法人の役員は、雇用保険に加入できますか?
法人の役員は、雇用保険に加入できますか?
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2025/11/10 10:00
男性
60代
法人の役員として勤務していますが、雇用保険に加入できるのか疑問です。会社の経営に関わる立場でも、勤務実態があれば加入できると聞いたことがあります。役員であっても加入が認められる条件や、判断の基準を具体的に教えてください。
回答
佐々木 辰
38歳
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
法人の役員でも、実際に会社から指揮命令を受けて働き、勤務時間や賃金が従業員と同様に管理されている場合は、雇用保険に加入できます。つまり、名目上の役員であっても、実態として労働者の立場が明確であれば被保険者と認められます。
厚生労働省も、業務内容や給与体系、勤怠管理の実態などを総合的に判断し、「労働者性」が強ければ加入を認める方針を示しています。
判断のポイントは、上司などからの指揮命令に従って働いているか、所定労働時間が定められ出退勤の管理があるか、役員報酬とは別に従業員給与として賃金が支払われているか、そして週20時間以上かつ31日以上の雇用見込みがあるかという4点です。
代表取締役や業務執行権を持つ役員は、経営者的立場が強いため原則加入できませんが、兼務役員として勤務実態を客観的に示せば加入が認められる場合があります。
加入を希望する際は、雇用契約書や出勤簿、賃金台帳、兼務役員雇用実態証明書などを整えて、ハローワークに相談するのが確実です。会社の経営に関わりながらも実際には従業員として働く役員の方は、まず勤務実態と報酬区分を整理しておきましょう。
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使用人兼務役員(兼務役員)とは、会社の役員でありながら、同時に従業員としての職務も行っている人のことを指します。たとえば、取締役として経営判断に関わりながら、部長や工場長などの役職について、実際に業務執行にあたっている場合がこれにあたります。 使用人としての業務が明確に存在していれば、その分の給与(使用人給与)は通常の従業員と同じように「給与所得」として税務上認められます。ただし、実態としては業務を行っていないにもかかわらず形式的に肩書だけを付けた場合、税務上でその給与が「役員報酬」と見なされる可能性があり、損金算入が認められなくなることもあります。 したがって、使用人兼務役員として適正に扱われるためには、役員としての職務と使用人としての職務が明確に区別され、実際に業務が行われていることが重要です。中小企業などでは、親族がこの立場になることも多いため、税務リスクを避けるためにも正しい理解が求められます。
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