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ブラックロックのビットコイン現物ETFにはどんな特徴がありますか?

ブラックロックのビットコイン現物ETFにはどんな特徴がありますか?

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2025/08/12 10:49


男性

30代

question

ビットコインに興味がありますが、直接購入するのは不安があります。最近、ブラックロックのビットコイン現物ETFというものを聞きました。これはどのような仕組みの商品で、他の暗号資産関連の投資手段と比べてどのような特徴やメリット・リスクがあるのか教えて下さい。


回答

佐々木 辰

株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長

ブラックロックの「iShares Bitcoin Trust(IBIT)」は、2024年1月にNASDAQへ上場したビットコイン現物ETFです。名称こそETFですが、米国では通常の投資信託とは異なる「グラントー・トラスト型」で登録されており、保有するビットコイン現物の価値が基準価格に直接反映される仕組みになっています。

2025年8月時点の純資産総額は約840 億ドル(1ドル=145円換算で約12 兆円)に達し、流通ビットコインの約3.5%を保有する世界最大級の現物型ビットコインETFとなりました。現物価格との乖離(プレミアム/ディスカウント)は±0.1%程度と極小で、価格連動性の高さが際立っています。

コスト面でも競争力があります。年間のスポンサーフィーは0.25%ですが、上場後12か月間の先着50 億ドル分については0.12%に割引されます。保管はCoinbase CustodyとAnchorage Digitalの2社で分散コールドストレージを採用し、保険も付保。こうした堅牢なカストディ体制により、自己管理型のウォレットに比べて盗難・紛失リスクを大幅に軽減しています。

流動性は30日平均スプレッド0.01%と米国株ETF並みに狭く、インカインド(ビットコイン現物での作成・償還)方式が価格の安定に寄与しています。米国投資家であれば通常の証券口座やIRA(個人型確定拠出年金)に組み入れ可能です。

注意点として、日本の個人投資家は現在、国内証券会社を通じてIBITを購入できません。金融庁は暗号資産ETFをまだ承認しておらず、NISA枠や特定口座でも取扱いが認められていないためです。購入を検討する場合は海外ブローカー口座の開設が前提となります。

他の投資手段との比較では、先物型ETFに伴うロールコストや、自己保管型ビットコインの管理負担を回避できる点が魅力です。ただしビットコインそのものの高い価格変動性は残り、24時間取引ではなく米国市場時間に限定される点にも留意が必要です。資産全体の5%程度を上限とする分散投資の一部として活用するのが現実的でしょう。

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グラントー・トラスト型

グラントー・トラスト型とは、投資信託の一種ですが、一般的なETFやミューチュアルファンドとは異なり、保有資産をそのまま信託に預けるだけの非常にシンプルな仕組みです。たとえば、ビットコインや金などの「現物」をそのまま保有し、それに対する持分を投資家が証券として保有する形になります。 この構造の最大の特徴は、信託自体が利益を再投資したり、運用判断を下したりしない点です。信託が行うのは、資産を保有し、投資家の指示に応じて出し入れすることだけです。そのため、信託内での売買やレバレッジ、貸付といった活動は一切行われません。資産の保管と証券化に特化した構造であり、運用機能はありません。 税務上は「パススルー課税」が適用されます。つまり、信託が得た収益はそのまま投資家個人の所得として扱われ、信託自体には課税されません。この点が法人として課税される一般のファンドとは大きく異なります。たとえば米国では、投資家に「Grantor Trust Tax Statement」という書類が送付され、それをもとに各自で確定申告を行う必要があります。 この構造は特に、ビットコインや金など、価格連動性の高い現物資産を扱うETFで用いられます。現物をそのまま保有するため、理論上の価格とのズレ(乖離)がほとんどなく、透明性も高くなります。たとえば、IBIT(iShares Bitcoin Trust)はこの形式を採用しており、保有するビットコインの量とETFの発行済み口数が常に一致するように設計されています。 一方で、再投資や配当の受け取り、運用効率の追求といった柔軟な運用ができないことはデメリットといえます。また、投資家自身が申告処理を行う必要があるため、一定の税務知識や実務対応も求められます。 まとめると、グラントー・トラスト型は「現物をそのまま保有したい」「価格との連動性を重視したい」投資家にとって理にかなった構造ですが、再投資や高機能な運用を求める場合には適していないといえるでしょう。特に現物型ビットコインETFのような商品でそのメリットが最大限に発揮されます。

ETF(上場投資信託)

ETF(上場投資信託)とは、証券取引所で株式のように売買できる投資信託のことです。日経平均やS&P500といった株価指数、コモディティ(原油や金など)に連動するものが多く、1つのETFを買うだけで幅広い銘柄に分散投資できるのが特徴です。通常の投資信託に比べて手数料が低く、価格がリアルタイムで変動するため、売買のタイミングを柔軟に選べます。コストを抑えながら分散投資をしたい人や、長期運用を考えている投資家にとって便利な選択肢です。

カストディ

カストディとは、投資家が保有する株式や債券などの有価証券を、第三者機関が安全に保管・管理するサービスを指します。 単に資産を保管するだけでなく、配当金や利息の受領、株式の権利処理(議決権の行使、株式分割など)、償還時の資金受け取りなど、各種の事務手続きを投資家に代わって行います。 適切なカストディアン(カストディ業者)を選定することは、資産管理の透明性・安全性を確保する上で重要な要素の一つとされています。

コールドウォレット

コールドウォレットとは、暗号資産(仮想通貨)をインターネットから切り離された状態で保管する方法のことを指します。具体的には、USBメモリのような外部デバイスや紙に印刷した秘密鍵などを使って資産をオフラインで管理する手段です。これにより、ハッキングや不正アクセスのリスクを大幅に減らすことができます。特に、長期間保有する目的の暗号資産を安全に保管したい場合に用いられます。取引所に預けたままにするホットウォレットとは対照的な存在で、セキュリティ重視の投資家にとって重要な選択肢となります。

スプレッド(Spread)

スプレッド(Spread)とは、金融商品の売値(ビッド:Bid)と買値(アスク:Ask)の差のことをいいます。主に外国為替市場や債券市場、株式市場などで使われる用語です。 ビッド(Bid)は投資家がその商品を「売るときに受け取れる価格」、アスク(Ask)は「買うときに支払う価格」を指します。スプレッド(Spread)が広いほど、投資家にとっての取引コストが高くなるため、売買のタイミングには注意が必要です。 一般的に、流動性の低い市場や銘柄ではスプレッドが広がりやすく、反対に、取引が活発な市場ではスプレッドが狭くなる傾向があります。そのため、スプレッドの大きさは、市場の流動性や取引コストを判断する一つの指標となります。

流動性

流動性とは、資産を「現金に変えやすいかどうか」を表す指標です。流動性が高い資産は、短時間で簡単に売買でき、現金化しやすいという特徴があります。例えば、上場株式や国債は市場で取引量が多く、いつでも売買できるため、流動性が高い資産とされています。 一方、不動産や未上場株式のように、売買相手を見つけるのが難しかったり、取引に時間がかかったりする資産は、流動性が低いといえます。 投資をする際には、自分が必要なときに資金を取り出せるかを考えることが重要です。特に初心者は、流動性が高い資産を選ぶことで、急な資金需要にも対応しやすく、リスクを抑えることができます。

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