個人または法人です。金融資産1億円以上や高額所得者などが対象となり、通常の投資家がアクセスできない未公開案件や特定の投資機会に参加できます。
事業計画書
事業計画書は、企業の事業内容、成長戦略、資金計画、収益予測などを記載した重要な資料です。投資家は事業計画書を基に、投資先の成長可能性やリスクを分析し、投資判断を行います。
投資事業有限責任組合(LPS)
「投資事業有限責任組合契約に関する法律」に基づき設立される日本の投資ファンドの一形態です。主にベンチャーキャピタルやプライベートエクイティファンドで活用され、未公開株式や金融商品への投資を目的としています。LPSは、運営を担う無限責任組合員(GP)と、資金を提供する有限責任組合員(LP)の2種類の組合員で構成され、GPは無限責任、LPは出資額の範囲内でのみ責任を負う仕組みです。 特徴として、パススルー課税により二重課税が回避されることや、契約内容に基づく利益分配や投資戦略など、柔軟な運営が可能である点が挙げられます。一方で、設立・運営コストの発生や、投資対象が金融商品に限定される制約もあります。LPSは未公開企業へのエクイティ投資を中心とするベンチャーキャピタルやバイアウトファンドで広く活用され、企業再生やスタートアップ支援などの分野で重要な役割を果たしています。
流動性
流動性とは、資産を「現金に変えやすいかどうか」を表す指標です。流動性が高い資産は、短時間で簡単に売買でき、現金化しやすいという特徴があります。例えば、上場株式や国債は市場で取引量が多く、いつでも売買できるため、流動性が高い資産とされています。 一方、不動産や未上場株式のように、売買相手を見つけるのが難しかったり、取引に時間がかかったりする資産は、流動性が低いといえます。 投資をする際には、自分が必要なときに資金を取り出せるかを考えることが重要です。特に初心者は、流動性が高い資産を選ぶことで、急な資金需要にも対応しやすく、リスクを抑えることができます。
ハイリスク・ハイリターン
「ハイリスク・ハイリターン」とは、リスクが高い投資ほど、リターン(利益)も大きくなる可能性があるという投資の原則を指します。リスクが高い投資とは、価格の変動が激しい、予測が難しいなどの特徴があり、その分、投資で得られる利益も大きくなることがあります。しかし、反対に損失を被るリスクも大きくなるため、慎重に判断する必要があります。 例えば、株式投資や暗号資産などはハイリスク・ハイリターンの代表例です。短期間で大きな利益を得る可能性がある一方で、急激な価格下落によって大きな損失を被るリスクもあります。投資初心者にとっては、自分のリスク許容度をしっかり把握し、慎重に投資判断を行うことが大切です。
ベンチャーキャピタル(VC)
ベンチャーキャピタル(VC)とは、高い成長が見込まれるスタートアップ企業に対して、資金を投資する専門の投資会社やファンドのことを指します。通常、未上場の企業を対象とし、株式を取得する形で投資を行い、企業の成長後に株式公開(IPO)やM&Aによって利益を得ることを目的とします。単なる資金提供だけでなく、経営アドバイスやネットワークの提供など、企業価値向上のための支援を行うことも特徴です。投資対象の企業には高いリスクが伴うものの、成功すれば大きなリターンが期待できるため、スタートアップの資金調達手段として広く活用されています。
株式譲渡益
株式譲渡益とは、投資家が株式を売却した際に、取得価格を上回る価格で売れた場合に得られる利益のことを指します。この利益は譲渡所得として扱われ、一般的に税金が課されます。上場株式の譲渡益には約20.315%(所得税15%、住民税5%、復興特別所得税0.315%)の税率が適用されますが、非上場株式の場合は総合課税または分離課税を選択でき、税率は条件によって異なります。 株式を売却した際に生じた利益や損失は、他の株式や投資信託などの利益と損益通算が可能です。売却損が発生した場合は、確定申告をすることで3年間の繰越控除を受けることができます。また、NISAやiDeCoなどの非課税制度を活用することで、一定の条件下で譲渡益に対する課税を免れることができるため、税制を考慮した投資戦略が重要となります。 株式の取得価格は、一般的に平均取得単価方式で計算されますが、相続や贈与を受けた場合にはみなし取得価格が適用されることがあります。また、取引口座には特定口座と一般口座があり、特定口座のうち源泉徴収ありを選択すると確定申告が不要になりますが、源泉徴収なしや一般口座を利用する場合は確定申告が必要となります。 売却のタイミングによっても税負担が変わるため、慎重に判断することが大切です。短期的な売買では頻繁に譲渡益が発生し、その都度税金がかかる可能性があるため、長期投資を行うことで税負担を抑える戦略が有効です。また、年末と年初では税金の計算年度が異なるため、売却時期を調整することで税負担を軽減できる場合があります。株式投資では、利益を追求するだけでなく、税制を理解しながら適切な売却戦略を立てることが、資産を効率的に運用する上で重要になります。
起業特例
起業特例とは、新規に事業を立ち上げる個人や法人を支援するために設けられた税制優遇措置や補助金制度のことを指します。具体的には、法人税や所得税の軽減、資金調達の際の優遇措置、雇用に関する助成金などが含まれます。これにより、起業時の資金負担を軽減し、成長を促進することが目的とされています。国や自治体によって制度の内容が異なるため、適用条件を確認しながら活用することが重要です。
非課税措置
非課税措置とは、特定の条件を満たす場合に税金の支払いが免除される制度のことを指します。資産運用においては、NISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)などが代表的な例で、一定額までの運用益が非課税となります。また、相続税や贈与税の軽減措置としても適用されることがあり、資産形成や世代間の資産移転において有効な手段となります。適用要件や上限額を理解し、適切に活用することが資産管理の鍵となります。
プレシード・シード特例
プレシード・シード特例とは、スタートアップ企業の創業初期段階(プレシード・シード期)に適用される税制優遇措置のことを指します。これにより、起業家や投資家が初期の資金調達をしやすくなり、新規事業の立ち上げを支援する狙いがあります。具体的には、エンジェル投資家による投資への所得控除や、法人設立時の税負担の軽減などが含まれます。創業初期は資金繰りが厳しくなるため、こうした特例を活用することで財務基盤を強化し、持続的な成長へとつなげることができます。
未上場企業(非上場企業)
未上場企業とは、証券取引所に株式を公開していない企業のことを指します。一般的に、未上場企業の株式は流動性が低く、取引の機会が限られるため、評価が難しい場合があります。一方で、上場企業と比べて経営の自由度が高く、成長フェーズにあるスタートアップや家族経営の企業が多く含まれます。 近年では、未上場株式を取引できるプラットフォームの発展により、一部の流動性が向上しています。未上場企業への投資は、リスクが高いものの、成功すれば大きなリターンを得る可能性があるため、ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家、さらにはプライベート・エクイティ(PE)ファンドやファミリーオフィスなどの関心を集めています。投資家にとっては、IPO(新規株式公開)やM&A(企業買収)などのエグジット戦略が重要となります。
中小企業基本法
中小企業基本法とは、日本の中小企業の振興と発展を目的として制定された法律です。企業規模や業種に応じて中小企業の定義を定め、それに基づき税制優遇や金融支援、経営支援策が講じられています。この法律のもとで、中小企業は資金調達の機会を増やし、経営の安定化を図ることができます。また、政府や自治体による各種補助金や助成金の対象となることも多いため、企業成長の戦略として有効に活用することが重要です。
外部資本比率
外部資本比率とは、企業の資本構成において、自己資本に対する外部からの資本(株式出資や借入金)の割合を示す指標です。この比率は、一般的に 「外部出資(Equity)」と「負債(Debt)」を合計したものが自己資本に対してどれだけの比率を占めるか を示します。 特にスタートアップやベンチャー企業では、エンジェル投資家やベンチャーキャピタル(VC)からのエクイティ(株式)による資金調達が多くなるため、外部資本比率が高くなりがちです。エクイティ出資が増えると、創業者の持ち株比率が下がり、経営権が分散する(持ち株の希薄化(Dilution))。一方で、借入金(Debt)による資金調達が増えると、財務負担が増加し、返済義務が経営に影響を与えることがあります。 この比率が高いと、外部資本を活用して資金調達の柔軟性が向上するメリットがある一方で、自己資本が少なくなりすぎると財務の安定性が低下し、債務リスクが増す可能性があります。そのため、適切なバランスを維持することが重要です。
損失繰越控除
損失繰越控除とは、ある年度に発生した損失を翌年以降の所得から差し引くことで、税負担を軽減する制度のことを指します。法人税や所得税の計算に適用され、例えば事業年度内に赤字となった企業は、翌年度以降の黒字所得と相殺することで税負担を抑えることができます。特にスタートアップや新規事業においては、初期投資がかさみ赤字となることが多いため、この制度を活用することで資金繰りを安定させることが可能です。適用には一定の要件があるため、事前に確認しておくことが重要です。
コーポレートベンチャーキャピタル(CVC)
コーポレートベンチャーキャピタル(CVC)とは、事業会社が自社の成長戦略の一環として設立・運営する投資ファンドのことを指します。通常のベンチャーキャピタル(VC)と異なり、単なる投資収益の獲得だけでなく、新技術の獲得、提携先の確保、自社事業とのシナジー創出などを目的とする点が特徴です。大企業がスタートアップに出資することで、オープンイノベーションを推進し、新規事業の開発や競争力の強化につなげるケースが増えています。CVCの投資先企業にとっては、大企業の持つリソースや市場へのアクセスを活用できるメリットがあります。
資本金
資本金とは、会社が事業を始めるために集めたお金のことです。通常、会社設立時に株主が出資し、法人登記の際に登録されます。資本金が多いほど会社の信用力が高まり、税制面での優遇を受けられることもあります。 例えば、資本金が1,000万円未満なら、設立から一定期間は消費税の納税が免除されることがあります。1億円以下なら、中小企業向けの税制優遇(軽減税率や交際費の全額損金算入など)が適用されます。1億円を超えると、これらの優遇が受けられなくなり、税負担が増える可能性があります。 特にベンチャー企業では、投資家からの出資で資本金を増やし、成長のための戦略を立てることが重要です。

