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定期保険と終身保険の違いとは?どっちが得か、あなたに最適な死亡保険の選び方を解説

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定期保険と終身保険の違いとは?どっちが得か、あなたに最適な死亡保険の選び方を解説

定期保険と終身保険の違いとは?どっちが得か、あなたに最適な死亡保険の選び方を解説

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執筆者:

公開:

2025.06.20

更新:

2026.10.15

# ライフイベント# 貯蓄型保険# 生命保険# 定期保険

結婚や出産、住宅購入を機に生命保険を検討すると、定期保険と終身保険のどちらを選ぶべきか迷うことがあります。両者は保障期間だけでなく、保険料や解約返戻金、見直しのしやすさも異なります。違いを理解せずに選ぶと、必要な時期に保障が不足したり、保険料が家計の負担になったりするおそれがあります。この記事では、定期保険と終身保険の基本的な仕組みから保険料の比較、解約返戻金、税金・相続との関係、家族構成や目的に応じた選び方まで具体的に解説します。

サクッとわかる!簡単要約

この記事を読むことで、定期保険と終身保険の保障期間や保険料、解約返戻金の違いを理解し、具体的な試算をもとに比較できるようになります。更新による保険料の上昇や途中解約のリスク、税金・相続対策での活用方法も把握できます。さらに、遺族年金や貯蓄を踏まえた必要保障額の考え方を学び、家族構成やライフステージに合わせて、必要な保障を無理のない保険料で確保できる保険を自分で選べるようになります。

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目次

定期保険と終身保険の違いとは?比較表で全体像を確認

定期保険の仕組み:全期型と更新型、保険金額の型

終身保険の仕組み:払込期間と低解約返戻金型

養老保険・収入保障保険との位置づけ

保険料はどのくらい違う?同じ保障額で比べた目安

30歳・死亡保険金1,000万円で比べた保険料と60歳時点の受け取り

終身保険の上乗せ分を分解すると「保障+積み立て」になる

更新型は「いまの保険料」だけで比べない

データで見る加入状況:世帯の死亡保障は平均1,936万円

解約返戻金の違いと「掛け捨ては損」の考え方

終身保険の解約返戻金は払込期間中に元本割れしやすい

掛け捨てか貯蓄型かは「保障のコスト」と「資金の拘束」で比べる

税金の違い:死亡保険金・解約返戻金・生命保険料控除

死亡保険金は契約形態で税金の種類が変わる

相続税の非課税枠は一生涯の保障と組み合わせやすい

解約返戻金や満期保険金は一時所得になる場合がある

生命保険料控除は2026年・2027年分に一部拡充

どっちが得?4つの判断軸で整理する定期保険と終身保険

定期保険が有力な選択肢になりやすい人

終身保険の検討価値が高くなる人

組み合わせる場合は「一生分の小さな保障+期間限定の大きな保障」

必要保障額を考えるときの前提:遺族年金と貯蓄を差し引く

相談現場で多い定期保険・終身保険の誤解3つ

誤解1「掛け捨ての定期保険は損」

誤解2「終身保険なら貯金代わりになる」

誤解3「更新型でも保険料はずっと同じ」

定期保険と終身保険の違いとは?比較表で全体像を確認

定期保険と終身保険は、どちらも被保険者が亡くなったときに死亡保険金が支払われる死亡保険です。違いは「保障がいつまで続くか」と、それに伴う保険料・解約返戻金の水準にあります。

比較項目定期保険終身保険
保障期間一定期間(10年・20年、60歳・70歳までなど)一生涯
同じ保険金額での保険料水準割安割高(例では月額が定期保険の約7.7〜9.6倍)
保険料の推移全期型は一定、更新型は更新ごとに上がる傾向円建ての場合、加入時の保険料が払込満了まで一定
保険料の払込期間一般的に保険期間と同じ有期払(60歳までなど)か終身払
解約返戻金ないか、あってもごくわずか経過とともに増える(払込期間中は払込総額を下回ることがほとんど)
満期保険金なしなし(満期がない)
見直しのしやすさ満了・更新のタイミングで見直しやすい長期継続が前提で、途中解約は不利になりやすい
主な役割一定期間の大きな保障(遺族の生活費・教育費など)一生涯の保障(葬儀・整理資金、相続対策など)と資金の積み立て
向いている人子育て期など、保障が必要な期間が決まっている人年齢に関係なく残したい資金がある人
定期保険と終身保険の違い(比較表)

出典:生命保険文化センター「定期保険」

出典:生命保険文化センター「終身保険」

最大の違いは保障期間で、定期保険は保険期間が終われば保障もなくなり、終身保険は解約しない限り一生涯続きます。終身保険は、いつか必ず保険金を支払う前提で将来に備えて積み立てる部分があり、その分だけ保険料が高くなる仕組みです。定期保険には満期保険金がなく、多くの場合は解約返戻金もほとんどありません。

定期保険の仕組み:全期型と更新型、保険金額の型

定期保険は、保険期間内に亡くなった場合や所定の高度障害状態になった場合に保険金を受け取れる保険で、満期保険金はありません。保険期間のタイプには、保険料が満了まで変わらない「全期型」と、5年・10年などで更新していく「更新型」があります。

更新型は健康状態に関係なく同じ保障内容で更新できる一方、更新時の年齢で保険料が再計算されるため、通常は更新のたびに保険料が上がります。更新できる年齢には80歳までなどの上限があり、上限は保険会社や商品によって異なる点にも注意が必要です。

全期型は、10年・20年などの「年満期」と、60歳・70歳までなどの「歳満期」から選べます。契約当初の保険料は更新型より高いものの、途中で保険料が変わらないため、将来の家計の見通しを立てやすいのが特徴です。

定期保険の主なタイプ(保険金額・受取り方)

  1. 定額型:保険期間中、保険料も保険金額も変わらない一般的なタイプ
  2. 逓減型:経過年数に応じて保険金額が減り、子どもの成長で減っていく必要保障額に対応しやすい
  3. 逓増型:保険料は変わらずに、経過年数に応じて保険金額が増えていくタイプ
  4. 年金型:死亡後、契約時に定めた満期まで年金形式で受け取るタイプ(一般に収入保障保険の名称で販売)

逓減型や逓増型は保険金額が自動的に変わるため、必要保障額と保険金額のずれを定期的に確認しておきましょう。収入保障保険は、亡くなった時期によって年金の受取回数が変わり、2年・5年などの最低保証が設けられているのが一般的です。年金に代えて一括で受け取れる商品もありますが、その場合の受取額は年金で受け取る総額より少なくなります。

出典:生命保険文化センター「更新について」

出典:生命保険文化センター「収入保障保険」

収入保障保険の仕組みや受け取り方は、こちらの記事で解説しています。

終身保険の仕組み:払込期間と低解約返戻金型

終身保険は、死亡保障が一生涯続く保険です。満期保険金はありませんが、期間の経過とともに解約返戻金が増えていきます。保険料の払込期間には、60歳までなど一定期間で払い終える「有期払」と、一生涯払い続ける「終身払」があります。

終身払は1回あたりの保険料が有期払より安くなる一方、高齢になっても払い込みが続く点がデメリットです。払込期間中の解約返戻金を通常より低く抑え、その分保険料を割安にした「低解約返戻金型」を扱う会社もあります。払込期間中に解約すると返戻金が大きく減るため、払込満了まで続けられるかどうかが選ぶ際の前提になります。

終身保険の主なタイプ

  1. 低解約返戻金型:払込期間中の解約返戻金を抑えて、保険料を割安にしたタイプ
  2. 積立利率変動型:積立利率を市場金利の変動に合わせて、一定期間ごとに見直すタイプ
  3. 外貨建て:米ドルなどで運用し、為替の変動で円での受取額が変わるタイプ
  4. 変額:運用実績によって保険金額や解約返戻金が変動するタイプ

外貨建てや変額の終身保険では、為替や運用成果で受け取る金額が変わる市場リスクを契約者が負う仕組みです。本記事の比較は、円建てで保険金額が確定している一般的な終身保険が前提です。

出典:生命保険文化センター「終身保険」

外貨建て保険のリスクを理解するためのポイントについては、こちらの記事をご覧ください。

変額保険の仕組みと注意点は、こちらの記事で解説しています。

養老保険・収入保障保険との位置づけ

死亡保障を目的とする保険の選択肢は、定期保険と終身保険だけではありません。養老保険と収入保障保険を加えた4つを並べると、それぞれの役割の違いが見えてきます。

保険の種類保障期間満期保険金解約返戻金主な役割
定期保険一定期間なしあまりない一定期間の大きな保障
収入保障保険一定期間なしあまりない遺族の生活費を年金形式で毎月受け取る
終身保険一生涯なしあり(経過とともに増える)一生涯の保障と資金の積み立て
養老保険一定期間あり(死亡保険金と同額)あり一定期間の保障と満期までの貯蓄
死亡保障を目的とする主な保険の比較

出典:生命保険文化センター「養老保険」

養老保険は、満期まで生存していれば死亡保険金と同額の満期保険金を受け取れますが、満期保険金が払い込んだ保険料の総額を下回ることもあります。生命保険文化センターの例でも、同じ保険金額で比べると3種類の中で保険料が最も高い水準です。

養老保険の仕組みと加入の判断軸は、こちらの記事を参考にしてください。

保険料はどのくらい違う?同じ保障額で比べた目安

定期保険と終身保険の違いを最も実感しやすいのが、保険料の差です。同じ保険金額で比べたときの目安と、その差の中身を確認しましょう。

30歳・死亡保険金1,000万円で比べた保険料と60歳時点の受け取り

生命保険文化センターは、30歳で契約し、死亡保険金1,000万円・保険料を60歳まで払い込む条件で3種類の保険を比べた例を示しています。定期保険と養老保険の保険期間は60歳まで、終身保険は一生涯です。

保険の種類性別保険料(月額)払込総額60歳時点の受け取り
定期保険男性0.36万円128万円0円
定期保険女性0.28万円102万円0円
養老保険男性2.99万円1,075万円満期保険金1,000万円
養老保険女性2.97万円1,067万円満期保険金1,000万円
終身保険男性2.77万円996万円解約した場合の解約返戻金904万円
終身保険女性2.69万円969万円解約した場合の解約返戻金885万円
30歳契約・死亡保険金1,000万円で比べた保険料と60歳時点の受け取り(例)

出典:生命保険文化センター「定期保険・養老保険・終身保険の違いは?」

男性の例では、終身保険の月額保険料は定期保険の約7.7倍、女性では約9.6倍です。定期保険は60歳で保障が終了し、受け取れるお金はありません。一方、終身保険は60歳で解約すると男性で904万円を受け取れるほか、解約せずに保障を続ける選択もできます。

なお、この表は保険料の水準感をつかむための例示です。実際の保険料は、保険会社や商品、健康状態、喫煙の有無、加入時期の予定利率などで変わります。

終身保険の上乗せ分を分解すると「保障+積み立て」になる

終身保険の保険料が高いのは、将来の保険金の支払いに備えて積み立てる部分があるためです。上の例をもとに、終身保険と定期保険の差額がどう戻ってくるかを編集部で試算しました。

項目男性女性
月々の保険料の差(終身保険−定期保険)2.41万円2.41万円
60歳までの保険料の差の合計約868万円約868万円
60歳で終身保険を解約した場合の解約返戻金904万円885万円
差額に対する実質的な利回り(年率換算)約0.27%約0.13%
60歳までの実質負担(払込総額−受取額)定期128万円/終身92万円定期102万円/終身84万円
終身保険と定期保険の差額の試算(30歳契約・死亡保険金1,000万円・60歳払込満了)

出典:生命保険文化センター「定期保険・養老保険・終身保険の違いは?」

※編集部試算(2026年10月5日)。毎月の差額を月初に積み立て、60歳で解約返戻金を受け取ったと仮定して年率に換算。税金や物価上昇は考慮していません。

試算では、終身保険の上乗せ分を毎月積み立てて60歳で受け取った場合の利回りは、男性で年0.3%弱、女性で約0.1%にとどまります。一方、60歳時点での実質的な負担は、男女とも終身保険のほうが定期保険より小さい計算です。終身保険は「定期保険+低利回りの積み立て」に近く、その代わりに一生涯の保障を残す選択肢がつく商品だと捉えると比べやすくなります。

ただし、この結果は30年間解約しないことが前提です。途中で解約すれば返戻金は払込総額を下回ることがほとんどで、上乗せ分を預貯金などで積み立てた場合とは流動性も異なります。

  1. 試算は生命保険文化センターの例示をもとにした編集部試算で、特定の商品の保険料ではない
  2. 予定利率の水準や加入時期によって、保険料や解約返戻金は変わる
  3. 利回りは、税金や物価上昇による実質的な目減りを考慮していない

更新型は「いまの保険料」だけで比べない

定期保険の更新型は、契約当初の保険料が全期型より安い反面、更新のたびに保険料が上がる傾向があります。更新は原則として自動で行われるため、更新しない場合や保険金額を減らしたい場合は、更新前に申し出なければなりません。

比べる際は、加入時の月額だけでなく、保障が必要な期間全体で払う保険料の総額を確認することが大切です。たとえば20年間の保障が必要なら、10年更新型を1回更新した場合の総額と、20年の全期型の総額を見積もりで並べると判断しやすくなります。

更新型のメリットは、更新時に保障を減らせる柔軟さです。子どもの成長に合わせて保険金額を段階的に減らす予定があるなら、更新のたびに見直せる点が合理的に働く場合もあります。

出典:生命保険文化センター「更新について」

掛け捨ての定期保険を損しないように選ぶ考え方は、こちらの記事でまとめています。

データで見る加入状況:世帯の死亡保障は平均1,936万円

生命保険文化センターの2024年度「生命保険に関する全国実態調査」では、世帯の普通死亡保険金額(全生保)の平均は1,936万円でした。前回2021年度の2,027万円から減少しており、世帯主分は1,258万円です。

項目2024年度調査2021年度調査
世帯加入率(全生保)89.2%89.8%
世帯の普通死亡保険金額(全生保)1,936万円2,027万円
世帯主の普通死亡保険金額(全生保)1,258万円1,386万円
世帯の年間払込保険料(全生保)35.3万円37.1万円
年間払込保険料の世帯年収に対する比率6.0%6.7%
世帯主に万一のときの必要生活資金(平均総額)6,283万円5,691万円
生命保険の加入状況(2人以上世帯)

出典:生命保険文化センター「2024(令和6)年度 生命保険に関する全国実態調査」

直近に加入した民間保険の種類は、終身保険が29.2%で最も多く、定期保険は8.3%、定期付終身保険は3.2%でした。世帯主に万一のことがあった場合に必要と考える生活資金は、年354万円×17.3年で平均6,283万円という結果です。加入額と必要額の間には差がありますが、必要額には遺族年金や貯蓄で賄える分も含まれるため、不足額は家庭ごとに計算する必要があります。

解約返戻金の違いと「掛け捨ては損」の考え方

定期保険と終身保険を比べるとき、多くの人が気にするのが「お金が戻るかどうか」です。解約返戻金の仕組みを知ると、掛け捨てと貯蓄型の損得を別の視点で整理できます。

終身保険の解約返戻金は払込期間中に元本割れしやすい

終身保険の解約返戻金(保険会社によっては「解約払戻金」と呼びます)は期間の経過とともに増えていきますが、払込期間中に途中解約した場合は払込総額を下回ることがほとんどです。特に契約から間もない時期の解約では、戻る金額が払込額を大きく下回ることがあります。保険料を一時払いした場合でも、経過期間によっては解約返戻金が一時払保険料を下回る点は同じです。

終身保険を貯蓄の手段として考えるなら、払込満了まで続けられる保険料かどうかが最初の確認点になります。掛け捨て型の定期保険は多くの場合、解約返戻金はあまりありません。解約返戻金がまったくない無解約返戻金型の商品もあります。

出典:生命保険文化センター「終身保険」

出典:生命保険文化センター「定期保険」

解約返戻金の仕組みと、解約前に確認したいことは、こちらの記事で解説しています。

掛け捨てか貯蓄型かは「保障のコスト」と「資金の拘束」で比べる

定期保険の保険料は、万が一のときの保障を買うための費用です。何も起きずに満了しても、その期間に家族の生活が守られていた価値は残るといえるでしょう。

生命保険文化センターも、養老保険や終身保険は貯蓄機能のある保険だとしつつ、預貯金のように預けたお金が増えて戻るとは限らないと説明しています。貯蓄型を選ぶかどうかは、上乗せする保険料を長期間引き出しにくい形で置いておけるかで判断すると整理しやすいはずです。

掛け捨てと貯蓄型を比べる2つの軸

  1. 保障のコスト:同じ保障を得るために、毎月いくら払うか
  2. 資金の拘束:上乗せした保険料を、何年間引き出しにくい形で置くか

保障のコストを重視するなら定期保険、資金を長く置いて一生涯の保障も残したいなら終身保険が候補になります。両方の軸を同時に満たす保険はないため、どちらを優先するかを先に決めておくと迷いが減ります。

出典:生命保険文化センター「定期保険・養老保険・終身保険の違いは?」

掛け捨て保険と貯蓄型保険の違いを、医療保険なども含めた保険全般で比べたい場合は、こちらの記事をご覧ください。

税金の違い:死亡保険金・解約返戻金・生命保険料控除

定期保険と終身保険は、保険料を払うときと保険金を受け取るときの両方で税金に関わります。仕組みそのものは共通ですが、保障期間の違いによって活用しやすい制度が変わります。

死亡保険金は契約形態で税金の種類が変わる

死亡保険金にかかる税金の種類を決めるのは、被保険者・保険料の負担者・受取人の組み合わせです。

被保険者保険料の負担者受取人税金の種類
夫夫妻相続税
夫妻妻所得税(一時金なら一時所得、年金なら雑所得)
夫妻子贈与税
死亡保険金の契約形態と税金の種類

出典:国税庁「No.1750 死亡保険金を受け取ったとき」

定期保険でも終身保険でも、この区分は変わりません。保険料を負担した本人が亡くなり家族が受け取る形なら相続税の課税対象となり、相続人が受け取る場合は非課税枠の対象です。所得税や贈与税の対象になる形では非課税枠がないため、契約者と受取人の決め方が手取りに影響します。

保険金を年金形式で受け取る収入保障保険では、年金を受け取る権利に相続税がかかり、毎年の年金は課税部分と非課税部分に分けて所得税が計算されます。

出典:国税庁「No.1620 相続等により取得した年金受給権に係る生命保険契約等に基づく年金の課税関係」

相続税の非課税枠は一生涯の保障と組み合わせやすい

相続人が受け取る死亡保険金で使えるのが、「500万円×法定相続人の数」の非課税限度額です。たとえば法定相続人が配偶者と子ども2人の3人なら、1,500万円までが相続税の課税対象から外れます。相続人以外の人が受け取った死亡保険金には、この非課税枠は適用されません。

定期保険の死亡保険金も対象ですが、高齢期には保障期間が終わっていることが多く、実際に相続が起きる時期まで保障が残るのは終身保険です。相続税の納税資金や、遺産分割で調整したい資金を確実に残したい場合に、終身保険の検討価値が高くなります。

出典:国税庁「No.4114 相続税の課税対象になる死亡保険金」

生命保険を使った相続税対策の具体的な考え方は、こちらの記事で解説しています。

解約返戻金や満期保険金は一時所得になる場合がある

終身保険を解約して受け取る解約返戻金は、保険料の負担者と受取人が同じなら所得税の対象です。一時金で受け取ると一時所得となり、「受取額−払込保険料−特別控除50万円」の2分の1が課税対象になります。

解約返戻金が払込保険料を下回る場合は、一時所得は生じません。保険料の負担者と受取人が異なる場合は、贈与税の対象になる点に注意が必要です。

出典:国税庁「No.1755 生命保険契約に係る満期保険金等を受け取ったとき」

保険金を受け取るときの税金と計算方法は、こちらの記事にまとめています。

生命保険料控除は2026年・2027年分に一部拡充

定期保険・終身保険の保険料は、どちらも一般生命保険料控除の対象です。2012年以降に結んだ新制度の契約では、所得税の控除額の上限は一般生命保険料控除で4万円、介護医療・個人年金と合わせて12万円となります。

区分所得税住民税
一般生命保険料控除4万円(23歳未満の扶養親族がいる場合、2026・2027年分は6万円)2.8万円
介護医療保険料控除4万円2.8万円
個人年金保険料控除4万円2.8万円
合計の上限12万円7万円
新制度の生命保険料控除の上限額(2026年10月時点)

出典:国税庁「No.1140 生命保険料控除」

出典:生命保険文化センター「税金の負担が軽くなる『生命保険料控除』」

出典:生命保険文化センター「新旧両制度で対象契約がある場合の生命保険料控除は?」

23歳未満の扶養親族がいる場合、2026年分と2027年分の所得税に限り、一般生命保険料控除の上限が6万円に引き上げられています。当初は2026年分のみの措置でしたが、令和8年度税制改正で1年延長されました。合計の上限12万円は変わらず、住民税の上限も据え置きです。

金融庁は令和9年度税制改正要望で、この上乗せ措置の恒久化を求めています。2028年分以降の扱いは、年末に公表される税制改正大綱で確認しましょう。

出典:財務省「令和8年度税制改正の大綱」

出典:金融庁「令和9年度税制改正要望事項(生命保険料控除制度の拡充の恒久化等)」

生命保険料控除の計算方法と手続きは、こちらの記事を参考にしてください。

どっちが得?4つの判断軸で整理する定期保険と終身保険

定期保険と終身保険は、どちらかが常に得というものではありません。どちらが合理的になり得るかは、次の4つの判断軸と、それぞれの前提条件で変わります。

判断軸定期保険が合理的になりやすい前提終身保険が合理的になりやすい前提
①保障が必要な期間子どもの独立やローン完済など、終わりが見えている年齢に関係なく一生涯必要
②保障の目的遺族の生活費・教育費など、大きな金額の備え葬儀・整理資金、相続税の納税資金、特定の人に残す資金
③家計の余力と資金の拘束保険料を抑え、手元資金を生活防衛資金や資産形成に回したい長期間使わない資金があり、払込満了まで続けられる
④見直しの可能性ライフステージの変化に合わせて保障を減らしていきたい保障額が当面変わらず、長く固定してよい
定期保険と終身保険を選ぶ4つの判断軸

出典:生命保険文化センター「定期保険・養老保険・終身保険の違いは?」

※判断軸は、生命保険文化センターの説明と本記事の比較をもとに編集部が整理したものです。

4つの軸のうち、最初に確認したいのは①の期間と②の目的です。「いつまで」「何のために」が決まると、③と④は家計の状況に合わせて調整しやすくなります。軸ごとに答えが分かれる場合は、どちらか一方に決めず、組み合わせる選択肢も検討に値するでしょう。

定期保険が有力な選択肢になりやすい人

定期保険は、一定期間に大きな保障が必要で、保険料をできるだけ抑えたい人にとって有力な選択肢になりやすい保険です。

定期保険が向いている人

  1. 子どもが小さく、独立までの生活費や教育費を大きな保障で備えたい人
  2. 結婚や出産などのライフイベントを機に、期間を区切って保障を確保したい人
  3. 手元資金を生活防衛資金やNISAなど別の目的に回したい人
  4. 収入や家族構成の変化に合わせて、保障を徐々に減らしていく予定がある人

住宅ローンを組んでいる場合は、団体信用生命保険で返済が済む分を差し引いて保険金額を決めると、過大な保障を避けやすくなります。亡くなった人が国民年金のみに加入する自営業やフリーランスの場合、遺族厚生年金は原則として支給されません(会社員期間があり長期要件を満たす場合などを除く)。そのため、同じ家族構成でも会社員より必要保障額が大きくなりやすい点も、前提として押さえておきましょう。

出典:日本年金機構「遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)」

団信の仕組みと加入時の注意点は、こちらの記事をご覧ください。

終身保険の検討価値が高くなる人

終身保険は、年齢に関係なく必要な資金を一生涯の保障で確実に残したい人にとって、検討価値が高くなる保険です。払込満了まで保険料を続けられる家計の余力があることが前提になります。

終身保険が向いている人

  1. 葬儀費用や身辺整理の資金を、保険で確実に用意しておきたい人
  2. 相続税の納税資金や、特定の受取人に残したい資金を準備したい人
  3. 老後まで使う予定のない資金があり、払込満了まで解約しない見込みが高い人
  4. 健康状態が変わっても、一生涯の保障を持ち続けたい人

反対に、教育費や生活費のように大きな保障が一定期間だけ必要な場合、その全額を終身保険で賄うと保険料が家計を圧迫しやすくなります。早期解約で元本割れするおそれもあるため、終身保険は必要な部分に絞って使う考え方が現実的です。

終身保険の代表的な商品と選び方は、こちらの記事でまとめています。

組み合わせる場合は「一生分の小さな保障+期間限定の大きな保障」

判断軸によって答えが分かれる場合は、終身保険と定期保険を組み合わせる方法があります。一生涯必要な葬儀・整理資金などは終身保険で小さく持ち、子育て期の大きな保障は定期保険や収入保障保険で期間を区切って持つ形です。

終身保険に定期保険特約を付けた「定期付終身保険」も同じ発想の商品ですが、特約部分が更新型の場合は、更新のたびに通常は保険料が上がります。加入中の人は、主契約の終身部分がいくらで、定期特約がいつ満了・更新するかを保険証券で確認しておくと安心です。

必要保障額を考えるときの前提:遺族年金と貯蓄を差し引く

定期保険と終身保険のどちらを選ぶにしても、保険金額は「遺族に必要なお金−遺族が受け取れるお金や資産」で考えるのが基本的な方法です。公的な遺族年金や勤務先の死亡退職金、貯蓄を差し引いた不足分が、保険で備える金額になります。

遺族厚生年金は2025年6月に成立した年金制度改正法で見直され、2028年4月から、18歳年度末までの子どもがいない60歳未満の配偶者への給付は原則5年間の有期給付になる予定です。有期給付には加算があり、現行の遺族厚生年金の約1.3倍の額となります。5年経過後も、収入が十分でない人などは継続給付を受けられます。

女性は段階的に移行し、施行直後に新たに対象となるのは2028年度末時点で40歳未満の人です。すでに受給している人や、2028年度に40歳以上になる女性は影響を受けません。男性は、子どものいない60歳未満の夫も新たに5年間の有期給付を受けられるようになります。18歳年度末までの子どもがいる間の給付は、現行の制度と変わりません。

出典:厚生労働省「遺族厚生年金の見直しについて」

遺族年金の受給額と税金の扱いは、こちらの記事で解説しています。

生命保険がそもそも必要かどうかの判断軸は、こちらの記事を参考にしてください。

相談現場で多い定期保険・終身保険の誤解3つ

定期保険と終身保険の相談では、仕組みの一部だけを見て判断してしまうケースが少なくありません。よく見られる誤解を3つ取り上げます。

誤解1「掛け捨ての定期保険は損」

定期保険の保険料が戻らないのは、保障を割安に買うための仕組みによるものです。30歳・1,000万円の例では、定期保険の払込総額は男性で128万円にとどまり、その間の死亡保障は確保されています。損か得かは戻るお金の有無ではなく、必要な期間に必要な保障を無理のない保険料で持てているかで判断するのが合理的です。

誤解2「終身保険なら貯金代わりになる」

終身保険にも解約返戻金はありますが、払込期間中の解約では払込総額を下回ることがほとんどです。編集部試算では、60歳まで続けた場合でも上乗せ分の利回りは男性の例で年0.3%弱でした。急な出費に使いにくい点や、物価が上がると受取額の実質的な価値が目減りする点も、預貯金とは異なります。

終身保険は「一生涯の保障を残しつつ、長期間使わない資金を置く場所」と考えると、期待と実態のずれを防げます。

誤解3「更新型でも保険料はずっと同じ」

定期保険や、定期付終身保険の特約部分が更新型なら、保険料は更新時の年齢で再計算されるのが原則です。更新の案内で初めて保険料の上昇に気づき、慌てて解約を検討するケースは珍しくありません。加入時に更新後の保険料の見込みを確認し、更新時には保障を減らす・やめるといった選択肢も含めて見直すことが大切です。

保険の見直しや解約のタイミングについては、こちらの記事をご覧ください。

この記事のまとめ

定期保険は一定期間の大きな保障を比較的安い保険料で確保しやすく、終身保険は一生涯の保障と解約返戻金を備えている点が特徴です。ただし、定期保険は更新時に保険料が上がることがあり、終身保険も途中解約では払込総額を下回る可能性があります。どちらが得かは、保障の目的や必要な期間、家計の状況によって異なります。

まずは遺族の生活費や教育費、葬儀・相続資金など、何のためにいつまで保障が必要なのかを整理しましょう。そのうえで、遺族年金や貯蓄を差し引いて必要保障額を見積もり、保険料の総額や継続可能性を比較しながら、自分や家族に合った保険を検討することが大切です。

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柴田充輝

金融系ライター

厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,000記事以上の執筆実績あり。

厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,000記事以上の執筆実績あり。

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貯蓄型保険(積立型)

貯蓄型保険(積立型)とは、万が一の保障に加えて、将来的にお金が戻ってくる仕組みを備えた保険商品のことです。保険料の一部が積み立てられ、契約満了時や途中解約時に「解約返戻金」や「満期保険金」として受け取れるようになっています。 代表的な商品には、終身保険、養老保険、学資保険などがあり、保険としての安心を持ちながら、同時に資産形成も行えるのが特徴です。特に、教育資金や老後資金の準備、相続対策など、目的を持った長期の計画に活用されます。 「掛け捨て型保険」と異なり、支払った保険料が将来的に戻ってくるため、保険と貯金の“ハイブリッド”として位置づけられる商品です。ただし、途中解約すると元本割れするリスクがあるほか、運用利回りが低めに抑えられていることが多いため、目的と期間をしっかり考えて加入することが大切です。 保障と貯蓄を1つの仕組みで両立させたい人にとって、計画的な資産形成の手段として有効な選択肢のひとつです。

掛け捨て保険

掛け捨て保険とは、一定期間の保障を得ることに特化した保険で、保険期間が終わった後に保険料が戻ってこないタイプの保険です。代表的なものに、定期型の生命保険や医療保険があります。保障が必要な期間に絞って加入できるため、毎月の保険料を安く抑えられるのが大きな特徴です。貯蓄機能はないものの、万一に備えるコストパフォーマンスが高く、特に子育て世代や住宅ローン返済中など、一時的に大きな保障を必要とする方に適しています。「お金が戻らないから損」と感じる方もいますが、必要な時期に必要な保障を効率よく確保する手段として、多くの方に利用されています。

終身保険

終身保険とは、被保険者が亡くなるまで一生涯にわたって保障が続く生命保険のことです。契約が有効である限り、いつ亡くなっても保険金が支払われる点が大きな特徴です。また、長く契約を続けることで、解約した際に戻ってくるお金である「解約返戻金」も一定程度蓄積されるため、保障と同時に資産形成の手段としても利用されます。 保険料は一定期間で払い終えるものや、生涯支払い続けるものなど、契約によってさまざまです。遺族への経済的保障を目的に契約されることが多く、老後の資金準備や相続対策としても活用されます。途中で解約すると、払い込んだ金額よりも少ない返戻金しか戻らないこともあるため、長期の視点で加入することが前提となる保険です。

養老保険

養老保険とは、「保障」と「貯蓄」の両方の機能を備えた生命保険です。契約期間中に万が一亡くなった場合には「死亡保険金」が支払われ、無事に満期を迎えた場合には「満期保険金」として同じ金額が受け取れるのが大きな特徴です。 そのため、老後資金の準備やお子さまの教育資金づくりなど、将来に備えながら万が一にも備えられる保険として活用されています。貯金感覚で利用できる点から、計画的に資金を準備したい方に適しています。 ただし、保障と貯蓄の両方を兼ね備えているため、保険料は定期保険よりも高めに設定されている点には注意が必要です。しっかりと目的と費用のバランスを考えて加入することが大切です。

学資保険

学資保険とは、子どもの教育資金を計画的に準備するための保険商品で、一定期間保険料を支払うことで、子どもの進学時期(中学・高校・大学入学など)に合わせて祝い金や満期保険金が受け取れる仕組みになっています。保険であるため、契約者(通常は親)に万が一のことがあった場合でも、以後の保険料の支払いが免除され、満期時には予定どおりの給付金が支払われる点が大きな特徴です。 貯蓄機能と保障機能が組み合わさっており、「教育費を積み立てながら万一に備えたい」と考える家庭に人気があります。ただし、途中解約すると元本割れするリスクがあるため、長期的な資金計画としての活用が前提となります。初心者の方にとっては、預貯金とは違う形で将来の教育資金を準備できる手段のひとつとして、選択肢に入れて検討する価値があります。

個人年金保険

個人年金保険とは、公的年金だけでは不足しがちな老後資金を、自助努力で補うために設計された私的年金商品です。契約者が決められた期間にわたり保険料を払い込み、あらかじめ設定した開始年齢(60歳・65歳など)に達すると年金形式で受け取りが始まります。受取方法には、決められた年数だけ確実に受け取る「確定年金型」と、生存している限り終身で受け取れる「終身年金型」があり、どちらを選ぶかによって総受取額や万一の際の遺族保障の形が異なります。変額型や外貨建て型など、インフレ対応や為替分散を意識したバリエーションも登場しています。 大きな魅力の一つは税制優遇です。一定の要件(受取人が契約者本人または配偶者、払込期間が10年以上など)を満たす契約であれば、払込保険料は「個人年金保険料控除」として所得控除の対象になります。たとえば年間保険料が8万円の場合、所得税で最大4万円、住民税で最大2万8千円が控除され、課税所得を圧縮できるため実質負担を抑えながら老後資金を積み立てられる点がメリットです。 一方で注意すべき点もあります。途中解約時には元本割れが生じやすく、解約返戻金が払込総額を下回るケースが多いこと、固定利率型の商品ではインフレに追いつけない可能性があること、そして保険会社が破綻した場合でも保険契約者保護機構による補償は責任準備金の90%が上限となることです。また、税優遇制度としては個人型確定拠出年金(iDeCo)や新NISAも利用できるため、流動性・運用商品の自由度・掛金上限などを比較し、自分に合った組み合わせを検討する必要があります。 これらの特徴を踏まえると、個人年金保険は「計画的に積立を続け、税制メリットを生かしながら老後の生活費を補完したい」人に適した選択肢といえます。生活防衛資金や他の運用枠を確保したうえで長期的な資産形成の一環として活用すれば、老後のキャッシュフローに安定感をもたらす手段となるでしょう。

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