他の所得者が控除を受ける扶養親族とはなんですか
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2025/09/05 09:02
男性
40代
「他の所得者が控除を受ける扶養親族」という言葉を確定申告や年末調整の説明で見かけましたが、どういう場合に該当するのかがよく分からないため、教えていただけますか?
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
「他の所得者が控除を受ける扶養親族」とは、簡単に言えば「一人の扶養親族を複数の納税者が同時に控除の対象にはできない」という意味です。税法上、同じ人を二人以上が扶養控除に入れることは認められていません。
例えば、大学生の子どもを夫婦で養っている場合を考えてみましょう。夫と妻の両方がその子どもを扶養控除に入れることはできません。実際に生活費を主に負担している人、あるいはどちらか一方に決めて申告する必要があります。
同じことは祖父母などにも当てはまります。複数の子どもが祖父母を支えている場合でも、扶養控除を受けられるのはそのうち一人です。誰が控除を受けるかは、生活費や医療費を実際に負担している人を基準に考えるのが原則です。
注意点として、夫婦や兄弟姉妹がうっかり同じ親族をそれぞれの扶養控除に入れてしまうと、税務署から修正を求められることがあります。また、社会保険の「扶養」と税法上の「扶養控除」は別の制度なので、判定基準が違う点にも気をつけてください。
つまり「他の所得者が控除を受ける扶養親族」というのは、複数の人が同時に控除を申請できないため、既に誰かの控除対象となっている親族を指します。申告の際は、家族の中で誰が控除を受けるのかを話し合い、実際の生活実態に合わせて申告することが大切です。
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関連する専門用語
扶養親族
扶養親族とは、納税者が生活の面倒を見ている家族のうち、一定の条件を満たして「扶養」と認められる人のことを指します。具体的には、子どもや両親などが対象になり、年齢や所得の制限があります。扶養親族がいると、所得税や住民税を軽減できる「扶養控除」を受けられるため、家計にとって税負担を減らす大切な仕組みです。 例えば、大学生の子どもを養っている場合や、収入の少ない高齢の親を支えている場合に扶養親族として扱われます。投資や資産運用の視点では、実際の可処分所得や家計の余裕に影響するため、扶養親族の範囲を理解することは大切です。
扶養控除
扶養控除とは、所得税や住民税を計算する際に、扶養している家族がいる場合にその人数や年齢に応じて課税対象となる所得から一定の金額を差し引くことができる制度です。これにより、税金の負担が軽くなります。対象となるのは、16歳以上の子どもや親などで、生計を共にしており、年間の所得が一定額以下であることが条件です。 子どもが16歳未満の場合は扶養控除の対象にはなりませんが、別途「児童手当」などの支援があります。控除額は扶養親族の年齢や学生かどうかなどによって異なり、たとえば「特定扶養親族(19歳以上23歳未満の子ども)」はより大きな控除額が認められています。税負担を軽減し、家族を支える世帯への配慮を目的とした制度です。
確定申告
確定申告とは、1月1日から12月31日までの所得を計算して翌年の2月16日から3月15日に申告し、納税する手続き。多くの会社では年末調整を経理部がしてくれるが、確定申告をすると年末調整では受けられない控除を受けることができる場合もある。確定申告をする必要がある人が確定申告をしないと加算税や延滞税が発生する。
年末調整
年末調整とは、会社員や公務員などの給与所得者が1年間に納めるべき所得税の額を、年末に雇用主が計算し直して精算する手続きのことです。通常、毎月の給与からあらかじめ見込みで所得税が源泉徴収されていますが、年末に実際の収入や各種控除(配偶者控除、扶養控除、保険料控除など)を反映させて正確な税額を算出し、過不足を調整します。 税金を払いすぎていた場合には還付され、足りなかった場合は追加で徴収されることがあります。年末調整によって、多くの給与所得者は確定申告をしなくても納税が完結する仕組みになっており、手間の軽減と課税の公平性を両立させる重要な制度です。ただし、自営業者や副業収入がある人、医療費控除や住宅ローン控除を受けたい人などは、年末調整だけでは対応できず、別途確定申告が必要になります。
社会保険上の扶養
社会保険上の扶養とは、健康保険や年金などの社会保険制度において、家族を扶養していると認められることで、その家族が保険料を支払わずに保険の適用を受けられる仕組みのことです。たとえば、会社員の配偶者や子どもが一定の収入以下であれば、その家族を「扶養家族」として申請することができます。 扶養に入った家族は、保険料を払わなくても健康保険証を持つことができ、医療費の助成なども受けられます。税金上の扶養とは異なり、収入の基準や生計の状況が細かく定められているため、両方の扶養条件を正しく理解しておくことが大切です。資産運用や家計設計をする際には、この制度を活用することで支出を抑え、手元資金の効率的な活用につながります。
税法上の扶養
税法上の扶養とは、家族などを経済的に支えている人が、税金の計算においてその家族を「扶養している」と申告することで、所得控除を受けられる仕組みのことです。実際の生活費を支援している場合でも、税法上で一定の条件を満たしていないと「扶養」として認められない場合があります。 たとえば、子どもや配偶者、親などの年間所得が一定以下であることや、生計が同じであることなどが条件です。扶養控除が適用されると、所得税や住民税が軽減され、手取り収入が増えることになります。資産運用においては、こうした税制優遇を理解し、家族全体での節税や収支バランスを考えることが、効率的な家計管理につながります。