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FOMCの発表にビットコインが反応するのはなぜですか?

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2025/08/18 07:40

外国株式基礎知識
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男性

30代

question

分散投資の一環でビットコインへの投資を検討しています。ビットコインは特定の政府に管理されないことから、影響もないかと思っていたのですが、FOMCの発表に影響されて価格変動するという話を目にしました。この理由はなんですか?


回答

佐々木 辰

株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長

FOMCは米国の金融政策を決定し、世界の金利や流動性、ドル相場に大きな影響を与えます。ビットコインは政府通貨から独立して発行されていますが、その価格は投資家の資金の流れやリスク選好、ドル建ての取引条件などによって左右されるため、FOMCの発表内容に反応します。

第一に、政策金利の変化は割引率や投資機会費用を通じてビットコイン価格に影響します。利上げは安全資産の利回りを高め、無利息資産であるビットコインの魅力を相対的に低下させやすく、逆に利下げはリスク資産への資金流入を促しやすくなります。

第二に、FOMCが決定する量的緩和(QE)や量的引き締め(QT)は市場の流動性を大きく変動させます。流動性が潤沢になればビットコインを含むリスク資産は価格を押し上げられ、流動性が絞られると下押し圧力がかかる傾向があります。

第三に、ドル相場の変動も重要です。ビットコインはドル建てで取引されるため、ドル高は相対的にビットコイン価格に逆風、ドル安は追い風になるケースが多いです。このためFOMC後のドル指数(DXY)の動きは注視されます。

さらに、株式市場との相関も無視できません。ビットコインは高ベータ資産として米株、特にテック株と同じ方向に動きやすく、利下げや景気過熱抑制などで株が上昇するとビットコインも連動することが多いです。

また、先物や無期限契約などデリバティブ市場では、ドル金利の変動が資金調達コストや先物価格差(ベーシス)に直接影響し、それが現物価格に波及します。加えて、ステーブルコイン市場では準備資産の運用利回りや供給量が金利に左右されるため、間接的にビットコイン市場の流動性にも影響します。

結局のところ、ビットコインの仕組みは中央銀行に依存しないものの、その価格形成はグローバルな資金循環と金融環境に強く結びついています。したがって、FOMCの発表は金利・流動性・為替といった経路を通じてビットコインの短期的な値動きに大きな影響を与えるのです。

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FOMC(Federal Open Market Committee/連邦公開市場委員会)

FOMC(Federal Open Market Committee、連邦公開市場委員会)は、米国の金融政策を決定する最高意思決定機関です。米連邦準備制度(FRB)が、インフレ抑制・雇用最大化・経済安定化を目的に、政策金利(FF金利)の調整や金融市場の流動性管理を行います。 FOMCは年8回開催され、米国の景気・物価動向・雇用状況を評価し、政策金利の変更や量的緩和・量的引き締めなどの金融政策を決定します。会合後には声明が発表され、議長の記者会見が行われます。 FOMCの決定は、米国経済だけでなく、世界の金融市場にも大きな影響を与えます。市場予想と異なる決定が出た場合、株式市場・債券市場・為替市場が大きく変動することがあります。一般的に、利上げが発表されると株価は下落し、ドル高が進行し、債券価格は下落します(利回りは上昇)。反対に、利下げが発表されると株価は上昇し、ドル安が進行し、債券価格は上昇します(利回りは低下)。 日本では「日銀金融政策決定会合」がFOMCに相当しますが、決定プロセスには違いがあります。FOMCはFRB理事7名と地方連銀総裁5名の計12名による投票で政策を決定し、金融政策の透明性が高いのが特徴です。

政策金利

政策金利とは、中央銀行が民間の金融機関に資金を貸し出す際の基準となる金利のことで、金融政策の中核をなすツールです。 中央銀行はこの金利を操作することで、経済全体の金利水準や通貨の流れを調整し、景気や物価の安定を図ります。たとえば、景気が冷え込んでいるときには政策金利を引き下げて(利下げ)お金を借りやすくし、消費や投資を促進します。逆に、インフレが進みすぎているときには政策金利を引き上げて(利上げ)需要を抑え、物価の上昇をコントロールしようとします。 政策金利の変更は、住宅ローンや企業の融資金利、預金金利など、私たちの生活に関わる金利にも波及します。また、株式市場・債券市場・為替市場にも大きな影響を与えるため、投資家にとっては極めて重要な経済指標です。 たとえば、中央銀行が予想以上に利上げを行った場合は、株式市場が下落し、通貨が上昇する可能性があります。逆に利下げが行われれば、株高・通貨安につながることが一般的です。 各国の中央銀行(例:日本銀行、FRB、ECBなど)は、定期的に会合を開き、経済情勢や物価の動向を見ながら政策金利を調整しています。

投資機会

投資機会とは、資産を成長させるために投資を行うチャンスや対象のことを指します。株式市場や債券市場、不動産、プライベートエクイティ、ベンチャーキャピタルなど、多岐にわたる分野で投資機会が存在します。経済の成長、政策の変更、技術革新などが新たな投資機会を生み出す要因となることが多いです。投資家にとっては、リスクとリターンを適切に評価し、長期的な視点で魅力的な機会を見極めることが重要です。市場環境の変化に応じて柔軟な戦略を立てることが、成功の鍵となります。

量的緩和(QE)

量的緩和とは、中央銀行が金融市場に大量の資金を供給することで景気を刺激する金融政策のことです。英語では「Quantitative Easing(QE)」と呼ばれます。通常の金融政策では政策金利を引き下げて景気を後押ししますが、金利がすでにゼロ近くまで下がって追加の余地がない場合に、量的緩和が用いられます。 具体的には、中央銀行が長期国債や住宅ローン担保証券(MBS)などを大規模に買い入れ、金融機関に資金を供給することで、長期金利の低下や資産価格の上昇を促します。これにより企業や個人の資金調達を容易にし、景気回復やインフレ率の押し上げを目指します。

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デリバティブ(Derivatives)とは、株式・債券・通貨・商品など原資産の価格や金利、指数に連動して価値が決まる金融派生商品で、先物、オプション、スワップに加え店頭で締結する先渡し取引(フォワード)も含まれます。 利用目的は価格変動を抑えるヘッジだけでなく、裁定取引や短期売買による投機・収益獲得にも及びます。取引所清算デリバティブは清算機構が間に入り日々の価格変動に応じて追加証拠金を請求するマージンコール制度で信用リスクを低減する一方、店頭契約(OTC)は契約自由度が高い反面、相手先破綻や流動性のリスクが大きく、近年は中央清算や証拠金規制が段階的に義務化されました。 レバレッジ(元手より大きな取引で損益を増幅させる仕組み)が働くため想定外の相場変動で損失が原資産以上に拡大する恐れがあり、ポジション管理とシナリオ分析が欠かせません。デリバティブは工具であり、適切な証拠金設定と目的意識をもって使えば資本効率を高められますが、コストとリスクを十分把握した上で活用する姿勢が資産運用の成否を左右します。

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