ミニ株はおすすめ しないと言われましたがなぜですか?
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2025/07/18 08:19
男性
40代
株式投資を始めようと思い、最初なので少額からスタートできるミニ株に関心を持ちました。しかし、友人から「ミニ株はおすすめしない」と言われました。まとまったお金がなくても投資できて初心者向きだと思ったのですが、なぜおすすめされないのでしょうか?
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
ミニ株(単元未満株)は、数百円からの少額で個別株に投資できるため、初心者にとって敷居の低い手段として注目されています。しかし、実務面での制約を考えると、資産形成の主軸とするには慎重な判断が求められます。
第一に、取引コストの割高さです。ミニ株は単元株に比べて売買手数料やスプレッド(売値と買値の差)が割高に設定されていることが多く、少額で頻繁に取引すると手数料負担が相対的に大きくなり、投資効率を損なう可能性があります。
第二に、取引の即時性に欠ける点です。多くの証券会社ではミニ株取引がリアルタイムではなく、1日1回など決まった時間にまとめて約定される仕組みになっています。このため、希望した価格での売買が難しく、相場変動への機動的な対応がしにくくなります。
第三に、株主としての権利が限定されることです。多くの企業では、単元未満株保有者には議決権が与えられず、株主優待も受けられない場合があります。これにより、本来株式保有で得られるメリットを十分に享受できない可能性があります。
少額から投資を始めたい場合は、つみたてNISA制度を活用し、低コストなインデックスファンドやETFを通じて分散投資する方法が、長期的な資産形成には適しています。ミニ株は株式投資の仕組みを理解する入門手段としては有用ですが、成長資産の中心として位置づけるには限界があるため、目的に応じて使い分けることが重要です。
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関連する専門用語
単元未満株
単元未満株(odd lot)とは、証券取引所が定める売買単位より少ない株数で保有・売買できる株式を指します。たとえば、売買単位が100株の銘柄でも、単元未満株であれば1株から購入できますので、まとまった資金を用意せずに個別株投資を始めやすい仕組みです。また、1株単位で複数銘柄を組み合わせることで、少額でも分散投資を実現しやすい点が大きなメリットとなります。 ただし、単元未満株には株主総会での議決権が付与されません。株主優待についても、企業の基準によっては対象外となる場合があります。取引方法も通常の単元株とは異なり、多くの証券会社では一日に数回まとめて市場へ発注する「取次ぎ約定」が採用されています。このためリアルタイムで売買しづらく、手数料やスプレッドが単元株取引より割高になりやすい点に注意が必要です。 配当金は保有株数に応じて自動で入金されますので、端数資金を再投資したい方や、高額な銘柄に少額でエントリーしたい方にとっては有効な選択肢です。なお、単元未満株を買い増して100株に達すると自動的に単元株へ移行し、議決権や優待など通常株主と同等の権利を得られます。 まとめると、単元未満株は「小口から段階的に買い増したい」「高価格銘柄を少額で保有したい」といった目的に適した手段です。ただし、取引コストや権利面での制限を十分に理解したうえで活用することが望ましいです。
取引手数料(売買手数料/トランザクションフィー)
取引手数料とは、金融商品や資産を売買する際に、証券会社や取引所、金融機関などに支払う手数料のことを指します。株式や投資信託、暗号資産(仮想通貨)などの金融商品において、売買ごとに一定の割合や定額で課されるのが一般的です。オンライン証券の普及により、一部の証券会社では取引手数料を無料にする動きも広がっていますが、スプレッド(売値と買値の差)や別の形で手数料を回収する仕組みもあります。資産運用を行う際には、取引コストを考慮し、長期的な運用戦略を立てることが重要です。
スプレッド(Spread)
スプレッド(Spread)とは、金融商品の売値(ビッド:Bid)と買値(アスク:Ask)の差のことをいいます。主に外国為替市場や債券市場、株式市場などで使われる用語です。 ビッド(Bid)は投資家がその商品を「売るときに受け取れる価格」、アスク(Ask)は「買うときに支払う価格」を指します。スプレッド(Spread)が広いほど、投資家にとっての取引コストが高くなるため、売買のタイミングには注意が必要です。 一般的に、流動性の低い市場や銘柄ではスプレッドが広がりやすく、反対に、取引が活発な市場ではスプレッドが狭くなる傾向があります。そのため、スプレッドの大きさは、市場の流動性や取引コストを判断する一つの指標となります。
株主優待
株主優待とは、企業が一定数以上の株式を保有する株主に対して、商品やサービス、割引券などを提供する制度のことです。企業は株主の長期保有を促す目的で導入し、内容は各企業によって異なります。投資家にとっては、配当金とは別の利益を得る手段となりますが、業績によって優待内容が変更されたり、廃止されたりするリスクもあります。
つみたてNISA
つみたてNISAとは、少額からの長期・積立・分散投資を応援するために、国が用意した税制優遇制度のひとつです。正式には「少額投資非課税制度(NISA)」の一種で、一定の条件を満たした投資信託やETFに積立投資をすることで、その運用益や分配金が最長20年間、非課税になります。 対象商品は金融庁が選定した長期投資にふさわしい商品に限られているため、初心者でも安心して始めやすい制度です。毎年の投資上限額が決まっており、計画的に資産を育てていくのに向いています。将来の資産形成を目指す人にとって、つみたてNISAは非常に有効な選択肢のひとつです。
ETF(上場投資信託)
ETF(上場投資信託)とは、証券取引所で株式のように売買できる投資信託のことです。日経平均やS&P500といった株価指数、コモディティ(原油や金など)に連動するものが多く、1つのETFを買うだけで幅広い銘柄に分散投資できるのが特徴です。通常の投資信託に比べて手数料が低く、価格がリアルタイムで変動するため、売買のタイミングを柔軟に選べます。コストを抑えながら分散投資をしたい人や、長期運用を考えている投資家にとって便利な選択肢です。