ユニット・リンクが向かない人の特徴があれば、教えてください。
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2025/07/07 11:09
男性
50代
ユニット・リンクは保障と運用を一体で管理できる反面、元本保証がなくコストも複雑と聞きます。近い将来に資金を使う予定がある場合や、手数料を最小化したい人には不利とも言われますが、具体的にどのような人が避けた方が良いのでしょうか?
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
ユニット・リンクが向かないのは、まず元本割れの可能性を受け入れられない人です。変額保険は市場変動を直接受けるため、満期前や解約時に払込総額を下回るリスクがあります。
次に、10年以内に教育費や住宅購入資金など確定した支出予定がある人です。契約初期に解約すると解約控除が差し引かれ、損失が膨らむ恐れがあります。
さらに、運用効率を最優先し、手数料に敏感な人には不向きです。ユニット・リンクでは保険関係費に加えファンドの信託報酬など多段階のコストがかかり、NISAやiDeCoなど低コストの制度と比較すると実質利回りが下がりやすいからです。また、保険と投資を明確に分けたい人、あるいは運用管理を極力シンプルにしたい人も適合度が低いといえます。
ユニット・リンクはファンド配分やスイッチングを主体的に行う運用姿勢が求められるため、運用判断を任せきりにしたい場合はストレス要因となります。これらの特徴を踏まえ、元本確保型の保険やインデックス投資を組み合わせるなど代替策の検討が重要です。
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信託報酬
信託報酬とは、投資信託やETFの運用・管理にかかる費用として投資家が間接的に負担する手数料であり、運用会社・販売会社・受託銀行の三者に配分されます。 通常は年率〇%と表示され、その割合を基準価額にあたるNAV(Net Asset Value)に日割りで乗じる形で毎日控除されるため、投資家が口座から現金で支払う場面はありません。 したがって運用成績がマイナスでも信託報酬は必ず差し引かれ、長期にわたる複利効果を目減りさせる“見えないコスト”として意識されます。 販売時に一度だけ負担する販売手数料や、法定監査報酬などと異なり、信託報酬は保有期間中ずっと発生するランニングコストです。 実際には運用会社が3〜6割、販売会社が3〜5割、受託銀行が1〜2割前後を受け取る設計が一般的で、アクティブ型ファンドでは1%超、インデックス型では0.1%台まで低下するケースもあります。 同じファンドタイプなら総経費率 TER(Total Expense Ratio)や実質コストを比較し、長期保有ほど差が拡大する点に留意して商品選択を行うことが重要です。
元本保証
元本保証とは、投資や預金において、満期まで保有すれば最低でも投資した元本が保証される仕組みを指します。銀行預金や一部の保険商品などが該当し、元本が減るリスクを抑えられるため、安全性を重視する人に向いています。しかし、元本保証がある商品は一般的に利回りが低く、インフレによる実質的な購買力の低下を考慮する必要があります。
解約控除
解約控除とは、保険や一部の投資商品を契約期間の途中で解約した場合に、契約者が受け取る解約返戻金などから差し引かれる手数料のことをいいます。特に契約から数年以内など、早い段階で解約した際に高めに設定されていることが多く、実際に受け取れる金額が大きく減ってしまうことがあります。 この制度は、販売時にかかった初期費用や運用の準備にかかるコストを回収するために設けられていますが、契約者にとっては思ったよりも少ない金額しか戻ってこないというリスクにつながります。そのため、商品選びの際には解約控除の有無やその金額、期間などをよく確認し、「途中で解約したらどうなるか」をあらかじめ理解しておくことがとても大切です。長期での運用を前提とした商品には特に注意が必要です。
実質利回り
実質利回りとは、資産運用において、名目上の利回りから運用コストや税金、インフレの影響を差し引いた後の、実際に得られる利益率を示す指標です。金融資産や不動産など、さまざまな資産運用の分野で活用され、投資の収益性をより正確に評価するために重要な役割を持ちます。 金融資産においては、債券や定期預金などの固定利回りの金融商品では、インフレ率が名目利回りを上回ると実質利回りがマイナスになり、資産価値が目減りするリスクがあります。そのため、投資家は名目利回りだけでなく、インフレ調整後の実質利回りを確認することで、資産の購買力を維持しながら運用することができます。 不動産投資では、実質利回りは単なる表面利回りとは異なり、賃貸収入から管理費、修繕費、固定資産税、ローンの利息などのコストを差し引いた後の利益をもとに算出されます。さらに、インフレによって家賃が上昇すれば実質利回りが向上する一方で、維持費の増加によって利回りが低下する可能性もあります。そのため、不動産投資では、地域の経済成長や賃料の上昇余地を考慮しながら、実質利回りを長期的に評価することが求められます。 資産運用全体において、実質利回りを考慮することで、単なる表面上の収益ではなく、実際に資産を増やすための正確な指標を得ることができます。運用コストや税金、インフレといった要素を踏まえて投資判断を行うことが、資産の成長と保全のために不可欠です。
変額保険
変額保険とは、死亡保障を持ちながら、保険料の一部を投資に回すことで、将来受け取る保険金や解約返戻金の金額が運用成績によって変動する保険商品です。 保険会社が提供する複数の投資先から自分で選んで運用することができるため、運用がうまくいけば受け取る金額が増える可能性があります。 ただし、運用がうまくいかなかった場合は、受け取る金額が減ることもあります。保障と資産運用の両方を兼ね備えた商品ですが、元本保証がない点には注意が必要です。投資初心者の方には、仕組みを十分に理解したうえで加入することが大切です。
リスク許容度
リスク許容度とは、自分の資産運用において、どれくらいの損失までなら精神的にも経済的にも受け入れられるかという度合いを表す考え方です。 投資には必ずリスクが伴い、時には資産が目減りすることもあります。そのときに、どのくらいの下落まで冷静に対応できるか、また生活に支障が出ないかという観点で、自分のリスク許容度を見極めることが大切です。 年齢、収入、資産の状況、投資経験、投資の目的などによって人それぞれ異なり、リスク許容度が高い人は価格変動の大きい商品にも挑戦できますが、低い人は安定性の高い商品を選ぶほうが安心です。自分のリスク許容度を正しく理解することで、無理のない投資計画を立てることができます。