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VIG(バンガード・米国増配株式ETF)はおすすめしないと言われました。デメリットが知りたいです。

VIG(バンガード・米国増配株式ETF)はおすすめしないと言われました。デメリットが知りたいです。

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2025/10/29 09:06

投資信託・ETF米国株式
投資信託・ETF米国株式

男性

30代

question

VIG(バンガード・米国増配株式ETF)の購入を検討していますが、「おすすめしない」という意見を耳にしました。具体的にどのようなデメリットや注意点があるのか教えて下さい。


回答

佐々木 辰

株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長

VIGは、米国の増配実績を持つ優良企業に分散投資できるETFですが、「誰にでもおすすめできる万能な商品」ではありません。特に短期の値上がりや高配当を重視する投資家には不向きな面があります。安定成長を志向する長期投資家に向く一方で、いくつかのデメリットや注意点を理解しておく必要があります。

まず、配当利回りの水準は高くありません。VIGは「配当を増やしてきた企業」を選ぶため、いわゆる高配当株とは異なり、現在の配当利回りは低めです。今すぐ多くの配当を得たい人には物足りなく感じられるでしょう。VIGの魅力は「増配の継続性」や「企業の安定性」にあり、「高利回り」ではない点を理解することが重要です。

また、構成銘柄が定期的に入れ替わる仕組みにも注意が必要です。増配を続けられなくなった企業は指数から除外されるため、株価が下がっているタイミングで売却されることがあり、短期的なパフォーマンスを損なう可能性があります。さらに、REITなどのセクターが除外されるため、資産分散が十分でない点も留意点です。

セクター構成にも偏りが見られます。増配を続ける企業は成熟した大型株が中心となるため、グロース株や小型株が主導する局面ではリターンが伸びにくくなります。安定性を重視する一方で、リスクを取った上昇相場では市場平均に劣後する傾向があります。また、人気化によって株価が割高になる局面では、今後のリターンが抑えられる可能性もあります。

為替リスクも見落とせません。配当はドル建てで支払われるため、円高になると円換算での配当金や資産価値が目減りします。為替ヘッジは行われていないため、円ベースでの変動は想定より大きくなり得ます。長期で保有する場合でも、為替動向が運用成果に大きな影響を与えることを理解しておく必要があります。

税金面でも注意が必要です。米国で10%の源泉徴収が行われ、日本国内でも課税口座では再度課税されるため、外国税額控除の手続きが必要になります。新NISA口座でも米国分の税は控除されず、実質的なリターンが目減りします。分配金を受け取るたびに課税されるため、長期の複利効果が薄れる点もデメリットです。

さらに、売買や再投資の際には為替スプレッドや取引手数料も発生します。四半期ごとの分配金を再投資する場合、小口の外貨残高や端数が生じ、手間やコストが増えることがあります。指数のルール変更による構成銘柄の変化にも留意が必要で、過去の実績と今後の特性が一致しないこともあります。

総じて、VIGは「安定的な増配を続ける大型株」に長期投資するには魅力的ですが、為替・税制・構成偏りなどのリスクを理解したうえでポートフォリオ全体の一部として活用するのが賢明です。短期での利回りや値上がりを求めず、長期的に増配の積み上げを享受する姿勢が求められます。

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増配とは、企業が前期より一株当たりの年間配当金を増額することであり、利益成長や手元資金の潤沢さを背景に株主還元を強化する意思表示として行われます。配当金が増えると、株価が一定でも年間配当金を株価で割った配当利回りが上昇するため、インカムゲインを重視する投資家にとっては大きな魅力となります。特に連続増配年数が長い企業は、景気変動下でも安定したキャッシュフローを維持できる経営体質だと評価されやすく、株式の長期保有を促す材料にもなります。 もっとも、増配は企業の資本政策の一手段であり、好業績時でも将来の成長投資を優先する局面では実施されない場合があります。反対に、業績悪化が続けば配当を前年と同額に据え置く、あるいは前期より減額する減配に転じるリスクもあります。投資家は配当の持続可能性を測る指標として、配当総額を当期純利益で割った配当性向や、営業キャッシュフローとのバランスを確認し、企業に増配余力があるかどうかを見極めます。 このように増配は、企業の収益力と株主還元姿勢を映し出すシグナルであり、配当利回りや配当性向、減配・据え置きの動向と合わせて分析することで、株式投資の判断材料として活用できます。

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海外ETFとは、日本市場ではなく、米国や欧州など海外の証券取引所に上場している上場投資信託(ETF)のことを指します。ETFは株式のように取引所で売買できる投資信託であり、特定の株価指数や債券、不動産(REIT)、コモディティなどに幅広く分散投資できます。海外ETFは銘柄数や投資対象が豊富で、低コストで国際分散投資を実現できる点が魅力です。 資産運用の観点では、米国市場のETFが特に人気であり、VOOやQQQ、VTなど世界的に利用される商品があります。ただし、為替リスクや税制の違い、日本の証券会社での取り扱い範囲といった点に注意が必要です。

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