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FRBのFOMC(連邦公開市場委員会)とは?仕組みや発表内容、政策金利の利上げ・利下げの影響を解説

FRBのFOMC(連邦公開市場委員会)とは?仕組みや発表内容、政策金利の利上げ・利下げの影響を解説

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執筆者:

公開:

2025.08.17

更新:

2025.08.17

米国の中央銀行にあたるFRBが政策金利を決定する「FOMC(連邦公開市場委員会)」は、年8回行われる世界的な注目イベントです。2022年の急激な円安局面でも、FRBの積極的な利上げが大きな影響を与えました。とはいえ、FOMCは単なる金利変更の場ではなく、「据え置き」でも市場が大きく動くことがあるため、その読み解き方にはコツがあります。この記事では、声明文・経済見通し・議長会見という3点セットの読み方や、市場の織り込みとのギャップ、株価や為替への影響をどのように捉えるかを具体的に解説します。

サクッとわかる!簡単要約

この文章を読むと、FOMCの基本構造と市場への影響を効率よく理解できるようになります。年8回のスケジュールや「声明・経済見通し・議長会見」の読み解き方を押さえることで、利上げ・利下げの背景にあるFRBの意図を掴めるようになります。たとえば、2022年の急速な円安のように、金利据え置きでも相場が動く理由や、市場とのギャップが為替・株・債券にどう波及するかを理解し、投資判断に活かせる視点を得られます。

目次

FOMC(連邦公開市場委員会)を理解する前提知識 | FRB(米連邦準備制度)とは?

FRBが掲げる2つの使命:「物価の安定」と「雇用の最大化」

FRBの組織:誰が金融政策を動かしているのか?

FRBが持つ3つの政策ツール(政策金利・QE/QT・各種制度)

FOMCの基本を解説:誰が・いつ・何を決定するのか?

誰が決める?投票権を持つ12人のメンバー構成(連邦公開市場委員会)

いつ開催?FOMC日程と発表の日本時間(年8回)

何が発表される?最重要の「FOMC3点セット」とは

アメリカの政策金利「FF金利」とは?推移と今後の見通し

FF金利とは?基本的な役割と仕組み

FF金利の「現在地」と「今後の見通し」を読み解く方法

なぜ相場は動く?FOMCの政策が市場へ伝わるメカニズム

1. 政策金利の変更が長期金利へ波及する

2. 株式市場への影響:利上げは逆風、利下げは追い風が基本

3. 為替(ドル円)への影響:日米金利差でドル高・円安が進む

4. 債券市場への影響:金利が上がると債券価格は下がる

FOMCの結果別!代表的な政策シナリオと市場の反応パターン

利上げシナリオ:タカ派的な内容で株安・ドル高が進みやすい

利下げシナリオ:「良い利下げ」と「悪い利下げ」に注意

据え置きシナリオ:現状維持でも声明文やドットチャートで相場は動く

QE/QTシナリオ:量的引き締め・緩和が長期金利に与える影響

FRBはどの経済指標を見ている?政策の判断材料を解説

1.物価指標:最重要視されるPCEデフレーターとCPIの違い

2.雇用指標:雇用者数や失業率から「最大雇用」の状態を判断

3.景況感・需要動向:ISM景況指数や個人消費支出で経済の体温を測る

個人投資家がFOMC前後で確認するべき4つのポイント

ポイント1:事前に市場の「期待(コンセンサス)」を把握する

ポイント2:当日は発表時間に備え「3つの最重要情報」をチェックする

ポイント3:直後は主要な市場の反応から「答え合わせ」をする

ポイント4:運用時には自分の資産への影響を考え、備える

FOMC情報の投資活用で失敗しないために|よくある3つの誤解と注意点

誤解1:ドットチャートはFRBの公式な利上げ・利下げ予告だ

誤解2:利下げが決定すれば、必ず株価は上がるはずだ

誤解3:FOMCの結果だけ見ていれば勝てる

FOMC(連邦公開市場委員会)を理解する前提知識 | FRB(米連邦準備制度)とは?

FOMC(連邦公開市場委員会)を理解するには、まずその主催者であるFRB(米連邦準備制度)を知ることが重要です。FRBはアメリカの中央銀行制度そのものを指し、金融政策を通じてアメリカ経済の安定を担っています。

FRBが掲げる2つの使命:「物価の安定」と「雇用の最大化」

FRBは「物価の安定」と「雇用の最大化」という2つの使命を掲げています。このデュアルマンデートに基づき、インフレ率や失業率が目標から外れないよう、政策金利などを調整しています。

FRBの組織:誰が金融政策を動かしているのか?

FRBの金融政策は、FOMCという会合で決定されます。FOMCは、FRBが金融政策を決めるために年8回程度開催する会合で、日本の「日銀金融政策決定会合」にあたります。

ニュースで使われる関連用語の関係は以下の通りです。

  • FED(フェッド):連邦準備制度という、アメリカの中央銀行システム全体の通称。
  • FRB(連邦準備制度理事会):FEDの中枢を担う、金融政策の意思決定機関。
  • FOMC(連邦公開市場委員会):FRBが金融政策を最終決定するために開く会合。

日本の日銀金融政策決定会合については以下記事で詳しく解説しています。

FRBが持つ3つの政策ツール(政策金利・QE/QT・各種制度)

FRBは、主に以下の3つの手段を組み合わせて金融政策を実行します。

1.政策金利の調整

FF金利(フェデラル・ファンド金利)の誘導目標を操作し、景気の過熱や冷え込みを抑制します。これはFRBの最も伝統的で中心的な政策手段です。

2.資産量の調整(量的緩和・引き締め)

金利調整に加え、国債の売買などを通じて市場の資金量をコントロールし、長期金利にも影響を与えます。量的緩和(QE)は市場に資金を供給して景気を刺激する政策、量的引き締め(QT)は市場から資金を吸収して景気の過熱を抑える政策です。

3.将来の方針表明と市場安定化制度

将来の金融政策の方針を事前に示す「フォワードガイダンス」によって、市場の期待に働きかけ、経済の安定を図ります。また、金融システムの安定を保つため、銀行への短期資金供給制度(割引窓口など)も備えています。

FOMCの基本を解説:誰が・いつ・何を決定するのか?

FOMCの基本的な仕組みを「誰が」「いつ」「何を」の3つの視点から解説します。金融政策を決定する投票メンバーの構成、年8回開催される会合の日程と日本時間の発表時刻、そして市場が最も注目する声明文や経済見通し(ドットチャート)、議長会見といった発表内容のポイントを、初心者にも分かりやすく整理しました。

誰が決める?投票権を持つ12人のメンバー構成(連邦公開市場委員会)

FOMCの投票権は、FRBの理事7名と、12地区ある連邦準備銀行総裁のうち5名(ニューヨーク連銀総裁は常任、他は持ち回り)の合計12名で構成されます。FRB本体と各地区連銀が協力し、金融政策を運営する体制です。

いつ開催?FOMC日程と発表の日本時間(年8回)

FOMCは年8回、約6週間ごとに開催されます。会合の結果は通常、最終日の米国東部時間午後2時(日本時間の翌日早朝)に発表されます。

何が発表される?最重要の「FOMC3点セット」とは

FOMCでは政策金利の決定だけでなく、その背景にある経済判断や将来予測も示されます。特に「声明文」「経済見通しとドットチャート」「議長会見」は「FOMC3点セット」と呼ばれる重要な情報源であり、金融市場の参加者はこれらを総合して先行きを判断します。

1.声明文(Statement):政策変更と景気判断の公式見解

会合終了後、まずFRBから公式の声明文が公表されます。ここには政策金利の変更といった決定事項や、その結論に至った経済情勢の判断がまとめられています。文章表現は非常に慎重で、前回からのわずかな文言の変化が金融政策のスタンス変更を示唆することもあるため、専門家は詳細に分析します。

2.経済見通し(SEP)とドットチャート:将来の金利予想図

3月・6月・9月・12月の会合では、声明文に加えて経済見通しの概要が公表されます。この資料にはGDP成長率や失業率、インフレ率などの予測が示されます。

その中に含まれるドットチャートは、各メンバーが適切と考える将来の政策金利水準を点で示したもので、市場の注目度が非常に高い情報です。

インフレに関する指標の読み方や資産への影響は以下の記事で詳しく解説しています。

3.議長記者会見:パウエル議長の発言が相場を動かす

発表から約30分後、FRB議長による記者会見が開かれます。議長は決定内容を説明し、報道陣からの質疑に応じます。この応答で示される景気認識や将来の金融政策に関するニュアンスは市場に大きな影響を与え、会見中に相場が大きく変動することも少なくありません。

議事要旨(Minutes):3週間後に公表される詳細な議論

会合の詳細な議事内容は、約3週間後に議事要旨として公表されます。ただし、これは議論の振り返りであるため、発表時点での市場への直接的な影響は、当日の3点セットほど大きくありません。

アメリカの政策金利「FF金利」とは?推移と今後の見通し

FOMCを理解する上で最も重要な「政策金利」と、その将来見通しを示す「ドットチャート」について解説します。FF金利の基本的な役割から、現在と未来の金利動向を読み解く具体的な方法までを分かりやすく整理しました。

FF金利とは?基本的な役割と仕組み

政策金利とは、中央銀行が金融調節の目安とする基準金利です。アメリカでは、FOMCが誘導目標を決めるFFレート(フェデラル・ファンド・金利)がこれにあたります。

FFレートは民間銀行同士が短期資金を貸し借りする際の金利であり、金融市場の最も基本的な金利水準です。FOMCは景気や物価の状況に応じてこの金利を上下させ、経済活動を調整します。

例えば、景気が過熱しインフレが懸念される局面では金利を引き上げ、資金を借りにくくすることで需要を抑制します。逆に景気が後退する局面では金利を引き下げ、企業や家計の支出を促し経済を下支えします。

政策金利がなぜ資産運用に影響するかは以下Q&Aで説明しています。

FF金利の「現在地」と「今後の見通し」を読み解く方法

政策金利の現状と今後の動向は、主に3つの情報源から読み解くことができます。

1.最新の政策金利水準を確認する

現在の政策金利は、FRBの公式サイトや各種金融情報サイトで確認できます。例えば「現在のFF金利の誘導目標は〇.〇〇%~〇.〇〇%」のように公表されており、これがアメリカの金融政策の現在地を示します。

2.市場の予想をチェックする

市場参加者が将来の金利をどう見ているかは、「CME FedWatchツール」などで確認できます。これは金融先物の価格から、次回のFOMCで利上げや利下げが決定される確率を算出したもので、多くの投資家が参考にしています。

3.FRB自身の見通しをドットチャートで読む

ドットチャートとは、FOMCの各メンバーが予想する将来の政策金利水準を、点の集合で示したグラフです。年4回公表され、FRB内部の意見分布が直感的に分かるため、金融政策の方向性を占う上で世界中の投資家が注目しています。

このチャートの中央値や分布の変化から、利上げ・利下げ局面の長さや最終的な金利水準などを読み取ることができます。ただし、これはあくまで各メンバーの時点での予測であり、経済状況によって変化する可能性がある点には注意が必要です。

なぜ相場は動く?FOMCの政策が市場へ伝わるメカニズム

FOMCによる政策金利の変更は、まず米国の長期金利に影響し、そこから株式、為替、債券といった各市場へと波紋のように広がります。ここでは、その影響が伝わるメカニズムを資産クラスごとに分かりやすく解説します。

1. 政策金利の変更が長期金利へ波及する

FOMCが操作するFF金利は短期金利の代表です。一方、住宅ローンや企業の設備投資の基準となる長期金利は、市場参加者による「将来の短期金利の予想」を反映して決まります。

そのため、FOMCが利上げ継続を示唆すれば、市場は将来の金利も高いと予想し、現在の長期金利も上昇します。このように、FOMCの現在の決定と将来の方針が、経済全体に影響を与える長期金利の方向性を決めます。

短期金利の変化が長期金利にどう影響するかは以下の記事でも解説しています。

2. 株式市場への影響:利上げは逆風、利下げは追い風が基本

株式市場は金利変動に敏感に反応します。金利の変動が、企業の業績や株式の相対的な魅力に影響を与えるためです。

利上げ局面では、企業が銀行などから資金を借りる際のコストが増加します。これにより企業の設備投資や個人消費が抑制され、業績の伸び悩み懸念から株価は下落しやすくなります。特に、金利が上がると将来の利益を現在の価値に換算した評価額が下がりやすいため、成長が期待されるグロース株は売られやすい傾向があります。

反対に利下げ局面では、企業や個人がお金を借りやすくなるため、経済活動が活発になり、業績拡大期待から株価は上昇しやすくなります。

3. 為替(ドル円)への影響:日米金利差でドル高・円安が進む

為替相場は、二国間の金利差に大きく影響されます。米国が利上げをすると、より高い利回りを求める世界中の投資マネーがドル資産に向かいやすくなります。その結果、ドルを買う動きが強まり「ドル高(円安)」が進む傾向があります。2022年からの急激な円安は、FRBの利上げが大きな要因でした。

逆に米国が利下げをすると、ドル資産の魅力が相対的に低下するため「ドル安(円高)」の要因となります。ただし、為替は他国の金融政策や市場のリスクセンチメントなど、複合的な要因で動くことには注意が必要です。

4. 債券市場への影響:金利が上がると債券価格は下がる

金利と債券価格は、シーソーのような逆相関の関係にあります。FOMCが利上げをすると、これから発行される新しい債券の金利(利回り)は高くなります。すると、既に発行されている金利の低い既存の債券は魅力が薄れるため、その価格は下落します。

反対に、FOMCが利下げをすると、新しく発行される債券の金利は低くなります。すると、金利が相対的に高い既存の債券の魅力が増し、価格は上昇します。特に、期間の長い長期国債ほど金利変動の影響を大きく受けます。

FOMCの結果別!代表的な政策シナリオと市場の反応パターン

FOMCの結果は、主に「利上げ」「利下げ」「据え置き」の3つに大別され、それぞれで市場の反応は異なります。まずは基本的な反応パターンを表で確認し、その後で各シナリオのより詳細な値動きや、金利以外の政策が与える影響について解説します。

市場利上げ局面(政策金利引き上げ時)利下げ局面(政策金利引き下げ時)
株式市場資金調達コスト増による景気減速懸念から、株価は下落しやすい借入コスト減による景気刺激期待から、株価は上昇しやすい
債券市場新発債の利回り上昇で既発債の価値が低下し、債券価格は下落新発債の利回り低下で既発債の価値が向上し、債券価格は上昇
為替市場(ドル円)米金利上昇でドル資産の魅力が増し、ドル高・円安方向へ米金利低下でドル資産の魅力が減り、ドル安・円高方向へ

利上げシナリオ:タカ派的な内容で株安・ドル高が進みやすい

FRBが利上げを決定、または将来の追加利上げを示唆するなど、金融引き締めに積極的な「タカ派」的な内容が示されると、表で見たような株安・ドル高の反応が強まる傾向があります。特に市場の予想を上回る大幅な利上げ(サプライズ利上げ)は、相場に大きなインパクトを与えます。

利下げシナリオ:「良い利下げ」と「悪い利下げ」に注意

利下げは一般的に株高要因とされますが、その背景によって市場の反応が異なるため注意が必要です。

景気が安定している中でインフレ鎮静化を理由に行われる「良い利下げ」は、素直に株高につながりやすいです。一方、深刻な景気後退への懸念から行われる「悪い利下げ」の場合、利下げそのものよりも景気悪化への不安が勝り、株価が下落することもあります。

据え置きシナリオ:現状維持でも声明文やドットチャートで相場は動く

政策金利の変更がない「据え置き」でも、相場が大きく動くことがあります。それは、同時に発表される声明文やドットチャートの内容で、FRBの今後の姿勢が読み取れるためです。

例えば、金利は据え置きでも、声明文から景気への楽観的な見方が示されたり、ドットチャートで将来の利上げ見通しが示されたりすると、「タカ派的な据え置き」と解釈され、利上げ時に近い反応が見られます。

QE/QTシナリオ:量的引き締め・緩和が長期金利に与える影響

政策金利(短期金利)の変更だけでなく、FRBの資産量、つまりバランスシートの調整も市場に影響を与えます。

量的緩和(QE)でFRBが長期国債などを買い入れれば、長期金利には低下圧力がかかります。逆に、量的引き締め(QT)で保有資産を減らせば、市場に国債が供給される形となり、長期金利には上昇圧力がかかります。

FRBはどの経済指標を見ている?政策の判断材料を解説

FRBは、2つの使命である「物価の安定」と「雇用の最大化」を達成するため、さまざまな経済指標を分析して政策を決定します。ここでは、FRBが特に重視する「物価」「雇用」「景況感」の3つのカテゴリに分け、それぞれの代表的な指標とその見方を解説します。

1.物価指標:最重要視されるPCEデフレーターとCPIの違い

インフレの動向を測る物価指標は、FRBの政策判断における最重要データです。FRBが物価目標(通常2%)の基準として公式に採用しているのが「PCEデフレーター(個人消費支出物価指数)」です。

より速報性が高く一般的に知られる「CPI(消費者物価指数)」と合わせて、インフレが目標通りに落ち着いているか、あるいは過熱していないかを判断します。

2.雇用指標:雇用者数や失業率から「最大雇用」の状態を判断

景気の強さと労働市場の健全性を示す雇用指標も、FRBの重要な判断材料です。

毎月発表される「雇用統計」の中でも、「非農業部門雇用者数」の増減で景気の勢いを、「失業率」で労働市場の状況を評価します。また、「平均時給」の伸び率は、将来の物価上昇につながる賃金インフレの兆候がないかを確認するために注視されています。

米国雇用統計が株価に与える影響については以下Q&Aでも説明しています。

3.景況感・需要動向:ISM景況指数や個人消費支出で経済の体温を測る

物価や雇用に加え、経済全体の勢いや先行きの見通しを示す指標も参考にしています。「ISM景況指数」は企業の景況感を示すアンケート調査で、景気の先行指標として注目されます(数値が50を超えると景気拡大)。また、米国経済の約7割を占める個人消費の動向を示す「個人消費支出」やその速報値である「小売売上高」も、経済の体温を測る上で重視されます。

個人投資家がFOMC前後で確認するべき4つのポイント

FOMCは専門家だけのイベントではありません。ここでは、個人投資家がこの重要イベントを自身の資産運用に活かすため、会合の「事前」「当日」「直後」、そして「運用」の4つのタイミングで確認すべきポイントを具体的に解説します。

ポイント1:事前に市場の「期待(コンセンサス)」を把握する

まず、FOMCの発表前に市場が何を予想しているか(コンセンサス)を把握することが重要です。多くの投資家は、事前に公表される経済指標などから「今回は利上げか、据え置きか」「声明文はどのような内容になるか」を予想しています。この市場の期待と、実際の発表内容との「差(サプライズ)」が、相場の大きな変動要因となるからです。ニュースや金融情報サイトで、事前に市場のコンセンサスを確認しておきましょう。

ポイント2:当日は発表時間に備え「3つの最重要情報」をチェックする

FOMCの結果は、日本時間の深夜から早朝(夏時間:午前3時、冬時間:午前4時)に発表されます。リアルタイムで追う必要はありませんが、翌朝には必ず結果を確認しましょう。その際、特に注目すべきは以下の「FOMC3点セット」です。

  1. 声明文(Statement):政策金利の決定に加え、前回から表現がどう変化したか。
  2. 経済見通しとドットチャート:FRBメンバーが将来の金利をどう見ているか。
  3. 議長会見:議長の発言から、今後の政策の方向性に関するヒントは何か。

これら3点を押さえることで、FOMCが発したメッセージの全体像を掴むことができます。

ポイント3:直後は主要な市場の反応から「答え合わせ」をする

発表後、市場がその内容をどう受け止めたかを「答え合わせ」します。特に「米国株価指数」「米国の長期金利」「ドル円為替レート」の3つの動きは必ず確認しましょう。例えば、利上げが発表されたのに株価が上がるなど、一般的なセオリーと異なる反応をすることがあります。それは市場が事前にその内容を織り込んでいた(=サプライズがなかった)場合などに起こり、市場の成熟度や状況を知る手がかりになります。

ポイント4:運用時には自分の資産への影響を考え、備える

最後に、FOMCの結果がご自身の資産にどう影響するかを考え、次の行動に備えます。FOMCの金融政策は、為替レートを通じて日本の輸出入企業の業績に影響を与えたり、世界の株式市場のムードを左右したりと、波及効果が大きいイベントです。

  • 米国株や投資信託を保有している場合:相場の大きな流れが変わるかを見極める。
  • 外貨建て資産を保有している場合:今後のドル円の方向性を考え、為替ヘッジの必要性を検討する。

相場の急変動に備え、慌てて売買するのではなく、長期的な視点でご自身の資産配分を見直す良い機会と捉えましょう。

FOMC情報の投資活用で失敗しないために|よくある3つの誤解と注意点

FOMCは重要なイベントですが、その情報の解釈を誤ると投資判断を誤る原因になります。ここでは、個人投資家が陥りがちな3つの代表的な誤解と、その対策について解説します。

誤解1:ドットチャートはFRBの公式な利上げ・利下げ予告だ

ドットチャートは、将来の金利の方向性を示す重要なヒントですが、FRBの公式な約束や予告ではありません。これは、あくまでFOMCメンバー一人ひとりが「その時点」で適切と考える金利予測の集計に過ぎず、今後の経済状況次第で予測は変わるからです。絶対的なものと考えず、FRB内の大まかな意見の方向性を知るための参考情報として活用しましょう。

誤解2:利下げが決定すれば、必ず株価は上がるはずだ

「利下げ=株高」という単純な図式が常に成り立つとは限りません。重要なのは、利下げが行われる「背景」です。景気が安定する中でインフレが落ち着いたために行われる「予防的な利下げ」は株高につながりやすいですが、深刻な景気後退に対応するための利下げは、投資家の不安心理を増幅させ、むしろ株安を招くこともあります。

誤解3:FOMCの結果だけ見ていれば勝てる

市場は常に未来を予測して動いています。そのため、FOMCの決定が市場の予想通りだった場合、その内容はすでに価格に反映(織り込み済み)されていることがほとんどです。このような時に、発表をきっかけに利益確定の売りが出て相場が逆行する現象を「材料出尽くし」と言います。重要なのは、発表された「結果」そのものよりも、それが市場の「予想」とどう違ったかに注目することです。

この記事のまとめ

FOMCは単なる金利発表の場ではなく、市場との対話によって期待と現実のギャップを埋める重要なイベントです。声明文・ドットチャート・会見の3点セットをバランスよく読み解き、市場の反応を冷静に観察することで、為替や金利、株式市場の動きをより深く理解できるようになります。投資判断に迷ったときは、一次情報に立ち返る姿勢が重要です。気になる点があれば、専門家のアドバイスを得ながら長期的な資産戦略を見直していきましょう。

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FRB(Federal Reserve Board/米連邦準備制度理事会)

FRB(Federal Reserve Board、米連邦準備制度理事会)は、米国の中央銀行制度であるFRS(Federal Reserve System)の中核をなす組織である。FRSは、ワシントンD.C.にあるFRB(理事会)と、全米に分布する12の地区連邦準備銀行(連銀)から構成される。 FRBの主な役割は、金融政策を通じて米国経済の安定を図ることであり、その目的として「最大雇用(Maximum Employment)」と「物価の安定(Stable Prices)」という2つの目標(デュアルマンデート)を掲げている。これらの目標を達成することで、米国経済の持続的な成長を促す。 FRBは、日本の日本銀行に相当する機関であり、政府から独立した中央銀行として運営されている。ただし、完全に独立しているわけではなく、議会に対して定期的に金融政策の報告を行うなど、説明責任を負っている。

FOMC(Federal Open Market Committee/連邦公開市場委員会)

FOMC(Federal Open Market Committee、連邦公開市場委員会)は、米国の金融政策を決定する最高意思決定機関です。米連邦準備制度(FRB)が、インフレ抑制・雇用最大化・経済安定化を目的に、政策金利(FF金利)の調整や金融市場の流動性管理を行います。 FOMCは年8回開催され、米国の景気・物価動向・雇用状況を評価し、政策金利の変更や量的緩和・量的引き締めなどの金融政策を決定します。会合後には声明が発表され、議長の記者会見が行われます。 FOMCの決定は、米国経済だけでなく、世界の金融市場にも大きな影響を与えます。市場予想と異なる決定が出た場合、株式市場・債券市場・為替市場が大きく変動することがあります。一般的に、利上げが発表されると株価は下落し、ドル高が進行し、債券価格は下落します(利回りは上昇)。反対に、利下げが発表されると株価は上昇し、ドル安が進行し、債券価格は上昇します(利回りは低下)。 日本では「日銀金融政策決定会合」がFOMCに相当しますが、決定プロセスには違いがあります。FOMCはFRB理事7名と地方連銀総裁5名の計12名による投票で政策を決定し、金融政策の透明性が高いのが特徴です。

デュアルマンデート

デュアルマンデートとは、アメリカの中央銀行であるFRB(連邦準備制度)が法律で課せられている二つの使命を指す言葉で、「物価の安定」と「最大限の雇用」を同時に追求することを意味します。 これは1977年の連邦準備改革法で定められており、FRBは景気やインフレの状況に応じて金融政策を調整します。例えば、インフレが高まりすぎれば利上げで物価を抑制し、景気が悪化して失業率が上がれば利下げで経済を下支えします。デュアルマンデートは、FRBの政策判断を理解するうえで不可欠な概念であり、市場参加者や投資家が金融政策の方向性を予測する際の重要な手がかりとなります。

FED (フェッド/連邦準備制度)

FEDとは、アメリカの中央銀行制度である連邦準備制度(Federal Reserve System)の通称です。連邦準備制度は、連邦準備理事会(FRB)、12の連邦準備銀行、民間の加盟銀行などから構成され、通貨の発行、金融政策の実施、銀行監督、金融システムの安定化といった役割を担っています。 特に金融政策では、政策金利の調整を通じて物価の安定と雇用の最大化を目指す「デュアルマンデート」を果たしており、世界経済や金融市場に大きな影響を与えます。FEDは「世界で最も注目される中央銀行」とも呼ばれ、その発表や声明は投資家にとって重要な情報源となっています。

FF金利 (フェデラル・ファンド金利)

FF金利とは、アメリカの銀行同士が、中央銀行であるFED(連邦準備制度)に預けている準備金を、超短期(通常は翌日)で貸し借りする際の金利のことです。正式名称は「フェデラル・ファンド金利」といい、アメリカの金融政策における最も重要な政策金利として位置づけられています。 FRBはこの金利に目標レンジを設定し、公開市場操作を通じて誘導します。FF金利は住宅ローン金利や企業の借入金利など幅広い金利水準に影響を及ぼすため、アメリカ経済だけでなく世界の金融市場全体に大きな影響を与えます。投資家にとっては、FRBの利上げや利下げ判断を読み解く中心的な指標です。

量的緩和(QE)

中央銀行が金融市場に多くの資金を供給し(マネーサプライを増大させ)、景気回復を目指す金融政策のこと。 政策金利がゼロ金利となり、これ以上金利を下げる余地がない際に、当座預金残高量を拡大することで、金利の引き下げや銀行貸し出しの増加などの効果を期待して中央銀行が実施する。 2013年には日本銀行が量的・質的緩和として、資金の供給を増やす際に、長期国債やリスク性資産であるETF(上場投資信託)など、買い入れ額を拡大する対象も考慮した金融緩和策を実施した。2022年現在では量的緩和は縮小傾向にあり、金融引き締め期に世界的に突入している。

量的引き締め(QT)

量的引き締めとは、中央銀行が金融政策の一環として、市場に供給した資金を回収し、バランスシートを縮小していく政策のことです。 英語では「Quantitative Tightening(QT)」と呼ばれ、量的緩和(QE)の逆の手法です。具体的には、保有している国債や住宅ローン担保証券(MBS)などを償還時に再投資せずに保有額を減らしたり、市場で売却したりすることで行われます。量的引き締めは、市場の流動性を減少させ、金利の上昇や株価への下押し圧力につながる場合があります。 インフレ抑制や金融政策の正常化を目的として行われますが、市場への影響が大きいため、中央銀行の発表内容は常に注目されています。

フォワードガイダンス

フォワードガイダンスとは、中央銀行が将来の金融政策の方針について、あらかじめ市場に対して発信することで、金利や経済に与える影響を意図的に調整しようとする手法です。 たとえば、「少なくとも今後○年間は低金利を維持する」といった表現を通じて、企業や投資家に安心感を与え、長期的な経済活動や投資判断を促すことができます。 このような事前の情報提供によって、市場に予測可能性が生まれ、過度な混乱や金利の急変動を抑える効果があります。特に金利がゼロに近い状況では、通常の金融政策の余地が限られるため、フォワードガイダンスが重要な政策手段として活用されます。 投資家にとっては、中央銀行のメッセージを読み解くことが、金利動向や為替の先行きを予測するうえで極めて重要になります。

ドットプロット

ドットプロットとは、アメリカの連邦準備制度理事会(FRB)が公表する経済見通しの一部で、FOMC(連邦公開市場委員会)の参加者が今後の政策金利の見通しを点(ドット)で示した図表のことです。 縦軸に金利水準、横軸に将来の年次が示され、各参加者の予測がドットとして配置されます。中央値や分布の傾向から、FRBが今後どのように金融政策を運営していくかを市場が読み取る手がかりとなります。 ただし、あくまで個々の見通しであり、FRBの公式な約束ではないため、解釈には注意が必要です。投資家や市場参加者にとっては、金利動向を先読みするための重要な指標となっています。

CME FedWatchツール

CME FedWatchツールとは、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)が提供している、市場参加者のデータを基にFRB(米連邦準備制度理事会)の政策金利見通しを予測するオンラインツールのことです。 具体的には、FF金利先物の取引価格から、市場が織り込んでいる次回のFOMCでの利上げや利下げの確率を算出して表示します。投資家やアナリストはこのツールを利用して、市場がどの程度FRBの金融政策を予想しているかを把握できます。 FedWatchは無料で公開されており、メディアやレポートでも頻繁に引用されるほど信頼性の高い参考指標とされています。

個人消費支出デフレーター(PCE)

個人消費支出デフレーター(PCEデフレーター)は、米商務省経済分析局(BEA)が毎月公表する家計最終消費支出の物価指数です。 食品とエネルギー価格の変動を除いた「コアPCE」が米連邦準備制度理事会(FRB)の物価目標(年率2%)を測る基準になっており、金融政策の舵取りに最も影響を与える指標として注目されています。PCEデフレーターはチェーン加重方式を採用しているため、消費者が高くなった商品から割安な代替品へ乗り換える行動を組み込める点が特徴です。 さらに、持ち家の「帰属家賃」や企業・政府が負担する医療保険料など実際に支払われていないサービスも含めて計算されるため、都市勤労者の現金支出に限定される消費者物価指数(CPI)よりカバー範囲が広く、長期的な上昇バイアスも小さくなります。 月末に発表される速報値は、発表直後に米長期金利とドル相場を動かすことが多く、予想を上回るインフレ率は利上げ観測を高め、株式や暗号資産などリスク資産の調整要因になる点も投資家が押さえておきたいポイントです。 名称も統計手法も米国固有ですが、家計消費を基準にした同種のデフレーターは日本を含む他国でも作成されており、国際比較にはOECDやIMFが集計する家計消費デフレーターが利用されます。

消費者物価指数(CPI)

消費者物価指数とは、CPI(Consumer Price Index)とも呼ばれ、小売価格(末端価格)の変動を示す指数。 各国で算出方法などに多少の違いはあるものの、毎月発表され、中央銀行の政策判断・利上げ判断などの参考にもされている。 小売価格には時期により大きく変動する分野も存在するため、それらの影響を取り除いた指数も発表されている。例えば日本では生鮮食品を除いた指数を「コアCPI」、酒類を除く食品およびエネルギーを除いた「コアコアCPI」が発表されている。

雇用統計

雇用統計とは、国や地域の労働市場の状況を示す経済指標であり、景気動向や金融政策に大きな影響を与える重要なデータです。 主に「就業者数」「失業率」「賃金の動き」などが含まれ、各国で毎月や四半期ごとに公表されています。たとえば、アメリカでは「非農業部門雇用者数(NFP)」が代表的な指標で、米連邦準備制度理事会(FRB)の金利判断にも影響を与えます。また、日本では総務省が「労働力調査」を発表し、失業率や就業率などが注目されます。ユーロ圏では、EU統計局(Eurostat)による失業率データが投資家の関心を集めます。 雇用統計は、各国の中央銀行が景気過熱や景気後退を判断するための材料として利用されるため、発表直後には株式・債券・為替などの金融市場が大きく動くことがあります。たとえば、雇用が予想以上に増えていれば景気の好調さが意識され、株価が上昇したり通貨が買われたりすることがあります。反対に、失業率の上昇や賃金の伸び悩みが見られると、景気への不安から市場が下落することもあります。 雇用統計の発表タイミングは国によって異なりますが、特にアメリカの雇用統計(通常は毎月第1金曜日)は世界中の投資家が注目しており、資産運用を行ううえで重要なチェックポイントとなります。

非農業部門雇用者数

非農業部門雇用者数とは、アメリカ労働省が毎月発表する雇用統計の中で、農業分野を除いた雇用者の総数を示す指標です。製造業やサービス業、公務員など幅広い産業の雇用状況を反映しており、アメリカ経済の景気動向を測る最も注目度の高いデータの一つです。特に、前月からの増減は景気拡大や後退の判断材料とされ、FRBの金融政策判断にも大きな影響を与えます。発表は毎月第一金曜日で、市場では為替、株式、債券など幅広い資産価格が大きく動くことがあります。投資家にとっては、景気の実勢を読み解くための必須の経済指標です。

失業率

失業率とは、労働力人口(働く意思と能力のある15歳以上の人)のうち、仕事を探しているにもかかわらず職に就けていない人の割合を示す指標です。 一般に、失業率が低い=労働市場が堅調で経済が好調と判断され、逆に失業率が高い=企業の雇用意欲が弱く、景気が悪化している可能性があると考えられます。 失業率は、景気の遅行指標(=景気の変化のあとから動く指標)とされており、すでに進行中の景気の良し悪しを確認するために使われます。たとえば、リストラや倒産が増え始めたあとに、失業率の悪化が統計として現れることが多いです。 金融市場においても失業率は注目される指標であり、とくに米国では雇用統計とセットで市場が大きく反応します。失業率が予想より改善すれば、景気に対する安心感から株価が上昇する場合もありますが、インフレ懸念から利上げ観測につながることもあり、相場の反応は複雑です。 また、失業率の水準だけでなく、「なぜ上がったか・下がったか」の中身も重要です。たとえば、労働参加率の変動によって失業率が変わることもあり、単純な判断には注意が必要です。

ISM景況指数

ISM景況指数とは、アメリカの供給管理協会(ISM:Institute for Supply Management)が毎月発表する景気動向を測る指数のことです。特に製造業の指数が有名で、全米の購買担当者に対するアンケート調査を基に算出されます。新規受注、生産、雇用、在庫、仕入価格といった項目を総合して50を基準値とし、50を上回れば景気拡大、下回れば景気後退の可能性を示唆します。速報性が高く、市場参加者やFRBが経済状況を判断する材料として重視しているため、発表直後には株式や為替、債券市場が大きく反応することがあります。

個人消費支出

個人消費支出とは、私たち一人ひとりの家庭や個人が、日常生活で商品やサービスを購入するために使ったお金の総額を示す経済指標です。 具体的には、食料品や衣服、住居、医療、交通、娯楽などの支出が含まれています。これはアメリカのGDP(国内総生産)の中で最も大きな割合を占める項目の一つで、経済の成長や活発さを測るうえでとても重要な役割を果たしています。 また、FRB(連邦準備制度)がインフレの動向を分析する際にも、この個人消費支出の動きが注目されます。なぜなら、消費が増えると物の需要が高まり、それが価格上昇につながる可能性があるからです。投資判断や景気の先行きを予測する際にも、個人消費支出は欠かせない指標の一つです。

サプライズ

サプライズとは、金融市場において予想外の出来事や発表があった際に使われる言葉です。特に経済指標や企業決算、中央銀行の政策発表などが市場予想と大きく異なった場合に「サプライズ」と表現されます。たとえば、利上げが予想されていない状況で突然実施された場合や、企業の業績が予想を大幅に上回った場合などが典型例です。サプライズは投資家の期待を裏切ることから、為替、株式、債券など幅広い市場で大きな価格変動を引き起こす要因となります。市場予想とのギャップを理解することは、リスク管理や投資戦略を立てるうえで非常に重要です。

材料出尽くし

材料出尽くしとは、株価や市場に影響を与えると期待されていたニュースや情報がすでに発表され、それに対する反応が株価に織り込まれた結果、今後は新たな動きが起きにくくなる状態のことを指します。たとえば、好調な決算が予想されていた企業が実際に良い決算を発表しても、その期待がすでに株価に反映されていた場合、株価が下がることもあります。これは「良い材料が出たのに株価が下がる」という一見矛盾した動きの背景に、「材料出尽くし」という考え方があるためです。初心者にとっては、ニュースの内容だけでなく、それがすでに市場にどの程度織り込まれているかを意識することが大切です。

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