Loading...

MENU

投資の知恵袋>

ゆとりのある老後生活を送るために必要な生活費の目安と、どの程度の資産が必要かを教えてください。

回答受付中

0

2025/10/28 09:11


男性

60代

question

老後にゆとりある生活を送るための毎月の生活費の目安を、夫婦世帯と単身世帯でそれぞれ知りたいです。公的年金で賄える分と不足額をどう見積もるか、医療・介護費やリフォーム、車の買い替えなどの一時費用の考え方も含めて教えてください。


回答

佐々木 辰

株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長

ゆとりある老後を送るためには、まず毎月の生活費の目安を把握することが重要です。夫婦2人の場合、公益財団法人生命保険文化センターの調査によると「ゆとりある生活費」は月37.9万円が目安とされています。

この金額には、基本的な生活費に加えて旅行や趣味などのゆとり支出が含まれています。一方で「最低限の生活費」は月23.2万円とされており、自身がどの水準を目指すかによって必要な資金は変わります。

実際の高齢世帯の支出をみると、総務省「家計調査」では65歳以上の夫婦のみ無職世帯の平均消費支出は月約25.7万円、単身無職世帯では約14.9万円です。持ち家か賃貸か、交際費や医療費の多寡などによって支出構造は異なりますが、平均的な「基礎生活費」はこの範囲と考えられます。

次に、収入面である公的年金を確認します。標準的な夫婦世帯(夫が平均的賃金で40年勤務、妻が専業主婦)の年金額は2025年度で月約23万円です。

これを生活費の目安と比較すると、ゆとりある生活を送るには毎月約15万円、年間約180万円の不足が生じる計算になります。では、この不足を補うためにはどの程度の資産が必要かを考えます。取り崩し率3~4%を想定すると、年間180万円の不足を30年程度補うには4,500万~6,000万円が目安になります。

ただし、これらは平均値に過ぎず、必要資金は世帯ごとに異なります。住居費、車の保有、趣味・旅行の頻度、介護費用などの要因で数百万円単位の差が出るケースも少なくありません。

まず「ねんきんネット」で年金見込み額を確認し、現在の家計支出を老後仕様に置き換えて、自分にとっての「基礎生活費」と「ゆとり支出」を具体的に算出することが第一歩です。自分のライフスタイルに合わせた具体的な数字を把握したうえで、豊かな老後生活を送るための準備を進めましょう。

佐々木 辰さんに相談する
コンシェルジュ編集部に相談CTA

関連記事

国民年金基金は入ってはいけない?国民年金や付加年金との違いを徹底解説

国民年金基金は入ってはいけない?国民年金や付加年金との違いを徹底解説

2025.08.04

難易度:

公的年金

関連する専門用語

公的年金

公的年金には「国民年金」と「厚生年金」の2種類があり、高齢者や障害者、遺族が生活を支えるための制度です。この制度は、現役で働く人たちが納めた保険料をもとに、年金受給者に支給する「世代間扶養」の仕組みで成り立っています。 国民年金は、日本に住む20歳以上60歳未満のすべての人が加入する制度です。保険料を一定期間(原則10年以上)納めると、65歳から老齢基礎年金を受け取ることができます。また、障害を負った場合や生計を支える人が亡くなった場合には、障害基礎年金や遺族基礎年金を受け取ることができます。 厚生年金は、会社員や公務員が対象の制度で、国民年金に追加で加入する形になります。保険料は給与に応じて決まり、支払った分に応じて将来の年金額も増えます。そのため、厚生年金に加入している人は、国民年金だけの人よりも多くの年金を受け取ることができ、老齢厚生年金のほかに、障害厚生年金や遺族厚生年金もあります。 公的年金の目的は、老後の生活を支えるだけでなく、病気や事故で障害を負った人や、家計を支える人を亡くした遺族を支援することにもあります。財源は、加入者が納める保険料と税金の一部で成り立っており、現役世代が高齢者を支える「賦課方式」を採用しています。しかし、少子高齢化が進むことで、この仕組みを今後も維持していくことが課題となっています。公的年金は、すべての国民が支え合い、老後の安心を確保するための重要な制度です。

生活費

生活費とは、日常生活を送るために継続的に必要となる支出の総称です。具体的には、食費・住居費・光熱費・通信費・交通費・保険料・日用品費などが含まれます。ライフプランニングにおいては、将来の資金計画を立てる上で最も基本となる項目です。 生活費は、家計の固定費と変動費に分けて整理するのが一般的です。固定費には家賃や住宅ローン、保険料、通信費など毎月一定額がかかる支出が含まれ、変動費には食費や交際費、レジャー費など月によって増減する支出が該当します。この分類によって、支出の見直しや節約余地の把握が容易になります。 ライフプランニングの観点では、生活費を「現役期」「リタイア後」に分けて見積もることが重要です。現役期は収入に応じた支出バランスの最適化が課題となり、リタイア後は年金や金融資産からの取り崩しを前提に、生活水準を維持できる金額を算出します。特に老後資金のシミュレーションでは、「生活費=必要生活費+ゆとり費」という考え方が用いられ、前者は最低限の生活維持費、後者は旅行や趣味などの豊かさを加えた支出とされます。 また、生活費はインフレ率や家族構成の変化、ライフイベント(子どもの教育、住宅購入、介護など)によって大きく変動します。したがって、定期的に見直しを行い、支出の現状と将来見通しを可視化することが、安定したライフプラン設計の第一歩となります。

取り崩し率

取り崩し率とは、老後などの生活資金として貯めた資産を、毎年どのくらいの割合で使っていくかを表す指標です。 たとえば1,000万円の資産から1年間に40万円を生活費にあてる場合、取り崩し率は4%になります。この数字を見ることで、「どのくらいのペースで資産を使えば、長い老後を安心して過ごせるか」の目安を立てることができます。 資産をどれくらいのスピードで使っても大丈夫かは、運用の利回りやインフレ率によって大きく変わります。たとえば、年平均2%で運用でき、物価が毎年1%上がる環境なら、取り崩し率は3%程度に抑えると資産を約30年持たせることができます。 もう少しリスクを取って年3〜4%で運用できれば、4%前後の取り崩しでも資産が30年間もつ可能性が高まります。このような考え方は「4%ルール」として知られ、株式と債券を組み合わせて運用する場合の目安としてよく使われます。 ただし、これは米国のデータをもとにした考え方であり、日本では金利や為替、税金の影響を考慮して3%前後を目安にするのがより現実的です。 また、取り崩し率は「税金や社会保険料を引いた後の手取り」で考えることが大切です。たとえば年金や配当からの課税を差し引くと、実際に生活に使える金額は見かけより少なくなる場合があります。

老後資金

老後資金とは、定年退職後の生活を支えるために準備しておくお金のことを指します。収入が減少する老後においても、生活費や医療費、介護費、趣味や旅行などの費用をまかなうための資金です。多くの人にとって、公的年金だけでは十分な生活水準を維持できないことが多いため、自助努力による資産形成が重要になります。老後資金の準備には、確定拠出年金(iDeCo)やつみたてNISAなどの税制優遇制度を活用する方法や、長期の投資信託を用いた積立投資が効果的です。また、退職後の支出計画やライフスタイルの見直しも含めて、早い段階から具体的な目標額を設定し、計画的に貯蓄や投資を進めることが大切です。

ねんきんネット

ねんきんネットとは、日本年金機構が提供しているオンラインサービスで、自分の年金に関する情報をインターネット上で確認できる仕組みです。年金の加入履歴や将来の年金受取見込み額、保険料の納付状況などを、自宅のパソコンやスマートフォンからいつでも確認できます。 ログインには基礎年金番号やマイナンバーが必要で、安全性にも配慮されています。紙の通知だけではわかりにくかった年金情報を自分で管理できるようになるため、資産運用や老後の生活設計を考えるうえで非常に便利なツールです。

無料で相談してみる

専門家に相談してみませんか?

無料で相談してみる

投資の知恵袋では、あなたの投資や資産に関する疑問や悩みを専門のアドバイザーに気軽に相談することが可能です。
ぜひご利用ください。

専門家に質問してみる

関連記事

国民年金基金は入ってはいけない?国民年金や付加年金との違いを徹底解説

国民年金基金は入ってはいけない?国民年金や付加年金との違いを徹底解説

2025.08.04

難易度:

公的年金
加給年金とは?もらえる条件と年金額・手続きを徹底解説

加給年金とは?もらえる条件と年金額・手続きを徹底解説

2025.09.17

難易度:

公的年金
ねんきんネットの使い方は?年金見込額を活かしてライフプランを試算する方法

ねんきんネットの使い方は?年金見込額を活かしてライフプランを試算する方法

2025.07.14

難易度:

資産運用に役立つ情報をいち早くGET!

無料LINE登録

資産運用について気軽にご相談したい方

プロへ相談する

当メディアで提供するコンテンツは、情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。 銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身でご判断いただきますようお願いいたします。 本コンテンツの情報は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その情報源の確実性を保証したものではありません。 また、本コンテンツの記載内容は、予告なしに変更することがあります。

投資のコンシェルジュ

運営会社: 株式会社MONO Investment

Email:

運営会社利用規約各種お問い合わせプライバシーポリシーコンテンツの二次利用について

「投資のコンシェルジュ」はMONO Investmentの登録商標です(登録商標第6527070号)。

Copyright © 2022 株式会社MONO Investment All rights reserved.

「投資のコンシェルジュ」はMONO Investmentの登録商標です(登録商標第6527070号)。

Copyright © 2022 株式会社MONO Investment All rights reserved.