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田中貴金属での積立を勧められましたがどう思いますか?

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2025/08/06 08:16


男性

60代

question

田中貴金属での金の積立を勧められました。月1万円からコツコツ積み立てる形で、現物の引き出しも可能とのことです。ただ、金価格が今後どうなるのか、また他の資産と比べて運用効率がどうなのかが分からず迷っています。私は投資初心者で、NISAで投信は少しやっていますが、金などの現物資産にはまだ詳しくありません。こうした金の積立は、長期的に見て資産形成に向いているのでしょうか?それとも他の選択肢の方が良いのでしょうか?


回答

佐々木 辰

株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長

金は、将来のインフレや金融不安に備える「守りの資産」として長期保有されることが多く、実際に2025年8月時点では1グラムあたり17,000円台後半と過去最高水準付近で推移しています。ただし、金は利息や配当を生まないため、値上がり益に期待する以外にリターン源がありません。価格の変動幅も意外と大きく、短期的には株式並みに上下する局面もあるため、安定した収益を期待して投資するとギャップを感じる可能性があります。

田中貴金属の純金積立は、月3,000円からの積立が可能で、質問のように月1万円を5年間続けた場合、合計60万円に対し手数料総額は約18,000円。年率換算で1.6~2%程度のコストになります。保管方法は「特定保管」で顧客資産が分別管理されており、万一の倒産時にも名義上の返還が担保されています。また、積立で購入した金は5gバーや1kgバーなどの現物に引き出すことができ、災害時や非常時に備えて実物資産として保有したい方には一定の安心感があります。

一方で、金ETF(上場投資信託)を利用すれば信託報酬は年0.4%程度と低く、NISAの成長投資枠を使えば運用益は非課税です。代表的な1540(純金上場信託)など一部のETFでは、1kg相当の口数(約1,000口)を保有していれば現物への転換も可能です。ただしその際はETFを一度売却したものとみなされ20.315%の譲渡益課税がかかり、引き出し時には10%の消費税や手数料も発生するため、コスト面で割高になる点には注意が必要です。米国ETFのOUNZは小口引き出しにも対応していますが、為替や申請コストを考えると現物目的なら国内サービスの方が現実的です。

売却時の税金についても違いがあります。田中貴金属のような現物資産の場合、総合課税の譲渡所得として扱われ、年間50万円までの特別控除や5年以上保有した場合の1/2課税といった優遇措置が利用できます。一方、ETFや投信は分離課税で20.315%の税率が一律にかかりますが、株式やREITとの損益通算や繰越控除が可能で、NISA口座を使えば非課税です。税務上のメリット・デメリットは保有目的や他の資産との組み合わせによって変わります。

金は基本的に「収益を生む資産」ではなく、「価値を守る資産」として位置づけるべきです。ポートフォリオの中でも5~10%程度までを上限にリスク分散の一環として組み入れるのが一般的です。まずはNISAを活用して低コストの金ETFや金連動投信を積立し、そのうえで実物を保有したいという希望があれば田中貴金属の積立を併用するのが、費用対効果の面でも現実的です。

結論としては、「実物を持ちたい安心感」が優先されるなら田中貴金属の積立は良い選択肢になり得ますが、「コスト効率」や「税制メリット」を重視するならETFや投信の方が有利です。いずれの場合も、金に過度な期待をせず、あくまで長期ポートフォリオの一部として無理のない範囲で組み入れることをおすすめします。どちらが良いか迷う場合は、現在の資産構成や投資目的に応じて、専門家に一度相談されると安心です。投資のコンシェルジュでは無料相談も受け付けていますので、ぜひご活用ください。

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純金積立

純金積立とは、毎月一定額を支払い、その金額に応じて純金を少しずつ購入していく投資方法のことです。定額で積み立てるため、金価格が高いときには少量、安いときには多く購入することになり、「ドルコスト平均法」と呼ばれる考え方が自然に取り入れられています。 純金積立で購入した金は、業者が保管してくれることが一般的で、一定の重量に達すると現物として引き出すことも可能です。銀行、証券会社、貴金属専門業者などを通じて契約でき、長期的な資産形成手段として利用されています。価格変動リスクはあるものの、現物資産としての信頼性が高く、インフレ対策や通貨の価値下落への備えとして注目されています。

NISA

NISAとは、「少額投資非課税制度(Nippon Individual Saving Account)」の略称で、日本に住む個人が一定額までの投資について、配当金や売却益などにかかる税金が非課税になる制度です。通常、株式や投資信託などで得られる利益には約20%の税金がかかりますが、NISA口座を使えばその税金がかからず、効率的に資産形成を行うことができます。2024年からは新しいNISA制度が始まり、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つを併用できる仕組みとなり、非課税期間も無期限化されました。年間の投資枠や口座の開設先は決められており、原則として1人1口座しか持てません。NISAは投資初心者にも利用しやすい制度として広く普及しており、長期的な資産形成を支援する国の税制優遇措置のひとつです。

譲渡益

譲渡益とは、株式や不動産などの資産を売却した際に得られる利益のことを指します。具体的には、売却価格から取得費や譲渡費用を差し引いた金額が譲渡益となります。個人が株式を売却して利益を得た場合、通常は譲渡所得として申告分離課税(税率20.315%)の対象になります。不動産の場合、所有期間が5年以下の短期譲渡は税率39.63%、5年超の長期譲渡は20.315%の税率が適用されます。 また、投資信託の売却益も譲渡所得に分類されますが、分配金の一部は配当所得として課税される場合があります。税制上の優遇措置として、NISA(少額投資非課税制度)や居住用不動産の3000万円特別控除などがあり、適用条件を理解することが重要です。 資産運用においては、売却のタイミングや税制の影響を考慮し、適切な税対策を行うことが求められます。

キャピタルゲイン(売却益/譲渡所得)

キャピタルゲインとは、株式や不動産、投資信託などの資産を購入した価格よりも高く売却したことによって得られる利益のことです。一般的な経済用語としては「売却益」と呼ばれ、資産運用における収益のひとつとして広く使われています。日本の税法においては、このキャピタルゲインは「譲渡所得」として分類され、確定申告などで所得として扱われます。つまり、経済的な意味ではキャピタルゲインと譲渡所得は同様の概念を指しますが、前者が広義の利益、後者が課税対象としての所得という違いがあります。投資の成果を判断したり、税金を計算したりするうえで、両者の使われ方を正しく理解することが大切です。

総合課税

総合課税は、給与や年金、事業収入、不動産収入、利子、配当など、1年間に得たさまざまな所得を合算し、その合計額に累進税率を適用して所得税を計算する方式です。 所得が増えるほど税率が高くなるため、高所得者ほど税負担が大きくなる点が特徴です。一方、金融所得には総合課税以外の課税方法を選択できる場合があります。 たとえば、株式譲渡益や先物取引益などは「申告分離課税」を選ぶことで、ほかの所得と区分して一律20.315%(所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%)で申告できます。 また、預貯金利息や一部の公社債利子などは、支払元が税金を源泉徴収する「源泉分離課税」となり、原則として確定申告は不要です。配当や利子のように課税方式を選択できるケースでは、ご自身の所得水準や控除の有無、損益通算の可能性を踏まえ、総合課税・申告分離課税・源泉分離課税のどれを採用するかを検討することが、最終的な税負担を抑えるうえで重要になります。

分離課税

分離課税(ぶんりかぜい)とは、特定の所得について他の所得と合算せず、その所得単独で税額を計算し、課税する方式です。分離課税には「源泉分離課税」と「申告分離課税」の2種類があります。

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