贈与税の申告方法と注意点を教えて下さい
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2025/07/31 08:17
男性
30代
両親から現金の贈与を受けたのですが、金額が大きいため贈与税の申告が必要と聞きました。どのような手続きが必要か、申告の期限や必要書類、税務署での注意点など、初心者でも分かるように教えていただきたいです。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
贈与税の申告は、前年の1月1日から12月31日までに受けた贈与を対象に、翌年の2月1日から3月15日までの間に行います。申告の必要性は、年間で受け取った贈与額が110万円の基礎控除を超えるかどうかで判断されます。複数の人から贈与を受けた場合は合算して考えますので、注意が必要です。
まず準備段階では、贈与の内容と金額、贈与者ごとの明細を整理しましょう。住宅取得資金の非課税制度や配偶者控除など、特例が適用できるかどうかも確認が必要です。特例を使うには、それぞれ条件があり、必要書類が追加されます。
現金を贈与された場合は、振込明細や通帳コピー、贈与契約書を用意します。不動産や株式などの現物贈与では、その評価額を証明する書類が必要になります。
次に申告書の作成です。国税庁のホームページやe-Taxを使って贈与税の申告書(第一表・第二表)を作成します。e-Taxでは自動計算ができ、記入ミスを減らせるため初心者にもおすすめです。申告には、あなたのマイナンバーと本人確認書類の写しが必要です。贈与契約書や財産評価の証明書類も添付し、特例を適用する場合にはそれに対応した明細書や登記事項証明書なども必要になります。
贈与税の税額は、課税価格から控除額を引いた後、累進税率をかけて計算します。例えば、暦年課税では200万円以下は10%、それ以上は段階的に最大55%まで税率が上がります。相続時精算課税を選んだ場合は一律20%で計算され、専用の申告様式が必要になります。税金の納付期限も3月15日で、納付方法は現金、振替、クレジットカード、ネットバンキングなどが使えます。納付が遅れると延滞税がかかるので注意が必要です。
また、贈与税には申告漏れや評価誤りなどのリスクもあります。過少申告をした場合には、延滞税のほかに加算税が課される可能性があります。現金を手渡しした場合や、名義預金とみなされた場合には、贈与と認められずに課税されるケースもありますので、証拠書類はしっかり残しておくことが大切です。毎年定期的に贈与する「連年贈与」の場合も、毎年契約書を交わすなど、都度独立した贈与であることを明確に示す工夫が必要です。
2024年の税制改正により、相続時精算課税を選択した場合でも、年間110万円までの贈与については課税されない仕組みが導入されました。これは若い世代への資産移転を後押しする措置ですが、相続時にすべてが再計算される点や、一度選択すると暦年課税に戻せない点などには注意が必要です。
税務署による調査は、贈与後すぐではなく、相続発生後の5〜6年以内に行われることが多いため、贈与時の証拠や資料は長期保管しておくと安心です。特に贈与者側の通帳コピーも残しておくことで、資金の流れを明確にできます。
さらに、教育資金や結婚・子育て資金の一括贈与に関する特例もあります。これらは2026年3月末まで利用可能ですが、使途の制限があり、教育や結婚費用以外に使った場合には課税されるため、使い方にも注意が必要です。
まとめると、贈与税の申告は期限と正確性が重要であり、非課税制度や特例を上手に使うことで節税も可能になります。ただし誤解や手続きミスによる追徴リスクもあるため、不安があれば税理士などの専門家に早めに相談し、計画的な贈与設計を行うことが望ましいです。
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関連する専門用語
贈与税
贈与税とは、個人が他の個人から金銭・不動産・株式などの財産を無償で受け取った際に、その受け取った側(受贈者)に課される税金です。通常、年間110万円の基礎控除を超える贈与に対して課税され、超過分に応じた累進税率が適用されます。 この制度は、資産の無税移転を防ぎ、相続税との整合性を保つことを目的として設けられています。特に、親から子へ計画的に資産を移転する際には活用されることが多く、教育資金や住宅取得資金などに関しては、一定の条件を満たすことで非課税となる特例もあります。 なお、現在は「暦年課税」と「相続時精算課税」の2制度が併存していますが、政府は近年、相続税と贈与税の一体化を含めた制度改正を検討しており、将来的に制度の選択肢や非課税枠、課税タイミングが見直される可能性があります。 こうした背景からも、贈与税は単なる一時的な贈与の問題にとどまらず、長期的な資産承継や相続対策の設計に深く関わる重要な制度です。税制の動向を踏まえた上で、専門家と連携しながら最適な活用方法を検討することが求められます。
基礎控除
基礎控除とは、所得税の計算において、すべての納税者に一律で適用される控除のことを指す。一定額の所得については課税対象から除外されるため、納税者の負担を軽減する役割を持つ。所得に応じて控除額が変動する場合もあり、申告不要で自動適用される。
暦年課税
暦年課税とは、1月1日から12月31日までの1年間に贈与された金額に対して課税される仕組みのことをいいます。特に贈与税の計算方法として使われており、年間の贈与額が基礎控除額である110万円を超えた部分について課税されます。たとえば、1年間に親から子へ150万円を贈与した場合、110万円を差し引いた40万円に対して贈与税がかかるというわけです。 この制度は毎年リセットされるため、長期的に少しずつ財産を移す「生前贈与」の手段として活用されることが多いです。ただし、相続税との関係で、亡くなる前の一定期間内の贈与については相続財産に加算される「10年ルール」があるため、計画的な利用が大切です。初心者の方にとっては、贈与に関する基本的な課税制度として、まず最初に押さえておくべき考え方です。
相続時精算課税制度
相続時精算課税制度とは、60歳以上の父母や祖父母から、18歳以上の子や孫へ財産を贈与する場合に利用できる、特別な贈与税の制度です。この制度を使うと、贈与を受けた年に2,500万円までの金額については贈与税がかからず、それを超えた部分にも一律20%の税率が適用されます。そして、その後贈与者が亡くなったときに、過去の贈与分をすべてまとめて「相続財産」として扱い、最終的に相続税として精算します。 つまり、この制度は「贈与税を一時的に軽くし、あとで相続税の段階でまとめて精算する」という仕組みになっています。将来の相続を見据えて早めに資産を移転したい場合や、大きな金額を一括で贈与したい場合に活用されることが多いです。 ただし、一度この制度を選ぶと、同じ贈与者からの贈与については暦年課税(通常の贈与税制度)には戻せないという制限があるため、利用には慎重な判断が必要です。資産運用や相続対策を計画するうえで、制度の特徴とリスクをよく理解しておくことが大切です。
連年贈与
連年贈与とは、毎年別々の意思表示と手続きに基づいて財産を贈与する方法を指します。各年の贈与は独立した暦年贈与とみなされ、贈与税はその年に受け取った金額の合計から基礎控除110万円を差し引いた残額に対して課税されます。 あらかじめ「10年間毎年100万円を渡す」と決めてしまうと合計額に贈与税がかかる定期贈与とみなされるおそれがあるため、連年贈与を維持するには贈与契約書を毎年作成し、金額や時期を適度に変えるなどして「都度合意」の形を整えることが重要です。 この方法を適切に運用すれば、非課税枠を毎年活用しながら長期的に資産を移転でき、相続時の課税対象財産を減らす効果が期待できます。
加算税
加算税とは、本来納めるべき税金を申告しなかったり、遅れて申告したり、虚偽の内容を申告した場合に、罰則として追加で課される税金のことをいいます。これは「ペナルティ」としての性質を持ち、延滞税とは異なり、過失や故意による申告漏れを防ぐ目的で設けられています。たとえば、期限内に確定申告をしなかった場合や、税務調査で申告内容に誤りが見つかった場合などに加算税が発生します。 加算税には、無申告加算税、過少申告加算税、重加算税などいくつかの種類があり、内容や程度に応じて税率が異なります。税務手続きでは、正しく・期限内に申告を行うことが、加算税を防ぐ最も重要なポイントです。