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投資信託の基準価額の決まり方・計算方法と変動要因をわかりやすく解説
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執筆者:
公開:
2023.09.25
更新:
2026.09.23
投資信託の購入や保有資産の確認で目にする「基準価額」は、取引金額や評価額を理解するうえで欠かせない情報です。ただし、数値が低いほど割安とは限らず、日々の上下だけでは運用成績を正しく判断できません。この記事では、基準価額の意味や計算方法から、公表・売買のタイミング、株価や為替などによる変動要因までを具体的に解説します。分配金との関係や損益の確認方法も整理し、商品選びに役立つ見方を紹介します。
目次
基準価額とは?投資信託の「1万口あたりの値段」
基準価額とは、投資信託の1口あたりの値段のことです。投資家が投資信託を購入したり換金したりするときは、この基準価額をもとに取引が行われます。
投資信託には「口(くち)」という取引の単位があります。多くの投資信託は1口=1円で運用を開始するため、基準価額は「1万口あたり」の金額で公表されるのが一般的です。運用開始時の基準価額は1万円で、その後は運用の成果によって上下していく仕組みです。
株価との違いは「1日1回だけ決まる」こと
証券取引所に上場している株式は、市場が開いている間は刻々と株価が変動し、その時々の価格で売買できます。一方、一般的な投資信託の基準価額は、組み入れている株式や債券などの時価をもとに算出され、1日に1つの価額として公表されます。
| 項目 | 株価(上場株式・ETF) | 基準価額(一般的な投資信託) |
|---|---|---|
| 決まり方 | 売り手と買い手の需給で決まる | 保有資産の時価から計算で求める |
| 変動の頻度 | 取引時間中に刻々と変動 | 1日1回(営業日ごと) |
| 取引できる値段 | 注文時点の市場価格 | 申込後に決まる基準価額(ブラインド方式) |
| 主な取引先 | 証券取引所(証券会社経由) | 販売会社(証券会社・銀行など) |
なお、ETF(上場投資信託)は投資信託の一種ですが証券取引所に上場しているため、株式と同じように市場価格で売買する商品です。ETFにも基準価額はあるものの、実際の取引は市場価格で行われる点が一般的な投資信託との違いです。
投資信託とETFについては、こちらの記事で詳しく解説しています。あわせて参考にしてみてください。
なぜ「価格」ではなく「価額」なのか
「基準価格」と検索する人も多いものの、正しい表記は「基準価額(きじゅんかがく)」になります。価格(Price)は、株価のように売り手と買い手の合意によって取引ごとに決まる値段を指します。
一方、価額(Value)は、資産を客観的に評価した金額を指す言葉です。投資信託の基準価額は、純資産総額から計算で求める評価額であるため、「価格」ではなく「価額」と表現されます。
基準価額と純資産総額の違い
基準価額とよく並んで表示されるのが「純資産総額」です。純資産総額は、投資信託の資産のうち投資家に帰属する財産の合計額を指し、ファンド全体の規模を表します。
- 基準価額は「1万口あたりの値段」、純資産総額は「ファンド全体の大きさ」と覚えておくとよいでしょう。たとえば、新たな資金が流入すると純資産総額は増えますが、同時に口数も増えるため、基準価額は変わりません。純資産総額が小さすぎるファンドは、運用が安定しにくく、繰上償還されるリスクがある点にも注意が必要です。
出典:資産運用業協会「投資信託なんでもQ&A気になる100選(現在、運用をしている人)」
基準価額の決まり方と計算方法
基準価額は、投資信託が保有する資産の価値を総口数で割って計算されます。ここでは、計算式と、保有資産の時価を評価するルール、実際の購入・換金額の計算例を順に解説します。
計算式は「純資産総額÷総口数×1万口」
基準価額の計算式は、次のとおりです。


純資産総額は、組み入れている株式や債券などの有価証券を時価評価した額に、配当金や利息などの収入を加え、信託報酬などの費用を差し引いて求めます。具体的な数字で確認してみましょう。
| タイミング | 純資産総額 | 総口数 | 1万口あたりの基準価額 |
|---|---|---|---|
| 運用開始時 | 10万円 | 10万口 | 10,000円 |
| 1年後(運用益あり) | 12万円 | 10万口 | 12,000円 |
10万口で運用を開始したファンドが、1年後に純資産総額を12万円に増やしたとします。口数は変わらないため、1口当たりの価額は1.2円となり、1万口あたりの基準価額は10,000円から12,000円に上昇する計算です(信託報酬などのコストはないものとします)。
保有資産の時価はどう決まる?評価のルール
純資産総額のもとになる保有資産の時価は、業界の自主規制ルールによって評価方法が決められています。主な資産の評価方法は、次のとおりです。
| 資産 | 評価に使う値段 |
|---|---|
| 国内の上場株式 | 国内の取引所における計算日の最終相場(終値) |
| 海外の上場株式 | 海外取引所における、計算時に知りうる直近の日の最終相場 |
| 外貨建て資産の円換算 | 計算日の対顧客電信売買相場の仲値(TTM)をもとにしたレート |
出典:資産運用業協会(旧投資信託協会)「投資信託財産の評価及び計理等に関する規則」
海外の株式は、日本で基準価額を計算する時点で確定している直近の終値を使います。米国株であれば、前日の米国市場の終値が反映される仕組みです。外貨建ての資産は、計算日の日本時間午前10時ごろの為替レートで円に換算されます。この「時差」が、後述する海外資産ファンドの反映タイミングの違いにつながるわけです。
出典:資産運用業協会「投資信託なんでもQ&A気になる100選(投資信託の基礎知識)」
購入・換金するときの金額の計算例
実際に投資信託を購入すると、基準価額に応じた口数を受け取ることになります。基準価額が20,000円(1万口あたり)の投資信託を、購入時手数料なしで10万円分購入した場合の計算は、次のとおりです。
| 場面 | 計算式 | 結果 |
|---|---|---|
| 購入時に受け取る口数 | 10万円÷20,000円×10,000口 | 50,000口 |
| 基準価額22,000円で全額換金 | 50,000口×22,000円÷10,000口 | 110,000円(税引前) |
| 信託財産留保額0.3%がある場合 | 50,000口×22,000円×(1−0.003)÷10,000口 | 109,670円(税引前) |
信託財産留保額とは、換金時などに差し引かれ、信託財産に残される費用です。基準価額から信託財産留保額を差し引いた値段を「解約価額」と呼びます。信託財産留保額のないファンドでは、基準価額と解約価額は同じです。
購入時手数料がかかるファンドを金額指定で購入する場合は、購入代金から手数料と消費税を差し引いた金額で口数が決まります。費用の有無と金額は、交付目論見書で必ず確認しましょう。詳しくは、こちらの記事を参考にしてみてください。
基準価額はいつ決まる?公表タイミングとブラインド方式
基準価額は、原則として営業日ごとに1回算出されます。取引の申込を締め切った後に算出・公表されるため、投資家は当日の基準価額がわからない状態で注文を出すことになります。
基準価額は取引終了後に算出され、夕方〜夜に公表される
基準価額は、市場の取引終了後に保有資産の時価を集計して算出され、当日の夕方から夜にかけて運用会社や販売会社のウェブサイトで公表されるのが一般的です。公表の時刻は運用会社や販売会社によって異なります。
土日祝日など、国内の販売会社の休業日には基準価額は算出されません。週明けの月曜日に確認できるのは、直近の金曜日時点の基準価額です。
ブラインド方式の仕組み
基準価額が公表されるのは、投資信託の取引の申込を締め切った後です。投資家が当日の基準価額を知らない状態で取引する仕組みを「ブラインド方式」といいます。
- もし基準価額が確定した後に取引できると、値上がりがわかっているときだけ購入するといった行為が可能になり、すでに投資信託を保有している投資家の利益が損なわれてしまいます。ブラインド方式は、すべての投資家を公平に扱うための仕組みです。
申込の締切時刻について、資産運用業協会は換金の受付を「午後3時30分まで(投資信託によって異なる)」と案内しています。販売会社や申込方法によって受付時間が異なる場合もあるため、事前に確認しておきましょう。
海外資産ファンドは「前日の海外市場」が反映される
海外の株式や債券に投資するファンドでは、基準価額に反映される市場の日付が国内資産ファンドと異なります。先ほどの評価ルールのとおり、海外株式は計算時に知りうる直近の終値で評価されるためです。
| 基準価額の日付 | 反映される米国市場の終値 | 円換算に使う為替レート |
|---|---|---|
| 火曜日 | 月曜日の終値(日本時間の火曜早朝に確定) | 火曜日の午前10時ごろ |
| 金曜日 | 木曜日の終値 | 金曜日の午前10時ごろ |
| 月曜日 | 金曜日の終値(日本時間の土曜早朝に確定) | 月曜日の午前10時ごろ |
出典:三菱UFJアセットマネジメント「日本の休日・祝日明けのeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の基準価額には、いつの時点の株価が反映されていますか。」
たとえば、火曜日の夜のニュースで「昨夜の米国株が急落した」と知っても、その下落は火曜日の基準価額にすでに反映されています。
一方、火曜日の米国市場の動きが反映されるのは、水曜日の基準価額です。株価は前日の米国市場の終値、為替は基準価額を計算する日の午前10時ごろのレートが使われるため、米国株が上がっても円高が進めば基準価額が下がることもあります。
申込日・約定日・受渡日の違いを知っておこう
投資信託の売買では、注文を出した日、取引が成立する日、代金が動く日がそれぞれ異なります。国内株式ファンドと米国株式ファンドの代表例で比べてみましょう。
| 用語 | 意味 | eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX) | eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) |
|---|---|---|---|
| 申込日 | 購入・換金の注文を出した日 | 15時30分までの申込が当日分 | 15時30分までの申込が当日分 |
| 約定日 | 取引が成立し、適用される基準価額が決まる日 | 申込日の基準価額で約定 | 申込日の翌営業日の基準価額で約定 |
| 受渡日 | 購入代金の支払い、換金代金の入金が行われる日 | 申込受付日から起算して4営業日目 | 申込受付日から起算して5営業日目 |
出典:楽天証券「eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)」、楽天証券「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」
このように、国内資産中心のファンドでは申込日当日の基準価額で約定するのが一般的です。一方、海外資産を含むファンドは、申込日の翌営業日の基準価額が適用されるケースが多くなります。海外市場の休場日などは「申込不可日」として受付を停止するファンドもあります。
- 換金代金の入金も即日ではありません。資産運用業協会によると、MRF・MMFなどを除く投資信託の換金代金は、原則として換金の申込日から4営業日目以降に支払われます。急にお金が必要になる可能性がある場合は、ファンドごとの約定日と受渡日を事前に確認しておきましょう。
基準価額が変動する5つの要因
基準価額は、純資産総額の増減に連動して変動します。純資産総額が増えれば基準価額は上がり、減れば下がります。主な変動要因は、次の5つです。
| 要因 | 主な内容 | 基準価額への影響 |
|---|---|---|
| ①投資先資産の価格変動 | 組み入れた株式・債券などの時価の変動 | 上昇または下落 |
| ②インカムゲイン | 株式の配当金や債券の利息の受け取り | 上昇 |
| ③為替変動 | 円安・円高の影響(外貨建て資産のみ) | 円安→上昇、円高→下落 |
| ④分配金の支払い | 信託財産から分配金を支払う | 下落 |
| ⑤運用費用の支払い | 信託報酬などが日々差し引かれる | 下落 |
①投資先資産の価格変動
もっとも影響が大きい要因です。組み入れている株式や債券の時価が上がれば基準価額は上昇し、下がれば下落します。国内株式中心のファンドなら日経平均株価やTOPIX、米国株式中心のファンドならS&P500などの株価指数の動きと連動しやすくなります。
債券を組み入れるファンドでは、金利の変動も影響するでしょう。一般的に、金利が上昇すると債券価格は下がるため、基準価額の下落要因です。
②インカムゲイン(配当金・利息)の獲得
インカムゲインとは、資産を保有していることで得られる継続的な収入のことです。株式の配当金や債券の利息がファンドに入ると、純資産総額が増え、基準価額の上昇要因になります。
出典:資産運用業協会「投資信託なんでもQ&A気になる100選(投資信託の基礎知識)」
③為替変動
外国の株式や債券に投資するファンドでは、為替レートの変動も基準価額に影響します。円安になると外貨建て資産の円換算額が増えるため、基準価額の上昇要因です。反対に、円高は下落要因です。
為替ヘッジ(為替変動の影響を抑える仕組み)を行うファンドは、この影響を軽減できます。ただし、ヘッジにはコストがかかるため、その分が基準価額の押し下げ要因になる点も押さえておきましょう。
為替ヘッジの仕組みについてくわしく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてみてください。
④分配金の支払い
分配金は、投資信託の信託財産から支払われるお金です。そのため、分配金が支払われると、純資産総額と基準価額はその分だけ下落します。これを「分配落ち」といいます。
たとえば、基準価額10,000円のファンドが1万口あたり100円の分配金を支払った場合、他の変動要因がなければ、分配後の基準価額は9,900円になる計算です。分配金の詳しい仕組みは、後ほど解説します。
⑤運用費用(信託報酬など)の支払い
投資信託を保有している間は、運用管理費用(信託報酬)が信託財産から日々差し引かれます。年率で表示されていますが、実際には毎日少しずつ控除され、公表される基準価額は信託報酬を差し引いた後の値です。
- このほか、監査報酬や売買委託手数料なども信託財産から差し引かれます。長期で保有するほど費用の影響は積み重なるため、コストの低さはファンドを選ぶ際の重要な比較ポイントです。
なお、株価や基準価額が暴落したときでも、慌てる必要はありません。詳しくは、こちらの記事も参考にしてみてください。
基準価額が低い投資信託は割安?
「基準価額が低いファンドは割安で、たくさん口数を買えるからお得」と考える人は少なくありません。しかし、基準価額の水準だけで割安・割高を判断することはできません。ここでは、その理由を数値例で確認します。
基準価額の水準で割安・割高は判断できない
株式の場合、株価を利益や純資産と比べて割安かどうかを判断する方法があります。一方、投資信託の基準価額は、保有資産の時価をそのまま口数で割った値です。そのため、基準価額が低いからといって、中身の資産が割安に評価されているわけではありません。
| 項目 | ファンドA | ファンドB |
|---|---|---|
| 購入時の基準価額 | 10,000円 | 20,000円 |
| 購入できる口数 | 10万口 | 5万口 |
| その後の値上がり率 | +10% | +10% |
| 値上がり後の基準価額 | 11,000円 | 22,000円 |
| 評価額 | 11万円 | 11万円 |
※購入時手数料・信託報酬・税金は考慮していない単純化した例です。
ファンドAは多くの口数を買えますが、値上がり率が同じなら、利益は同じ1万円です。大切なのは基準価額の水準ではなく、今後の値上がり率(騰落率)であり、それは投資対象と運用の中身で決まります。
「基準価額が高い=良いファンド」も誤解
反対に、基準価額が高いファンドが優れているとも限りません。多くのファンドは1万口=10,000円から運用を始めるため、同じ指数に連動するファンドでも、設定(運用開始)の時期が違えば基準価額に差が生まれます。
また、分配金を多く出すファンドは基準価額が下がりやすく、分配金を出さないファンドは基準価額が積み上がりやすくなります。ファンドの実力を比べるときは、分配金を含めたトータルリターンや、同じ期間の騰落率、リスクに対するリターンの効率を示すシャープレシオを参照しましょう。
シャープレシオについてくわしく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
基準価額が1万円を下回っていても損とは限らない
「基準価額が10,000円を下回っている=損をしている」という判断も正確ではありません。損益は、自分が購入したときの基準価額と比べて決まるためです。さらに、分配金を受け取っている場合は、その分も含めて考える必要があります。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 購入時の基準価額 | 10,000円 |
| 現在の基準価額 | 8,000円 |
| これまでに受け取った分配金の累計 | 4,000円 |
| トータルの損益 | 8,000円+4,000円−10,000円=+2,000円 |
※税金・手数料は考慮していません。
基準価額だけを見ると2,000円のマイナスですが、分配金の累計を加えると、実際には2,000円のプラスです。基準価額の上下だけで運用成績を判断せず、分配金を含めたトータルの損益で確認しましょう。
分配金と基準価額の関係(普通分配金・元本払戻金)
分配金は、投資信託が運用で得た収益などを、保有口数に応じて投資家に還元するお金です。支払い頻度は毎月から年1回までさまざまで、状況によっては支払われないこともあります。
分配金には、課税される「普通分配金」と、課税されない「元本払戻金(特別分配金)」の2種類があるので覚えておきましょう。分配金が支払われる際、分配後の基準価額が自分の個別元本(購入時の基準価額)を下回る場合、下回った部分は元本払戻金として扱われます。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 個別元本(購入時の基準価額) | 10,000円 |
| 分配前の基準価額 | 10,300円 |
| 分配金 | 500円 |
| 分配後の基準価額 | 9,800円 |
| 普通分配金(課税) | 300円(分配前の基準価額−個別元本) |
| 元本払戻金(非課税) | 200円(分配金−普通分配金) |
| 分配後の個別元本 | 9,800円(10,000円−元本払戻金200円) |
この例では、分配金500円のうち200円は、実質的に自分が投資した元本の一部が戻ってきただけです。株式投資信託の普通分配金には、20.315%(所得税・復興特別所得税15.315%、住民税5%)の税金がかかります。一方、元本払戻金は元本の払い戻しとみなされるため非課税です。
分配金が多いことは、必ずしも運用がうまくいっていることを意味しません。分配金の金額だけでなく、分配後の基準価額の推移とあわせて確認しましょう。詳しくは、こちらの記事も参考にしてみてください。
運用成績はトータルリターンで確認しよう
分配金を含めた損益を自分で計算するのは手間がかかります。そこで活用したいのが、販売会社が通知するトータルリターンです。
- トータルリターンの通知制度は、投資家が実際に受け取った分配金額を含めた損益を把握できるよう、2014年12月に導入されました。通知は販売会社が作成し、年1回以上通知することになっています。販売会社によっては「投資損益」「運用損益」「累積損益」などの名称で表示されている場合もあります。
ネット証券や銀行では、ログイン後のマイページで保有ファンドごとの損益をいつでも確認できることが多いでしょう。また、運用会社が決算ごとに作成する「交付運用報告書」には、運用経過や今後の方針、実際にかかった費用などが記載されています。基準価額の日々の変動に一喜一憂するより、こうした資料を定期的に確認するほうが、運用の実態を正しく把握できます。
投資信託だけでなく、他の投資商品も組み合わせてリスク管理を行うことが大切です。以下の記事を参考に、あなたにあった投資商品を探してみてください。
出典:日本証券業協会「投資の時間」トータルリターンの通知制度
出典:資産運用業協会「投資信託なんでもQ&A気になる100選(現在、運用をしている人)」
基準価額の確認方法
基準価額の主な確認方法は、次の4つです。
| 確認先 | 特徴 |
|---|---|
| 販売会社(証券会社・銀行)のウェブサイト | 保有ファンドの基準価額・前日比・評価額をまとめて確認できる |
| 運用会社のウェブサイト | 基準価額の推移に加え、月次レポートや目論見書、運用報告書も閲覧できる |
| 資産運用業協会「投信総合検索ライブラリー」 | 運用会社をまたいで投資信託を検索し、基準価額などを調べられる |
| 新聞 | 一部の新聞には前営業日の基準価額が掲載されている(掲載は一部のファンドに限られる) |
出典:資産運用業協会「投資信託なんでもQ&A気になる100選(投資信託の基礎知識)」
運用会社や販売会社のサイトで表示される「基準価額(分配金再投資)」は、分配金を受け取らずに再投資したと仮定して計算した値です。分配金を出すファンド同士の成績を比べるときは、こちらの推移を見ると実力を比較しやすくなります。
出典:三菱UFJアセットマネジメント「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」
日中に基準価額のおおよその値を把握する方法
基準価額は1日1回しか公表されないため、取引時間中に正確な値を知ることはできません。ただし、インデックスファンドを保有している場合は、連動する株価指数の値動きから、おおよその基準価額を推測できます。
たとえば、日経平均株価に連動するインデックスファンドの前日の基準価額が15,000円で、日経平均が前日比+2%で推移していれば、当日の基準価額は15,300円前後と推測できます。同じ指数に連動するETFがあれば、その市場価格も参考になるでしょう。
ただし、この方法はあくまで概算値です。実際の基準価額は信託報酬の控除や、ファンド内の銘柄構成比率と指数の微妙な差異(トラッキングエラー)によって、指数の動きと完全には一致しない点は理解しておきましょう。
この記事のまとめ
基準価額は、投資信託の純資産総額を総口数で割って求められ、一般に1万口あたりの金額で公表されます。投資先の値動きや為替、分配金、費用などによって変動しますが、その水準だけで割安・割高や運用の良し悪しは判断できません。まずは販売会社の画面で、保有口数や評価額、分配金を含めた損益を確認しましょう。購入を検討する際は、目論見書で適用される基準価額の日付や費用を確かめ、同じ期間の運用実績も比較することが大切です。

金融系ライター
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,000記事以上の執筆実績あり。
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,000記事以上の執筆実績あり。






