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プットオプションやカラー取引の活用基準は?

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2025/04/29 15:16


男性

40代

question

自社株や保有株式に対する価格変動リスクをヘッジするために、プットオプションやカラー取引があると聞きました。これらはどのような状況で、どう使うべきか教えてください。


回答

佐々木 辰

株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長

プット・オプションとゼロコスト・カラーは、株価変動リスクを「許容損失・期間・コスト」の三面から制御する防衛線です。まず、資産全体で容認できる最大ドローダウン(例:-15%か-30%か)とヘッジすべき期間(ロックアップ解除前、納税資金確保前など)を定量化し、その範囲内で最小限のプレミアム負担に収まる戦略を割り出します。プット単体は下限価格をロックし、資金余力を確保したい局面で機動力が高い一方、ボラティリティ急騰局面では保険料が跳ね上がりやすく、費用対効果が低下します。

そこで、上昇益の一部を放棄してでもコストを抑えたいときは、同一満期でアウト・オブ・ザ・マネーのプットを買い、より遠い価格帯のコールを売却するカラー取引が有効です。受取プレミアムでプット費用を相殺できる半面、上値にキャップがかかるため、株価が想定外に急騰した際は、早期買い戻しやストライクのロールアップで上値余地を再確保するリバランス・シナリオを事前に用意しておくと柔軟性が高まります。

実装段階では、①板が厚く流動性が十分か、②大量保有報告・四半期開示・インサイダー取引規制に抵触しないか、③個人か資産管理会社かで税務・会計処理がどう異なるか──を精査したうえで、ストライク水準と取組数量を決定するのがセオリーです。とくに自社株の場合は、ガバナンス上の観点から取締役会決議やIR説明が求められるケースが多く、着手前に専門家が作成したシミュレーション(想定変動シナリオ別のP/L、税キャッシュフロー)を取得し、意思決定プロセスを文書化しておくことが望まれます。

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プットオプション

プットオプションとは、ある資産を将来の決められた価格で売ることができる「権利」のことです。 株などの資産が値下がりしたときに、その値下がりによる損失を抑えるための「保険」のような役割を果たします。 たとえば、ある株が今100円で取引されていて、将来値下がりしそうだと考えたとします。ここで「1か月後に100円で売れるプットオプション」を買っておけば、仮に1か月後に株価が80円に下がっていても、100円で売ることができます。市場価格より高く売れるため、その差額で利益が出ます。 逆に、株価が120円に上がった場合は、わざわざ100円で売る必要がなくなるので、そのプットオプションは使いません。損失は最初に払った「プレミアム(オプション料)」だけです。このように、損失は限定的で、下落時には利益が出せるのがプットオプションの大きな特徴です。 また、プットオプションは投資家が保有している株の値下がりに備える手段としても使われます。たとえば、大きなイベントや相場の不安定な局面で、一時的にリスクを避ける目的で活用されることがあります。 ただし、プットオプションには「時間が経つだけで価値が減っていく」という特性があります。これは「時間的価値の減少(タイムディケイ)」と呼ばれる現象です。オプションには有効期限があるため、満期までの期間が短くなるほど、「この先相場が動く可能性が小さくなった」と見なされ、オプションの価値は自然と下がっていきます。つまり、何もしなくても時間が経つだけで価値が目減りしてしまうのです。 そのため、プットオプションを使う場合は「いつ下がるか」というタイミングも重要になります。あまりに早く買ってしまうと、思ったより相場が動かずに価値だけが減っていく、ということも起こり得ます。

ゼロコスト・カラー

ゼロコスト・カラーとは、オプション取引を使って資産価格の上下のリスクを同時に抑えつつ、その取引にかかるコストを実質ゼロにする戦略のことを指します。具体的には、資産の価格下落による損失を防ぐためにプットオプションを購入し、その費用をまかなうために、資産価格の上昇利益を一定以上制限するコールオプションを売却するという組み合わせを行います。この方法により、追加の費用をかけずにリスクをコントロールすることができます。資産運用においては、相場の大きな変動が予想される中で、リスクを抑えながらも大きな支出を避けたい場合に利用されることが多い戦略です。

ボラティリティ

ボラティリティは、投資商品の価格変動の幅を示す重要な指標であり、投資におけるリスクの大きさを測る目安として使われています。一般的に、値動きが大きい商品ほどそのリスクも高くなります。 具体的には、ボラティリティが大きい商品は価格変動が激しく、逆にボラティリティが小さい商品は価格変動が穏やかであることを示します。現代ポートフォリオ理論などでは、このボラティリティを標準偏差という統計的手法で数値化し、それを商品のリスク度合いとして評価するのが一般的です。このため、投資判断においては、ボラティリティの大きい商品は高リスク、小さい商品は低リスクと判断されます。

ドローダウン

ドローダウンとは、資産運用において、運用資産の価値がピーク時からどれだけ下落したかを示す指標のことを指します。具体的には、運用資産が最高値をつけた後、どこまで下がったかをパーセンテージで表します。ドローダウンが大きいということは、一時的に大きな損失が発生したことを意味し、投資家にとっては心理的なストレス要因にもなります。資産運用では、リターンだけでなくドローダウンの大きさを確認することで、リスクの許容度に合った運用戦略を選ぶことが重要になります。

アウト・オブ・ザ・マネー

アウト・オブ・ザ・マネーとは、オプション取引において、現時点で権利を行使しても利益が出ない状態のことを指します。具体的には、コールオプションの場合は現在の資産価格が権利行使価格より低く、プットオプションの場合は現在の資産価格が権利行使価格より高いときに、アウト・オブ・ザ・マネーとなります。この状態のオプションは、価値が小さくなりがちで、満期を迎えると無価値になる可能性もあります。資産運用においては、リスク管理や戦略的なポジション作りにおいて、アウト・オブ・ザ・マネーのオプションをあえて活用するケースもあります。

カラー取引

カラー取引とは、オプション取引を利用して、資産の価格変動リスクを一定の範囲内に抑える手法のことを指します。具体的には、資産の下落リスクをヘッジするためにプットオプションを購入しつつ、資産の上昇益を一定程度あきらめる代わりにコールオプションを売却するという組み合わせを行います。この結果、損失を限定しながら、ある程度の収益も確保できる仕組みとなります。資産運用においては、カラー戦略を使うことで、市場の不確実性が高い局面でもリスク管理をしながら投資を続けやすくなるメリットがあります。

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