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インドの投資信託はあまりおすすめできないと言われるのは、なぜですか?

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2025/10/10 09:59

外国株式
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女性

30代

question

新興国として成長が期待されるインドですが、投資信託ではあまりおすすめできないという意見も聞きます。人口増加や経済成長率の高さから将来性は魅力的に見える一方で、実際の運用ではどのようなリスクや課題があるのでしょうか。為替変動や政治・規制の影響、運用コストや分配金の仕組みなど、初心者には見えにくい注意点についても知りたいです。


回答

佐々木 辰

株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長

インドの投資信託を「成長性が高いから」といった理由だけで選ぶのはおすすめできません。単一国への集中投資になるため、為替変動や政治リスク、運用コストなどが重なり、リターンが不安定になりやすいからです。ただし、世界分散投資の一部として少額を長期的に組み入れるなら、合理的な戦略になり得ます。

まず、インド市場は特定業種への偏りが大きい点に注意が必要です。金融やITセクターの比重が高く、上位数社の業績や株価動向が市場全体を左右します。さらに、近年の株価には過度な成長期待が織り込まれており、割高感が続いています。企業の業績が好調でも株価が上がりにくい「期待先行型相場」になりやすいのが現状です。

次に、為替リスクも軽視できません。インドは物価上昇率が高く、長期的には通貨ルピーが下落しやすい傾向があります。円建てで投資しても、円・ルピー・ドルの三重為替変動が損益に影響し、成長分が為替差損で相殺されることもあります。為替ヘッジを付けるとコストがかさみ、長期投資の魅力を損ねる場合もあります。

運用コスト面でも、日本のインド投信は注意が必要です。多くのファンドがファンド・オブ・ファンズ形式で、信託報酬が二重にかかります。加えて為替スプレッドや信託財産留保額なども発生し、長期で見ると先進国株や全世界株の低コストファンドに比べて明らかに不利です。

さらに、インド市場は政策変更や規制強化の影響を受けやすく、指数との乖離(トラッキングエラー)が生じることがあります。企業開示のばらつきや会計基準の透明性の低さもリスク要因であり、投資家が想定しづらい政策リスクが存在します。

このような背景から、インドの投資信託をメイン運用に据えるのは避けたほうが賢明です。基本は全世界株や先進国株を軸とし、その中の5〜10%をインドに配分する程度が現実的です。積立投資で時間分散を行い、年1回リバランスして比率を整えることで、リスクを適切にコントロールできます。

ファンドを選ぶ際は、構造(単体型かファンド・オブ・ファンズか)、実質コスト、指数との乖離、純資産残高、為替ヘッジ方針を確認しましょう。初心者は低コストのインデックス型を選び、分配金を受け取るよりも再投資型を活用するほうが効率的です。NISAなどの非課税口座を利用すれば、複利効果を最大化できます。

まとめると、インド投信が「おすすめしにくい」とされるのは、集中リスクの高さ、高コスト構造、通貨・政策リスクの不透明さが原因です。とはいえ、世界分散の一部として少額・長期・低コストを意識すれば、成長の恩恵を取り込む手段になり得ます。

自分のポートフォリオにどの程度インドを組み入れるべきか、他資産とのバランスをどう取るか悩む場合は、投資のコンシェルジュの無料相談をご利用ください。中立的な専門家が、資産配分やリスク許容度に合わせた最適な設計をサポートします。

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ファンド・オブ・ファンズとは、個別の株式や債券には直接投資せず、複数の投資信託やETFをまとめて保有することで分散効果を高める運用手法を取る投資信託です。投資家は一本のファンドを購入するだけで、資産クラスや地域など幅広い投資対象に間接的にアクセスでき、運用の手間や商品選定の負担を軽減できます。 一方で、下位ファンドとファンド・オブ・ファンズの双方で信託報酬が発生するため、コストが高くなりやすい点には注意が必要です。資産配分を専門家に任せながら手軽に国際分散投資を行いたい方に向いた仕組みですが、実質的な手数料水準や運用方針の重複を確認し、コスト対効果を見極めたうえで活用することが大切です。

信託報酬

信託報酬とは、投資信託やETFの運用・管理にかかる費用として投資家が間接的に負担する手数料であり、運用会社・販売会社・受託銀行の三者に配分されます。 通常は年率〇%と表示され、その割合を基準価額にあたるNAV(Net Asset Value)に日割りで乗じる形で毎日控除されるため、投資家が口座から現金で支払う場面はありません。 したがって運用成績がマイナスでも信託報酬は必ず差し引かれ、長期にわたる複利効果を目減りさせる“見えないコスト”として意識されます。 販売時に一度だけ負担する販売手数料や、法定監査報酬などと異なり、信託報酬は保有期間中ずっと発生するランニングコストです。 実際には運用会社が3〜6割、販売会社が3〜5割、受託銀行が1〜2割前後を受け取る設計が一般的で、アクティブ型ファンドでは1%超、インデックス型では0.1%台まで低下するケースもあります。 同じファンドタイプなら総経費率 TER(Total Expense Ratio)や実質コストを比較し、長期保有ほど差が拡大する点に留意して商品選択を行うことが重要です。

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為替ヘッジとは、為替取引をする際に、将来交換する為替レートをあらかじめ予約しておくことによって、為替変動のリスクを抑える仕組み。海外の株や債券に投資する際は、その株や債券の価値が下がるリスクだけでなく、為替の変動により円に換算した時の価値が下がるリスクも負うことになるので、後者のリスクを抑えるために為替ヘッジが行われる。

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トラッキングエラーとは、主にインデックスファンドなどの運用成績が、目標とする指数(たとえば日経平均株価やS&P500など)とどれくらいズレているかを示す指標です。ファンドは基本的に指数に連動するように運用されますが、運用コストや売買のタイミングの違いなどにより、実際の成績が指数と完全に一致することはまれです。 この差が大きいほど、運用が指数とずれていると評価されます。トラッキングエラーが小さいほど、より正確に指数に連動しているとされ、インデックス投資においては重要な確認ポイントとなります。

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インデックス連動型とは、日経平均株価やS&P500などの特定の株価指数(インデックス)の値動きに連動するように設計された金融商品や投資信託のことです。これらの商品は、インデックスに含まれる銘柄を同じような割合で保有することで、インデックスとほぼ同じ値動きを目指します。つまり、市場全体の動きに合わせて資産を増減させることを目的としており、個別銘柄の選定やタイミングを図る必要がないため、初心者でも取り組みやすいのが特徴です。手数料が比較的安く、長期的に安定した運用成果を目指せる点から、長期投資の基本戦略として広く用いられています。

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リバランスとは、ポートフォリオを構築した後、市場の変動によって変化した資産配分比率を当初設定した目標比率に戻す投資手法です。 具体的には、値上がりした資産や銘柄を売却し、値下がりした資産や銘柄を買い増すことで、ポートフォリオ全体の資産構成比率を維持します。これは過剰なリスクを回避し、ポートフォリオの安定性を保つためのリスク管理手法として、定期的に実施されます。 例えば、株式が上昇して目標比率を超えた場合、その一部を売却して債券や現金に再配分するといった調整を行います。なお、近年では自動リバランス機能を提供する投資サービスも登場しています。

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