ふるさと納税は損だからばかばかしいって本当ですか?
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2025/07/16 08:54
男性
40代
知人から「ふるさと納税は自己負担が増えて結局損をするだけの、ばかばかしい制度だ」と言われました。テレビやネットではお得と宣伝されていますが、実際には損するような仕組みになっているのでしょうか?
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
ふるさと納税は、正しく活用すれば実質2,000円の負担で返礼品を受け取り、翌年の税負担を軽減できる制度です。したがって、制度そのものが損ということはありません。しかし、以下のような状況では損を感じることもあります。
まず、控除上限額を超えて寄付をすると、超過した部分が全額自己負担となり、制度のメリットが薄れます。また、そもそもの納税額が少ない方や、所得が変動しやすく控除額の計算が難しい方にとっても、メリットを実感しづらいでしょう。
加えて、確定申告やワンストップ特例申請などの手続きを忘れると、せっかくの控除が受けられず、結果的に負担だけが増えることになります。返礼品についても寄付額の3割以下という制限があり、魅力を感じないものを選んでしまうと「損をした」と感じやすくなります。
資産運用の観点からは、寄付をする前にポータルサイトのシミュレーター等で控除上限を事前に確認し、返礼品を市場価格や家庭のニーズと照らし合わせて慎重に選び、書類を正しく保管して手続きミスを防ぐことで、制度のメリットを最大限活用できます。
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ふるさと納税
ふるさと納税とは、あなたが応援したい自治体へ寄附を行い、その寄附額のうち自己負担額2,000円を除いたほぼ全額が所得税や住民税から控除される制度です。自治体によっては地元の特産品やサービスを返礼品として受け取れるため、実質的な税負担を抑えつつ地域貢献もできる仕組みとして人気があります。控除を受けるには、寄附金受領証明書を添付して確定申告を行う方法と、年間5自治体以内で利用できるワンストップ特例申請の2通りがあり、申請手続きの簡便さも魅力です。寄附限度額は所得や家族構成によって異なるため、シミュレーションで上限額を把握してから活用することが大切です。
控除限度額(控除上限額)
控除限度額とは、税金を計算するときに所得から差し引くことができる金額の上限のことをいいます。たとえば、確定拠出年金や医療費控除などで使われる制度には、「この金額までなら控除できます」という決まりがあり、その上限が控除限度額です。 この仕組みにより、一定の範囲内で税金の負担を軽くすることができますが、限度額を超えた部分については控除の対象にならないので、利用する際には注意が必要です。投資や資産運用においても、節税を考えるうえでとても重要なポイントになります。
確定申告
確定申告とは、1月1日から12月31日までの所得を計算して翌年の2月16日から3月15日に申告し、納税する手続き。多くの会社では年末調整を経理部がしてくれるが、確定申告をすると年末調整では受けられない控除を受けることができる場合もある。確定申告をする必要がある人が確定申告をしないと加算税や延滞税が発生する。
ワンストップ特例
ワンストップ特例とは、ふるさと納税による寄附金控除を受ける際、年間の寄附先が5自治体以内であれば確定申告を行わずに住民税から控除を受けられる制度です。寄附者は寄附ごとに自治体へ特例申請書と本人確認書類を提出するだけで済み、翌年度の住民税から自己負担額2,000円を差し引いた控除額が自動的に反映されます。会社員など普段は確定申告が不要な人にとって手続きの手間を大幅に省ける仕組みですが、医療費控除や副収入などで別途確定申告が必要になった場合は、この特例は無効となり、改めて寄附金控除を申告して精算する必要がある点に注意が必要です。
返礼品
返礼品とは、ふるさと納税を通じて自治体に寄付を行った人に対して、そのお礼として贈られる品物のことです。多くの場合、その地域の特産品や工芸品、サービスなどが選ばれており、寄付を通じて地域を応援しながら実際に魅力を体験できる点が特徴です。 ただし、返礼品の価値が過度に高くならないよう、寄付金額の3割以内に抑えるという国の基準が設けられています。返礼品の存在はふるさと納税の利用を後押しする大きな要素であり、節税効果と合わせて制度の魅力を高めています。
住民税控除
住民税控除とは、所得税と並んで課される住民税に対して、一定の要件を満たすことで支払う税額を軽減できる制度のことです。住民税は、前年の所得に基づいて自治体が課税するもので、ふるさと納税や生命保険料、医療費、寄付金などに対して控除が適用される場合があります。 特にふるさと納税では、自己負担額2,000円を除いた寄付金の一部が住民税から直接引かれる仕組みになっており、節税効果を実感しやすい制度のひとつです。控除には「基本分」と「特例分」があり、それぞれに異なる計算方式があるため、正しく理解しておくことが大切です。