NISA口座を開設しましたが正直何をしたらいいかわかりません。おすすめの運用方法を教えてください。
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2025/09/17 10:18
男性
30代
NISA口座を開設したものの、投資経験がなく、どの商品を選んでどのように運用すべきか迷っています。積立型のNISAや成長投資枠のどちらを活用すべきか、また、初心者でも取り組みやすい投資信託やETFの選び方について具体的に知りたいです。たとえば「全世界株式インデックスファンド」と「S&P500インデックスファンド」の違いや、毎月いくらぐらい積み立てるのがよいのか、運用期間中のリスクや注意点も含めて、おすすめの運用方法を教えてください。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
NISAを始めたばかりの方にとって大切なのは、「長期・積立・分散」という基本原則を理解しながら制度を活用することです。
新NISA制度では、「つみたて投資枠(年120万円まで)」と「成長投資枠(年240万円まで)」の両方を利用できます。投資初心者の方は、金融庁が認定した低コストの投資信託だけが対象となる「つみたて投資枠」から始めるのが安心です。
商品選びでは、主に「全世界株式インデックスファンド」と「S&P500インデックスファンド」が代表的な選択肢です。
全世界株式は先進国から新興国まで幅広く分散投資でき、一国への依存リスクを軽減したい方に向いています。代表的な商品は以下の通りです。
- eMAXISSlim全世界株式(オール・カントリー)
- 楽天・全世界株式インデックス・ファンド
- SBI・全世界株式インデックス・ファンド
一方、S&P500は米国の大企業500社に集中投資する商品で、成長性が高い反面、米国市場への依存度が高くなります。代表的な商品には以下があります。
- eMAXISSlim米国株式(S&P500)
- 楽天・S&P500インデックス・ファンド
- SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
これらはいずれも信託報酬が低く、長期の資産形成に適したNISAの王道商品です。
ただし、株式100%の商品は市場変動によって30~50%下落する可能性もあります。含み損が心理的に不安な方は、債券ETFや債券投信を組み合わせて値動きを緩和できます。代表的な債券商品には以下があります。
- eMAXISSlim国内債券インデックス
- ニッセイ外国債券インデックスファンド
- iシェアーズ米国国債1-3年ETF(SHY)
株式の成長力を活かしながら、10~30%程度を債券に配分することで安定性が高まり、下落時の精神的負担を軽減できます。
積立額については、まず生活防衛資金(生活費6~12か月分)を確保したうえで、月1万円からでも始められます。余裕があれば非課税枠を徐々に活用し、長期で積み立て続けることが成功への鍵です。
まとめると、初心者には「つみたて投資枠」で全世界株式やS&P500の低コストインデックスファンドを中心に据え、含み損が気になる場合は債券インデックスを組み合わせる方法が望ましいでしょう。NISAは長期の資産形成を後押しする強力な制度です。自分のリスク許容度に合った配分で、安心して積み立てを続けていきましょう。
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NISA
NISAとは、「少額投資非課税制度(Nippon Individual Saving Account)」の略称で、日本に住む個人が一定額までの投資について、配当金や売却益などにかかる税金が非課税になる制度です。通常、株式や投資信託などで得られる利益には約20%の税金がかかりますが、NISA口座を使えばその税金がかからず、効率的に資産形成を行うことができます。2024年からは新しいNISA制度が始まり、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つを併用できる仕組みとなり、非課税期間も無期限化されました。年間の投資枠や口座の開設先は決められており、原則として1人1口座しか持てません。NISAは投資初心者にも利用しやすい制度として広く普及しており、長期的な資産形成を支援する国の税制優遇措置のひとつです。
つみたて投資枠
つみたて投資枠とは、2024年から始まった新しいNISA制度の中で、少額から長期的に資産形成を行うことを目的として設けられた非課税投資の枠組みです。 この枠では、一定の条件を満たした投資信託などの商品に対して、年間最大120万円までの投資額が非課税の対象となります。毎月コツコツと積み立てるスタイルの投資に向いており、長期的な資産形成を支援することが狙いです。つみたて投資枠を活用することで、運用益や分配金にかかる税金がかからず、複利の効果を最大限に活かしながら資産を増やしていくことができます。特に投資初心者にとっては、少額から手軽に始められ、長く続けることで将来の資金づくりに役立つ有効な制度です。
成長投資枠
新NISAにおける成長投資枠とは、個別株や投資信託などの成長性の高い投資商品を購入できる非課税枠のことです。2024年に始まった新NISA制度では、年間最大240万円、累計1,200万円まで投資が可能で、売却しても枠が復活しない「一生涯の上限額」が設定されています。 成長投資枠では、主に上場株式やETF、アクティブ型の投資信託などが対象となり、比較的リスクを取りながら資産を増やしたい投資家向けの仕組みになっています。一方で、レバレッジ型や一部の毎月分配型投資信託など、一部のリスクが高い商品は対象外となるため注意が必要です。 つみたて投資枠と併用でき、両方を活用すれば年間最大360万円の投資が可能です。成長投資枠を活用することで、中長期的な資産形成を非課税で行うことができ、売却益や配当金に税金がかからないため、資産を効率的に増やす手段となります。
インデックスファンド
インデックスファンドとは、特定の株価指数(インデックス)と同じ動きを目指して運用される投資信託のことです。たとえば「日経平均株価」や「TOPIX(東証株価指数)」などの市場全体の動きを示す指数に連動するように設計されています。この仕組みにより、個別の銘柄を選ぶ手間がなく、市場全体に分散投資ができるのが特徴です。また、運用の手間が少ないため、手数料が比較的安いことも魅力の一つです。投資初心者にとっては、安定した長期運用の第一歩として選びやすいファンドの一つです。
S&P500指数
S&P500指数とは、アメリカの代表的な株価指数の一つで、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社が算出しています。米国を代表する主要企業500社の株価をもとに構成されており、テクノロジー、金融、ヘルスケアなど幅広い業種が含まれるのが特徴です。 この指数は、米国株式市場全体の動向を示す指標として世界中の投資家に注目されており、投資信託やETF(上場投資信託)のベンチマークとしても広く活用されています。「アメリカ経済の健康状態を測る体温計」とも言われる、非常に重要な指標です。
信託報酬
信託報酬とは、投資信託やETFの運用・管理にかかる費用として投資家が間接的に負担する手数料であり、運用会社・販売会社・受託銀行の三者に配分されます。 通常は年率〇%と表示され、その割合を基準価額にあたるNAV(Net Asset Value)に日割りで乗じる形で毎日控除されるため、投資家が口座から現金で支払う場面はありません。 したがって運用成績がマイナスでも信託報酬は必ず差し引かれ、長期にわたる複利効果を目減りさせる“見えないコスト”として意識されます。 販売時に一度だけ負担する販売手数料や、法定監査報酬などと異なり、信託報酬は保有期間中ずっと発生するランニングコストです。 実際には運用会社が3〜6割、販売会社が3〜5割、受託銀行が1〜2割前後を受け取る設計が一般的で、アクティブ型ファンドでは1%超、インデックス型では0.1%台まで低下するケースもあります。 同じファンドタイプなら総経費率 TER(Total Expense Ratio)や実質コストを比較し、長期保有ほど差が拡大する点に留意して商品選択を行うことが重要です。