個別債券投資の長所と短所を教えてください
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2025/06/07 17:42
男性
60代
利息額が読める個別債券に興味がありますが、最低投資額の高さや破綻リスクの見極めが難しいと感じます。メリットと注意点を整理すると、どのような投資家に向く商品と言えるのでしょうか?
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
個別債券のメリットは大きく三つあります。第一に、クーポン(利率)と償還日が購入時点で確定するため、満期まで保有すれば受取総額と時期を高い精度で設計でき、教育費や退職金など資金用途と期限がはっきりしたニーズに合わせやすい点です。第二に、同じ信用度で比較すると国債より利回りが高い社債が多く、インフレ下でも安定したインカム源になり得ます。第三に、市場金利が低下した局面では債券価格が上昇し、中途売却でキャピタルゲインを得られる可能性があることです。
一方、注意点も明確です。最低投資額が大きく、1銘柄への集中が避けにくいことから、発行体の倒産や早期償還条項が発動した場合の損失が資産に直接響きます。また上場株と比べて流通市場が狭いため、売却したいときに買い手が見つからず、想定外のディスカウントを強いられる流動性リスクがあります。さらに、信用格付けや財務指標、担保・劣後順位を継続的に点検し、決算や重大ニュースを追うモニタリング体制が不可欠です。電子記録債や1,000ドル単位の小口債が増え投資ハードルは下がりましたが、情報収集と判断に時間を割ける中上級者向きの商品と言えます。初心者や小口投資家はまずETFや投資信託で債券を分散保有し、経験を積んでから個別債券に移行する方法が現実的でしょう。
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関連する専門用語
クーポン
クーポンとは、債券を保有している投資家が発行体(国や企業)から定期的に受け取る利息のことです。クーポンの金額は、債券発行時に設定された利率(クーポン利率)に基づき計算されます。通常、半年ごとまたは1年ごとに支払われることが多いです。クーポン収入は安定したキャッシュフローをもたらし、特に長期保有する債券投資家にとって重要な収益源となります。
個別債券
個別債券とは、投資信託や債券ファンドを通じずに、特定の国債・社債・地方債などを個別に購入する債券投資の形態を指します。満期まで保有することで元本の返済が期待でき、利息収入を得られるため、安定した運用を求める投資家に適しています。ただし、発行体の信用リスクや市場金利の変動による価格変動リスクがあるため、慎重な選定が必要です。
償還
償還とは、債券の満期到来時に発行体が投資家に対して元本を返済することを指します。例えば、10年満期の債券であれば、10年後に元本が返金されます。債券の発行元が満期までの間に利息を支払い、償還時に元本を返済することで投資家は利息収益と元本の返金を得ます。ただし、償還には発行体の信用力が影響し、デフォルトリスクが存在する場合があります。
社債
社債とは、企業が事業資金を調達するために発行する「借金の証書」のようなものです。投資家は社債を購入することで企業にお金を貸し、その見返りとして、あらかじめ決められた利息(クーポン)を一定期間ごとに受け取ることができます。満期が来れば、企業は投資家に元本を返済します。 銀行からの融資とは異なり、社債は不特定多数の投資家から直接資金を集める方法であり、企業にとっては柔軟かつ効率的な資金調達手段です。 投資家にとって社債の魅力は、株式に比べて価格の変動が小さく、定期的な利息収入が得られる点にあります。一方で、発行体である企業が経営破綻した場合、元本が戻らないリスクがあるため、信用格付けや業績などを十分に確認することが重要です。 安定的な収益を目指しつつ、リスク管理も重視する投資家にとって、社債はポートフォリオの中核を担いうる資産クラスのひとつです。
国債
発行体が各国中央政府の債券を国債といいます。発行目的や利払い方式などで種類が分別されます。中央政府に資金需要が発生した際に、国債を発行して資金の調達を行うことがあります。 投資家は国債を購入することで、発行体である中央政府へ資金を提供し、その見返りとして半年に1回などのペースで、中央政府から利子を受け取ります。償還期限までに中央政府の財政が悪化するなど、債務が履行されない状況に陥らなければ、満期には額面どおりの金額が投資家へ償還される仕組みです。 国債には、固定利付国債、変動利付国債、物価連動国債などがあります。
キャピタルゲイン(売却益/譲渡所得)
キャピタルゲインとは、株式や不動産、投資信託などの資産を購入した価格よりも高く売却したことによって得られる利益のことです。一般的な経済用語としては「売却益」と呼ばれ、資産運用における収益のひとつとして広く使われています。日本の税法においては、このキャピタルゲインは「譲渡所得」として分類され、確定申告などで所得として扱われます。つまり、経済的な意味ではキャピタルゲインと譲渡所得は同様の概念を指しますが、前者が広義の利益、後者が課税対象としての所得という違いがあります。投資の成果を判断したり、税金を計算したりするうえで、両者の使われ方を正しく理解することが大切です。