「NASDAQ100」と「NASDAQ総合指数」の違いは何ですか?
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2025/06/26 11:59
男性
30代
米国株インデックスに投資する際、「NASDAQ100」と「NASDAQ総合指数」という似た名前の指標を見かけますが、これらは同じものではないのでしょうか?それぞれの違いや特徴、どんな投資家に向いているかも含めて教えてください
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
NASDAQ100とNASDAQ総合指数は、それぞれ異なる企業群を対象とする株価指数であり、構成内容や投資対象としての性格が大きく異なります。
NASDAQ100は、NASDAQ市場に上場している企業のうち、金融業を除いた時価総額上位100社で構成されています。Apple、Microsoft、Amazon、NVIDIA、Metaなどの大型グロース株が中心で、セクター的にはテクノロジー、通信、一般消費財などに偏っています。
株価の成長性に注目する投資家から人気が高く、代表的なETFとして「インベスコQQQトラスト(Invesco QQQ Trust, Series 1)」があります。ティッカーコードはQQQで、世界的に取引量が多いETFのひとつです。名称に含まれる「Series 1」は、米国の投資信託制度上の形式的な名称であり、シリーズ2や3などの別バージョンが存在するわけではありません。日本国内でも、このQQQに連動するインデックスファンドが多数存在しており、楽天・NASDAQ-100インデックス・ファンドやiFreeNEXT NASDAQ100インデックスなどは、つみたてNISAの対象商品としても利用できます。
一方、NASDAQ総合指数(NASDAQ Composite Index)は、NASDAQ市場に上場しているすべての銘柄、すなわち約3,000社以上を対象とする包括的な株価指数です。大型株から小型株、外国企業、金融、製薬、製造業などを含み、より幅広い業種と企業規模をカバーしています。市場全体の動向を測る指標としては有用ですが、構成銘柄数が多いため、これに連動するETFや国内の公募インデックスファンドは非常に少ないのが現状です。米国籍ETFの中では、Fidelity社が提供するONEQ(Fidelity NASDAQ Composite Index ETF)が該当しますが、QQQに比べて流動性が低く、日本国内の証券会社での取扱いも限られています。
比較項目 | NASDAQ100 | NASDAQ総合指数 |
---|---|---|
構成銘柄数 | 約100社(非金融業中心) | 約3,000社以上(NASDAQ上場の全銘柄) |
主な銘柄 | Apple、Amazon、NVIDIA、Metaなど | 小型株、外国株、金融・製造業など幅広い銘柄 |
セクターの偏り | テクノロジー・通信・一般消費財に集中 | 業種分散が広く、より包括的 |
金融業の扱い | 含まない | 含む |
投資対象としての役割 | 成長株中心のインデックスとして活用されます | 市場全体のベンチマークとして利用されます |
主な連動ETF/投信 | QQQ(Invesco QQQ Trust)、楽天・NASDAQ-100など | ONEQ(Fidelity社、国内での取扱いは限定的です) |
国内インデックス投信 | 豊富で、つみたてNISA対象ファンドも多数あります | 現状ではほとんど存在していません |
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