永代供養と墓じまいの違いはなんですか?
回答受付中
0
2025/08/16 09:08
男性
60代
高齢の両親の墓の管理が難しく墓仕舞いを検討しています。調べていたところ、永代供養という選択肢もあることを知りました。これらはどのような違いがあるのでしょうか?
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
墓じまいと永代供養は、目的や最終的な供養の形が異なります。
墓じまいは、既存のお墓を閉じて遺骨を別の場所に移すことを指します。具体的には、遺骨を取り出し、墓石を撤去・更地化して墓地使用権を返還します。その後、遺骨は新しい供養先へ移されますが、その選択肢のひとつが永代供養です。
永代供養は、寺院や霊園が遺族に代わって永続的に供養を行う仕組みで、遺族が定期的に墓参りできなくても安心して預けられます。納骨堂や合同墓(合祀墓)などが一般的で、個別安置の期間を設けた後に合祀するケースもあります。
つまり、墓じまいは「墓を閉じる行為」であり、永代供養は「遺骨の新しい管理・供養方法」です。両者は対立する選択肢ではなく、墓じまいを行った後の受け皿として永代供養を選ぶ、という関係になります。
関連する専門用語
合同墓
合同墓とは、複数の遺骨を一つの墓所にまとめて埋葬・供養する形態のお墓のことです。個別の区画や墓石を持たず、合同の納骨スペースに安置されるため、管理費や維持負担が少なく、後継者がいない場合でも供養が続けられます。 多くは永代供養の形で運営され、寺院や霊園が定期的に読経や供養を行います。一度納骨すると遺骨を個別に取り出すことは難しいため、納骨前に親族間で十分な話し合いを行うことが重要です。少子高齢化や墓じまいの増加を背景に、費用面や管理の簡便さから選ばれる機会が増えています。
墓地使用権
墓地使用権とは、墓地や納骨区画を使用する権利のことです。土地そのものを所有する権利ではなく、墓所として利用するための限定的な使用権であり、購入したとしても不動産の所有権とは異なります。 この権利は霊園や寺院などの管理者との契約によって成立し、使用期間や管理料、承継に関する条件が定められています。承継者がいなくなったり、管理料が未納になった場合は、権利が失効して墓所が返還されることがあります。墓地使用権は相続や改葬にも関わるため、購入時には契約内容や将来の利用計画を確認することが重要です。
永代供養
永代供養とは、寺院や霊園などが遺族や承継者に代わって、長期間または期限を定めずに遺骨の管理と供養を行うことです。少子高齢化や後継者不在、遠隔地在住などの理由でお墓の維持が難しい場合に選ばれることが多く、納骨堂や合同墓、樹木葬などさまざまな形態があります。 永代供養では、契約時に一括費用を支払うことが一般的で、以後の管理費は不要な場合が多いです。墓埋法の規定に基づき適正に管理され、無縁墓化を防ぐ役割も果たします。資産整理や終活において、将来の供養負担を軽減する選択肢として広く利用されています。
墓じまい
墓じまいとは、既存の墓地から遺骨を取り出し、墓石を撤去して墓所を更地に戻す手続きのことです。少子高齢化や後継者不在、維持費負担の軽減などを理由に行われることが多く、遺骨は別の墓地や納骨堂、永代供養施設などへ改葬します。 墓じまいには、親族間の合意形成、寺院や墓地管理者への連絡、行政からの改葬許可の取得、専門業者による墓石撤去など、複数の手続きが必要です。資産管理や相続の観点からも、墓じまいは将来の維持管理費や負担を軽減する選択肢の一つとして注目されています。
合祀(ごうし)
合祀(ごうし)とは、複数の遺骨を同じ墓所や納骨施設にまとめて埋葬・供養することを指します。合同墓や永代供養墓で行われることが多く、個別の墓や骨壺での管理を行わないため、後継者や維持管理費が不要になるのが特徴です。 一度合祀すると、遺骨は他の遺骨と混ざってしまうため、後から個別に取り出すことはできません。そのため、合祀を選択する際には、親族間での合意形成が重要です。少子高齢化や都市部の墓地不足、墓じまい後の受け入れ先として需要が増えており、資産整理や終活の中でも注目される供養方法の一つです。