マニュライフ生命は怪しいという評判を聞いたのですが実際はどうなのでしょうか?
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2025/09/18 10:24
女性
30代
マニュライフ生命という会社について、「怪しい」「やめた方がいい」といった評判を見かけました。外資系の保険会社と聞きますが、経営の安定性や商品の安全性、実際に加入した人の満足度など、本当に信頼して契約して大丈夫なのか不安です。過去に行政処分を受けたことがあるのか、他の大手生保と比べてどうなのかなど、実態を知りたいです。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
マニュライフ生命は日本では外資系の中でも知名度が高いとは言えず、「怪しいのでは」といった評判が出ることがあります。しかし、実際には世界規模で見るとカナダ本社のマニュライフ・ファイナンシャルは北米・アジアを中心に大きなプレゼンスを持つ金融グループで、長い歴史と数千万人規模の顧客基盤を有しています。日本での存在感が限定的なだけで、会社規模や国際的な信頼性という観点から見れば、むしろ安定した基盤を持つ企業です。
財務の健全性も安心できる水準です。直近のソルベンシー・マージン比率は900%前後と非常に高く、200%を超えれば十分とされる業界基準を大きく上回っています。またS&Pからは「A+」の格付けを得ており、国際的な信用力の裏付けも確認できます。保険金の支払い能力について、特段の懸念を抱く必要はありません。
一方で、過去には課題もありました。2022年、法人向けの節税販売を巡って金融庁から業務改善命令を受けたことは事実です。当時はガバナンスや営業優先の企業風土が指摘されましたが、その後は経営陣の責任明確化や内部体制の強化を進め、改善策を金融庁にも報告しています。それ以降、追加の行政処分は出ていません。
利用者の声を見ると、ライフプランナーによる丁寧な説明や商品設計の柔軟性を評価する肯定的な口コミがある一方、外貨建て保険特有の為替リスクや保険料水準の高さを不満とする声もあります。外資系らしく投資性の高い商品が多いため、リスクとリターンの特徴をしっかり理解することが前提になります。
総合すると、「外資で無名だから怪しい」という印象は事実に即していません。グローバルでは歴史と規模のある大手であり、財務指標や格付けも安心できる水準です。ただし、商品はメリットとリスクがはっきりしているため、ご自身の資産形成や保障ニーズに合致しているかを見極めることが大切です。口コミや評判も踏まえつつ、契約前に仕組みを十分理解すれば、安心して検討できる選択肢と言えるでしょう。
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ソルベンシー・マージン比率
ソルベンシー・マージン比率とは、保険会社がどれだけ予想外のリスクに耐えられるかを示す指標のことです。たとえば、大地震や大事故のような予測できない大きな支払いが必要になった場合に、その保険会社がしっかりと対応できるかどうかを判断するために使われます。 この比率が高ければ高いほど、経営の安定性があり、万が一のときでも契約者に対する保険金の支払い能力があると見なされます。保険会社の健全性をチェックする上でとても重要な数字です。
格付け(信用格付け)
格付け(信用格付け)とは、取引をする際に参考にされる基準の一つで、取引の相手側の信用度を確認するために支払い能力や財務状況、安全性などを総合的にランク付けしたものである。アルファベットや数字で表されるのが一般的である。 (例)格付投資情報センター(https://www.r-i.co.jp/index.html) による発行体格付の定義 AAA:信用力は最も高く、多くの優れた要素がある。 AA:信用力は極めて高く、優れた要素がある。 A:信用力は高く、部分的に優れた要素がある。 BBB:信用力は十分であるが、将来環境が大きく変化する場合、注意すべき要素がある。 BB:信用力は当面問題ないが、将来環境が変化する場合、十分注意すべき要素がある。 B:信用力に問題があり、絶えず注意すべき要素がある。 CCC:発行体の金融債務が不履行に陥る懸念が強い。 CC:発行体の金融債務が不履行に陥っているか、その懸念が極めて強い。 C:発行体のすべての金融債務が不履行に陥っているとR&Iが判断する格付。
行政処分
行政処分とは、法律や規則に違反した企業や個人に対して、国や自治体などの行政機関が行う公式な対応措置のことをいいます。資産運用の世界では、金融商品取引業者や投資運用会社、証券会社などが違法な勧誘行為をしたり、不正な取引を行ったりした場合に、金融庁などから行政処分を受けることがあります。 処分の内容には、業務の一部または全部の停止、業務改善命令、登録取り消しなどがあります。これらの処分は、金融市場の公正性と投資家保護を保つために行われます。投資初心者にとっては、どの業者が過去に行政処分を受けているかを調べることで、安全で信頼できる運用先を見極める手がかりになります。
外貨建て保険
外貨建て保険とは、保険料の支払いや保険金の受け取りなどが、日本円ではなく米ドルや豪ドルなどの外貨で行われる保険商品のことをいいます。主に終身保険や年金保険の形で提供されており、日本国内の低金利環境に対する対策として注目されることがあります。 外貨建て保険の魅力は、円建ての保険よりも高い利回りが期待できる点ですが、その反面、為替レートの変動によって実際に受け取る金額が目減りするリスクもあります。また、為替手数料や解約時のコストがかかることもあるため、加入する際には仕組みをしっかり理解し、自分の資産運用方針やリスク許容度に合っているかを見極めることが大切です。特に長期で保有する場合には、為替動向や国際情勢にも一定の関心を持つ必要があります。
為替リスク
為替リスクとは、異なる通貨間での為替レートの変動により、外貨建て資産の価値が変動し、損失が生じる可能性のあるリスクを指します。 たとえば、日本円で生活している投資家が米ドル建ての株式や債券に投資した場合、最終的なリターンは円とドルの為替レートに大きく左右されます。仮に投資先の価格が変わらなくても、円高が進むと、日本円に換算した際の資産価値が目減りしてしまうことがあります。反対に、円安が進めば、為替差益によって収益が増える場合もあります。 為替リスクは、外国株式、外貨建て債券、海外不動産、グローバルファンドなど、外貨に関わるすべての資産に存在する基本的なリスクです。 対策としては、為替ヘッジ付きの商品を選ぶ、複数の通貨や地域に分散して投資する、長期的な視点で資産を保有するなどの方法があります。海外資産に投資する際は、リターンだけでなく、為替リスクの存在も十分に理解しておくことが大切です。
ライフプランナー
ライフプランナーとは、人生全体を見通したお金の計画を立てる専門家のことです。具体的には、教育資金・住宅購入・老後資金・保険・資産運用・相続など、個人や家庭のライフイベントに合わせて、経済的な備えをどうするかを一緒に考えてくれる存在です。ライフプランナーは、お金に関する幅広い知識を持ち、顧客の目標や価値観に基づいた提案を行います。 保険会社に所属している場合は、保険商品を活用した提案を中心に行うことが多い一方で、独立系のプランナーであれば中立的な立場から幅広い選択肢を提示することもあります。資産運用の初心者にとっては、信頼できるライフプランナーと相談することで、将来にわたるお金の不安を減らし、具体的な行動計画を立てる助けとなります。