「終身保険」と「死亡保険」の違いを初心者向けに教えてください。
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2025/07/21 10:45
男性
30代
保険にあまり詳しくないのですが、「終身保険」と「死亡保険」はどう違うのでしょうか?どちらも亡くなったときにお金が出るイメージですが、仕組みやメリット、加入する目的などがよくわかりません。初心者にもわかるように教えてください。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
「死亡保険」とは、人が亡くなったときに保険金が支払われる保険全体を指す言葉で、その中に「終身保険」や「定期保険」などいくつかの種類があります。つまり、終身保険も定期保険も、どちらも死亡保険の一種です。
終身保険は、一生涯にわたって保障が続く保険です。契約してから何歳で亡くなっても必ず保険金が支払われるため、葬儀費用や相続対策など長期的な備えに向いています。また、途中で解約してもお金が一部戻ってくる「解約返戻金」があり、老後資金や緊急時の備えとして使えるという貯蓄の機能もあります。その分、毎月の保険料はやや高めです。
一方、定期保険は10年、20年など一定の期間だけ保障があるタイプの保険です。契約期間中に万が一のことがあれば保険金が支払われますが、期間が終わっても何もなければ保障は終了し、お金も戻ってきません。掛け捨てが基本のため、同じ金額の保障でも保険料は終身保険より安く、コストを抑えて一時的に大きな保障を得たいときに向いています。たとえば、子どもが独立するまでの間や住宅ローン返済中のリスクに備える用途などです。
まとめると、死亡保険にはいくつかのタイプがあり、終身保険は「一生の安心と資産性」を重視する人向き、定期保険は「期間限定のリスクに安く備えたい人」に向いています。それぞれの特性を理解して、自分のライフステージや目的に合った保険を選ぶことが大切です。
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終身保険
終身保険とは、被保険者が亡くなるまで一生涯にわたって保障が続く生命保険のことです。契約が有効である限り、いつ亡くなっても保険金が支払われる点が大きな特徴です。また、長く契約を続けることで、解約した際に戻ってくるお金である「解約返戻金」も一定程度蓄積されるため、保障と同時に資産形成の手段としても利用されます。 保険料は一定期間で払い終えるものや、生涯支払い続けるものなど、契約によってさまざまです。遺族への経済的保障を目的に契約されることが多く、老後の資金準備や相続対策としても活用されます。途中で解約すると、払い込んだ金額よりも少ない返戻金しか戻らないこともあるため、長期の視点で加入することが前提となる保険です。
定期保険
定期保険とは、あらかじめ決められた一定の期間だけ保障が受けられる生命保険のことです。たとえば10年や20年といった契約期間のあいだに万が一のことがあれば、保険金が支払われますが、その期間を過ぎると保障はなくなります。保障期間が限定されているため、保険料は比較的安く設定されています。特に子育て世代や住宅ローンを抱えている方など、特定の期間だけ万が一の保障を重視したい場合に適しています。貯蓄性はなく、純粋に「保障のための保険」である点が特徴です。
死亡保険
死亡保険とは、契約者が亡くなった場合に、遺された家族や指定された受取人に保険金が支払われる保険のことです。この保険は、主に家族の生活費や子どもの教育費、住宅ローンの返済など、被保険者の死後に経済的な困難が生じないように備えるためのものです。 投資とは少し性質が異なりますが、万が一のリスクに備えるという点で、資産運用やライフプランの一環として重要な位置を占めています。また、保険の種類によっては、一定の年数を超えると解約返戻金が発生するため、長期的な資産形成の手段として活用されることもあります。
解約返戻金
解約返戻金とは、生命保険などの保険契約を途中で解約したときに、契約者が受け取ることができる払い戻し金のことをいいます。これは、これまでに支払ってきた保険料の一部が積み立てられていたものから、保険会社の手数料や運用実績などを差し引いた金額です。 契約からの経過年数が短いうちに解約すると、解約返戻金が少なかったり、まったく戻らなかったりすることもあるため、注意が必要です。一方で、長期間契約を続けた場合には、返戻金が支払った保険料を上回ることもあり、貯蓄性のある保険商品として活用されることもあります。資産運用やライフプランを考えるうえで、保険の解約によって現金化できる金額がいくらになるかを把握しておくことはとても大切です。
掛け捨て保険
掛け捨て保険とは、一定期間の保障を得ることに特化した保険で、保険期間が終わった後に保険料が戻ってこないタイプの保険です。代表的なものに、定期型の生命保険や医療保険があります。保障が必要な期間に絞って加入できるため、毎月の保険料を安く抑えられるのが大きな特徴です。貯蓄機能はないものの、万一に備えるコストパフォーマンスが高く、特に子育て世代や住宅ローン返済中など、一時的に大きな保障を必要とする方に適しています。「お金が戻らないから損」と感じる方もいますが、必要な時期に必要な保障を効率よく確保する手段として、多くの方に利用されています。
相続対策
相続対策とは、財産を円滑に次世代へ引き継ぐために行う事前準備のことを指します。主に、相続税の負担を軽減するための税務対策、遺産分割を円満に進めるための法務対策、資産を有効活用するための運用対策が含まれます。相続対策を適切に行うことで、相続に関するトラブルを未然に防ぎ、資産の価値を守ることができます。 税務対策としては、生前贈与や生命保険の活用、不動産の組み換え、小規模宅地の特例の適用などが挙げられます。生前贈与では、基礎控除を活用した暦年贈与や相続時精算課税制度を利用することで、相続税の負担を軽減できます。生命保険は、非課税枠を利用して相続税の負担を抑えつつ、受取人がスムーズに資金を受け取れるため、納税資金の確保にも有効です。また、不動産を賃貸用不動産に組み換えることで、相続税評価額を引き下げることが可能となります。 法務対策としては、遺言書の作成や信託の活用が重要です。遺言書を作成することで、相続人間の争いを防ぎ、スムーズな遺産分割が可能となります。公正証書遺言を作成すれば、遺言の内容が法的に保護され、確実に実行されます。信託を活用することで、認知症などで判断能力が低下した場合でも、財産の管理を適切に行うことができます。 運用対策としては、資産の組み換えや分散投資を通じて、相続財産の価値を維持・向上させることが重要です。不動産や株式などの資産は、相続税評価額や流動性を考慮しながら適切に管理する必要があります。特に、不動産を活用する場合は、賃貸経営を通じて資産価値を高めることで、相続時の財産評価を最適化できます。 相続対策は、相続発生前に計画的に進めることが重要です。特に、税務・法務・運用の各対策をバランスよく検討し、総合的な視点で取り組むことが求められます。そのため、税理士や弁護士、司法書士、ファイナンシャルプランナーなどの専門家と協力しながら、長期的な視点で計画を立てることが推奨されます。早期の準備を行うことで、円滑な資産承継が実現でき、相続人の負担を軽減することができます。