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暗号資産にかかる税金はいくら?税率や計算方法、確定申告の流れを解説

暗号資産にかかる税金はいくら?税率や計算方法、確定申告の流れを解説 (1)

暗号資産にかかる税金はいくら?税率や計算方法、確定申告の流れを解説

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執筆者:

公開:

2026.01.08

更新:

2026.01.08

暗号資産は値上がり益だけでなく、交換・決済・報酬受領でも課税対象になり得ます。理解が曖昧なまま放置すると、申告漏れや想定外の税負担につながる点がリスクです。この記事では、暗号資産の税金の基本(税率・所得区分)から、税金計算と確定申告の要否判断、取得価額や損益管理を含む負担を抑える実務対策までを具体的に解説します。

サクッとわかる!簡単要約

暗号資産で「いつ・何が」課税対象になるか(売却・交換・決済・ステーキング等)、税率がどう決まるかを体系的に理解できます。さらに、取引履歴から損益を集計し、税金計算と確定申告が必要かを自分で判断できるようになります。結果として、申告漏れや過大納税を避け、損失の活かし方など合法的な負担軽減の選択肢を確認しながら行動できます。

目次

暗号資産の税金は「いくらから」かかる?

会社員・公務員は「給与以外の所得20万円以下」で申告不要

申告不要でも「住民税の申告」が必要

暗号資産の利益に対する税金のルール

暗号資産の利益は一般的に「雑所得」で総合課税の対象

税率は「所得税の累進+住民税等」で決まる

利益100万・500万・1000万・1億で税額イメージを掴む

暗号資産取引で税金がかかるタイミング

売却・換金(日本円にする)で利益確定したとき

暗号資産同士の「交換」でも課税対象になり得る

報酬受領時(ステーキング・レンディング・エアドロップ)の注意点

ウォレット移動・入出庫は原則として課税されない

年またぎ(12/31を跨ぐ)で気をつけること

税金を計算する具体的な方法:損益の出し方と取得価額(総平均法・移動平均法)

「利益(所得)=収入−必要経費」の基本

取得価額の計算方法(総平均法/移動平均法)

評価方法の「届出」が必要になるケースと提出タイミング

取得単価が分からない、履歴が欠けたときの対処

確定申告のやり方:必要書類・入力・納め方まで

申告が必要な人のチェック(会社員・個人事業主・扶養内など)

申告期限と納付の方法

申告書での記載イメージ

暗号資産の損益通算は雑所得の区分内でのみ可能

暗号資産の税制改正に関する最新動向:申告分離課税への移行が検討中

税制改正の検討状況

申告分離課税になった場合の変更点(メリットと課題)

暗号資産の税金は「いくらから」かかる?

暗号資産で利益が出た場合、原則として課税対象になります。ただし「いくらから確定申告が必要か」は、あなたの働き方や収入状況によって異なる点に注意が必要です。

まずは基本となる「20万円ルール」の正しい理解から見ていきましょう。

会社員・公務員は「給与以外の所得20万円以下」で申告不要

会社員や公務員の場合、給与所得以外の所得が年間20万円以下であれば、原則として所得税の確定申告は不要です。国税庁の資料によると、この「20万円」には、暗号資産の利益だけでなく、副業収入やその他の雑所得も含まれます。

また、複数の取引所を利用している場合は、すべての取引所での損益を合算して判断します。A取引所で15万円の利益、B取引所で10万円の利益なら合計25万円となり、申告が必要です。

申告不要でも「住民税の申告」が必要

所得税の確定申告が不要な場合でも、住民税の申告は原則として必要です。

住民税には所得税のような「20万円ルール」が存在しないため、暗号資産で利益が出れば、お住まいの市区町村へ申告しなければなりません。申告方法は自治体によって異なりますが、多くの場合は「市民税・県民税申告書」を提出する形になります。

ただし、確定申告をした場合はその情報が自動的に市区町村に送られるため、別途住民税の申告をする必要はありません。

暗号資産の利益に対する税金のルール

暗号資産の利益は、原則として「雑所得」に分類され、給与所得などと合算して課税される「総合課税」の対象になります。これは株式投資のように一律の税率ではなく、あなたの所得総額が増えるほど税率も上がる仕組みです。

この累進課税制度により、暗号資産で大きな利益を得た場合、所得税と住民税を合わせて最大55%程度の税負担になる可能性があります。

暗号資産の利益は一般的に「雑所得」で総合課税の対象

雑所得は「他の9つの所得に当てはまらない所得」と定義され、公的年金や副業収入なども含まれます。総合課税の対象となるため、給与所得などと合算した総所得金額に応じて税率が決まる仕組みです。

ただし、国税庁の資料によると、事業として暗号資産の売買を継続的・反復的に行っている場合は、「事業所得」に該当する可能性もあります。事業所得になると青色申告特別控除などのメリットがありますが、継続性や営利性などの要件を満たさなければなりません。

税率は「所得税の累進+住民税等」で決まる

所得税は累進課税制度を採用しており、課税される所得金額が増えるほど税率が段階的に上がります。2025年現在、所得税率は5%から45%まで7段階に分かれています。

これに加えて、復興特別所得税(所得税額の2.1%)と住民税(一律10%)が課されます。その結果、実質的な税負担率は所得に応じて約15%から最大55%程度になります。

具体的な所得税率表は、以下のとおりです。

課税所得金額(年間)税率控除額
1,000円 ~ 1,949,000円5%0円
1,950,000円 ~ 3,299,000円10%97,500円
3,300,000円 ~ 6,949,000円20%427,500円
6,950,000円 ~ 8,999,000円23%636,000円
9,000,000円 ~ 17,999,000円33%1,536,000円
18,000,000円 ~ 39,999,000円40%2,796,000円
40,000,000円 以上45%4,796,000円
所得税の税率表(課税所得ベース)

なお、税率は「超過累進税率」という方式で適用されます。たとえば課税所得が400万円の場合、全額に20%が課されるのではなく、195万円までは5%、195万円超~330万円部分は10%、330万円超の部分に20%が適用される仕組みです。

所得税と住民税を合わせると、暗号資産で得られた利益の「半分は税金で消える」と言われることがあります。詳しくは、こちらのQ&Aも参考にしてみてください。

利益100万・500万・1000万・1億で税額イメージを掴む

暗号資産の利益額別に、おおよその税額をシミュレーションしてみましょう。ここでは、会社員で課税所得が400万円(課税所得ベース)の人が、暗号資産で追加利益を得たケースを想定します。

暗号資産の利益合計課税所得所得税の最高税率帯追加税額(概算)※追加分の実効税率
100万円500万円20%約30.4万円約30.4%
500万円900万円33%約158.4万円約31.7%
1,000万円1,400万円33%約376.8万円約37.7%
1億円1億400万円45%約5,250.6万円約52.5%
利益額別の税額イメージ(概算)

※所得控除や復興特別所得税、住民税を含めた概算値です。実際の税額は個人の控除額等により変動します。

この表からわかるように、利益が大きくなるほど実質的な税負担率も上昇します。特に1,000万円を超える利益が出た場合は、税金だけで数百万円単位の支出になる可能性があるため、納税資金の確保が重要になります。

なお、暗号資産は価格変動が大きく「やめとけ」と言われることもあります。詳しくは、こちらの記事も参考にしてみてください。

暗号資産取引で税金がかかるタイミング

暗号資産の税金は、単に「売却して日本円に換えたとき」だけでなく、さまざまな取引タイミングで発生します。特に注意が必要なのは、暗号資産同士の交換や商品購入時の決済、ステーキング報酬の受け取りなどです。

取引の種類を正しく区別しておかないと、後から計算が困難になる恐れがあります。

売却・換金(日本円にする)で利益確定したとき

暗号資産を売却して日本円に換えた時点で、利益が確定し課税対象になります。

計算式は「売却価額−取得価額=利益(所得)」です。たとえば、50万円で購入したビットコインを100万円で売却した場合、差額の50万円が課税対象です。この50万円は雑所得として、給与所得などと合算されて課税されます。

なお、複数回に分けて購入した暗号資産を売却する場合、取得価額の計算には「総平均法」または「移動平均法」を使います。なお、売却時の手数料は必要経費として差し引くことができます。

暗号資産同士の「交換」でも課税対象になり得る

国税庁の資料によると、ビットコインでイーサリアムを購入するなど、暗号資産同士を交換した場合も課税対象になります。これは税法上、「一度日本円に換えてから別の暗号資産を購入した」とみなされるためです。

具体的には、交換時点でのビットコインの時価と取得価額の差額が利益として計算されます。たとえば、50万円で取得したビットコインが100万円に値上がりした時点で、100万円相当のイーサリアムと交換した場合、50万円の利益が発生したとみなされます。

この仕組みを知らずに暗号資産同士の交換を繰り返すと、手元に日本円がないにもかかわらず多額の税金が発生する事態になりかねません。交換の記録は必ず残し、それぞれの時価を記録しておくことが重要です。

報酬受領時(ステーキング・レンディング・エアドロップ)の注意点

ステーキング報酬やレンディングの利息、エアドロップで暗号資産を受け取った場合も課税対象になります。

まず、報酬を受け取った時点で、その時の時価が収入として認識されます。たとえば、ステーキング報酬として1ETH(受取時の時価30万円)を得た場合、その30万円が雑所得として課税対象です。

その後、このETHを40万円で売却した場合、30万円(取得価額)と40万円(売却価額)の差額10万円が、さらに雑所得として課税されます。つまり、受取時30万円+売却時10万円の合計40万円が所得として認識される仕組みです。

タイミング取引内容課税対象額計算方法
①受取時ステーキング報酬として1ETHを取得(受取時の時価30万円)30万円受取時の時価がそのまま雑所得
②売却時受け取った1ETHを40万円で売却10万円売却価額40万円 − 取得価額30万円 = 10万円
合計-40万円受取時30万円 + 売却時10万円

このように、ステーキング報酬は受取時と売却時の二段階で課税されるため、合計で40万円が所得として認識される仕組みです。受取時の時価が次の取得価額になる点を理解しておきましょう。

ウォレット移動・入出庫は原則として課税されない

取引所から別の取引所へ、または取引所から個人ウォレットへ暗号資産を移動させる行為は、原則として課税対象になりません。これは単なる保管場所の変更であり、利益が実現していないためです。

ただし、移動時の送金手数料として暗号資産を支払う場合は注意が必要です。手数料として暗号資産を使用した時点で、その部分については処分したとみなされ、取得価額との差額が利益として計算される可能性があります。

また、移動の記録は必ず残しておきましょう。複数の取引所やウォレットを使っている場合、どの暗号資産がどこにあるのかを追跡できないと、税金計算時に混乱が生じます。取引履歴と移動履歴を別々に管理し、「いつ・どこから・どこへ・いくら」移動したかを明確にしておくことが重要です。

年またぎ(12/31を跨ぐ)で気をつけること

所得税は1月1日から12月31日までの暦年単位で計算されます。そのため、12月31日時点での取引状況が、その年の税金額を左右する重要なポイントです。

たとえば、12月中に大きな利益を確定させた場合、その年の所得として課税されます。一方、含み益がある暗号資産を保有したまま年を越した場合、その含み益は翌年に売却するまで課税されません。

年末に利益確定するか、翌年に持ち越すかは、その年の他の所得状況や翌年の見通しを踏まえて判断すべきです。ただし、節税目的で年をまたぐ取引を意図的に調整する場合でも、経済的合理性のない取引は税務上否認されるリスクがある点に注意してください。

税金を計算する具体的な方法:損益の出し方と取得価額(総平均法・移動平均法)

暗号資産の税金計算で最も複雑なのが「取得価額」の算出です。株式と異なり、暗号資産は頻繁に売買や交換を繰り返すケースが多く、どの価格で取得したものを売却したのかを正確に把握する必要があります。

国税庁は、取得価額の計算方法として「総平均法」と「移動平均法」の2種類を認めています。初心者には計算がシンプルな総平均法が推奨されますが、より正確な損益管理をしたい場合は移動平均法を選択することも可能です。

「利益(所得)=収入−必要経費」の基本

暗号資産の所得金額は「収入金額−必要経費」で計算されます。収入金額は売却時の金額や交換時の時価、報酬受領時の時価などです。必要経費には取得価額に加えて、取引に直接関係する費用が含まれます。

必要経費として認められる主な項目は以下の通りです。

必要経費になるもの

  1. 暗号資産の取得価額(購入代金)
  2. 売買時の取引手数料
  3. 送金手数料(ウォレット間移動など)
  4. 税金計算用のソフトウェア利用料
  5. インターネット通信費(暗号資産売却のために直接必要な部分)

必要経費にならないもの

  1. セミナー参加費や書籍代(投資の勉強費用)
  2. パソコンやスマートフォンの購入費用

ただし、暗号資産取引を事業として行っている場合は、事業に直接関連する費用として上記の一部が経費になる可能性があります。事業所得として申告する場合は、収支内訳書や青色申告決算書に詳細を記載する必要があります。

取得価額の計算方法(総平均法/移動平均法)

同じ種類の暗号資産を複数回にわたって購入した場合、どの価格で取得したものを売却したかを特定する必要があります。国税庁は「総平均法」を原則的な方法とし、届出をすれば「移動平均法」も選択できるとしています。

  1. 総平均法:1年間に取得した暗号資産の取得価額の総額を、取得した数量の合計で割って平均単価を算出する方法です。計算は年に1回だけ行えばよく、シンプルで初心者向きです。
  2. 移動平均:暗号資産を取得するたびに、その都度平均単価を計算し直す方法です。より正確な損益把握ができますが、取引のたびに計算が必要なため手間がかかります。

どちらを選ぶべきか迷う場合は、取引頻度で判断するとよいでしょう。年に数回程度の取引なら総平均法で十分です。頻繁に売買を繰り返す場合や、より精緻な損益管理をしたい場合は移動平均法を検討してください。

なお、一度選択した方法は原則として3年間継続する必要があります。途中で変更する場合は税務署への届出が必要ですが、原則として3年程度経過していないと認められにくい点に注意しましょう。

評価方法の「届出」が必要になるケースと提出タイミング

総平均法を使う場合は届出不要ですが、移動平均法を使いたい場合は「所得税の暗号資産の評価方法の届出書」を税務署に提出する必要があります。これは多くの人が見落としやすいポイントです。

届出書の提出期限は、暗号資産取引を開始した年の翌年3月15日までです。たとえば、2025年に初めて暗号資産を購入した場合、移動平均法を使いたければ2026年3月15日までに届出を出す必要があります。

届出をしなかった場合、自動的に総平均法が適用されます。また、すでに総平均法で申告している人が移動平均法に変更したい場合も、変更しようとする年の3月15日までに届出が必要です。

取得単価が分からない、履歴が欠けたときの対処

取引所の履歴保存期間が過ぎていたり、海外取引所が閉鎖されたりして、取得価額が分からなくなるケースがあります。このような場合でも、可能な限り合理的な方法で取得価額を再現する必要があります。

対処法の優先順位

  1. 取引所への履歴再発行依頼:多くの取引所は、一定期間内であれば取引履歴の再発行に応じてくれます。まずは問い合わせてみましょう。
  2. メール通知や取引確認画面のスクリーンショット:当時受け取った取引完了メールや、保存していたスクリーンショットから情報を復元できる場合があります。
  3. ブロックチェーン上の記録確認:オンチェーン取引であれば、ブロックチェーンエクスプローラーで過去の取引を追跡できます。ウォレットアドレスから送受信履歴を確認しましょう。
  4. 当時の市場価格から推定:購入日が分かっていれば、その日の市場平均価格を使って取得価額を推定する方法もあります。CoinMarketCapなどの価格履歴サイトが参考になります。

どうしても取得価額が不明な場合は、税務署に相談するか、税理士に依頼することをお勧めします。意図的に取得価額を高く見積もるような行為は脱税とみなされるリスクがあるため、慎重に対応してください。

暗号資産の税金計算ツール(CryptactやGtaxなど)を使えば、複数取引所の履歴を統合して自動計算できます。早い段階からこうしたツールを活用し、記録を残す習慣をつけることが重要です。

確定申告のやり方:必要書類・入力・納め方まで

暗号資産の利益を得た場合、多くのケースで確定申告が必要になります。しかし「何を準備して」「どこに入力して」「いつまでに納めるのか」が分からず、申告直前になって慌てる人は少なくありません。

初めて確定申告をする人でも迷わないよう、ステップごとに整理していきましょう。

申告が必要な人のチェック(会社員・個人事業主・扶養内など)

確定申告が必要かどうかは、あなたの働き方や所得状況によって異なります。自分が該当するかを正しく判断しましょう。

属性確定申告が必要になるケース注意点
会社員・公務員・給与以外の所得が年間20万円超
・給与収入が2,000万円超
・医療費控除等で確定申告をする場合(20万円以下でも申告必要)
20万円ルールは「所得税の確定申告」のみ。住民税申告は別途必要
個人事業主・フリーランスもともと確定申告が必要事業所得に暗号資産の雑所得を合算して申告
専業主婦(主夫)・扶養内・暗号資産を含む所得の合計が48万円超
・パート収入がある場合は給与所得控除後の金額と暗号資産利益を合算して判断
48万円を超えると配偶者控除・扶養控除の対象外になる可能性あり
学生所得合計が48万円超親の扶養から外れる可能性があるため、家族への影響も考慮が必要
属性別の確定申告要否チェック

自分がどのケースに当てはまるか判断できない場合は、税務署や税理士に相談することをお勧めします。

なお、面倒だからといって確定申告を怠るのは危険です。リスクに関しては、こちらのQ&Aも参考にしてみてください。

申告期限と納付の方法

確定申告の期間は、原則として翌年の2月16日から3月15日までです。たとえば、2025年1月1日から12月31日までの所得については、2026年2月16日から3月15日までに申告します。

申告方法

  1. e-Tax(電子申告):マイナンバーカードとスマートフォン、またはICカードリーダーがあれば、自宅から24時間申告できます
  2. 郵送:税務署に申告書を郵送する方法。消印日が提出日とみなされます
  3. 税務署窓口:直接持参する方法。混雑するため早めの提出がお勧めです

納付方法

  1. 振替納税:事前に手続きをすれば、指定口座から自動引き落とし(4月下旬頃)
  2. ダイレクト納付:e-Taxから即時または期日指定で納付
  3. インターネットバンキング:金融機関のネットバンキングから納付
  4. コンビニ納付:QRコードまたは納付書でコンビニから納付(30万円以下)
  5. 窓口納付:金融機関や税務署の窓口で現金納付

納付期限は申告期限と同じ3月15日です。期限を過ぎると延滞税が課されるため、資金準備は早めに行いましょう。

申告書での記載イメージ

暗号資産の利益は、確定申告書の「雑所得」欄に記入します。国税庁の確定申告書等作成コーナーを使えば、画面の指示に従って入力するだけで自動計算されるため、初心者でも比較的スムーズに作成できます。

入力の流れ(e-Taxまたは確定申告書等作成コーナー)

  1. 「所得の種類」で「雑所得」を選択
  2. 「その他」の雑所得を選択(公的年金等ではない方)
  3. 種目に「暗号資産」または「仮想通貨」と入力
  4. 名称に取引所名や「暗号資産取引」と入力
  5. 収入金額に売却額や交換時の時価の合計を入力
  6. 必要経費に取得価額や手数料の合計を入力

収入金額と必要経費は、事前に計算した年間取引報告書や、暗号資産の税金計算ツールで算出した数値を使います。複数の取引所を利用している場合は、すべてを合算した金額を入力してください。

なお、暗号資産の取引明細を別途添付する必要はありませんが、税務署から問い合わせがあった場合に備えて、計算根拠となる資料は7年間保管しておく必要があります。取引履歴のCSVファイルや、計算ツールの出力結果などを保存しておきましょう。

「確定申告は面倒くさい」という方は、暗号資産へ投資するETFの活用が選択肢の一つです。ビットコインETFに関しては、こちらの記事で詳しく解説しています。

暗号資産の損益通算は雑所得の区分内でのみ可能

暗号資産の取引で損益通算ができるのは、同じ「雑所得」の区分内に限られます。

暗号資産の売買で得た利益は、所得税法上「雑所得」に分類されます。そのため、同じ年内に発生した暗号資産取引の利益と損失は相殺することが可能です。たとえば、ビットコインの売却で50万円の利益が出て、イーサリアムの売却で30万円の損失が出た場合、差し引き20万円が課税対象となります。

また、暗号資産以外の雑所得とも通算できます。具体的には、副業収入、原稿料、講演料、FX取引の利益(店頭FXの場合)、年金収入などが該当します。これらの所得と暗号資産の損益を合算して、最終的な雑所得の金額を計算します。

一方で、給与所得や事業所得、不動産所得など、他の所得区分との損益通算はできません。暗号資産取引で大きな損失が出ても、会社員の給与から差し引くことは認められていません。

暗号資産の税制改正に関する最新動向:申告分離課税への移行が検討中

暗号資産の税制改正について、近年活発な議論が行われています。特に注目されているのが、現行の「総合課税」から「申告分離課税」への変更です。実現すれば税率が一律20.315%になり、高所得者にとっては大幅な減税になる可能性があります。

税制改正の検討状況

2025年に入り、暗号資産の税制改正に向けた動きが本格化しています。ただし、あくまで「検討・要望段階」であり、実際の法改正には至っていません。

2024年12月、2025年度税制改正大綱において、暗号資産の課税見直しが検討事項として明記されました。具体的には「一定の暗号資産を国民の資産形成に資する金融商品として業法で位置づけ、上場株式等と同等の投資家保護規制や税務当局への報告義務の整備等を前提に、課税の見直しを検討する」とされています。

2025年1月の国会答弁で、加藤勝信財務大臣は金融庁による制度検証を2025年6月末を目途に実施する方針を表明しました。2025年8月には、金融庁が2026年度税制改正要望として、暗号資産取引への分離課税導入を正式に要望しています。

申告分離課税になった場合の変更点(メリットと課題)

仮に申告分離課税が導入された場合、以下のような変更が予想されます。ただし、具体的な制度設計は未定であり、実際の内容は異なる可能性があります。

想定されるメリット

  1. 税率が一律20.315%に:現行の最大55%から、株式投資と同じ一律20.315%(所得税15.315%+住民税5%)になる可能性があります。高所得者にとっては大幅な減税になります。
  2. 損失の繰越控除が可能に:株式と同様に、3年間の損失繰越控除が認められる可能性があります。ある年に出た損失を、翌年以降の利益と相殺できるようになります。
  3. 税額計算が簡素化:他の所得と分離して計算するため、税額のシミュレーションがしやすくなります。/li>

注意すべき課題と論点

  1. 低所得者には増税の可能性:現在の税率が5%〜10%程度の人にとっては、一律20.315%になることで逆に税負担が増える可能性があります。
  2. 適用範囲が限定される可能性:業界専門家の分析によれば、当初は「一定の暗号資産」に限定される見通しです。ビットコインやイーサリアムなどの主要通貨が優先され、海外取引所での取引やステーキング報酬などは別扱いになる可能性があります。
  3. 他の雑所得との損益通算ができなくなる:現在は雑所得内で副業収入などと損益通算できますが、分離課税になると暗号資産取引の損益は独立して計算されます。
  4. 過去の取引への適用はない:新制度が施行されても、過去の取引に遡って適用されることはありません。2025年までの利益は現行税制で申告する必要があります。

金融庁や国税庁の公式発表を定期的に確認する最新情報は信頼できる公的機関の発表で確認し、SNSやニュースサイトの憶測情報だけで判断しないようにしましょう。暗号資産取引をしている方は、金融庁や国税庁の公式発表を定期的に確認してみてください。

投資収益の課税方式は、一概にどれが有利かは判断できません。詳しくは、こちらの記事も参考にしてみてください。

この記事のまとめ

この記事では、暗号資産の税金が雑所得として扱われる前提や税率の考え方、課税される取引(売却・交換・決済・報酬受領)と税金計算、確定申告が必要になる基準を整理しました。次に、取引所・ウォレットの履歴を集め、取得価額の管理方法を決めたうえで損益を集計し、申告要否を確認しましょう。不明点や取引が多い場合は、投資のコンシェルジュの無料相談で状況整理から進めるのも有効です。

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柴田充輝

金融系ライター

厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,000記事以上の執筆実績あり。

厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,000記事以上の執筆実績あり。

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