明治安田生命はやめたほうがいいって聞いたんですが、どうしてですか?
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2025/10/10 09:59
男性
30代
明治安田生命の保険について、「やめたほうがいい」と聞いたのですが、その理由がよくわかりません。テレビCMなどでよく見かける大手なので安心だと思っていましたが、実際に加入すると損をするケースがあるのでしょうか?具体的にどのような点に注意すべきかを知りたいです。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
「明治安田生命はやめたほうがいい」という意見は一面的です。明治安田生命は大手であり、保険金支払い能力や全国的な相談網などの強みがあります。しかし、加入目的と商品の設計が合っていない場合や、外貨建て・変額保険のリスクを理解しないまま契約してしまう場合、また特約を盛り込みすぎて保険料が膨らむ場合などは「やめたほうがよかった」と感じることが多くなります。大切なのは、会社名ではなく自分の目的と保険内容が合っているかを見極めることです。
まず、保険を選ぶ際は「何のために入るのか」を明確にしましょう。万一の備えが目的なら、同じ保障額でも貯蓄型より定期保険のほうが保険料効率が高い場合が多いです。資産形成が目的なら、解約返戻金の推移や実質利回り(IRR)を確認し、預金やNISAと比較します。パンフレットの返戻率だけでは判断せず、途中解約の弱さや元本割れ期間にも注意が必要です。
商品タイプごとに向き不向きもあります。円建ての貯蓄型保険は、長期で保有できる人向きで、途中解約の可能性がある人には不向きです。外貨建て保険は為替変動のリスクがあり、円安時に解約すると損が大きくなる場合があります。変額保険は運用リスクを自分で負うため、価格変動を許容できる人でなければおすすめできません。医療・がん保険などは、更新後の保険料上昇や免責条件を確認することが大切です。
営業担当者の提案にも注意が必要です。複数の目的を1つの保険でカバーしようとすると、特約費用が増えて保険料が高くなりがちです。また、非保証部分を「確定のように」説明されていないかも確認しましょう。「10年後に払済にするとお得」という話も、返戻率だけでなく実質利回りや機会損失を考慮して判断することが必要です。
契約を検討する際は、同じ条件で他社と比較し、保険料や保障内容、更新後の費用を数字で確認しましょう。すでに加入している団体保険や公的保障で十分な場合もあります。資産形成を目的とする場合は、まずNISAやiDeCoなど他の制度を活用してから保険を検討するのが効率的です。
すでに契約して不安がある場合は、すぐに解約せず、減額や払済、特約の見直しなどで負担を減らす方法を検討します。外貨建てなら為替が不利な時期の解約を避け、変額なら評価損を確定させないよう注意します。カスタマーセンターで書面を取り寄せ、現時点の返戻金や損益分岐点を確認すると、より正確な判断ができます。
最終的に、「明治安田生命だからやめたほうがいい」ということではありません。あなたの目的、ライフプラン、リスク許容度に合った設計かどうかを基準に判断すべきです。もし見積書や設計書があるなら、非保証部分や解約時の返戻金を具体的に確認し、数値で納得できるかを見極めることが何より重要です。
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外貨建て保険
外貨建て保険とは、保険料の支払いや保険金の受け取りなどが、日本円ではなく米ドルや豪ドルなどの外貨で行われる保険商品のことをいいます。主に終身保険や年金保険の形で提供されており、日本国内の低金利環境に対する対策として注目されることがあります。 外貨建て保険の魅力は、円建ての保険よりも高い利回りが期待できる点ですが、その反面、為替レートの変動によって実際に受け取る金額が目減りするリスクもあります。また、為替手数料や解約時のコストがかかることもあるため、加入する際には仕組みをしっかり理解し、自分の資産運用方針やリスク許容度に合っているかを見極めることが大切です。特に長期で保有する場合には、為替動向や国際情勢にも一定の関心を持つ必要があります。
変額保険
変額保険とは、死亡保障を持ちながら、保険料の一部を投資に回すことで、将来受け取る保険金や解約返戻金の金額が運用成績によって変動する保険商品です。 保険会社が提供する複数の投資先から自分で選んで運用することができるため、運用がうまくいけば受け取る金額が増える可能性があります。 ただし、運用がうまくいかなかった場合は、受け取る金額が減ることもあります。保障と資産運用の両方を兼ね備えた商品ですが、元本保証がない点には注意が必要です。投資初心者の方には、仕組みを十分に理解したうえで加入することが大切です。
特約
特約とは、保険契約や金融契約、不動産契約などにおいて、基本契約に追加される特別な条件や取り決めのことを指します。これは標準的な契約内容とは別に、契約者の希望や状況に応じて付加されるもので、主契約の補足・強化・変更などを目的とします。 たとえば、生命保険では「災害特約」や「払込免除特約」などがあり、基本の保障に加えて追加の保障や条件変更を可能にします。特約は自由度が高い反面、内容や適用条件が複雑になることもあるため、契約時にはその内容を正確に理解しておくことが重要です。資産運用や保険設計においては、特約の有無によって将来のリスク対応力やコスト負担が大きく変わる可能性があるため、戦略的に選ぶべき要素のひとつです。
解約返戻金
解約返戻金とは、生命保険などの保険契約を途中で解約したときに、契約者が受け取ることができる払い戻し金のことをいいます。これは、これまでに支払ってきた保険料の一部が積み立てられていたものから、保険会社の手数料や運用実績などを差し引いた金額です。 契約からの経過年数が短いうちに解約すると、解約返戻金が少なかったり、まったく戻らなかったりすることもあるため、注意が必要です。一方で、長期間契約を続けた場合には、返戻金が支払った保険料を上回ることもあり、貯蓄性のある保険商品として活用されることもあります。資産運用やライフプランを考えるうえで、保険の解約によって現金化できる金額がいくらになるかを把握しておくことはとても大切です。
IRR(Internal Rate of Return)
IRRとは、投資によって得られる将来のキャッシュフローを現在価値に割り引いたとき、その合計が初期投資額と等しくなる割引率のことを指します。日本語では「内部収益率」とも呼ばれ、投資の収益性を評価する代表的な指標の一つです。この指標が高ければ高いほど、その投資案件は高い利回りが見込めるとされます。 たとえば、不動産投資やベンチャーキャピタルなど、長期間にわたるキャッシュフローが見込まれる事業では、IRRを基準に投資判断が行われることがあります。IRRが資本コスト(期待利回り)を上回る場合、その投資は価値があると判断されます。ただし、キャッシュフローの変動が大きいとIRRが複数存在したり、直感に反する結果になることもあるため、NPV(正味現在価値)など他の指標と併用することが望ましいです。
リスク許容度
リスク許容度とは、自分の資産運用において、どれくらいの損失までなら精神的にも経済的にも受け入れられるかという度合いを表す考え方です。 投資には必ずリスクが伴い、時には資産が目減りすることもあります。そのときに、どのくらいの下落まで冷静に対応できるか、また生活に支障が出ないかという観点で、自分のリスク許容度を見極めることが大切です。 年齢、収入、資産の状況、投資経験、投資の目的などによって人それぞれ異なり、リスク許容度が高い人は価格変動の大きい商品にも挑戦できますが、低い人は安定性の高い商品を選ぶほうが安心です。自分のリスク許容度を正しく理解することで、無理のない投資計画を立てることができます。