iFree S&P500インデックスの利回りは、どの程度を目安に考えればよいのでしょうか?
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2025/10/20 09:04
女性
30代
資産運用をこれから始めようと思っており、S&P500に連動するインデックスファンドに興味があります。その中でも「iFree S&P500インデックス」が人気と聞きましたが、実際にはどの程度の利回りを目安に考えればよいのか知りたいです。過去の実績や、他社のS&P500連動ファンドと比べた評判についても教えてください。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
iFree S&P500インデックスの利回りは、長期で年率5〜7%程度を目安に考えるのが現実的です。S&P500の長期平均リターンはドル建てで約10%前後ですが、このファンドは為替ヘッジなしのため、円高・円安の影響を受けます。為替変動や信託報酬(年0.198%)を考慮すると、円建てでの実質的な期待利回りは5〜7%くらいと考えておくといいでしょう。
このファンドの特徴は、S&P500に忠実に連動しつつ、販売手数料や信託財産留保が不要で、手軽に積立できる点にあります。純資産残高も安定的に増えており、主要ネット証券での評価も概ね良好です。特に、長期・積立・分散という基本方針に沿って米国株をコアに据えたい投資家にとっては、王道の選択肢といえます。
一方で、他社のS&P500連動ファンドと比べると信託報酬はやや高めです。例えば、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は0.0814%、SBI・V・S&P500インデックスは0.0938%と、より低コストの競合が存在します。長期運用ではわずかなコスト差でも複利の影響で最終リターンに差が出るため、コストを重視する投資家は比較検討する価値があります。
総じて、iFree S&P500インデックスは「手軽にS&P500へ投資したい人」には十分満足度の高い選択肢ですが、「徹底的に低コストを追求したい人」には他ファンドの方が向く場合があります。どちらを選ぶにしても、長期目線で積立を続けることがリターンを安定させる最大のポイントです。
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為替ヘッジとは、為替取引をする際に、将来交換する為替レートをあらかじめ予約しておくことによって、為替変動のリスクを抑える仕組み。海外の株や債券に投資する際は、その株や債券の価値が下がるリスクだけでなく、為替の変動により円に換算した時の価値が下がるリスクも負うことになるので、後者のリスクを抑えるために為替ヘッジが行われる。
信託報酬
信託報酬とは、投資信託やETFの運用・管理にかかる費用として投資家が間接的に負担する手数料であり、運用会社・販売会社・受託銀行の三者に配分されます。 通常は年率〇%と表示され、その割合を基準価額にあたるNAV(Net Asset Value)に日割りで乗じる形で毎日控除されるため、投資家が口座から現金で支払う場面はありません。 したがって運用成績がマイナスでも信託報酬は必ず差し引かれ、長期にわたる複利効果を目減りさせる“見えないコスト”として意識されます。 販売時に一度だけ負担する販売手数料や、法定監査報酬などと異なり、信託報酬は保有期間中ずっと発生するランニングコストです。 実際には運用会社が3〜6割、販売会社が3〜5割、受託銀行が1〜2割前後を受け取る設計が一般的で、アクティブ型ファンドでは1%超、インデックス型では0.1%台まで低下するケースもあります。 同じファンドタイプなら総経費率 TER(Total Expense Ratio)や実質コストを比較し、長期保有ほど差が拡大する点に留意して商品選択を行うことが重要です。
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ネット証券とは、主にインターネットを通じて株式や投資信託などの金融商品を売買できる証券会社のことをいいます。従来のように対面で営業員を通じて注文するのではなく、個人投資家が自宅やスマートフォンから直接取引を行えるのが特徴です。これにより、手数料が低く抑えられたり、取引スピードが速くなったりするメリットがあります。 さらに、24時間アクセス可能な取引画面や豊富な情報提供サービスも魅力で、投資初心者から上級者まで幅広く利用されています。一方で、サポートがオンライン中心であるため、自分で情報収集や判断をする力が求められる面もあります。近年では、AIやスマホアプリの進化によって、ネット証券の利便性と人気はますます高まっています。
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