介護離職しないために、活用できる公的な支援制度はありますか?
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2025/10/30 09:14
男性
親の介護が必要になり、仕事を辞めずに両立したいと考えています。介護休業・介護休暇、介護休業給付金などの制度は、誰でも利用できるのでしょうか?また、介護保険の要介護認定の手続きや、ケアマネジャーを通じた介護サービスの利用方法など、介護離職を避けるためのポイントも知りたいです。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
親の介護と仕事を両立するには、早めの情報収集と制度の活用が不可欠です。介護休業・介護休暇・介護休業給付金などの制度は一定の条件を満たせば正社員だけでなく、パートや契約社員でも利用可能です。これに介護保険制度を組み合わせることで、介護離職を防ぎながら働き続けることができます。
まず、市区町村の介護保険課で「要介護認定申請」を行い、訪問調査や主治医意見書をもとに審査を受けます。認定後はケアマネジャーがケアプランを作成し、訪問介護・デイサービス・ショートステイなどを組み合わせて在宅介護を設計します。
仕事との両立には、育児・介護休業法に基づく制度を活用します。介護休業は家族1人につき通算93日まで3回に分けて取得でき、要介護認定がなくても2週間以上の常時介護が必要と判断されれば利用可能です。
介護休暇は年5日(対象2人以上なら10日)まで取得でき、通院や手続きの付き添いに便利です。時間単位でも取れるため、勤務と両立しやすくなっています。
介護休業を取得した際には、雇用保険から休業前賃金の67%が支給される「介護休業給付金」を受け取れます。このような経済的支援がある点も、押さえておきましょう。
介護離職を防ぐには、制度だけでなく日常運用も重要です。デイサービスや訪問介護を平日日中に利用し、仕事時間との重なりを減らす工夫が効果的です。
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関連する専門用語
介護認定
介護認定とは、介護保険制度にもとづいて、市区町村が申請者の心身の状態を調査・審査し、その人がどれだけ介護や支援を必要としているかを判断する制度です。正式には「要介護認定」とも呼ばれ、認定結果は「非該当(介護不要)」から「要支援1・2」「要介護1~5」までの段階に分かれます。 この認定を受けることで、介護保険サービスを利用するための資格が得られ、必要な支援の範囲や量も決まります。介護サービスを受けるにはまずこの認定を受けることが前提となるため、高齢者やその家族にとって非常に重要な手続きです。認定は申請制であり、申請後に訪問調査や医師の意見書などをもとに審査されます。介護の必要度に応じた適切なサービス利用のために、正確な認定が行われることが求められます。
介護休業給付金
介護休業給付金とは、家族の介護を理由に会社を一時的に休む「介護休業」を取得した労働者に対して、雇用保険から支給される給付金のことです。支給対象となるのは、要介護状態にある家族(配偶者、父母、子、祖父母など)を介護するために休業し、一定の条件を満たした雇用保険加入者です。 給付額は、原則として介護休業開始前の賃金の67%相当(一定期間)であり、最大で通算93日分まで受給することができます。休業中の収入減を補いながら、家族の介護に専念できる制度として整備されており、介護離職を防ぐための重要な支援策の一つです。利用には、事前に事業主を通じて申請手続きが必要となるため、職場との調整や制度の理解が欠かせません。
ケアマネジャー
ケアマネジャーとは、介護保険制度のもとで高齢者やご家族の相談役となり、必要な介護サービスを選定し、ケアプラン(介護サービス計画)を作成する専門職です。介護サービス事業者や医療機関と連携しながら、利用者の心身の状態や生活環境、経済状況を踏まえて最適な支援を調整します。費用面では介護サービスの自己負担割合や公的給付の活用方法をアドバイスし、家計や資産運用の観点からも長期的な介護費用の見通しを立てる上で重要な役割を果たします。
ケアプラン
ケアプランとは、介護を必要とする人の生活状況や健康状態に応じて、どのような介護サービスをどの程度利用するかをまとめた計画書のことを指します。介護保険制度に基づき、介護支援専門員(ケアマネジャー)が本人や家族と相談しながら作成します。たとえば、訪問介護やデイサービス、リハビリなどの内容や利用回数が具体的に記載されます。ケアプランは本人の自立や生活の質を高めるために重要であり、資産運用の観点からも、将来の介護費用を見積もる際の参考となる点で理解しておくことが役立ちます。




