積立NISAはやめたほうがいいと言われました。デメリットや注意点を教えて下さい
解決済み
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2025/01/09 22:49
男性
30代
NISAを使った資産運用を検討しています。まずはコツコツ積み立てようと、積立NISAを検討しています。しかし、知人に相談したところ、積立NISAはやめたほうがいいと言われました。 積立NISAにはどのようなデメリットがあるのでしょうか?
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
新NISAの「つみたて投資枠」は、2024年にスタートした制度で、年間120万円(毎月最大10万円)まで非課税で積立投資ができる仕組みです。
この制度には多くのメリットがあります。まず、運用益が非課税になるため、税金を気にせず効率よく資産を増やすことが可能です。また、iDeCoとは異なり資金の引き出しに制限がないため、急な現金需要にも柔軟に対応できます。さらに、毎月積立てることで購入タイミングが分散され、市場変動リスクを抑える効果があります(これをドルコスト平均法と呼びます)。加えて、投資商品を売却した場合にはその分の非課税枠が翌年に復活するため、計画的で柔軟な運用が可能です。
一方で、注意すべきデメリットもあります。年間120万円という上限があり、大きな資金を短期間で投資したい人には物足りなく感じるかもしれません。また、投資対象が長期運用向けの投資信託やETFに限定されているため、短期的な利益を重視する人には不向きです。さらに、NISA口座は非課税であるため、損失が出ても他の口座と損益通算ができません(損益通算とは、損失を他の投資の利益と相殺して税負担を減らす仕組みです)。最後に、投資である以上、元本割れのリスクがある点も理解しておく必要があります。
知人の方が「やめたほうがいい」と言った理由として、これらのデメリットに懸念を持った可能性があります。特に、短期的な利益を重視する投資スタイルの方には、つみたて投資枠の使用が合わないと感じるかもしれません。
しかし、新NISAでは「つみたて投資枠」と「成長投資枠(年間240万円)」が併用できます。そのため、短期投資は成長投資枠や特定口座で行い、つみたて投資枠ではリスクを抑えた長期運用を行うという使い分けが有効です。
新NISAの仕組みを正しく理解し、ご自身の運用目的やライフプランに合わせて活用すれば、これらのデメリットを克服しつつメリットを最大限に引き出すことができます。長期目線で柔軟に取り組むことが、資産運用を成功に導く鍵となるでしょう。
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NISA
NISAとは、「少額投資非課税制度(Nippon Individual Saving Account)」の略称で、日本に住む個人が一定額までの投資について、配当金や売却益などにかかる税金が非課税になる制度です。通常、株式や投資信託などで得られる利益には約20%の税金がかかりますが、NISA口座を使えばその税金がかからず、効率的に資産形成を行うことができます。2024年からは新しいNISA制度が始まり、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つを併用できる仕組みとなり、非課税期間も無期限化されました。年間の投資枠や口座の開設先は決められており、原則として1人1口座しか持てません。NISAは投資初心者にも利用しやすい制度として広く普及しており、長期的な資産形成を支援する国の税制優遇措置のひとつです。
つみたてNISA
つみたてNISAとは、少額からの長期・積立・分散投資を応援するために、国が用意した税制優遇制度のひとつです。正式には「少額投資非課税制度(NISA)」の一種で、一定の条件を満たした投資信託やETFに積立投資をすることで、その運用益や分配金が最長20年間、非課税になります。 対象商品は金融庁が選定した長期投資にふさわしい商品に限られているため、初心者でも安心して始めやすい制度です。毎年の投資上限額が決まっており、計画的に資産を育てていくのに向いています。将来の資産形成を目指す人にとって、つみたてNISAは非常に有効な選択肢のひとつです。
積立投資
積立投資とは、一定のサイクル(例:毎月や毎週など)で、あらかじめ決めた金額ずつ同じ銘柄や投資信託などを購入していく投資手法です。 この方法は、一度にまとまった資金を投じる「一括投資」とは異なり、少額から始められるのが特徴です。また、購入時期を複数回に分散できるため、相場が高いタイミングで一度に大量購入してしまうリスク(いわゆる高値づかみ)を抑えられると期待されています。 具体的には、「相場が下がったときはより多くの口数や株数を買える」「相場が高いときは割高な投資を抑えられる」という形で、平均取得単価が平準化される効果があります。この仕組みは英語で「ドルコスト平均法(Dollar Cost Averaging)」とも呼ばれ、特に長期運用を考えている初心者からベテランまで、多くの投資家が活用している戦略です。 ただし、積立投資を行ったからといって必ずリスクが軽減されるわけではなく、投資対象自体の価格が大きく下落した場合には損失が出る可能性もあります。したがって、積立する商品や期間、目標リスクなどをしっかり考えたうえで、自分の資産配分に合った方法を選ぶことが大切です。
iDeCo(イデコ/個人型確定拠出年金)
iDeCo(イデコ)とは、個人型確定拠出年金の愛称で、老後の資金を作るための私的年金制度です。20歳以上65歳未満の人が加入でき、掛け金は65歳まで拠出可能。60歳まで原則引き出せません。 加入者は毎月の掛け金を決めて積み立て、選んだ金融商品で長期運用し、60歳以降に年金または一時金として受け取ります。加入には金融機関選択、口座開設、申込書類提出などの手続きが必要です。 投資信託や定期預金、生命保険などの金融商品で運用し、税制優遇を受けられます。積立時は掛金が全額所得控除の対象となり、運用時は運用益が非課税、受取時も一定額が非課税になるなどのメリットがあります。 一方で、証券口座と異なり各種手数料がかかること、途中引き出しが原則できない、というデメリットもあります。