
富国生命の学資保険のメリット・デメリットを解説!加入者からの評判や口コミも紹介
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公開:
2025.08.24
更新:
2025.08.24
富国生命の学資保険「みらいのつばさ」は、累計契約件数約50万件を誇る人気の学資保険です。返戻率の高さと兄弟割引制度により、多くの子育て世代から支持されています。
しかし、学資保険は長期にわたる契約であり、家計に大きな影響を与える重要な選択です。本記事では、お金の専門家として中立的な立場から「みらいのつばさ」の特徴、メリット、デメリットを詳しく解説いたします。
サクッとわかる!簡単要約
読了後は、富国生命の「みらいのつばさ」の特徴を理解できます。J型で大学期に集中配分するかS型で段階的に受け取るか、家計と教育方針に沿って選べるようになります。返戻率は条件により約109.5%の例があり、改定(2023年4月)後の水準も把握可能です。さらに契約時の注意点や無理のない払込年齢(11・14・17歳)設計、他手段の併用などの判断材料も認識できます。
学資保険とは
学資保険は、子どもの教育費を準備するための保険商品です。毎月決まった保険料を支払い、子どもが高校や大学に進学する時期に合わせて、まとまったお金(満期保険金や祝い金)を受け取れる仕組みになっています。一般的には、子どもが0歳から6歳頃までに加入し、15年から22年程度かけて積み立てます。
学資保険の主なメリットは、銀行預金より利率が良い場合が多く、払い込んだ保険料より多くのお金を受け取れることがある点です。また、契約者である親に万が一のことがあった場合、以後の保険料支払いが免除されても保険金は予定通り受け取れる保障機能があります。さらに、強制的に積み立てができるため、教育費を確実に準備できるメリットもあります。
一方で、途中解約すると元本割れ、つまり払い込んだ保険料より少ない金額しか戻らないリスクがある点に注意が必要です。また、インフレに弱く、物価上昇時には実質的な価値が目減りする可能性もあります。教育費という明確な目標がある家庭にとって、計画的にお金を準備できる有効な手段の一つといえるでしょう。
学資保険の特徴やメリットなどは、以下の記事で解説しています。あわせてご覧ください。
富国生命「みらいのつばさ」とは?基本特徴を専門家が解説
富国生命の「みらいのつばさ」は、2010年11月に発売された5年ごと配当付学資保険です。貯蓄性を重視した商品設計により、元本保証のもとで教育資金を準備できます。
最大の特徴は、家庭のライフスタイルに合わせて受取方法と払込期間を柔軟に選択できる点です。また、2人目以降の子どもには兄弟割引が適用され、保険料が割安になる業界でも珍しいサービスを提供しています。
項目 | 内容 |
---|---|
正式名称 | みらいのつばさ(5年ごと配当付学資保険) |
保険会社 | 富国生命保険相互会社(富国生命) |
発売開始 | 2010年11月 |
累計契約件数 | 約50万件(2023年時点) |
契約可能年齢 | 被保険者:0歳~7歳 契約者:性別・払込期間により異なる |
保険期間 | 22歳満期 |
出生前加入 | 可能(出産予定日の140日前から) |
「みらいのつばさ」は2010年の発売以来、約50万件の契約実績を誇ります。ママリ口コミ大賞2023学資保険部門で大賞を受賞するなど、実際の利用者からも高い評価を獲得しています。
契約可能年齢は、子どもが0歳から7歳まで、契約者の年齢は性別や保険料払込期間によって異なります。出生前加入も可能で、出産予定日の140日前から契約できる点も特徴のひとつです。
選べる2つの受取プランと3つの払込期間
「みらいのつばさ」の特徴は、家庭のライフスタイルや教育方針に合わせて受取プランを選択できる点です。S(ステップ)型とJ(ジャンプ)型の2つのプランがあり、それぞれ異なるメリットを持っています。
どちらのプランを選ぶかは、教育費をいつ重点的に使いたいか、また返戻率と柔軟性のどちらを重視するかによって決まります。以下の比較表を参考に、ご家庭に最適なプランを検討してみましょう。
項目 | S(ステップ)型 | J(ジャンプ)型 |
---|---|---|
受取時期 | 幼稚園・小学校・中学校・高校・大学入学時 + 満期 | 大学入学時 + 大学在学中4年間 |
特徴 | 各進学時に祝金を受取 | 大学費用に集中 |
返戻率 | やや低め | 高め(約109.5%) |
柔軟性 | 祝金据え置き可能 | 受取時期固定 |
向いている人 | 各段階で教育費が必要な家庭 | 大学費用重視の家庭 |
S(ステップ)型の特徴とメリット
S(ステップ)型は、幼稚園入園から大学入学まで各進学時に祝金を受け取れるプランです。子どもの成長段階に合わせて、必要な教育費を段階的に準備できます。
祝金は受け取らずに据え置きも可能で、富国生命所定の利率で利息が付きます。必要なときに必要な分だけ引き出せるため、進路変更や予期しない出費にも柔軟に対応できる点がメリットです。
ただし、分割受け取りによりJ型と比較すると返戻率はやや低くなります。柔軟性を重視するか、返戻率を重視するかで選択が分かれるポイントです。
J(ジャンプ)型の特徴とメリット
J(ジャンプ)型は、大学入学時と在学中の4年間に集中して学資金を受け取るプランです。最も教育費負担が重い大学時期に重点を置いた設計となっています。
J型の最大のメリットは、S型と比較して高い返戻率を実現できる点です。契約者30歳男性、子ども0歳の例では約109.5%の返戻率となり、効率的な資産形成が可能です。
一方で、中学・高校進学時の費用は別途準備する必要があります。大学費用に特化した資金準備を希望する家庭に適したプランといえるでしょう。
3つの払込期間(11歳・14歳・17歳)の選び方
払込期間は11歳、14歳、17歳の3つから選択できます。払込期間が短いほど月々の保険料負担は重くなりますが、返戻率は高くなる傾向があります。
払込期間 | 特徴 | 返戻率 | 月々負担 |
---|---|---|---|
11歳払済 | 最短期間 | 最高 | 最大 |
14歳払済 | バランス型 | 中程度 | 中程度 |
17歳払済 | 最長期間 | 最低 | 最小 |
11歳払済は最も返戻率が高くなりますが、月々の保険料負担も最大です。子どもが小さく教育費がそれほどかからない時期に保険料を集中して支払える家計に適しています。
17歳払済は月々の負担を抑えながら、大学受験前に保険料払い込みを完了できます。家計バランスを重視しながら確実に教育資金を準備したい家庭におすすめです。
富国生命「みらいのつばさ」の6つのメリット
「みらいのつばさ」は学資保険市場において独自の優位性を持つ商品です。特に返戻率の高さと兄弟割引制度は他社にはない大きなメリットといえます。
100%超えの返戻率を実現
「みらいのつばさ」の返戻率は、現在の低金利環境下でも100%以上の返戻率を維持しています。J型の場合、契約条件によっては109%を超える返戻率も可能です。
返戻率のシミュレーション例は、以下のとおりです。
契約条件 | S型返戻率 | J型返戻率 |
---|---|---|
契約者30歳男性、子0歳、11歳払済 | 約105% | 約109.5% |
契約者30歳男性、子0歳、17歳払済 | 約102% | 約105% |
契約者35歳男性、子0歳、11歳払済 | 約104% | 約108% |
例えば、月額保険料15,000円を11年間支払った場合(総額198万円)、満期時には約215万円を受け取れる計算になります。17万円の増加は、現在の銀行預金では到底実現できない水準です。
返戻率は契約者の年齢・性別、子どもの年齢、保険料払込方法によって変動します。一般的に契約者が若く、払込期間が短いほど高い返戻率を実現できます。
富国生命では2023年4月に保険料率を改定(引下げ)し、返戻率がアップしました。現在の低金利環境でも100%を超える返戻率を維持している点は評価できるポイントです。
ただし、返戻率は預金の利回りとは異なり、途中解約した場合は元本割れのリスクがあります。契約前には必ず自身の条件でのシミュレーションを行うようにしましょう。
独自の兄弟割引制度でさらにお得
「みらいのつばさ」の最大の特徴のひとつが兄弟割引制度です。2人目以降の子どもの保険料が割安になる制度は、学資保険では珍しい仕組みです。
兄弟割引は、すでに富国生命の学資保険に加入している兄弟姉妹がいる場合に適用されます。同時加入でも2人目から割引が適用されるため、双子や年の近い兄弟がいる家庭には大きなメリットです。
複数の子どもの教育資金を準備する必要がある家庭では、長期的に見ると相当な節約効果が期待できます。ただし、具体的な割引率は公表されていないため、契約前に必ず確認することをお勧めします。
柔軟な受取システムで安心
「みらいのつばさ」は受取方法の柔軟性に優れています。S型では祝金の据え置きが可能で、必要なときまで保険会社が預かってくれます。据え置き期間中は富国生命所定の利率で利息が付くため、無駄がありません。
また、満期保険金の受取年齢を所定の範囲内で繰り上げることも可能です。子どもの進路変更や早期進学にも対応できる柔軟性があります。
ただし、据え置き利率は現在の低金利環境では期待できる水準ではありません。長期の据え置きよりも、必要な時期に確実に受け取る計画を立てることが重要です。
万一の際の保険料払込免除保障
契約者に万一のことがあった場合、以後の保険料払い込みが免除される保障が付いています。対象となるのは死亡、高度障害状態、不慮の事故による所定の身体障害状態です。
保険料払込免除後も、祝金・満期保険金は予定どおり受け取れます。この保障により、契約者に万一のことがあっても子どもの教育資金は確実に準備されるため、安心感があります。
ただし、この保障は学資保険に限定されます。医療保険「ワイド・プロテクト」をパックで加入した場合、医療保険の保険料は払込免除の対象とならない点に注意が必要です。
充実したアフターサービス
富国生命では「富国赤ちゃんクラブ」という無料サービスを提供しています。妊娠中から6歳までの子どもがいる家庭が対象で、育児相談や各種割引特典を受けられます。
24時間365日対応の育児相談サービスでは、保健師、看護師、管理栄養士、心理カウンセラーなどの専門スタッフが対応します。初めての子育てで不安を感じる家庭にとって心強いサポートです。
また、同じ担当者が加入からアフターサービスまで一貫して対応する体制を取っています。長期にわたる契約だからこそ、信頼関係を築ける担当者の存在は大きなメリットといえるでしょう。
信頼できる保険会社の安定性
富国生命は1923年創業の歴史ある相互会社です。相互会社とは、契約者が会社の構成員となる組織形態で、株主への配当がない分、契約者への還元を重視した経営が行われます。
ソルベンシー・マージン比率(保険会社の支払余力を示す指標)は十分な水準を維持しており、財務健全性に問題はありません。また、個人保険では13年連続の増配を実現するなど、安定した経営状況です。
ただし、将来の経済情勢や金利環境の変化により、配当や返戻率に影響が出る可能性もあります。保険会社の安定性は重要ですが、それだけで商品を選ぶのではなく、総合的な判断が必要です。
富国生命「みらいのつばさ」で注意すべき4つのデメリット・制約事項
「みらいのつばさ」にもデメリットや制約があります。特に医療保障の不備や流動性の制約は、契約前に十分理解しておく必要があります。
学資保険は長期契約であるため、デメリットを理解せずに契約すると後々困る可能性があります。メリットだけでなく、リスクや制約も含めて総合的に判断しましょう。
医療保障が付帯されていない
「みらいのつばさ」単体には医療保障が付いていません。子どもの医療保障が必要な場合は、別途医療保険「ワイド・プロテクト」をパックで加入する必要があります。
ただし、多くの自治体では子ども医療費助成制度があり、18歳まで医療費が無料または大幅に軽減されます。そのため、学資保険に医療保障を付ける必要性は以前より低くなっています。
医療保障を付けると保険料が上がり、返戻率が下がります。貯蓄性を重視するなら、学資保険は教育資金準備に特化し、医療保障は別途検討しましょう。
インフレリスクへの対応不足
学資保険は、契約時に受取金額が確定する固定金利商品です。長期間にわたってインフレが進行した場合、実質的な購買力が目減りするリスクがあります。
過去20年間で大学初年度納付金は約30%上昇しており、今後も教育費の上昇が続く可能性があります。契約時に設定した受取金額では、将来の教育費に対して不足する可能性も考慮しなければなりません。
インフレリスクを軽減するには、学資保険だけでなく、株式や投資信託などのリスク性資産との組み合わせも検討しましょう。ただし、元本保証の安心感を重視する場合は、このデメリットを受け入れる必要があります。
流動性の制約がある
学資保険は途中解約すると元本割れするリスクがあります。特に契約から数年以内の解約では、支払った保険料を大幅に下回る解約返戻金しか受け取れません。
急な転職や収入減少により保険料の支払いが困難になった場合、解約以外の選択肢も限られます。契約者貸付制度はありますが、利息が発生するため推奨できません。
流動性を重視する場合は、学資保険の契約金額を抑え、残りは銀行預金や個人向け国債など換金しやすい商品で準備することも検討しましょう。緊急時の資金需要も考慮した資金配分が重要です。
学資保険以外の方法で教育資金を用意する方法を検討している方は、こちらもQ&Aもご覧ください。
他の資産運用との機会コスト
現在の「みらいのつばさ」の返戻率は109%程度ですが、これは年率換算すると1%に満たない水準です。同じ期間、NISAでインデックスファンドに投資した場合、より高いリターンが期待できる可能性があります。
ただし、投資にはリスクが伴います。元本割れの可能性もあるため、リスク許容度の低い家庭には学資保険の確実性がメリットとなります。
重要なのは、機会コストを理解したうえで選択することです。確実性を取るか、より高いリターンの可能性を取るかは、各家庭の価値観や経済状況によって判断すべき問題です。
なお、インデックスファンドに関してはこちらの記事を参考にしてみてください。
富国生命「みらいのつばさ」が向いている人の特徴
「みらいのつばさ」は全ての家庭に適した商品ではありません。商品の特徴を理解し、自身の状況や価値観と合致するかを慎重に判断する必要があります。
特に元本保証の安心感を重視し、確実に教育資金を準備したい家庭には適した選択肢といえるでしょう。また、複数子育て世帯では兄弟割引の恩恵も大きなメリットとなります。
確実性を重視する堅実派
投資経験が少なく、元本割れリスクを避けたい家庭には「みらいのつばさ」が適しています。学資保険は保険会社が破綻しない限り、契約時に約束された金額を確実に受け取れます。
銀行預金だけでは物足りないが、株式投資には抵抗がある家庭にとって、ちょうど良い選択肢といえるでしょう。年率1%未満でも確実に増える商品として価値があります。
ただし、確実性の代償として流動性や収益性を犠牲にしていることは理解する必要があります。全ての資産を学資保険に集中するのではなく、バランスの取れた資産配分を心がけましょう。
複数子育て世帯
2人以上の子どもがいる、または将来的に予定している家庭には兄弟割引の恩恵があります。特に年の近い兄弟がいる場合、教育費の集中する時期が重なるため、計画的な準備が重要です。
兄弟それぞれに学資保険を契約することで、教育費準備を体系化できます。また、同じ保険会社で統一することで、手続きや管理も簡素化できるメリットがあります。
ただし、複数契約による保険料負担は相当な金額になります。家計全体のバランスを考慮し、無理のない範囲での契約が重要です。
保険による安心感を求める人
学資保険の最大の特徴は、貯蓄と保障を組み合わせた商品設計です。契約者に万一のことがあっても、子どもの教育資金は確保されるという安心感があります。
また、専任のアドバイザーによるサポートや各種付帯サービスも魅力のひとつです。保険会社との長期的な関係性を重視し、プロのアドバイスを受けながら教育資金を準備したい家庭に適しています。
一方で、保障部分のコストにより純粋な貯蓄商品と比較すると効率性は劣ります。保険機能の価値をどの程度評価するかが判断のポイントとなります。
向いていない人・他の選択肢を検討すべき人
「みらいのつばさ」が適さない家庭もあります。特に高いリターンを期待する投資経験者や、家計に余裕がない世帯では、他の選択肢を検討したほうが良いでしょう。
高いリターンを期待する人
投資経験が豊富で、長期的により高いリターンを期待する家庭には学資保険は物足りない選択肢かもしれません。NISAを活用したインデックス投資や株式投資などの方が、より大きなリターンが期待できます。
年率5~7%程度のリターンが期待できる投資信託と比較すると、学資保険の1%未満のリターンは機会コストが大きいといえます。元本割れリスクを受け入れられるなら、投資信託や株式投資の活用が、より効率的な選択肢です。
ただし、投資にはリスクが伴います。教育費のような使用時期が決まっている資金の場合、元本割れのタイミングが悪いと大きな問題となる可能性もあります。リスク許容度を慎重に判断しましょう。
教育方針が未確定な家庭
海外進学を検討していたり、子どもの将来の進路が不透明な家庭では、学資保険の固定的な仕組みが制約となる可能性があります。特に海外の大学では、学費が大幅に異なる場合があります。
また、子どもが将来、大学進学を希望しない可能性もあります。その場合、大学進学を前提とした学資保険の設計が無意味になってしまう可能性も考えられるでしょう。
教育方針が流動的な家庭では、より柔軟性の高い預金や投資信託での準備の方が適している場合があります。将来の選択肢を狭めない準備方法を検討しましょう。
「学資保険はいらない」という声を聞いたことがある方は、こちらもQ&Aも参考にしてみてください。
「みらいのつばさ」の有効活用術
「みらいのつばさ」を効果的に活用するには、単体で考えるのではなく、家計全体の資産配分の一部として位置づけることが重要です。
また、契約時の条件設定や他の金融商品との組み合わせにより、より効率的な教育資金準備が可能となります。専門家の視点から、実践的な活用方法を解説します。
返戻率を最大化する契約方法
返戻率を最大化するには、契約者の年齢が若いうちに加入し、払込期間を短く設定することが有効です。特に11歳払済を選択できれば、最も高い返戻率を実現できます。
また、年払いや一括払いを選択することで、月払いよりも総支払保険料を抑えられます。ただし、一括払いは高額な資金が必要なため、家計への影響を慎重に検討する必要があります。
J型を選択することでS型よりも高い返戻率を期待できますが、中学・高校進学時の費用は別途準備が必要です。トータルの教育費準備戦略のなかで、どちらが適しているかを判断しましょう。
他の教育資金準備との併用戦略
教育資金準備は学資保険だけに頼るのではなく、複数の方法を組み合わせることでリスク分散と効率化を図れます。確実性を重視する部分は学資保険、成長性を期待する部分はつみたてNISAという使い分けが効果的です。
また、祖父母からの教育資金贈与を活用する場合は、年間110万円の非課税枠や教育資金一括贈与の特例制度も検討しましょう。税制優遇を活用することで、より効率的な資金準備が可能です。
さらに、奨学金制度の活用も視野に入れておくべきです。給付型奨学金が拡充されており、世帯収入によっては大学費用の大部分をカバーできる場合もあります。
教育資金の贈与を受ける予定がある方は、贈与税の理解が欠かせません。こちらのQ&Aもご覧ください。
ライフステージ変化への対応
長期契約である学資保険では、契約期間中に転勤、転職、離婚などのライフステージ変化が起こる可能性があります。これらの変化に適切に対応することで、契約を継続できます。
転勤の場合は、契約者の住所変更手続きを行えば問題ありません。転職による収入減少の場合は、払済保険への変更や減額などの選択肢があります。早めに保険会社に相談することが重要です。
離婚の場合は契約者変更や財産分与の対象となる可能性があります。法的な手続きが必要な場合もあるため、専門家に相談しながら適切に対応しましょう。
学資保険を途中で解約すると、損をしてしまうため注意が必要です。詳しくは、こちらのQ&Aも参考にしてみてください。
富国生命「みらいのつばさ」加入者の評判と口コミ
投資のコンシェルジュでは、独自に富国生命「みらいのつばさ」加入者の評判と口コミについて、アンケート調査を実施しました。
良い評判
J型の返戻率例が約109.5%で、貯蓄性を重視する家庭には効率が良いと感じました(30代 男性)
2人目以降の兄弟割引があるので、総負担を抑えながら二人分の教育資金を用意できています。(40代 男性)
S型/J型と払込終了年齢(11・14・17歳)を選べるため、入園・入学期に小刻みに備えるか、大学資金に重点配分するかを家庭事情に合わせて設計できます。子どもが複数いるご家庭であれば、兄弟割引でトータル負担を抑えられる点が実務的なメリットです。
悪い評判
途中でJ↔Sへ変更できると、もっとうれしいです。ライフプランが変わったときに対応できるので。(40代 男性)
「J↔S」は途中で変更できないため、受取タイミングの優先順位を最初に固める必要があります。将来の教育資金のニーズを踏まえて、適したタイプを選択しましょう。
この記事のまとめ
富国生命「みらいのつばさ」は、確実性と兄弟割引という独自の特徴を持つ学資保険です。返戻率の高さと万一の保障により、安心して教育資金を準備できる商品といえます。
しかし、流動性の制約やインフレリスク、機会コストなどのデメリットも存在します。重要なのは、これらの特徴を理解したうえで、自身の家庭状況や価値観に合致するかを判断することです。
そのうえで、学資保険が適しているかを判断し、適している場合は早めの加入がメリットとなります。迷っている場合は、複数の保険会社の商品を比較検討し、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談することをおすすめします。

金融系ライター
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,000記事以上の執筆実績あり。
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,000記事以上の執筆実績あり。
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学資保険
学資保険とは、子どもの教育資金を計画的に準備するための保険商品で、一定期間保険料を支払うことで、子どもの進学時期(中学・高校・大学入学など)に合わせて祝い金や満期保険金が受け取れる仕組みになっています。保険であるため、契約者(通常は親)に万が一のことがあった場合でも、以後の保険料の支払いが免除され、満期時には予定どおりの給付金が支払われる点が大きな特徴です。 貯蓄機能と保障機能が組み合わさっており、「教育費を積み立てながら万一に備えたい」と考える家庭に人気があります。ただし、途中解約すると元本割れするリスクがあるため、長期的な資金計画としての活用が前提となります。初心者の方にとっては、預貯金とは違う形で将来の教育資金を準備できる手段のひとつとして、選択肢に入れて検討する価値があります。
返戻率
返戻率とは、生命保険や学資保険などの貯蓄型保険において、支払った保険料の総額に対して、満期や解約時に受け取れる金額(解約返戻金や満期保険金)がどのくらいの割合で戻ってくるかを示す指標です。たとえば、200万円の保険料を支払って、満期時に220万円を受け取れる場合、返戻率は110%となります。 この数値が100%を上回れば「支払った保険料より多く戻る」、下回れば「元本割れ」ということになります。返戻率は商品選びの際の比較指標としてよく使われ、特に学資保険や個人年金保険など、将来の資金準備を目的とした保険において注目されます。 ただし、返戻率が高い商品は契約条件が厳しかったり、途中解約に弱かったりする場合もあるため、利率だけでなくライフプラン全体を見据えて判断することが大切です。保険を「貯蓄」としても考える初心者にとって、返戻率は理解しておくべき基本的な指標です。
保険料払込期間
保険料払込期間とは、契約者が保険会社に対して保険料を支払い続ける必要がある期間のことです。この期間が終わるまでは、保険契約を維持するために定期的な保険料の支払いが求められます。払込期間には、「終身払い」と呼ばれる一生涯支払い続けるタイプと、「有期払い」といって一定の年齢や年数までで支払いを終えるタイプがあります。 有期払いの場合、払込期間が終了しても保障は継続することが多く、将来の支出を軽減する目的で選ばれることもあります。一方で、払込期間が短いほど、月々の保険料は高くなる傾向があります。保険を選ぶ際には、保障内容だけでなく、支払い負担やライフプランに合った払込期間を考慮することが大切です。
払込免除
払込免除とは、生命保険や医療保険などの契約において、契約者や被保険者が高度障害状態になったり、所定の重い病気にかかったりした場合に、それ以降の保険料の支払いが免除される制度のことを指します。免除されたあとも、保険契約は有効に継続され、保障内容はそのまま維持されるのが特徴です。 たとえば、がんなどの重病を患い、働くことが困難になった場合でも、保障を失うことなく保険を続けられる仕組みとして、多くの保険商品に組み込まれています。払込免除はあくまで保険料の支払い義務を免除する制度であり、解約や満期金の支払いとは異なります。契約時にこの特約が付いているかどうか、また発動条件がどうなっているかを確認しておくことが大切です。経済的な負担が大きくなる場面で、保険契約の継続を支える安心の仕組みです。
満期保険金
満期保険金とは、保険契約で定められた期間が終了したときに、契約者や被保険者に支払われるお金のことをいいます。たとえば、10年や20年などの一定期間保険料を払い続け、満期になったときにその保険が「満了」すると、あらかじめ決められた金額が支払われます。 このお金は、死亡や病気などのリスクに備えるだけでなく、貯蓄のように将来の資金づくりにも役立つという特徴があります。特に学資保険や養老保険などでよく使われる仕組みです。
ソルベンシー・マージン比率
ソルベンシー・マージン比率とは、保険会社がどれだけ予想外のリスクに耐えられるかを示す指標のことです。たとえば、大地震や大事故のような予測できない大きな支払いが必要になった場合に、その保険会社がしっかりと対応できるかどうかを判断するために使われます。 この比率が高ければ高いほど、経営の安定性があり、万が一のときでも契約者に対する保険金の支払い能力があると見なされます。保険会社の健全性をチェックする上でとても重要な数字です。
インフレリスク
インフレリスクとは、物価の上昇が投資の実質的な価値や収益を減少させるリスクを指します。インフレが進行すると、通貨の購買力が低下し、同じ金額で以前よりも少ない商品やサービスしか購入できなくなります。このリスクは特に固定収益をもたらす投資、例えば債券や定期預金に顕著に現れます。債券のクーポン支払いや元本返済の実質的価値が、インフレによって目減りするためです。 投資家はインフレリスクを考慮に入れてポートフォリオを構築する必要があります。たとえば、インフレに対抗するために不動産や株式などのリアルアセットに投資する方法があります。これらの資産は、インフレの環境下で価値が上昇する傾向にあるため、インフレリスクから保護する効果が期待できます。また、インフレに連動する形で利息が上昇するインフレ連動債(TIPSなど)に投資することも、インフレリスクを管理する一つの手段です。 インフレリスクは、特に長期投資の計画において重要であり、経済全体の物価水準の変動を考慮に入れながら、資産を適切に配置し、リバランスを行うことが必要です。 さらに、異なる国や地域でのインフレ率の違いにも注意を払い、グローバルな視点からポートフォリオを見直すことも有効です。このように、インフレリスクを適切に理解し、対策を講じることで、投資の目標達成に向けた戦略的な判断が可能となります。
流動性
流動性とは、資産を「現金に変えやすいかどうか」を表す指標です。流動性が高い資産は、短時間で簡単に売買でき、現金化しやすいという特徴があります。例えば、上場株式や国債は市場で取引量が多く、いつでも売買できるため、流動性が高い資産とされています。 一方、不動産や未上場株式のように、売買相手を見つけるのが難しかったり、取引に時間がかかったりする資産は、流動性が低いといえます。 投資をする際には、自分が必要なときに資金を取り出せるかを考えることが重要です。特に初心者は、流動性が高い資産を選ぶことで、急な資金需要にも対応しやすく、リスクを抑えることができます。
新NISA
新NISAとは、2024年からスタートした日本の新しい少額投資非課税制度のことで、従来のNISA制度を見直して、より長期的で柔軟な資産形成を支援する目的で導入されました。この制度では、投資で得られた利益(配当や売却益)が一定の条件のもとで非課税になるため、税負担を気にせずに投資ができます。新NISAでは「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つの枠が用意されており、年間の投資可能額や総額の上限も大幅に引き上げられました。 また、非課税期間が無期限となったことで、より長期的な運用が可能となっています。投資初心者にも利用しやすい仕組みとなっており、老後資金や将来の資産形成の手段として注目されています。
教育資金一括贈与
教育資金一括贈与とは、祖父母などの直系尊属が、子や孫の教育資金として金融機関の専用口座を通じて一括で贈与する場合、一定の条件を満たせば1,500万円まで非課税となる制度のことをいいます。この制度は、子どもや孫の学費、入学金、塾代などに充てる目的で利用され、教育資金に限定されることで贈与税が免除される特例です。贈与を受けた人が30歳になるまでが対象期間であり、それまでに使い切れなかった残額には贈与税が課される可能性があります。 また、実際に使った金額に対して領収書を提出する必要があり、教育以外の支出には使えません。資産を次世代に円滑に移しつつ、子や孫の成長を支援できるため、相続税対策としても注目されています。初心者にとっては「生前贈与をしながら非課税の恩恵を受けられる制度」として、活用方法を知っておくと役立ちます。
機会損失
機会損失とは、ある選択をしたことによって、別の選択肢で得られたはずの利益を失うことを指します。例えば、低金利の預金に資金を預けている間に、高利回りの投資商品で運用する機会を逃す場合などが該当します。資産運用においては、慎重になりすぎて投資を見送ることで得られたはずのリターンを逃さないよう、適切なリスク管理を行うことが重要です。