確定拠出年金の資産を移管しないとどのような問題や不利益がありますか?
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2025/01/24 23:38
男性
40代
確定拠出年金の資産移管手続きが煩雑で後回しにしてしまっていますが、もし移管しなかった場合、将来的にどのようなデメリットがあるのでしょうか?老齢給付金の受取や税制面での影響など、具体的なリスクを教えていただけると助かります。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
確定拠出年金を移管しないまま放置すると、資産は国民年金基金連合会の「特定管理口座」に自動移換され、年0%近い定期預金で保管されながら毎年およそ2,500円の管理手数料だけが引かれます。運用益が出ないうえ元本が少しずつ目減りするため、複利を生かした資産形成の機会を完全に失います。さらに、自動移換期間は確定拠出年金の加入期間に算入されず退職所得控除の勤続年数が短くなるため、一時金受取時の控除枠が縮小し納税額が増えるリスクも高まります。追加拠出やスイッチングも行えず、長期化すれば資産の所在確認や移換時の書類手続きが煩雑化するうえ、5年超の放置で事業主掛金部分の扱いが複雑になる場合もあります。こうした不利益を避け、税優遇と運用を継続するには、退職後6か月以内にiDeCoや新しい企業型DCへ速やかに移管し、早期に運用を再開することが不可欠です。
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iDeCo(イデコ/個人型確定拠出年金)
iDeCo(イデコ)とは、個人型確定拠出年金の愛称で、老後の資金を作るための私的年金制度です。20歳以上65歳未満の人が加入でき、掛け金は65歳まで拠出可能。60歳まで原則引き出せません。 加入者は毎月の掛け金を決めて積み立て、選んだ金融商品で長期運用し、60歳以降に年金または一時金として受け取ります。加入には金融機関選択、口座開設、申込書類提出などの手続きが必要です。 投資信託や定期預金、生命保険などの金融商品で運用し、税制優遇を受けられます。積立時は掛金が全額所得控除の対象となり、運用時は運用益が非課税、受取時も一定額が非課税になるなどのメリットがあります。 一方で、証券口座と異なり各種手数料がかかること、途中引き出しが原則できない、というデメリットもあります。
確定拠出年金
確定拠出年金は、毎月いくら掛金を拠出するかをあらかじめ決め、その掛金を自分で運用して増やし、将来の受取額が運用成績によって変わる年金制度です。会社が導入する企業型と、自分で加入する個人型(iDeCo)の二つがあり、掛金は所得控除の対象になるため節税効果があります。 運用対象は投資信託や定期預金などから選べ、運用益も非課税で再投資される仕組みです。60歳以降に年金や一時金として受け取れますが、途中で自由に引き出せない点に注意が必要です。老後資金を自ら準備し、運用の成果を自分の年金額として受け取る「自助努力型」の代表的な制度となっています。
国民年金基金連合会
国民年金基金連合会は、国民年金法に基づき設立された公的な年金制度であり、国民年金(老齢基礎年金)に上乗せして、自営業者など国民年金の第1号被保険者の老後の所得保障の役割を担うものです。 国民年金基金連合会は、転居や転職により基金の加入員資格を喪失した中途脱退者に対して、年金や遺族一時金の支給を行っています。また、平成14年からは確定拠出年金の個人型年金の実施主体として、規約の作成や掛け金の収納業務なども行っています。 退職等により加入していた企業型DCを脱退し、6ヶ月以上移管の手続きを行わなかった場合、国民年金基金連合会に自動的に移管されます。その場合、現金で保管されるため追加の積立や運用指図を行うことができず、さらに移管時と保管時に手数料がかかります。