半導体銘柄の株価の今後の見通しについて教えて下さい
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2025/09/25 08:50
男性
30代
最近、半導体関連のニュースをよく目にしますが、株価は短期的に大きく変動しやすい印象があります。今後の需要や供給の見通し、アメリカや中国の規制、AIやEVなど新しい分野での需要拡大が株価にどう影響するのか知りたいです。半導体銘柄に投資する際のリスクや注意点についても具体的に教えていただけますか?
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
半導体銘柄の株価は、短期的にはAIサーバー需要とメモリ価格の上昇が追い風となり、堅調に推移する見込みです。ただし、上昇の反動による調整局面も定期的に訪れるため、過度な期待は禁物です。
中長期では、AI、自動運転、電動化といった成長分野が半導体需要を押し上げ、構造的な拡大が続くと考えられます。一方で、米中間の輸出規制や地政学的リスク、供給網再編に伴うコスト増は、企業の収益や株価に不確実性をもたらす要因です。
分野ごとに見ても、メモリは価格変動が大きくリスクも高い一方、AI関連では高収益が期待できます。先端ロジックやファウンドリはAI用チップで需要が堅調ですが、技術的難易度や顧客依存の課題があります。自動車向け半導体やパワー半導体は長期的な成長が見込まれる一方、景気変動の影響も受けます。製造装置メーカーは投資動向や規制の影響を強く受けやすい領域です。
投資を検討する初心者にとっては、時間軸を明確にし、短期の値動きを狙うのか長期成長に賭けるのかをまず決めることが重要です。その上で、ETFを活用して広く分散しながら、成長テーマに少額投資する「コア・サテライト戦略」が有効です。買付は一度にまとめず、分散投資でサイクル変動リスクを抑えるのが望ましいでしょう。
株価は輸出規制、在庫調整、決算のガイダンスなどに敏感に反応します。特にAI関連は成長余地が大きいものの、テーマ集中や高値づかみには注意が必要です。投資判断はご自身のリスク許容度や資産配分に合わせて慎重に行うことが大切です。
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ファウンドリ
ファウンドリとは、半導体の設計を行わずに製造だけを専門に請け負う企業や業態のことを指します。ファブレス企業が設計した半導体を実際に生産する役割を担っており、製造技術や生産設備に強みを持っています。 高度な設備投資や技術力が必要なため、世界でも限られた企業が大規模に展開しており、代表例としては台湾のTSMCや韓国のサムスン電子などが知られています。資産運用の視点では、需要の拡大や最新技術への投資状況が業績に直結するため、成長性の高い分野として注目されています。
先端ロジック
先端ロジックとは、半導体分野で用いられる最新世代の回路技術を指します。ここでいう「ロジック」とは、スマートフォンやパソコン、サーバーなどに搭載される演算処理を担う半導体チップのことで、プロセッサやGPUが代表例です。先端ロジックは製造プロセスが微細化されるほど、性能の向上や消費電力の削減につながるため、クラウドやAI、データセンターなどの成長分野を支える重要な技術基盤となっています。 資産運用の観点では、先端ロジックを製造できる半導体メーカーや製造装置関連企業は世界的に競争力が高く、株式投資やファンドを通じて注目される分野のひとつです。
パワー半導体
パワー半導体とは、電気を「効率よく制御する」ことを目的とした半導体のことです。通常の半導体が情報処理を担うのに対し、パワー半導体は大きな電流や高い電圧を扱えるため、電気の変換や供給を無駄なく行う役割を持っています。 家電製品から鉄道や工場設備、電気自動車(EV)、再生可能エネルギー発電まで幅広く使われており、省エネや効率化に欠かせない存在です。資産運用の観点では、世界的な脱炭素やEV普及の流れに伴って需要が拡大している分野であり、成長が期待される投資対象といえます。
ETF(上場投資信託)
ETF(上場投資信託)とは、証券取引所で株式のように売買できる投資信託のことです。日経平均やS&P500といった株価指数、コモディティ(原油や金など)に連動するものが多く、1つのETFを買うだけで幅広い銘柄に分散投資できるのが特徴です。通常の投資信託に比べて手数料が低く、価格がリアルタイムで変動するため、売買のタイミングを柔軟に選べます。コストを抑えながら分散投資をしたい人や、長期運用を考えている投資家にとって便利な選択肢です。
コア・サテライト戦略
コア・サテライト戦略とは、資産運用において「コア資産」と「サテライト資産」を組み合わせることで、リスクとリターンのバランスを最適化する投資手法のことを指す。ポートフォリオの大部分を安定したコア資産で構成し、長期的な市場の成長に連動するリターンを確保する一方で、残りの一部をサテライト資産として運用し、高いリターンの可能性を追求する。これにより、安定性を維持しながら市場環境の変化に柔軟に対応し、資産の成長を図ることができる。
リスク許容度
リスク許容度とは、自分の資産運用において、どれくらいの損失までなら精神的にも経済的にも受け入れられるかという度合いを表す考え方です。 投資には必ずリスクが伴い、時には資産が目減りすることもあります。そのときに、どのくらいの下落まで冷静に対応できるか、また生活に支障が出ないかという観点で、自分のリスク許容度を見極めることが大切です。 年齢、収入、資産の状況、投資経験、投資の目的などによって人それぞれ異なり、リスク許容度が高い人は価格変動の大きい商品にも挑戦できますが、低い人は安定性の高い商品を選ぶほうが安心です。自分のリスク許容度を正しく理解することで、無理のない投資計画を立てることができます。