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収入保障保険(生活保障保険)とは?仕組みや保険料の目安・メリット・デメリット・必要な人を解説
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公開:
2025.09.30
更新:
2026.10.05
出産や住宅購入を機に死亡保障を見直すとき、遺族の生活費をどう確保し、保険料をどこまで抑えるかは大切な課題です。収入保障保険は遺族の生活を毎月の年金で支える保険ですが、名前から「働けなくなったときの保険」と誤解されることもあります。この記事では、収入保障保険の仕組みや保険料が抑えられる理由、定期保険・就業不能保険との違いから、必要保障額の考え方、商品の比較ポイント、受取時の税金までを具体的に解説します。
収入保障保険の基礎知識
収入保障保険とは、働き手に万一のことがあった場合に、遺族の生活費を毎月の年金として補う目的で設計された定期型の死亡保険です。ここでは、受け取り方、保障額の減り方、名称の違い、掛け捨ての意味の4点から仕組みを整理します。
死亡・高度障害のとき、保険期間満了まで毎月年金を受け取る
収入保障保険は、被保険者が死亡または約款所定の高度障害状態になったとき、契約時に決めた「年金月額」を保険期間満了まで毎月受け取る仕組みです。
- たとえば年金月額15万円・65歳満了の契約で、被保険者が40歳で亡くなり、保険期間満了まで25年残っている場合、遺族はその25年間、毎月15万円を受け取ります。満了時期は被保険者の年齢を基準に契約で定められ、遺族が65歳になる時期とは関係ありません。
多くの商品では、年金のかわりに一括受取や一部一括受取も選択可能です。ただし一括で受け取る場合は、将来の年金を現在の価値に割り引くため、年金で受け取る総額より少なくなります。葬儀費用や当面の生活費はまとめて受け取り、残りを年金にする組み合わせも可能です。
保障額が時間とともに減る「逓減型」だから保険料が安い
収入保障保険の受取総額は、契約直後が最も大きく、保険期間の満了に近づくほど小さくなります。年金月額10万円・65歳満了の契約なら、30歳で亡くなれば受取総額は4,200万円、50歳なら1,800万円、60歳なら600万円です。保障を図にすると三角形になるため「三角の保険」とも呼ばれます。
- この減り方は、子どもの教育費や生活費の残り年数が減っていく「必要保障額」の推移とほぼ同じです。保険会社が負うリスクが年々小さくなる分、同じ4,200万円を一定額で保障する定期保険より保険料は大幅に安くなります。
「家族収入保険」「生活保障保険」など名称は会社ごとに異なる
収入保障保険は一般名称で、保険会社によって「家族収入保険」「生活保障保険」などの名称で販売されています。名前は違っても、死亡・高度障害のときに年金形式で保険金を受け取る仕組みは共通です。
注意したいのは、名称が似ている「就業不能保険」や「所得補償保険」との違いです。これらは被保険者本人が病気やケガで働けなくなったときの収入を補う保険で、死亡時の遺族の生活を守る収入保障保険とは目的が異なります。詳しくは後述の比較表で解説します。
収入保障保険は掛け捨て型:解約返戻金はないが保険料が安い
収入保障保険は掛け捨て型で、多くの商品は「無解約返戻金型」として設計されています。途中で解約しても払い込んだ保険料は戻らず、保険期間中に何もなければ受け取る保険金はありません。
その代わり、保険料には貯蓄部分が含まれないため、同じ保障を持つ貯蓄型の保険と比べて保険料は大きく抑えられます。「保障は保険で、貯蓄は預貯金やNISAで」と役割を分けたい人に向いた設計です。
掛け捨て保険の特徴や保険料・保険金の関係については、こちらの記事で解説しています。
収入保障保険の保険料はいくら?年金月額10万円・15万円の目安
収入保障保険の保険料は、年齢、性別、喫煙の有無や健康状態、保険期間、支払保証期間で決まります。ここでは、各社が公式サイトに掲載している保険料例をもとに、年金月額10万円と15万円の目安を確認します。
公式保険料例:年金月額10万円・65歳満了の場合
2026年9月時点で各社が公開している保険料例をまとめると、次のとおりです。いずれも年金月額10万円、保険期間・保険料払込期間65歳満了、月払の条件です。
| 保険会社・商品 | 契約条件 | 非喫煙者優良体 | 喫煙者優良体 | 非喫煙者標準体 | 喫煙者標準体 |
|---|---|---|---|---|---|
| オリックス生命「Keep Up」 | 30歳男性・支払保証期間1年・三疾病払込免除あり | 1,890円 | 2,730円 | 3,100円 | 4,710円 |
| オリックス生命「Keep Up」 | 30歳女性・同上 | 1,680円 | 2,190円 | 2,280円 | 3,980円 |
| オリックス生命「Keep Up」 | 40歳男性・同上 | 2,100円 | 3,290円 | 3,550円 | 5,850円 |
| FWD生命「FWD収入保障」 | 40歳男性・支払保証期間5年・クレジットカード払 | 1,930円 | 非掲載 | 非掲載 | 非掲載 |
| FWD生命「FWD収入保障」 | 40歳女性・同上 | 1,750円 | 非掲載 | 非掲載 | 非掲載 |
同じ30歳男性でも、非喫煙者優良体の1,890円と喫煙者標準体の4,710円では2.5倍近い差があります。収入保障保険は健康状態と喫煙歴が保険料に最も大きく影響する保険の一つです。
出典:オリックス生命保険「「収入保障保険Keep Up」を発売」 /FWD生命「FWD収入保障(Web専用)」
公式保険料例:年金月額15万円・65歳満了の場合
年金月額を15万円にした場合の目安は、はなさく生命の公式保険料例が参考になります。保険期間・保険料払込期間65歳、年金支払保証期間2年、2025年9月時点の保険料です。
| 契約年齢・性別 | 非喫煙者健康体 | 非喫煙者標準体 | 喫煙者健康体 | 標準体 |
|---|---|---|---|---|
| 30歳男性 | 3,180円 | 4,395円 | 4,515円 | 6,420円 |
| 30歳女性 | 2,480円 | 3,785円 | 3,410円 | 5,705円 |
| 40歳男性 | 3,375円 | 4,905円 | 5,535円 | 8,010円 |
| 40歳女性 | 2,900円 | 4,055円 | 4,100円 | 6,260円 |
年金月額10万円と15万円で保険料はほぼ比例します。「月額15万円は高い」と感じる人も、非喫煙で健康なら30歳男性で月3,000円台と、家計に占める負担は限定的です。
保険料を左右する4つの要素
収入保障保険の保険料は、次の4つの要素で大きく変わります。
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- 年齢・性別:加入年齢が高いほど保険料は上がります。同じ年齢では男性の方が高い傾向です
- 喫煙歴と健康状態:非喫煙者で血圧やBMIが基準内なら「優良体(健康体)」の料率が適用され、保険料が最も安くなります。判定には健康診断結果の提出が必要です
- 保険期間:60歳満了より65歳満了の方が保障期間が長く、保険料は高くなります
- 支払保証期間:保険期間の終盤に万一のことがあっても最低限受け取れる年数で、1年・2年・5年・10年などから選びます。長いほど保険料は上がります
編集部試算:払込総額と受取総額を比べる
30歳男性が年金月額10万円・65歳満了・非喫煙者優良体で月1,890円の契約に加入し、65歳まで払い続けた場合の払込総額は79万3,800円です。喫煙者標準体の月4,710円なら197万8,200円になります。
| 万一の時期 | 受取総額(年金受取) | その時点までの払込総額(月1,890円の場合) |
|---|---|---|
| 30歳(加入直後) | 4,200万円 | 約0円 |
| 40歳 | 3,000万円 | 約22万7,000円 |
| 50歳 | 1,800万円 | 約45万4,000円 |
| 60歳 | 600万円 | 約68万円 |
| 65歳(満了) | 0円(支払保証期間分を除く) | 約79万4,000円 |
受取総額は年々減りますが、払込総額に対する保障の大きさは、子育て期の死亡保障として十分な水準です。一方で65歳まで何もなければ払込総額は戻らないため、「万一への備え」に特化した費用として捉える必要があります。
収入保障保険のメリット4つ
収入保障保険のメリットは、保険料、保障設計、受け取り方、料率区分の4点に整理できます。それぞれ、定期保険や終身保険と比べたときに収入保障保険ならではといえる点を確認します。
1. 同じ保障を確保する定期保険より保険料が安い
収入保障保険は保障額が年々減る逓減型のため、保険期間を通じて一定額を保障する定期保険より保険料が安くなります。前述の公式例では、30歳男性が非喫煙者優良体なら月1,890円で、加入直後の受取総額4,200万円分の保障を持てます。
生命保険文化センターの2024年度調査では、2人以上世帯の年間払込保険料は平均35.3万円です。収入保障保険で死亡保障を組めば、この負担を抑えつつ必要な保障を確保しやすくなります。
出典:生命保険文化センター「2024(令和6)年度 生命保険に関する全国実態調査<速報版>」
2. 必要保障額の減り方と一致する合理的な設計
遺族に必要な生活費や教育費の総額は、子どもの成長とともに年々減っていきます。収入保障保険の受取総額もこれに合わせて減るため、若いうちは手厚く、必要性が下がった時期には過剰な保障を持たずに済みます。
- 一定額を保障する定期保険では、50代以降に「保障が余っている」状態になりがちです。必要な時期に必要な分だけ保障を持つという点で、収入保障保険は合理的といえます。
3. 遺族が毎月の生活費として計画的に使える
死亡保険金を一括で受け取ると、大きな金額の管理や運用を遺族が自分で行う必要があります。収入保障保険なら毎月決まった額が給与のように振り込まれるため、生活費として使いやすく、使い過ぎや運用の失敗を避けやすくなります。
まとまった資金が必要な場面では、一括受取や一部一括受取を選べる商品が一般的です。遺族の状況に合わせて受け取り方を選べる点も、収入保障保険の利点です。
4. 非喫煙・健康体なら保険料率の割引を受けられる
多くの収入保障保険には、喫煙の有無とBMI・血圧などの健康状態で4区分の保険料率があります。非喫煙者で健康基準を満たす人は最も安い料率が適用され、公式例では喫煙者標準体の半分以下の保険料になるケースも見られます。
健康診断の結果を提出する手間はありますが、たばこを吸わず健康に自信がある人にとっては、他の死亡保険より有利な保険料で加入できる可能性が高いといえるでしょう。
収入保障保険のデメリット4つ
収入保障保険のデメリットは、掛け捨て、後半の保障の小ささ、一括受取の減額、税金の複雑さの4つです。いずれも仕組みを理解しておけば対処できますが、知らずに加入すると「思っていたのと違う」となりやすい点です。
1. 掛け捨てで解約返戻金がない
収入保障保険は掛け捨て型で、解約返戻金はないか、あってもごくわずかです。保険期間中に何もなければ保険金は受け取れず、払い込んだ保険料は戻りません。貯蓄や老後資金の準備を兼ねたい人には向かない設計です。
ただし、掛け捨てであることは保険料の安さと表裏一体です。保障と貯蓄を分けて考えれば、掛け捨ての保険料は「安心を買う費用」として合理的に位置づけられます。
解約返戻金を重視する場合、貯蓄型保険が向いている可能性があります。詳しくは、こちらの記事を参考にしてみてください。
2. 保険期間の後半は受取総額が小さくなる
逓減型の設計上、保険期間の満了が近づくほど受取総額は小さくなります。60歳で亡くなった場合、65歳満了・年金月額10万円の契約なら受取総額は600万円で、加入直後の4,200万円の7分の1です。
葬儀費用や相続税の納税資金など、時期を問わず一定額が必要な目的には、収入保障保険だけでは不足します。その部分は終身保険や預貯金で別に備えるのが一般的です。
3. 一括で受け取ると年金の総額より少なくなる
年金ではなく一括で受け取る場合、将来の年金を保険会社所定の利率で現在価値に割り引くため、受取額は年金総額より少なくなります。まとまった資金が必要なときには便利ですが、「年金総額がそのまま一括でもらえる」わけではない点に注意が必要です。
4. 年金で受け取ると相続税と所得税の両方が関係する
契約者と被保険者が同じで受取人が遺族の場合、死亡時には年金を受け取る権利の評価額が相続税の対象になります。さらに2年目以降に受け取る年金の一部は、所得税の雑所得として毎年課税されます。一括受取なら相続税のみで完結するため、年金受取は税務の手間が増える点がデメリットです。
保険金と税金の関係についてくわしく知りたい方は。こちらの記事もあわせてご覧ください。
収入保障保険と定期保険・終身保険・就業不能保険の違い
収入保障保険を検討するときは、同じ死亡保険である定期保険・終身保険と、名称が似ている就業不能保険・所得補償保険との違いを整理しておく必要があります。主な違いは次のとおりです。
| 項目 | 収入保障保険 | 定期保険 | 終身保険 | 就業不能保険 | 所得補償保険 |
|---|---|---|---|---|---|
| 保険の目的 | 遺族の生活費 | 遺族の生活費・まとまった資金 | 葬儀費用・相続対策・貯蓄 | 働けない間の本人の収入 | 働けない間の本人の収入 |
| 支払事由 | 死亡・高度障害 | 死亡・高度障害 | 死亡・高度障害 | 所定の就業不能状態 | 病気・ケガによる就業不能 |
| 受取人 | 遺族 | 遺族 | 遺族 | 本人 | 本人 |
| 受取方法 | 毎月の年金(一括も可) | 一括 | 一括 | 毎月 | 毎月 |
| 保障額の推移 | 年々減少 | 一定 | 一定 | 一定 | 収入に連動 |
| 保険期間 | 60歳・65歳満了など | 10年・20年など | 一生涯 | 60歳・65歳満了など | 1〜5年更新 |
| 解約返戻金 | なし(掛け捨て) | なし(掛け捨て) | あり | なし | なし |
| 取扱会社 | 生命保険会社 | 生命保険会社 | 生命保険会社 | 生命保険会社 | 損害保険会社 |
定期保険との違い:一括か年金か、保障額が一定か減るか
定期保険は保険期間中いつ亡くなっても同じ保険金を一括で受け取る保険です。収入保障保険は年金形式が基本で、保障額は年々減ります。同じ保険料なら定期保険の方が保障額は小さく、同じ保障額なら収入保障保険の方が保険料は割安です。相続税の納税資金や事業資金など、時期を問わずまとまった額が必要なら定期保険が向いています。
終身保険との違い:貯蓄性があるかどうか
終身保険は一生涯の保障と解約返戻金を持つ貯蓄型の保険で、葬儀費用や相続対策に使われます。収入保障保険は子育て期など一定期間の生活保障に特化した掛け捨て型です。目的が異なるため、「子育て期は収入保障保険、葬儀費用は小さめの終身保険」のように組み合わせる家庭も多くあります。
「定期保険と終身保険のどちらが向いているのか判断できない」という方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
就業不能保険・所得補償保険との違い:死亡保障か生存中の収入補償か
就業不能保険と所得補償保険は、被保険者本人が病気やケガで働けなくなったときに本人が給付金を受け取る保険です。収入保障保険は死亡・高度障害が支払事由で、受け取るのは遺族です。長期療養のリスクに備えるなら就業不能保険、死亡リスクに備えるなら収入保障保険と、目的に応じて使い分けます。
収入保障保険と似ている保険が「就業不能保険」です。就業不能保険に関しては、こちらの記事もあわせて参考にしてみてください。
収入保障保険がおすすめできる人の特徴
収入保障保険が合うかどうかは、扶養家族の有無、公的保障の厚さ、固定費の大きさで決まります。ここで紹介するのは、相談現場で収入保障保険を前向きに検討してよいと判断されることが多い4つの特徴です。
子どもが小さく、必要保障額が大きい子育て世帯
子どもが独立するまでの生活費と教育費は、世帯主に万一のことがあった場合に最も大きな不足になります。生命保険文化センターの2024年度調査では、世帯主に万一のことがあった場合に必要と考える生活資金は年354万円、必要年数は17.3年、総額で6,283万円でした。
この必要額は子どもの成長とともに減っていくため、逓減型の収入保障保険と相性が良好です。末子が大学を卒業する年齢まで、または65歳までを保険期間にする設計が一般的です。
遺族厚生年金がない自営業・フリーランス
会社員が亡くなった場合、遺族には遺族基礎年金に加えて遺族厚生年金が支給されます。一方、国民年金のみに加入する自営業・フリーランスの遺族が受け取れるのは、原則として遺族基礎年金だけです。子が18歳の年度末を過ぎると遺族基礎年金も終わり、公的保障はほぼなくなります。
公的保障の不足分を民間の保険で補う必要が大きいため、自営業・フリーランスは収入保障保険の必要性が特に高い層です。
住宅ローンや家賃など固定費が大きい家庭
住宅ローンを組んで団体信用生命保険に加入していれば、契約者の死亡時にローン残高は完済されます。ただし、団信でカバーされるのは住宅ローンだけで、生活費や教育費はそのまま残る点に注意が必要です。賃貸住まいの場合は家賃も払い続ける必要があり、固定費の大きさがそのまま必要保障額に反映されます。
保険料を抑えて必要な保障だけを確保したい人
「保障は必要だが、保険にお金をかけ過ぎたくない」という人には、掛け捨てで保険料が安い収入保障保険が向いています。特にたばこを吸わず健康状態が良い人は、優良体の料率で他の死亡保険より割安に加入できます。浮いた保険料をNISAなどの資産形成に回す考え方も合理的です。
民間の保険の種類は、こちらの記事でも解説しています。あわせて参考にしてみてください。
収入保障保険をおすすめしない人の特徴
一方で、収入保障保険を選ばない方が合理的な人もいます。「収入保障保険はおすすめしない」という意見の多くは、次の4つの特徴のいずれかに当てはまる人を前提にしています。
扶養する家族がいない人
収入保障保険は遺族の生活費を補う保険です。独身で扶養家族がいない人や、配偶者が十分な収入を持ち子どももいない世帯では、毎月の年金を必要とする人がいないため加入の必然性は低くなります。葬儀費用程度の備えなら、預貯金や小額の終身保険で足ります。
生命保険がいらない人の特徴については、こちらの記事でも解説しています。
資産や遺族年金だけで遺族の生活費を賄える人
すでに十分な金融資産があり、遺族年金と合わせれば遺族の生活費を賄える人には、追加の死亡保障は不要です。必要保障額を計算した結果がゼロ以下なら、収入保障保険に入る理由はありません。加入前に、後述の計算式で不足額を確認しましょう。
貯蓄性や解約返戻金を重視する人
「払った保険料が戻らないのは損」と感じる人や、保険で老後資金も準備したい人には、掛け捨ての収入保障保険は向きません。この場合は終身保険や個人年金保険が候補になりますが、保険料は大幅に高くなります。保障と貯蓄を分けた方が総コストは下がることが多いため、比較したうえで判断してください。
時期を問わずまとまった一時金が必要な人
相続税の納税資金や事業承継の資金など、いつ亡くなっても一定額が必要な目的には、逓減型の収入保障保険は適しません。保険期間の後半は受取総額が小さくなるためです。この目的には、保障額が一定の定期保険や終身保険が向いています。
必要な年金月額の決め方:遺族年金と生活費から逆算する
収入保障保険の年金月額は、「遺族に必要な生活費」から「遺族年金」と「配偶者の収入」を差し引いた不足額で決めます。ここでは、令和8年度の遺族年金の額を確認したうえで、計算例を示します。
遺族年金はいくら受け取れる?令和8年度の額
遺族年金には、国民年金から支給される遺族基礎年金と、厚生年金から支給される遺族厚生年金があります。令和8年度の額と主な要件は次のとおりです。
| 種類 | 受け取れる人 | 年金額(年額) |
|---|---|---|
| 遺族基礎年金 | 18歳の年度末までの子がいる配偶者、または子 | 84万7,300円+子の加算(1・2人目は各24万3,800円、3人目以降は各8万1,300円) |
| 遺族厚生年金 | 厚生年金加入者などの遺族(配偶者・子・父母など) | 亡くなった人の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3(加入期間300月未満は300月とみなす) |
| 中高齢寡婦加算 | 40歳以上65歳未満で子のない妻など | 63万5,500円 |
遺族基礎年金は子がいる間しか支給されず、子が18歳の年度末を迎えると終わります。会社員の遺族はその後も遺族厚生年金を受け取れますが、自営業の遺族は原則として公的な遺族年金がなくなります。
出典:日本年金機構「遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)」 /日本年金機構「遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)」
受け取れる遺族年金の金額や期間について知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
編集部試算:会社員と自営業で遺族年金はどれだけ違うか
遺族厚生年金は「平均標準報酬額×5.481÷1,000×加入月数×4分の3」で計算します。平均標準報酬額30万円、加入期間300月とみなした場合の年額は約37万円です。これを令和8年度の遺族基礎年金と合わせると、遺族年金の目安は次のようになります。
| 家族構成 | 会社員(遺族基礎+遺族厚生) | 自営業(遺族基礎のみ) |
|---|---|---|
| 配偶者+子1人 | 年約146万円(月約12.2万円) | 年約109万円(月約9.1万円) |
| 配偶者+子2人 | 年約170万円(月約14.2万円) | 年約133万円(月約11.1万円) |
試算は平均標準報酬額30万円・加入期間300月の場合で、実際の額は加入記録次第です。正確な額はねんきん定期便や日本年金機構の窓口で確認できます。同じ家族構成でも、会社員と自営業で月3万円程度の差がある点が、自営業の必要保障額が大きくなる理由です。
必要保障額の計算式と計算例
年金月額は次の式で求めます。

たとえば35歳の会社員、配偶者と子2人の家庭で、現在の生活費が月40万円だとします。世帯主の分の食費や小遣いがなくなるため、遺族の生活費を現在の7割の月28万円と見積もります。遺族年金が月約14万円、配偶者のパート収入が月8万円なら、不足額は月6万円です。
ここに教育費や住居費の上乗せ分を加え、年金月額を10万円前後に設定するのが一つの目安になります。同じ条件で自営業なら遺族年金は月約11万円で、不足額は月9万円に広がります。「月10万円か15万円か」で迷う場合は、この不足額に教育費の分を上乗せして判断してください。
2028年4月の遺族厚生年金の見直しも踏まえて設計する
2025年6月に成立した年金制度改正法により、遺族厚生年金は2028年4月から見直されます。現在は30歳以上の子のない妻に無期限で支給されていますが、見直し後は子のいない60歳未満の配偶者への遺族厚生年金が男女とも原則5年間の有期給付です。
あわせて、有期給付の額を増やす「有期給付加算」、年収850万円以上の人も受け取れるようにする収入要件の廃止、配偶者の厚生年金記録を分割して老齢厚生年金を増やす「死亡分割」が導入されます。子のいない55歳未満の夫も新たに対象です。女性への適用は2028年度に40歳未満の人から20年かけて段階的に進められ、2028年度に40歳以上の妻はこれまでと変わりません。
子のいない共働き世帯では、配偶者の死亡後6年目以降の公的保障が薄くなる可能性があります。今後は、遺族年金を前提にした保障設計を見直す必要が出てくる点を押さえておきましょう。
出典:厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」 /厚生労働省「年金制度改正法に関する広報について」
収入保障保険の選び方5つのポイント
収入保障保険を選ぶときは、保険期間、年金月額、支払保証期間、保険料率の区分、特約と受取方法の5点を順に決めていきます。
1. 保険期間は末子の独立か65歳を目安にする
保険期間は、遺族の生活費が必要なくなる時期に合わせます。末子が大学を卒業する年齢、または公的年金の受給が始まる65歳を満了とする設計が一般的です。長くするほど保険料は上がるため、必要な期間に絞るのが基本です。
2. 年金月額は不足額から決める
年金月額は、前述の計算式で求めた不足額をもとに決めます。公式例のように月額10万円が標準的な設定ですが、自営業や子どもが多い家庭では15万円以上が必要になることもあります。年金月額を増やしても保険料はほぼ比例するため、不足額を正確に把握することが先決です。
3. 支払保証期間は保険料とのバランスで選ぶ
支払保証期間は、保険期間の終盤に万一のことがあっても最低限受け取れる年数です。1年・2年・5年・10年などから選べ、長いほど保険料は上がります。「満了直前に亡くなると受取額がわずかになる」のが不安なら5年、保険料を最優先するなら1年か2年が目安です。
4. 喫煙歴と健康状態で保険料率を確認する
非喫煙者で健康基準を満たす人は、優良体の料率を適用できる商品を選ぶと保険料を大きく抑えられます。反対に喫煙者は、料率区分のない商品や喫煙者の料率が比較的安い商品の方が有利な場合があります。同じ条件で複数社の見積もりを取り、自分の区分での保険料を比べることが大切です。
5. 特約と受取方法の柔軟性を確認する
商品によって、三大疾病で保険料の払い込みが免除される特則、身体障害や要介護状態も保障する特則、配偶者が同時に亡くなった場合の上乗せなどが用意されています。受取方法も年金・一括・一部一括から選べるかを確認しましょう。保障を増やすほど保険料は上がるため、必要なものだけを付けるのが原則です。
代表的な収入保障保険3商品の特徴と公式保険料例
ここでは、2026年時点で公式サイトに保険料例を公開している代表的な3商品を紹介します。順位付けではなく、料率区分や保障範囲の違いを比較するための一覧です。保険料は各社が公開している契約例の数値で、契約条件によって変わります。
| 保険会社・商品 | 保険料率の区分 | 支払保証期間 | 主な特徴 | 公式保険料例 |
|---|---|---|---|---|
| FWD生命「FWD収入保障」 | 4区分(非喫煙者・喫煙者×優良体・標準体) | 1年・2年・5年・10年 | Web申込専用プランあり、健康診断結果はスマホ撮影で提出 | 40歳男性・月10万円・65歳・5年:1,930円(非喫煙者優良体) |
| オリックス生命「収入保障保険Keep Up」 | 4区分(非喫煙者・喫煙者×優良体・標準体) | 1年・5年・10年 | 身体障害・要介護も保障する特則、三疾病の保険料払込免除 | 30歳男性・月10万円・65歳・1年:1,890〜4,710円 |
| はなさく生命「はなさく収入保障」 | 4区分(非喫煙者・喫煙者×健康体・標準体) | 2年・5年 | 障害・介護プランを選択可、日本生命グループ | 30歳男性・月15万円・65歳・2年:3,180〜6,420円 |
FWD生命「FWD収入保障」:Web専用プランと4区分の料率
FWD生命の「FWD収入保障」は、健康状態と喫煙歴に応じた4種類の保険料率を用意し、Web専用プランではスマホで健康診断結果を撮影して提出できます。最低支払保証期間は1年・2年・5年・10年から選べ、保険期間満了の直前に万一のことがあっても一定期間は年金が支払われます。
公式サイトの契約例(2026年9月2日時点)では、40歳男性・年金月額10万円・65歳満了・最低支払保証期間5年・非喫煙者優良体で月1,930円、40歳女性で月1,750円です。健康で喫煙しない人が保険料を抑えたい場合の有力候補です。
FWD生命「FWD収入保障」に関しては、こちらの記事で詳しく解説しています。あわせて参考にしてみてください。
オリックス生命「収入保障保険Keep Up」:障害・介護の生前保障を拡充
オリックス生命の「収入保障保険Keep Up」は、2025年4月に発売された商品で、喫煙状況と健康状態に応じた4区分の保険料率を採用しています。「収入保障障害介護特則」を適用すると、死亡・高度障害だけでなく、身体障害者手帳の交付や要介護状態でも年金の対象になる設計です。がん・心疾患・脳血管疾患で所定の状態になると以後の保険料が免除される特則も付けられます。
発売時の公式保険料例では、30歳男性・年金月額10万円・65歳満了・支払保証期間1年で、非喫煙者優良体1,890円、喫煙者優良体2,730円、非喫煙者標準体3,100円、喫煙者標準体4,710円です。支払保証期間は1年・5年・10年から選べ、契約年齢は20歳から70歳までです。
出典:オリックス生命保険「収入保障保険Keep Up[キープ・アップ]」 /オリックス生命保険「「収入保障保険Keep Up」を発売」
はなさく生命「はなさく収入保障」:基本プランと障害・介護プランを選べる
日本生命グループのはなさく生命が販売する「はなさく収入保障」は、死亡・高度障害を保障する基本プランと、身体障害や要介護状態も対象にする障害・介護プランの2つから選べます。保険料率は喫煙状況、BMI、血圧値などに応じた4区分で、年金支払保証期間は2年・5年から選択します。
公式サイトの保険料例(2025年9月時点)では、基本プランで30歳男性・年金月額15万円・65歳満了・支払保証期間2年の場合、非喫煙者健康体3,180円から標準体6,420円です。障害・介護プランにすると同条件で5,580円から8,715円になります。
出典:はなさく生命「はなさく収入保障の特徴」 /はなさく生命「はなさく収入保障 保険料例」
収入保障保険の申し込み手続きとネット申込の流れ
収入保障保険は、保険会社や代理店の窓口だけでなく、ネットで申し込みが完結する商品も増えています。ここでは、申し込みの流れと告知の注意点、加入を検討するタイミングを解説します。
ネット申込の流れ:見積もり・告知・健康診断結果の提出
ネット申込は、公式サイトで生年月日・性別・年金月額・保険期間を入力して見積もりを取り、健康状態と喫煙歴を告知して申し込む流れです。優良体の料率を希望する場合は、直近の健康診断や人間ドックの結果を画像で提出します。保険料の支払いはクレジットカードか口座振替が一般的です。
ネット申込は保険料が割安に設定されていることが多い一方、付加できる特約が限られる場合があります。特約を細かく設計したい人や、必要保障額の相談をしたい人は、対面やオンライン相談も選択肢になります。
告知は正確に:喫煙歴は検査で確認される
非喫煙者の料率を適用する場合、保険会社は告知に加えてコチニン検査などで喫煙の有無を確認することがあります。受動喫煙でも基準を超えると非喫煙者の料率は適用されません。健康状態についても、事実と異なる告知をすると保険金が支払われない可能性があるため、正確に申告することが大切です。
加入を検討するタイミング:結婚・出産・住宅購入・独立
収入保障保険の必要性が高まるのは、扶養家族や固定費が増えるタイミングです。結婚したとき、子どもが生まれたとき、住宅ローンを組んだとき、会社員から自営業やフリーランスになったときが代表的なタイミングといえます。逆に、子どもが独立したときや資産が十分に増えたときは、年金月額の減額や解約を検討する時期です。
生命保険が何歳から必要なのか、ライフステージごとに必要な生命保険の選び方については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
収入保障保険の税金
収入保障保険の税金は、保険料を払うときの生命保険料控除と、年金を受け取るときの相続税・所得税に分けて考えます。契約の形と受け取り方で課税関係が変わるため、加入前に確認しておきましょう。
保険料は一般生命保険料控除の対象
収入保障保険の保険料は、所得税・住民税の一般生命保険料控除の対象です。平成24年以降の契約では、年間8万円超の保険料で所得税4万円、住民税2万8,000円が所得から差し引かれます。令和8年分・9年分は、23歳未満の扶養親族がいる場合に所得税の上限が6万円に引き上げられています。
死亡時は年金を受け取る権利が相続税の対象になる
亡くなった被保険者が実際に保険料を負担し、配偶者や子が死亡保険金を受け取る場合は、相続税の対象です。税金の種類は契約者の名義だけでは決まらず、実際の保険料負担者・被保険者・受取人の関係によって、所得税や贈与税の対象になる場合もあります。
年金形式で受け取る収入保障保険では、死亡時点で「年金を受け取る権利」の評価額が相続財産に含まれます。ただし、受取人が相続人であれば「500万円×法定相続人の数」までは非課税です。
たとえば法定相続人が配偶者と子2人の3人なら、1,500万円までは相続税がかかりません。一括受取を選んだ場合は、受け取った保険金が同じ非課税枠の対象になります。
出典:国税庁「No.1750 死亡保険金を受け取ったとき」 /国税庁「No.4114 相続税の課税対象になる死亡保険金」
保険金と税金の関係に関しては、こちらの記事でも解説しています。あわせて参考にしてみてください。
2年目以降の年金は一部が雑所得として課税される
相続税の対象になった年金を毎年受け取る場合、年金の収入は課税部分と非課税部分に分けて計算します。支給初年は全額が非課税で、2年目以降は課税部分が段階的に増えていき、課税部分から対応する保険料を差し引いた額が雑所得です。
相続税と所得税の二重課税を避けるための仕組みですが、毎年の確定申告が必要になる場合があります。税額は年金の総額や期間によって異なるため、金額が大きい場合は税理士への相談が安心です。
出典:国税庁「No.1620 相続等により取得した年金受給権に係る生命保険契約等に基づく年金の課税関係」
相談現場でよくある収入保障保険の誤解3つ
収入保障保険の相談では、仕組みを誤解したまま加入や見送りを決めそうになる場面がよくあります。ここでは、相談現場で特に多い3つの誤解を取り上げます。
誤解1:働けなくなったときにも年金がもらえる
収入保障保険の支払事由は、原則として死亡と高度障害です。病気やケガで働けなくなっただけでは年金は支払われません。生存中の収入減少に備えるには、就業不能保険や所得補償保険、または身体障害・要介護状態を保障する特則付きの収入保障保険を検討する必要があります。
誤解2:保障が減るから損な保険
受取総額が年々減るのは、遺族に必要な保障額が年々減ることに合わせた設計です。定期保険で一定額を保障し続けると、後半は不要な保障に保険料を払うことになります。必要な時期に必要な額を安い保険料で持てる点は、損ではなく合理性です。時期を問わず一定額が必要な目的だけ、別の保険で補いましょう。
誤解3:遺族年金があるから民間の保険はいらない
遺族年金は生活費の一部を補うものの、令和8年度の遺族基礎年金は子1人で年109万1,100円、月にすると約9万円です。会社員なら遺族厚生年金が上乗せされますが、自営業にはありません。さらに、2028年4月から遺族厚生年金の男女差を解消する見直しが始まります。
ただし、子のいない配偶者全員が一律に5年間の給付になるわけではありません。女性で施行直後に対象となるのは、原則として対象年齢の子がいない、2028年度末時点で40歳未満の方です。すでに受給している方や、60歳以降に受給権が発生する方などは影響を受けません。また、有期給付の対象者でも、所得や障害の状況によっては5年経過後も継続給付を受けられます。
この記事のまとめ
収入保障保険は、死亡時などに毎月の年金を受け取り、遺族の生活費に備える保険です。受取総額が年々減ることで保険料を抑えられる一方、掛け捨てであることや、一括受取では年金受取より総額が少なくなる点、税金の扱いに注意が必要です。まずは家族の生活費・教育費と、遺族年金・配偶者の収入・貯蓄を整理し、団信で軽減される住居費も確認しましょう。不足額と必要な期間を把握したうえで、現在の契約と候補商品の保障内容・保険料を比較することが、見直しの第一歩です。

金融系ライター
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,000記事以上の執筆実績あり。
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,000記事以上の執筆実績あり。
関連する専門用語
収入保障保険
収入保障保険とは、契約者が死亡または高度障害になった場合に、遺された家族が毎月一定額の保険金を受け取れる生命保険の一種です保険金は一括ではなく、年金のように月々の定額支給という形で受け取るため、日々の生活費や教育費など、継続的な支出に備えるのに適した保険です。 この保険の特徴は、契約期間が経過するごとに受け取れる総額(=支給期間)が短くなるため、保険料が比較的割安に設定されていることです。必要な保障額を効率よく確保できることから、特に子育て中の家庭や、一家の収入を支える人に万が一があった場合のリスクに備えたい方に人気があります。
就業不能保険
就業不能保険とは、病気やけがで働けなくなり、収入が得られなくなった場合に、一定期間ごとに保険金が支払われる民間の保険商品です。この保険は、入院や自宅療養などで仕事を続けられない状況が長引いたときに、生活費やローン返済などの家計の負担を軽減するために設けられています。 公的な障害年金制度ではカバーしきれない部分を補う目的があり、自営業者やフリーランスなど、収入の保障が不安定な人に特に注目されています。保障内容や支払期間、免責期間などは契約ごとに異なるため、自分の職業やライフスタイルに合わせて選ぶことが大切です。
所得補償保険
所得補償保険とは、病気やケガによって働けなくなった場合に、就労不能期間中の収入の一部を補償するための保険です。たとえば、会社員が入院して長期間仕事を休むことになった際、その間の給与が減ったり支払われなくなったりするリスクに備えて、保険金が支払われる仕組みになっています。 生活費や住宅ローン、教育費など、働けなくなっても継続的に必要となる支出を支える役割があり、特に自営業者やフリーランスのように公的な補償が薄い立場の人にとって重要な保障手段です。公的医療保険ではカバーしきれない「収入の途絶」に備えることで、生活の安定を支える保険のひとつとして活用されています。
終身保険
終身保険とは、被保険者が亡くなるまで一生涯にわたって保障が続く生命保険のことです。契約が有効である限り、いつ亡くなっても保険金が支払われる点が大きな特徴です。また、長く契約を続けることで、解約した際に戻ってくるお金である「解約返戻金」も一定程度蓄積されるため、保障と同時に資産形成の手段としても利用されます。 保険料は一定期間で払い終えるものや、生涯支払い続けるものなど、契約によってさまざまです。遺族への経済的保障を目的に契約されることが多く、老後の資金準備や相続対策としても活用されます。途中で解約すると、払い込んだ金額よりも少ない返戻金しか戻らないこともあるため、長期の視点で加入することが前提となる保険です。
解約返戻金
解約返戻金とは、生命保険などの保険契約を途中で解約したときに、契約者が受け取ることができる払い戻し金のことをいいます。これは、これまでに支払ってきた保険料の一部が積み立てられていたものから、保険会社の手数料や運用実績などを差し引いた金額です。 契約からの経過年数が短いうちに解約すると、解約返戻金が少なかったり、まったく戻らなかったりすることもあるため、注意が必要です。一方で、長期間契約を続けた場合には、返戻金が支払った保険料を上回ることもあり、貯蓄性のある保険商品として活用されることもあります。資産運用やライフプランを考えるうえで、保険の解約によって現金化できる金額がいくらになるかを把握しておくことはとても大切です。
逓減定期保険
逓減定期保険とは、保険期間の経過に応じて保険金額が段階的に減っていくタイプの定期保険です。つまり、契約当初は高めの保障額が設定されていても、時間の経過とともにその保障額が少しずつ減っていく仕組みになっています。 これは、家計の責任が時間とともに減っていくという考え方に基づいています。たとえば、子どもの教育費や住宅ローンの残高が年々減少していくようなケースに合わせて、必要保障額を効率的に準備することができます。 また、保障額が逓減する分、同じ定期保険でも保険料を比較的抑えることができる点も特徴です。資産運用というよりは、家計のリスク管理に役立つ保険で、必要な時期に無駄のない保障を確保したい初心者にとっても利用しやすい商品です。







