株式分割とは何ですか?
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2025/07/15 08:38
男性
40代
最近「株式分割」という言葉を目にしました。企業は何のために株式を分割するのか、また、株式が分割されるとその分株価が下がると聞きましたが、それは投資家にとって得なのでしょうか?それとも実際には影響がないのでしょうか?
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
株式分割とは、企業が発行済みの1株を複数に分割し、株式数を増やすことをいいます。例えば、1株3,000円の株式を10株に分割すると、株価は理論上300円となります。この仕組みにより、投資に必要な最低金額が下がり、これまで高額で手を出しづらかった銘柄でも、より多くの投資家が買いやすくなります。その結果、株主の数が増え、売買が活発になりやすいメリットがあります。
ただし、株式分割はあくまで株数の調整であり、企業の収益や資産価値など本質的な企業価値を向上させるものではありません。株式分割の前後で株主が持つ株式の総価値も変化しないため、分割自体が直接的な利益を生むわけではありません。
一方で、株価が下がったことで心理的に「買いやすくなった」と感じる投資家が増えるため、短期的には需要が増加し、株価が上昇するケースも見られます。しかし、長期的な投資判断としては、株式分割の有無よりも、企業の収益性や成長性を重視することが重要です。
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発行済株式
発行済株式とは、企業がすでに発行し、株主が保有している株式の総数のことを指します。これは、会社が設立時や増資などの際に発行し、市場で取引されている株式を含んでいます。つまり、現在流通している株式の数ということになります。この発行済株式数は、株価と掛け合わせることで企業の時価総額を計算する際にも使われる重要な指標です。なお、発行済株式には、企業が自社で保有している自己株式も含まれますが、配当や議決権の対象にはなりません。投資初心者にとっては、企業の規模や株式の流動性を判断するうえで、この数値を意識することが大切です。
流動性
流動性とは、資産を「現金に変えやすいかどうか」を表す指標です。流動性が高い資産は、短時間で簡単に売買でき、現金化しやすいという特徴があります。例えば、上場株式や国債は市場で取引量が多く、いつでも売買できるため、流動性が高い資産とされています。 一方、不動産や未上場株式のように、売買相手を見つけるのが難しかったり、取引に時間がかかったりする資産は、流動性が低いといえます。 投資をする際には、自分が必要なときに資金を取り出せるかを考えることが重要です。特に初心者は、流動性が高い資産を選ぶことで、急な資金需要にも対応しやすく、リスクを抑えることができます。
投資単位
投資単位とは、株式を売買するときの最小の購入・売却単位のことをいいます。日本の株式市場では、通常「100株」が1単位として定められており、これを「単元株」と呼びます。たとえば、ある企業の株価が1株あたり1,000円の場合、実際に株を買うには100株分、つまり10万円が必要になります。企業によってはこの単位が異なることがあるものの、上場企業の多くは100株単位に統一されています。この制度により、売買のルールがわかりやすくなり、取引の円滑化が図られています。初心者にとっては、「1株=購入できる」と誤解しやすいため、投資を始める前に確認しておくことが大切です。
企業価値
企業が将来生み出すキャッシュフローや利益、ブランド力、技術力、顧客基盤などを総合的に評価して算定される価値を指します。 M&Aや投資の意思決定では、ディスカウント・キャッシュ・フロー(DCF)などの手法を用いて将来の収益予測を現在価値に割り引いて見積もることが多いです。 企業価値は株主のみならず従業員や取引先、社会などのステークホルダーにも関わるため、近年はESG(環境・社会・ガバナンス)視点も加味される傾向があります。企業価値の向上を図る施策は、市場での信用力や株価形成にも大きく影響します。
株主優待
株主優待とは、企業が一定数以上の株式を保有する株主に対して、商品やサービス、割引券などを提供する制度のことです。企業は株主の長期保有を促す目的で導入し、内容は各企業によって異なります。投資家にとっては、配当金とは別の利益を得る手段となりますが、業績によって優待内容が変更されたり、廃止されたりするリスクもあります。