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全世界株式はおすすめしないと言われましたがなぜでしょうか?理由とともに教えて下さい

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2025/10/07 09:09


男性

30代

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世界全体に分散できる全世界株式インデックスは長期投資に適していると聞く一方で、一部では「おすすめしない」と言われているのも目にしました。なぜ全世界株式が敬遠されるのか、その理由を初心者でも理解できるように具体的に教えていただきたいです。


回答

佐々木 辰

株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長

全世界株式が「おすすめしない」と言われるのは、主に米国株に比べてリターンが希薄化しやすいからです。世界全体に分散されるため、成長率の低い地域や新興国が足を引っ張る局面では、米国株に集中投資するよりも成績が劣る可能性があります。そのため、米国中心の成長に賭けたい投資家にとっては物足りなく感じられることがあります。

また、コスト面でも米国株一本に比べてわずかに高くなる傾向があります。運用対象が多国に及ぶため売買や為替コストが増え、目に見えない実質コストやトラッキングエラーが大きくなりやすい点もデメリットとされます。さらに、為替リスクが複数通貨に分散されるため、円高局面での評価損が複雑になり、リタイア時期の為替の当たり外れが資産形成に影響を与える可能性も指摘されています。

インデックスの仕組みにも弱点があります。時価総額加重であるため上がった銘柄を多く抱えることになり、バブル的な偏りが生じやすく、指数の選定基準によって小型株の組み入れ有無などが異なります。さらに、すでに米国株や日本株を持っている場合は重複が発生しやすく、意図した配分にならないこともあります。

行動面では、世界各国のニュースが資産価格に影響するため、方針がぶれやすい点もあります。複数市場が同時に下落する局面では「なぜ持っているのか」を説明できず、積立を中断してしまう人もいます。また、NISAでの対象可否や税制、運用会社の方針など細かな確認事項も増えるため、投資判断をシンプルにしたい人には煩雑に感じられることがあります。

一方で、世界の成長を均等に拾いたい、国ごとの判断をしたくない、シンプルに積立を続けたいという人には全世界株式は合理的で有力な選択肢です。逆に、米国集中や因子投資など明確な仮説を持ち、自分で配分をコントロールしたい人には向きません。

結論として、「全世界株式はおすすめしない」という意見は、主にリターンの希薄化やコスト増加、自分で調整できない配分の不自由さに基づいています。ただし、手間を最小化し、長期的に分散投資を続けたい人には依然として有力な方法であり、大切なのは自分の投資仮説と続けやすさが一致しているかどうかです。

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全世界株式ファンド

全世界株式ファンドとは、世界中の株式市場に分散して投資を行う投資信託のことです。日本や米国といった先進国だけでなく、新興国も含めた幅広い国や地域の企業の株式に投資することで、一つの国や地域の経済状況に左右されにくくなります。個別の株を選ぶ必要がなく、一つのファンドで世界経済全体の成長を取り込めるため、長期的な資産形成を目指す方に向いています。また、為替や国ごとの景気動向によるリスクを分散できる点も特徴です。

時価総額加重型

時価総額加重型とは、株価指数や投資信託などの運用で用いられる算出方式の一つで、**構成銘柄の時価総額(株価 × 発行済株式数)に応じて比率(ウエイト)を決める方法**です。つまり、企業の規模が大きいほど、その銘柄が指数やファンド全体に与える影響も大きくなります。 たとえば、時価総額加重型の株価指数では、アップルやマイクロソフトのような巨大企業の動きが、指数全体の変動に大きく影響を与えます。逆に、時価総額の小さい企業は指数への影響が小さくなります。 この方式は、市場全体の動きを自然に反映しやすく、売買や構成比の調整がシンプルで効率的であることから、S&P500やCRSP USトータル・マーケット・インデックスなど、多くの代表的なインデックスで採用されています。 一方で、時価総額が大きい銘柄に偏りやすくなるため、特定の業種や企業に依存した構成になることもあり、分散効果がやや限定的になるケースもあります。資産運用においては、この構造を理解しておくことで、ポートフォリオ全体のバランスやリスクをより適切に把握することができます。

トラッキングエラー

トラッキングエラーとは、主にインデックスファンドなどの運用成績が、目標とする指数(たとえば日経平均株価やS&P500など)とどれくらいズレているかを示す指標です。ファンドは基本的に指数に連動するように運用されますが、運用コストや売買のタイミングの違いなどにより、実際の成績が指数と完全に一致することはまれです。 この差が大きいほど、運用が指数とずれていると評価されます。トラッキングエラーが小さいほど、より正確に指数に連動しているとされ、インデックス投資においては重要な確認ポイントとなります。

為替リスク

為替リスクとは、異なる通貨間での為替レートの変動により、外貨建て資産の価値が変動し、損失が生じる可能性のあるリスクを指します。 たとえば、日本円で生活している投資家が米ドル建ての株式や債券に投資した場合、最終的なリターンは円とドルの為替レートに大きく左右されます。仮に投資先の価格が変わらなくても、円高が進むと、日本円に換算した際の資産価値が目減りしてしまうことがあります。反対に、円安が進めば、為替差益によって収益が増える場合もあります。 為替リスクは、外国株式、外貨建て債券、海外不動産、グローバルファンドなど、外貨に関わるすべての資産に存在する基本的なリスクです。 対策としては、為替ヘッジ付きの商品を選ぶ、複数の通貨や地域に分散して投資する、長期的な視点で資産を保有するなどの方法があります。海外資産に投資する際は、リターンだけでなく、為替リスクの存在も十分に理解しておくことが大切です。

インデックス

インデックス(Index)は、市場の動きを把握するための重要な指標です。複数の銘柄を一定の基準で組み合わせることで、市場全体や特定分野の値動きを分かりやすく数値化しています。 代表的なものには、日本の株式市場を代表する日経平均株価やTOPIX、米国市場の代表格であるS&P500などがあります。これらのインデックスは、投資信託などの運用成果を評価する際の基準として広く活用されており、特にパッシブ運用(インデックス運用)では、この指標と同じような値動きを実現することを目標としています。

ファクター投資(因子投資)

ファクター投資とは、株式などの投資対象を選ぶ際に、特定の「ファクター(要因)」に基づいて投資判断を行う手法です。このファクターとは、過去のデータから長期的にリターンを高めたり、リスクを抑えたりするとされる特徴のことで、代表的なものには「バリュー(割安性)」「モメンタム(勢い)」「サイズ(企業の規模)」「クオリティ(財務の健全性)」などがあります。たとえば、割安な株に投資する「バリュー・ファクター」や、最近値上がりしている株に投資する「モメンタム・ファクター」といった具合です。従来の市場全体に投資する方法よりも、より高いリターンやリスクコントロールを目指せる可能性がある一方で、タイミングや市場環境によって成果が変わるため、しっかりとした理解と戦略が必要です。

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